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316:大絶賛
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砂漠の端に戻って晩御飯だ。
麺類が続いているので、今日は軽いもの。
砂漠の民の食事。干トカゲ肉とサボテン。と、お酒。
あとは、お酒のあてです。
そのときにいろいろパスタとラーメンの種類をマティスに教える。
これで、故郷以上のパスタとラーメンが食べられるのだ。素晴らしい!!
月が沈めば食事、鍛錬とこなしていき、
半分過ぎにセサミンたちがこちらに来ることになった。
「井戸掘らないとね。」
「そうだな。あの井戸はどうやって作たんだろうな。」
「やっぱり領主の力で水脈を探したんじゃないのかな?」
「そうか。セサミナが来たら頼もう。」
「そうだね。ここの生活は極力砂漠の民で行こう。
不便があればあるほど便利なように改造できる。」
「おもしろい考え方だな。」
「そう?」
半分過ぎに、駱駝馬に乗ったセサミンたちが、
林沿いの砂漠側からやって来た。
「あれ?砂漠に出てたの?」
「綿畑です。この林の向こう側ですね。ゴムの木も順調に育っています。」
「そうなんだ。来て早々悪いんだけど、井戸ってどうしたらいい?」
「ああ、水脈はわかります。掘り下げるのは領民に頼みますか?」
「ううん。水脈だけ教えてくれる?あとは、ま、こっちでするから。」
「わかりました。」
セサミンは家の周りをゆっくり歩いていく。
それでわかるんだ。すごいな。
その間に駱駝馬の世話もしておく。
砂漠なのでテンたちは留守番らしい。
最初テンたちが来た時はもう自分たちの仕事はなくなったのかと、がっかりしたが、
砂漠に出るときは自分たちなので、ほっとしたらしい。
テンたちうまくやっているそうだ。
馬も人間も一緒だね。
「姉さん!かなり深いですが、この下に通っていますね。
家から近い場所になると、ここですかね。」
「おお!領主様!ありがとうございます!!」
「あははは!姉さんにそういわれるとなんだか照れます。」
「うふふふ。そう?ありがとうね。
ちょっと先に作ってしまおうかな、あとで、水を使うからね。」
イリアスの湖に沈んでる軽石は先に持ってきている。
端の村のように砕いて固めればいい。
お願いしますだけどね。
『遠くコットワッツの砂漠に呼ばれし樹石たち。
深く深く流れる命の水を我らに届けておくれ。
固めよ、砂の大地を。
届けよ、水を。
命潤す礎となれ!』
砂に潜るように軽石が沈んでいく。
あら?足りるかしら?
腰の高さほどに積みがって動きを止めた。
『ちょっと!素晴らしすぎるよ!君たち!
熱は出すはその後は優れた建築資材だわ!
なに?ハイブリット?いや、意味は違うかもしれないけど!
エコ!エコロジー最先端!
しかもエコロジカル!!これも意味はちがうとおもうけど!!
最新の建築資材として取材殺到!
マネージャーを10人は雇わないとやっていけない!
素晴らしい!!もうそれしか言えない!』
ほんと素晴らしい!
「みんな拍手だよ!!」
みなで拍手をして称えた。
「愛しい人はいつもそのように絶賛するな。」
「もちろん!これを絶賛せずになにを絶賛するというの?
あ!もちろん、水脈を見つけたセサミンも大絶賛だ!素晴らしい!!」
今度はセサミンに拍手だ。
「そんな、これは照れますね。」
いやん、かわいい。
「ふん!セサミナ、いい気になるなよ!」
「ふふん!兄さんが悔しがるというのはなかなかに気持ちがいいですね。」
仲がいいなーとわたしとルグたちはうんうんと頷いた。
「兄さん!すごい!おいしい!!」
マティス大好きっ子のセサミンが、
マティスの作ったラーメンを大絶賛だ。
いや、身内だけならいいけど、一応配下がいるから、
そんなに兄ちゃん大好きっ子を
出していいのかね、とねーちゃんは心配だ。
「マティス様!すごいです。もう、これがなくては生きていけません!」
「わたしもです。これと甘味があればそれだけで生きて行けます!」
うん、配下も同じだ。
「そうだろう?
これを食べさせたときのワイプの絶望が目に浮かぶわ!はははは!!」
どこの悪の組織の首領なんだ?
もちろんわたしは味見の段階で大絶賛している。愛している!!
「これは兄さんたちしか作れないものですか?」
「誰でも作れるよ?」
「はー、素晴らしい!ぜひ食の祭りに出してほしい。
そこから広まっていくのがいちばんいい。」
「んー。食の祭りは客側で参加したいな。レシピ、作り方教えるから
誰かにしてもらってほしいな。」
「え?いいのですか?」
「もちろん。あとはおうどんとパスタがあるけど、んー、この二つより
ラーメンの方がいいかな?」
「またちがうものがあるのですか?」
「うん、麺類ね。小麦があればできるから。」
「素晴らしいです。」
「ふふふふ。喜んでもらえてよかったよ。」
「はー、おいしいものを食べると幸せですね。」
「そうだね。ひもじい思いはしたくないね。
じゃ、甘味も出そうか。あっさりとウリのシャーベットね。」
「さ、今回はラーメンの報告じゃないからね。
ここで問題だ。
水に鉄を入れると、どうなる?」
「浮きます。」
「うん。じゃ、木材は?」
「沈みます。」
「船はなにでできている?」
「?鉄です。」
「そうだね。」
「姉さん?それは知ってますよ?」
くっ。腹筋が!
首をちょっと傾けるのがかわいいし、マティスもそっくりにものまねしていた。
マティスが噴出すのを我慢しているのもおかしい!
「うん、うん。そう。ま、もうちょっと質問に答えていってね?」
「ええ。」
「砂は水に沈む?」
「ええ、沈みます。」
「コットワッツの砂漠から消えたとわかっているのは動植物と砂漠石、海峡石?」
「動物は近くの森に避難していたようです。」
「あ!そうなの?よかったね。んー、でも森の生態系が崩れるかもしれない。
それは自然のことだから大丈夫なのかな?」
「わかりません。それも研究の課題に挙がっています。」
「そう。することはいっぱいあるね。うん。
じゃ、次ね。砂に鉱石が含まれているのは知っている?」
「それは姉さんに言われた初めて知りました。
しかし、呼び寄せではわたしたちしかできないことなので、
公にはできません。」
「そうだね。みなができる方法で採取しないとね。
で、ここから本題。ここにザバスさんとこで買った樽があります。
ここにお水をなみなみと入れます。
で、砂も同じように入れます。
さ、どうなるでしょうか?」
「?砂は沈みますよ?で、鉱物類は浮くでしょ?あ!!!!」
黙って聞いていたルグたちも樽をのぞき込む。
表面には金銀、鉄、銅と浮いている。
あとは呼び寄せるか、普通に分別するのはたやすいだろう。
「どうよ?今日の大絶賛大賞はねーちゃんであろう?」
「姉さん、姉さん!素晴らしい!!」
「故郷でもね、砂金が出るところは、水で、流すのよ。
その場合、金は重いから残るの。
こっちは逆なんだよね。
なんにせよ、砂には鉱物が。水に浮かせば分離する。
これはまだ、極秘扱いかな?
もう少し砂の成分というかそういう研究をしてからの方がいいね。
鉱物学も研究すべしです。」
「はい!」
「んじゃ、そんなところで、報告2は終わります。
あ、魚の切り身は、持って帰って研究してください。
昆布締めをつくるには故郷のお酒を使ったけど、
1日干して、オイル漬けにしたものはなかなかにおいしいよ。
ちょっと食べてみる?」
「もちろん!」
ツナマヨ、それをいれたおにぎりを出す。
む、ラーメンの後では感動が薄いか、残念。
それでも、喜んでくれた。
「冷やすこと。冷凍か、冷蔵することで臭みが取れるのかもしれないね。
下準備も大事だけどね。
それも要研究だね。冷蔵庫と冷凍庫はやはり食の祭りで?」
「紹介ができる段階ですね。雨の日以降です、量産は。
館の者たちには先に使ってもらってます。
改良は日々行っています。」
「そのさ、温度調整版って一生ものではないよね?
どれぐらい持つの?」
「それはまだわかりません。第一弾ではそのことを踏まえて販売するつもりです。
1年は保証するつもりです。」
「そうか、期間内に効力が切れたら交換しますってことを保証するのね。
次からはそれを踏まえて販売すればいい。
石だけだと、力が無くなったら砂になって消えるんでしょ?
開けられない箱に入れておくべきだね。
で、その箱を持ってきてもらって交換すると。
じゃないと、まだ使えるのになくなったって言ってくる輩がいるからね。」
「なるほど!」
「人を信じたいけど、いいお客さんばっかりじゃないからね。
そういう人は少なからずいる。それを含めて価格をあげてもいいけど、
そしたら、いいお客さんに負担を強いることになるから、それは避けたいよね。」
「はい!」
「ん。じゃ、そういうことで。報告は以上です。
そちらから何か質問はありますか?」
「はい!」
「はい!ドーガー君」
「はい!新しい甘味として、リンゴ、リンゴの甘煮、
ウリのしゃーべっとと頂きました。
他には?」
「ふふふふ。もちろんあります。これが終わってからです。
そして、ドーガー君には昆布醤油なるものもあります。」
「!!聞くだけでうまそうです!」
「ほかには?」
「モウ殿とマティス様はここに住まうのですか?」
「んー、とりあえずの拠点です。
食の祭りが終われば、また、出かけます。
カエルを狩らねばなりません。」
「カエル!あのイリアスのですか?」
「そう、知ってる?ガイライに4枚もらったのよ。
もらいっぱなしは悪いからね。」
「4枚も!さすがガイライ殿といったところですが、それをモウ殿に。
すごいですね。」
「価値を知らなかったのよ。でも、虫よけになるの。
けっこう便利に使っています。」
「あのカエルの羽根を虫よけに・・・」
「あの、姉さん。やはり妻たちに会ってもらえないでしょうか?
どうしても会いたいというのです。」
「うふふふふ。それは奥さんたちの気持ちだろう?
わたしはそれに答える義理はない。
礼を言いたい、感謝したいとかいうのなら、わかっている。
なにかをしたいというのなら、それを自分の旦那にしろといって頂戴。」
「はぁ、ですよね。」
「あははは!強く言われたの?困った奥方たちだね。
今の返事を言ってまだ食い下がる様なら、どうして?って
やさしく、やさしく、個別に聞いてあげな?
きっと、わたしに対して警戒してるんだよ。」
「警戒ですか?」
「そう。どんな女かわからないのが、
自分の旦那の近くにいるんだ、警戒してるんだよ。
そんな必要ないのにね。セサミンは懇切丁寧に奥さんたちを大事にしなさいな。
間違っても、姉さんは素晴らしい人だとか言っちゃだめだよ?
あれは姉なのだと。そのように焼餅を焼くお前がかわいいと、ね。」
「な!そんなこと!!」
「あはははは!決して責めたりしちゃだめだ。
むしろ焼餅を焼くことを喜ばないとね。ね?マティス?」
「そうだな。私も愛しい人がなにかに焼餅を焼くのはうれしいな。
だが、そんな勘違いはすぐに解消される。その過程がさらにうれしい。」
「兄さん、もう、いいです。わかりましたから。」
「さ、そんなところだね。
さすがに寒くなってきたね。暖炉に火を入れようか。
それで、おいしいお茶をいれて御餅を焼こう。五平餅もどきだけどね。
これにあんこ付けるなり、砂糖醤油を付けるなり。
あの絨毯を引いて、暖炉の前で食べようか。」
暖炉にくべた樹石はとても暖かだ。
明日は湿地から国境沿いにあのイカダで行く。
昨日のセサミナの話では動物は近くの森に移動しているという。
ならば、砂トカゲもか?
砂漠石が無くなり、サボテンの実もなくなったのに何を食べるのだろうか?
「やっぱり、小さな動物?」
「そうなるな。」
「んー、そうするとさ、砂トカゲの味が変わるね。」
「どうして?」
「砂漠石とサボテンの実だから臭みもない肉だったんだと思うよ?
草食だよね。肉を食べると臭みがでる。
肉食にする動物はたいてい草食だよ?
雑食なのはやっぱり臭みがある。豚もポットは草食でしょ?」
「なるほどな。」
「それでも、薬草なんかを使えばそれはそれでおいしいものになる。」
「探しに行こうか?」
「もちろん!砂漠の民は砂トカゲを狩るのだよ!!」
近くの森に入ると確かにいる。
沼地に折り重なるようにいた。
砂に潜るように、沼に潜る。
「一匹とって食べてみようか?」
「もちろん。」
食に貪欲だ。
小さいものと大きいものとを1匹ずつ。
逃げるときは砂に潜っていたが、
ここでは沼まで逃げないといけない。沼に入られると捕獲は難しいが、
それまでに仕留めればいい。
さっそく、タロスの家の跡地に建てた家、タロスの家だ。
そこに戻り、捌いてみた。
「皮はトックスさんに渡せるね。」
「そうだな。ああ、内臓が発達しているな。消化しないといけないから。
愛しい人?大丈夫か?」
「うーん、ちょっと避難。」
私の後ろに廻り、背中越しに覗き込む。
「短期間で変化できるというのがすごいね。
生きていく為だものね。きっと、変動があるたびに体を作り変えてるんだね。」
「なるほどな。」
「しかし、問題は味だ!ちょっと焼いて食べてみよう。」
「・・・臭い。」
「大蒜をすり込んでみるか?」
「うん。」
「「!!!」」
「おいしいね。しっぽ煮も作って!もちろん大蒜入りで!」
彼女の故郷の昔の話らしいが
胡椒一粒と金は同等だった時代があったらしい。
なんとも食に貪欲だ。
砂トカゲがいるのならここで生活するのも悪くはないが、
大陸すべての砂漠を巡ってみたい。もちろん彼女と。
マトグラーサの砂漠は渓谷側のみにしかもう行かないが。
「井戸もあるし、砂トカゲもいるからここで生活するのもいいね。
でも、先に大陸を砂漠を見て廻ろうね。」
「ああ、もちろんだ。」
彼女が同じことを考えてくれていたのがうれしかった。
2階でオコタに入る。
ゆっくり過ごせるのがうれしい。
彼女の故郷の食の話は実に興味深い。
魚の養殖、保護、代替品。
食の拒絶反応。必要な栄養素。
「砂トカゲの養殖もいいかもしれないね。餌が砂漠石というのがダメだけど。」
「肉と皮の為か?肉は他の物でも十分だ。皮も、そこまで貴重性はないな。」
「そうか。疑問なんだけどさ、砂漠石って栄養にはならないよね?
食べて体を維持するように願ってるのかな?砂蜘蛛も。」
「そうかもしれんな。」
「人間はどうかな?」
「!固いから駄目なのでは?」
「糸にすれば?」
「蜘蛛が作った糸だからかもしれんが、副作用がある。寝てしまうぞ?」
「そうか。海蜘蛛はどうだったんだろうね。」
「海蜘蛛はあのモモの中にあるコールオリンか?あれを食べていたのだろ?
また違うぞ?」
「モモって何食べてたんだろ?」
「わからんな。」
「そうだね。」
海行ったら、モモも探そうね。イリアスの東の海にはいてなかったから、
やっぱりジットカーフの海にいてるんだろうね。」
「コールオリンが欲しいのか?」
「?つくだ煮もっと食べたい。」
「ああ。そっちか。」
「明日はちょっと早めに出かけよう。セサミンも忙しそうだから、
半分になったら呼ぶよっていえばいいかな?
わたしたちは先に湿地にいこう。」
「飯はどうする?」
「朝いっぱい食べて、浄化が終わってから食べようかな?」
「なにがいい?」
「んー、やっぱりラーメンがいいな!砂トカゲの骨でスープを取ってみよう。」
「骨でか?」
「うん。ダメかもわかんないけどね。それに玉葱とかニンニクとか入れるの。
昆布も入ってたかな?
今日のはお醤油でしょ?豚の骨で出したスープだから豚骨っていうけど、
トカゲ骨?トカゲスープだね。」
「それは少し手間がかかりそうだな。いまから準備だけしておこう。」
「じゃ、腰を持ってお手伝いする!」
「それはうれしいな。」
そう言いつつもオコタから出れたのはだいぶたってからだ。
禁止令が出るのも頷ける。
結局、2匹の砂トカゲの骨では足りなくなり、
もう一度、砂トカゲ狩りとなった。
彼女も1匹は狩ると張り切っている。
大きめの2匹と、小さいもの5匹。
「どうだ?」
「うん!一匹!なんか、皮が柔らかくなってるね。
くないが刺さる。」
「そういわれればそうだな。」
「柔らかくなってるなら、また皮の使い道が出るね。良し!戻ろう!!」
捌き、皮を分け、肉と、骨に分ける。
彼女はトカゲの牙を磨いている。
「何に使うんだ?」
「ちょっときれいだからね、なにかに使えるかなーって。」
「何かにか?」
「そう、何かね。使えるものは全部使いたいからね。
だから、メイガは人から見れば素晴らしいと思う。
カエルはあの羽根以外はどうするの?食べるの?」
「食べないな。そんなに大量に取れるものでもないしな。
捕まえて、羽根を取って、後は処分してるんじゃないか?」
「そうか、小さいものね。うーん、あれは食べようとは思わないな。
うん、そういうものもあるということで。」
「ははは!そうだな。さ、下準備は終わったぞ?
弱火で煮込むんだな?」
「うん。」
骨を煮込みながら、しっぽ煮も作る。
大蒜が効いているのかいままで一番いい出来だ。
彼女ももちろん満足していた。
麺類が続いているので、今日は軽いもの。
砂漠の民の食事。干トカゲ肉とサボテン。と、お酒。
あとは、お酒のあてです。
そのときにいろいろパスタとラーメンの種類をマティスに教える。
これで、故郷以上のパスタとラーメンが食べられるのだ。素晴らしい!!
月が沈めば食事、鍛錬とこなしていき、
半分過ぎにセサミンたちがこちらに来ることになった。
「井戸掘らないとね。」
「そうだな。あの井戸はどうやって作たんだろうな。」
「やっぱり領主の力で水脈を探したんじゃないのかな?」
「そうか。セサミナが来たら頼もう。」
「そうだね。ここの生活は極力砂漠の民で行こう。
不便があればあるほど便利なように改造できる。」
「おもしろい考え方だな。」
「そう?」
半分過ぎに、駱駝馬に乗ったセサミンたちが、
林沿いの砂漠側からやって来た。
「あれ?砂漠に出てたの?」
「綿畑です。この林の向こう側ですね。ゴムの木も順調に育っています。」
「そうなんだ。来て早々悪いんだけど、井戸ってどうしたらいい?」
「ああ、水脈はわかります。掘り下げるのは領民に頼みますか?」
「ううん。水脈だけ教えてくれる?あとは、ま、こっちでするから。」
「わかりました。」
セサミンは家の周りをゆっくり歩いていく。
それでわかるんだ。すごいな。
その間に駱駝馬の世話もしておく。
砂漠なのでテンたちは留守番らしい。
最初テンたちが来た時はもう自分たちの仕事はなくなったのかと、がっかりしたが、
砂漠に出るときは自分たちなので、ほっとしたらしい。
テンたちうまくやっているそうだ。
馬も人間も一緒だね。
「姉さん!かなり深いですが、この下に通っていますね。
家から近い場所になると、ここですかね。」
「おお!領主様!ありがとうございます!!」
「あははは!姉さんにそういわれるとなんだか照れます。」
「うふふふ。そう?ありがとうね。
ちょっと先に作ってしまおうかな、あとで、水を使うからね。」
イリアスの湖に沈んでる軽石は先に持ってきている。
端の村のように砕いて固めればいい。
お願いしますだけどね。
『遠くコットワッツの砂漠に呼ばれし樹石たち。
深く深く流れる命の水を我らに届けておくれ。
固めよ、砂の大地を。
届けよ、水を。
命潤す礎となれ!』
砂に潜るように軽石が沈んでいく。
あら?足りるかしら?
腰の高さほどに積みがって動きを止めた。
『ちょっと!素晴らしすぎるよ!君たち!
熱は出すはその後は優れた建築資材だわ!
なに?ハイブリット?いや、意味は違うかもしれないけど!
エコ!エコロジー最先端!
しかもエコロジカル!!これも意味はちがうとおもうけど!!
最新の建築資材として取材殺到!
マネージャーを10人は雇わないとやっていけない!
素晴らしい!!もうそれしか言えない!』
ほんと素晴らしい!
「みんな拍手だよ!!」
みなで拍手をして称えた。
「愛しい人はいつもそのように絶賛するな。」
「もちろん!これを絶賛せずになにを絶賛するというの?
あ!もちろん、水脈を見つけたセサミンも大絶賛だ!素晴らしい!!」
今度はセサミンに拍手だ。
「そんな、これは照れますね。」
いやん、かわいい。
「ふん!セサミナ、いい気になるなよ!」
「ふふん!兄さんが悔しがるというのはなかなかに気持ちがいいですね。」
仲がいいなーとわたしとルグたちはうんうんと頷いた。
「兄さん!すごい!おいしい!!」
マティス大好きっ子のセサミンが、
マティスの作ったラーメンを大絶賛だ。
いや、身内だけならいいけど、一応配下がいるから、
そんなに兄ちゃん大好きっ子を
出していいのかね、とねーちゃんは心配だ。
「マティス様!すごいです。もう、これがなくては生きていけません!」
「わたしもです。これと甘味があればそれだけで生きて行けます!」
うん、配下も同じだ。
「そうだろう?
これを食べさせたときのワイプの絶望が目に浮かぶわ!はははは!!」
どこの悪の組織の首領なんだ?
もちろんわたしは味見の段階で大絶賛している。愛している!!
「これは兄さんたちしか作れないものですか?」
「誰でも作れるよ?」
「はー、素晴らしい!ぜひ食の祭りに出してほしい。
そこから広まっていくのがいちばんいい。」
「んー。食の祭りは客側で参加したいな。レシピ、作り方教えるから
誰かにしてもらってほしいな。」
「え?いいのですか?」
「もちろん。あとはおうどんとパスタがあるけど、んー、この二つより
ラーメンの方がいいかな?」
「またちがうものがあるのですか?」
「うん、麺類ね。小麦があればできるから。」
「素晴らしいです。」
「ふふふふ。喜んでもらえてよかったよ。」
「はー、おいしいものを食べると幸せですね。」
「そうだね。ひもじい思いはしたくないね。
じゃ、甘味も出そうか。あっさりとウリのシャーベットね。」
「さ、今回はラーメンの報告じゃないからね。
ここで問題だ。
水に鉄を入れると、どうなる?」
「浮きます。」
「うん。じゃ、木材は?」
「沈みます。」
「船はなにでできている?」
「?鉄です。」
「そうだね。」
「姉さん?それは知ってますよ?」
くっ。腹筋が!
首をちょっと傾けるのがかわいいし、マティスもそっくりにものまねしていた。
マティスが噴出すのを我慢しているのもおかしい!
「うん、うん。そう。ま、もうちょっと質問に答えていってね?」
「ええ。」
「砂は水に沈む?」
「ええ、沈みます。」
「コットワッツの砂漠から消えたとわかっているのは動植物と砂漠石、海峡石?」
「動物は近くの森に避難していたようです。」
「あ!そうなの?よかったね。んー、でも森の生態系が崩れるかもしれない。
それは自然のことだから大丈夫なのかな?」
「わかりません。それも研究の課題に挙がっています。」
「そう。することはいっぱいあるね。うん。
じゃ、次ね。砂に鉱石が含まれているのは知っている?」
「それは姉さんに言われた初めて知りました。
しかし、呼び寄せではわたしたちしかできないことなので、
公にはできません。」
「そうだね。みなができる方法で採取しないとね。
で、ここから本題。ここにザバスさんとこで買った樽があります。
ここにお水をなみなみと入れます。
で、砂も同じように入れます。
さ、どうなるでしょうか?」
「?砂は沈みますよ?で、鉱物類は浮くでしょ?あ!!!!」
黙って聞いていたルグたちも樽をのぞき込む。
表面には金銀、鉄、銅と浮いている。
あとは呼び寄せるか、普通に分別するのはたやすいだろう。
「どうよ?今日の大絶賛大賞はねーちゃんであろう?」
「姉さん、姉さん!素晴らしい!!」
「故郷でもね、砂金が出るところは、水で、流すのよ。
その場合、金は重いから残るの。
こっちは逆なんだよね。
なんにせよ、砂には鉱物が。水に浮かせば分離する。
これはまだ、極秘扱いかな?
もう少し砂の成分というかそういう研究をしてからの方がいいね。
鉱物学も研究すべしです。」
「はい!」
「んじゃ、そんなところで、報告2は終わります。
あ、魚の切り身は、持って帰って研究してください。
昆布締めをつくるには故郷のお酒を使ったけど、
1日干して、オイル漬けにしたものはなかなかにおいしいよ。
ちょっと食べてみる?」
「もちろん!」
ツナマヨ、それをいれたおにぎりを出す。
む、ラーメンの後では感動が薄いか、残念。
それでも、喜んでくれた。
「冷やすこと。冷凍か、冷蔵することで臭みが取れるのかもしれないね。
下準備も大事だけどね。
それも要研究だね。冷蔵庫と冷凍庫はやはり食の祭りで?」
「紹介ができる段階ですね。雨の日以降です、量産は。
館の者たちには先に使ってもらってます。
改良は日々行っています。」
「そのさ、温度調整版って一生ものではないよね?
どれぐらい持つの?」
「それはまだわかりません。第一弾ではそのことを踏まえて販売するつもりです。
1年は保証するつもりです。」
「そうか、期間内に効力が切れたら交換しますってことを保証するのね。
次からはそれを踏まえて販売すればいい。
石だけだと、力が無くなったら砂になって消えるんでしょ?
開けられない箱に入れておくべきだね。
で、その箱を持ってきてもらって交換すると。
じゃないと、まだ使えるのになくなったって言ってくる輩がいるからね。」
「なるほど!」
「人を信じたいけど、いいお客さんばっかりじゃないからね。
そういう人は少なからずいる。それを含めて価格をあげてもいいけど、
そしたら、いいお客さんに負担を強いることになるから、それは避けたいよね。」
「はい!」
「ん。じゃ、そういうことで。報告は以上です。
そちらから何か質問はありますか?」
「はい!」
「はい!ドーガー君」
「はい!新しい甘味として、リンゴ、リンゴの甘煮、
ウリのしゃーべっとと頂きました。
他には?」
「ふふふふ。もちろんあります。これが終わってからです。
そして、ドーガー君には昆布醤油なるものもあります。」
「!!聞くだけでうまそうです!」
「ほかには?」
「モウ殿とマティス様はここに住まうのですか?」
「んー、とりあえずの拠点です。
食の祭りが終われば、また、出かけます。
カエルを狩らねばなりません。」
「カエル!あのイリアスのですか?」
「そう、知ってる?ガイライに4枚もらったのよ。
もらいっぱなしは悪いからね。」
「4枚も!さすがガイライ殿といったところですが、それをモウ殿に。
すごいですね。」
「価値を知らなかったのよ。でも、虫よけになるの。
けっこう便利に使っています。」
「あのカエルの羽根を虫よけに・・・」
「あの、姉さん。やはり妻たちに会ってもらえないでしょうか?
どうしても会いたいというのです。」
「うふふふふ。それは奥さんたちの気持ちだろう?
わたしはそれに答える義理はない。
礼を言いたい、感謝したいとかいうのなら、わかっている。
なにかをしたいというのなら、それを自分の旦那にしろといって頂戴。」
「はぁ、ですよね。」
「あははは!強く言われたの?困った奥方たちだね。
今の返事を言ってまだ食い下がる様なら、どうして?って
やさしく、やさしく、個別に聞いてあげな?
きっと、わたしに対して警戒してるんだよ。」
「警戒ですか?」
「そう。どんな女かわからないのが、
自分の旦那の近くにいるんだ、警戒してるんだよ。
そんな必要ないのにね。セサミンは懇切丁寧に奥さんたちを大事にしなさいな。
間違っても、姉さんは素晴らしい人だとか言っちゃだめだよ?
あれは姉なのだと。そのように焼餅を焼くお前がかわいいと、ね。」
「な!そんなこと!!」
「あはははは!決して責めたりしちゃだめだ。
むしろ焼餅を焼くことを喜ばないとね。ね?マティス?」
「そうだな。私も愛しい人がなにかに焼餅を焼くのはうれしいな。
だが、そんな勘違いはすぐに解消される。その過程がさらにうれしい。」
「兄さん、もう、いいです。わかりましたから。」
「さ、そんなところだね。
さすがに寒くなってきたね。暖炉に火を入れようか。
それで、おいしいお茶をいれて御餅を焼こう。五平餅もどきだけどね。
これにあんこ付けるなり、砂糖醤油を付けるなり。
あの絨毯を引いて、暖炉の前で食べようか。」
暖炉にくべた樹石はとても暖かだ。
明日は湿地から国境沿いにあのイカダで行く。
昨日のセサミナの話では動物は近くの森に移動しているという。
ならば、砂トカゲもか?
砂漠石が無くなり、サボテンの実もなくなったのに何を食べるのだろうか?
「やっぱり、小さな動物?」
「そうなるな。」
「んー、そうするとさ、砂トカゲの味が変わるね。」
「どうして?」
「砂漠石とサボテンの実だから臭みもない肉だったんだと思うよ?
草食だよね。肉を食べると臭みがでる。
肉食にする動物はたいてい草食だよ?
雑食なのはやっぱり臭みがある。豚もポットは草食でしょ?」
「なるほどな。」
「それでも、薬草なんかを使えばそれはそれでおいしいものになる。」
「探しに行こうか?」
「もちろん!砂漠の民は砂トカゲを狩るのだよ!!」
近くの森に入ると確かにいる。
沼地に折り重なるようにいた。
砂に潜るように、沼に潜る。
「一匹とって食べてみようか?」
「もちろん。」
食に貪欲だ。
小さいものと大きいものとを1匹ずつ。
逃げるときは砂に潜っていたが、
ここでは沼まで逃げないといけない。沼に入られると捕獲は難しいが、
それまでに仕留めればいい。
さっそく、タロスの家の跡地に建てた家、タロスの家だ。
そこに戻り、捌いてみた。
「皮はトックスさんに渡せるね。」
「そうだな。ああ、内臓が発達しているな。消化しないといけないから。
愛しい人?大丈夫か?」
「うーん、ちょっと避難。」
私の後ろに廻り、背中越しに覗き込む。
「短期間で変化できるというのがすごいね。
生きていく為だものね。きっと、変動があるたびに体を作り変えてるんだね。」
「なるほどな。」
「しかし、問題は味だ!ちょっと焼いて食べてみよう。」
「・・・臭い。」
「大蒜をすり込んでみるか?」
「うん。」
「「!!!」」
「おいしいね。しっぽ煮も作って!もちろん大蒜入りで!」
彼女の故郷の昔の話らしいが
胡椒一粒と金は同等だった時代があったらしい。
なんとも食に貪欲だ。
砂トカゲがいるのならここで生活するのも悪くはないが、
大陸すべての砂漠を巡ってみたい。もちろん彼女と。
マトグラーサの砂漠は渓谷側のみにしかもう行かないが。
「井戸もあるし、砂トカゲもいるからここで生活するのもいいね。
でも、先に大陸を砂漠を見て廻ろうね。」
「ああ、もちろんだ。」
彼女が同じことを考えてくれていたのがうれしかった。
2階でオコタに入る。
ゆっくり過ごせるのがうれしい。
彼女の故郷の食の話は実に興味深い。
魚の養殖、保護、代替品。
食の拒絶反応。必要な栄養素。
「砂トカゲの養殖もいいかもしれないね。餌が砂漠石というのがダメだけど。」
「肉と皮の為か?肉は他の物でも十分だ。皮も、そこまで貴重性はないな。」
「そうか。疑問なんだけどさ、砂漠石って栄養にはならないよね?
食べて体を維持するように願ってるのかな?砂蜘蛛も。」
「そうかもしれんな。」
「人間はどうかな?」
「!固いから駄目なのでは?」
「糸にすれば?」
「蜘蛛が作った糸だからかもしれんが、副作用がある。寝てしまうぞ?」
「そうか。海蜘蛛はどうだったんだろうね。」
「海蜘蛛はあのモモの中にあるコールオリンか?あれを食べていたのだろ?
また違うぞ?」
「モモって何食べてたんだろ?」
「わからんな。」
「そうだね。」
海行ったら、モモも探そうね。イリアスの東の海にはいてなかったから、
やっぱりジットカーフの海にいてるんだろうね。」
「コールオリンが欲しいのか?」
「?つくだ煮もっと食べたい。」
「ああ。そっちか。」
「明日はちょっと早めに出かけよう。セサミンも忙しそうだから、
半分になったら呼ぶよっていえばいいかな?
わたしたちは先に湿地にいこう。」
「飯はどうする?」
「朝いっぱい食べて、浄化が終わってから食べようかな?」
「なにがいい?」
「んー、やっぱりラーメンがいいな!砂トカゲの骨でスープを取ってみよう。」
「骨でか?」
「うん。ダメかもわかんないけどね。それに玉葱とかニンニクとか入れるの。
昆布も入ってたかな?
今日のはお醤油でしょ?豚の骨で出したスープだから豚骨っていうけど、
トカゲ骨?トカゲスープだね。」
「それは少し手間がかかりそうだな。いまから準備だけしておこう。」
「じゃ、腰を持ってお手伝いする!」
「それはうれしいな。」
そう言いつつもオコタから出れたのはだいぶたってからだ。
禁止令が出るのも頷ける。
結局、2匹の砂トカゲの骨では足りなくなり、
もう一度、砂トカゲ狩りとなった。
彼女も1匹は狩ると張り切っている。
大きめの2匹と、小さいもの5匹。
「どうだ?」
「うん!一匹!なんか、皮が柔らかくなってるね。
くないが刺さる。」
「そういわれればそうだな。」
「柔らかくなってるなら、また皮の使い道が出るね。良し!戻ろう!!」
捌き、皮を分け、肉と、骨に分ける。
彼女はトカゲの牙を磨いている。
「何に使うんだ?」
「ちょっときれいだからね、なにかに使えるかなーって。」
「何かにか?」
「そう、何かね。使えるものは全部使いたいからね。
だから、メイガは人から見れば素晴らしいと思う。
カエルはあの羽根以外はどうするの?食べるの?」
「食べないな。そんなに大量に取れるものでもないしな。
捕まえて、羽根を取って、後は処分してるんじゃないか?」
「そうか、小さいものね。うーん、あれは食べようとは思わないな。
うん、そういうものもあるということで。」
「ははは!そうだな。さ、下準備は終わったぞ?
弱火で煮込むんだな?」
「うん。」
骨を煮込みながら、しっぽ煮も作る。
大蒜が効いているのかいままで一番いい出来だ。
彼女ももちろん満足していた。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
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