いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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632:お蔭様

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「美味そうな匂いだ。俺にも出してくれ。」
「え?なんで?」
「ああ?ここは初めてなのか?
ジェフェニ、教えておけよ。
俺、クラロが、出せといえばだすんだよ。」
「断われば?」
「ここで商売が出来ないな。」
「え?お偉いさん?」
「そうよ。陸鳥の卵はこれから俺が一手に引き受けるんだ。
ジェフェニ、お前が取ってきた陸鳥の卵は誰も買わない。」
「どうして!!」
「お前しか取れない卵なんておかしいだろ?
そんな卵採りはいらないんだ。
お前の縄張りは俺がもらう。おまえは今日から違う仕事に付けばいい。」
「そんな!」
「え?それ決定なの?反論の余地なし?
卵採り組合かなんかの決まり?で、あんたはそのえらいさんなんだ?」
「あんた?言葉遣いにも気を付けろよ?」
「うわ!はじめて言われたよ、その類。
ここで、15番門外で商売できないっていうんならしかたがないね。
だから、あんたに気を使うこともないよ?」
「ここに来たのに商売しないって?
だったらさっさと帰るんだな。昨日ここで仕入れていたようだが、
二度とできないからな。」
「売るのも買うのも?」
「そうだ。」
「あんたが決めたんだ。ここで買うのも売るのもダメだってね。」
「?」
「みなはもう帰ってくる?」
「・・・・。馬車で戻るようだな。
半分は過ぎるぞ?」
「それでも急ぎだね。ま、まっておこうか?
ジェフェニさん?でしたっけ?
今日はお仕事休みってことで、一緒に料理しませんか?」
「嬢ちゃん?なにをいってるんだ?」
「いやん、ここの人はみなお嬢さんとかいうよね。照れるよ~。」
「モウ!かわいい!」
「もう!ティスまで!!
ほれ!あんたは邪魔だよ?あんたになにかを売ることも、
あんたから買うこともない。
ああ、ここ15番門外で物を買うことも売ることもない。
あんたの名においてね。」
「嬢ちゃん!!」
「なんだ?商売人じゃないのか?
だったら好きにすればいい。後悔してもしらないぞ?」
「しないしない、したこともない。」


かなり怒って帰っていった。

「嬢ちゃん・・・。あんた、ここで商売できないぞ?」
「いや、そこまでがっつりな商売人でもないから。
それに買い物は昨日で終わってるんだ。
それより、ジェフェニさんは大丈夫?」
「ああ、いいんだ。仕事はたくさんある。
卵採りは仲間のつながりが強いんだ。
俺だけしか採ってこれないってことで、遅かれ早かれこうなったさ。
陸鳥のおかげで蓄えはできたんだ。
陸鳥たちに挨拶できないのは残念だがな。
雨の日が終わるまでゆっくりさせてもらうさ。
あんたが言うように、料理をするのもいいな。
うん、いいな!お嬢ちゃんのおかげだな。ありがとう。」

なるほど。
この人はお蔭様がついているんだ。


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


(ワイプ?いつ戻る?)
(ちょっと大人数になったんで、馬車を手配することに。
半分過ぎですね。それらといっしょに戻ります。
あー、おなかがすきました)
(いろんなパンを大量に焼いている。
卵採りのジェフェニとクラロのことを聞いておけ)
(わかりましたが、パンだけ?)
(なかにカレーが入っている)
(素晴らしい!!肉系もお願いします)


ニック殿とムムロズが競い合えばあっという間だ。
ガイライ殿とタンダートも問題は無い。
ニバーセルの上位も上位、ガイライ殿が即殺以外でかなうはずがない。
あー、鍛錬しなければ。
相手がいないのがねー。ガイライ殿たちに手の内は見せたくないし、
ウダーの村長を訪ねてみましょうかね。
ムムロズの動きもいいな。
資産院の者たちはさぞかしがっかりするでしょうね。



「おい!ワイプ?」
「はいはい。じゃ、飛ばして戻りましょうか?」
「連絡があったのか?」
「あ、わかりますか?戻りはいつだと。
いろいろなパンを焼いているようですよ?
それと、カリク殿?」
「連絡?」
「ああ、トリヘビがいるんですよ。みなで帰ると言ってます。
半分過ぎに。それで、ジェフェニとクラロって方ご存じ?」
「?
2人とも卵採りです。
荒野のあらゆる卵を採ってきます。
ジェフェニは最近陸鳥の卵を採るようになって、
仲間内から疎まれていますね。
ジェフェニしか採ってこれないんですよ。
食べましたか?陸鳥のプリン?
モウ殿も喜ばれることでしょうね。戻りましたら、お出ししたい。」
「ああ、モウは砂漠の民で、ダメらしいですよ?陸鳥の卵は。
あなた方がキャムロンを食べないのと同じようなことなんでしょうね。
出すのは控えてやってください。出されれば、礼儀として口にするでしょうが、
ダメなものはダメですからね。
それにならって、我々も食べません。」
「そうですか、先に聞けて良かった。」
「でも、プリンは好きなんですよ?マティス君に作ってもらいましょうかね。
それで、その2人の卵採りの方は?」
「ジェフェニは気のいい、真面目な男です。
陸鳥の卵の件で、それが裏目に出ています。
儲かっているのに、生活はそのままで。
派手に使えば、それなりにうらやましがられるだけで済むんですが、
何も変わらない。独り占めしていると。
クラロはそれが気に入らないと文句ばかりで。」
「そこまでは管理されていないと?」
「お恥ずかしい話なんですが、クインタの管轄だったんですよ、卵採りは。
キャムロンの消費が増えたところあたりから、勘違いをし出しましてね。
そこに陸鳥の卵だ。街道の取引も
卵欲しさに、クインタと取引をしだしましてね。
8:2がいまは、6:4です。」
「はははは!カリク殿!まずいな!それは!!」
「ええ。なので、ニック殿が来てくださってどれだけ感謝しているか。
ムムロズにも感謝しなくてはな。
お前がいるからこうして訪ねてくれたのだからな。
で?成果は?」
「・・・・。」
「臨時報酬は無しか?ニック殿、ガイライ殿?
いかほどお支払いすれば?」
「俺は15で、ガイライは1?残りは14はムムロズだ。」
「なるほど。すぐいお支払いいましょう?
資産院経由か、直接か?どうされますか?」
「金か銀でもらえるか?」
「おや?どうして?」
「それだとかさばらないし、重いのはいいんだ。鍛錬だから。
細工物にも使えるしな。
マティスがうまいんだよ。」
「そうですか?では金でお渡ししましょう。
ムムロズにもな。なんだ?不満なのか?」
「倒した数が少ないからだろ?
お前、ちゃんと鍛錬してたのか?
俺たちが来なければ、タンダートで手間取るぞ?」
「・・・・。」
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