9 / 18
第9話:一方、その頃王都では(1)~雨と汚水~
アッシュバーン辺境伯領が、ヴィオラの技術革新によって活気づいていた頃。
王都は、どんよりとした厚い雲に覆われていた。
例年よりも少し早い雨季の到来だった。
王宮の執務室で、王太子クリストフェル・ヴァレンティンは窓ガラスを打つ雨音に舌打ちをした。
「まったく、鬱陶しい雨だ。いつまで降り続くつもりだ」
彼はワイングラスを傾け、傍らのソファに座るクロエ・ダルトンに視線を向けた。
クロエはフリルたっぷりのドレスに身を包み、子猫のようにクッションを抱きしめている。
「クリス様ぁ、雨の音が怖いですぅ。雷様が怒っているのかしら?」
「ははは、可愛いことを言う。私の愛が熱すぎて、空が嫉妬しているのかもしれないな」
「やだぁ、クリス様ったら! 素敵!」
甘ったるい会話が交わされる室内とは裏腹に、扉の外では慌ただしい足音が響き渡っていた。
その時、唐突にノックと共に扉が開かれ、財務大臣が顔面蒼白で飛び込んできた。
「で、殿下! 一大事でございます!」
「騒々しいぞ」
「王立食糧倉庫が……、第一から第三倉庫まで、すべて浸水しました!」
クリストフェルは眉をひそめた。
「浸水? 何を言っている。あの倉庫の屋根は頑丈な石造りだろう」
「屋根ではありません! 保管していた小麦や保存食が、すべて水浸しになり、カビが生え始めているのです!」
大臣の報告によれば、倉庫の屋根や壁そのものが壊れたわけではないという。
問題は、積み上げられた木箱の覆いにあった。
「これまでは、ヴィオラ嬢……、いえ、クライン伯爵令嬢が開発した防水ゴムシートが掛けられておりました。しかし、彼女が去ってからメンテナンスが行われず、シートが経年劣化で破れてしまったのです」
ゴムは紫外線やオゾンによって劣化し、ひび割れを起こす。
ヴィオラがいた頃は、雨季の前に必ず劣化具合をチェックし、新しいシートに交換するルーチンが確立されていた。
だが、彼女を追放した今、その業務を引き継ぐ者は誰もいなかった。
「たかが布一枚の話だろう! 普通の帆布でも掛けておけ!」
「やりました! しかし、この長雨です。帆布では水が染み込み、中の小麦まで湿気を帯びて……。備蓄食料の六割が廃棄処分です!」
「六割だと……!?」
クリストフェルが絶句した時、クロエが首をかしげて口を挟んだ。
「ねえ、大臣さん。小麦さんが濡れちゃったなら、乾かせばいいじゃないですかぁ。お日様にお願いして、みんなでテルテル坊主を作りましょうよ!」
大臣は、殺意に近い冷ややかな目をクロエに向けた。
「……男爵令嬢。カビた小麦は毒です。それに、テルテル坊主など迷信でございます」
「ひどぉい! 私はみんなのために提案したのにぃ!」
クロエが嘘泣きを始めると、クリストフェルは慌てて彼女を抱き寄せた。
「大臣! クロエを責めるな! 彼女の純粋な心は、国一番の宝だぞ!」
「……宝で腹は膨れませんので」
大臣は冷たく言い捨て、執務室を出て行った。
だが、悲劇は食料倉庫だけでは終わらなかった。
数日後、雨はさらに激しさを増し、王都全体にある異変が生じ始めた。
――臭いのだ。
鼻が曲がるような、腐った卵と汚物を混ぜ合わせたような悪臭が、美しい石造りの街に充満し始めた。
「な、なんだこの臭いは……!」
クリストフェルがハンカチで鼻を押さえながら廊下を歩いていると、侍女たちが青い顔で走り回っていた。
床には、どこからともなく茶色く濁った水が滲み出し、高級な絨毯を汚している。
「殿下! 下水が……、下水が逆流しております!」
今度は建設局長が、泥だらけの姿で駆けつけてきた。
「逆流だと? 王都の排水システムは完璧なはずだ!」
「それが……、配管の継ぎ目に使われていた逆止弁が機能不全を起こしまして」
王都の地下には、複雑な下水路が張り巡らされている。
大雨の際、汚水が住宅街や王宮に逆流しないよう、ヴィオラが設計したゴム製の弁が設置されていた。
水圧がかかると自動的に閉まり、逆流を防ぐ単純だが確実な機構だ。
「ゴム弁が硬化して動きが悪くなり、ゴミが挟まって閉まらなくなった箇所が多発しています。そこへこの大雨で、処理しきれない雨水と汚水が混ざり合い、マンホールや排水口から噴き出しているのです!」
想像するだけで吐き気を催す光景だ。
かつてヴィオラは、定期的に地下水道へ潜り、ゴム弁の弾力性をチェックしていた。
汚い仕事と周囲は蔑んだが、その地味な作業こそが、王都の衛生な環境を保っていたのだ。
「そんな……。では、どうすればいいのだ!」
「交換用のゴム弁が必要です! しかし、在庫は全てヴィオラ嬢が管理しており、その製造法も彼女しか知りません。王立工房の職人たちは、設計図が複雑すぎて再現不可能と匙を投げました」
建設局長は、絶望的な顔で告げた。
「現在、王都の低地にある平民街は、膝下まで汚水に浸かっています。疫病が発生するのも時間の問題かと……」
クリストフェルは窓の外を見た。
雨に煙る街並みは、かつての輝きを失い、どす黒い水に沈もうとしていた。
民衆の怒りの声が、雨音に混じって聞こえてくるような気がした。
「すべては、あの女……、ヴィオラが悪いのだ!」
クリストフェルは責任転嫁するように叫んだ。
「そうだ、あいつが意地悪をして、欠陥品を設置していったに違いない! 私の統治を邪魔するために!」
論理的に考えれば、メンテナンスを行わなかった現体制の責任であることは明白だ。
しかし、彼の肥大したプライドはそれを認めることを拒絶した。
そこに、クロエが鼻をつまみながらやってきた。
「くさぁい! クリス様、このお城、臭くて嫌ですぅ。別の別荘に行きましょうよぉ」
「……そうだな。それがいい。この悪臭が収まるまで、高台の離宮へ移ろう」
王太子は、民を見捨てる決断を避難という言葉で正当化した。
王太子一行が離宮へ向かおうと、王宮の玄関ホールを出た時のことだ。
馬車寄せの石畳は濡れて黒く光っていた。
「さあ、クロエ。足元に気をつけて」
「はぁい、クリス様」
クリストフェルは颯爽とエスコートしようとした。
彼が履いているのは、最高級の革靴。
靴底もまた、滑らかな革製だ。
かつて、雨の日にはヴィオラが靴底に薄いゴムシートを貼ってくれていた。
「摩擦係数を上げないと転倒リスクがあります」と言いながら。
クリストフェルはそれを「靴の美観を損ねる」と嫌がり、婚約破棄の翌日に全ての靴からゴムを剥がさせていた。
乾いた音が響いた次の瞬間、クリストフェルの身体は宙を舞っていた。
「ぶべっ!?」
受け身も取れず、背中から石畳に強打。
さらに悪いことに、後頭部を馬車のステップにぶつけた。
バシャリと汚れた水たまりの中に、王国の次期国王が転がる。
「きゃあああ! クリス様が泥まみれぇ!」
クロエの頓狂な悲鳴が上がった。
近衛兵たちが慌てて駆け寄る。
「で、殿下! 大丈夫ですか!?」
「い、痛い……。腰が……」
クリストフェルは泥水の中で呻いた。
お気に入りの白い服は茶色く汚れ、見る影もない。
何より痛かったのは、周囲の使用人たちの視線だった。
心配しているようでいて、その瞳の奥には冷ややかな色が宿っている。
(ああ、ヴィオラ様がいらした時は、こんなことは起きなかったのに)
(雨の日には必ず滑り止めマットが敷かれていたわ)
(殿下が自分で剥がさせたゴム底があれば……)
誰も口には出さない。しかし、その沈黙こそが、最も雄弁な断罪だった。
「……くそっ、なぜだ! なぜ私の周りばかり、こんな不幸が起きる!」
クリストフェルは濡れた拳を石畳に叩きつけた。
彼は気づいていない。
これは不幸でも偶然でもない。
物理法則を無視し、メンテナンスを怠り、有能な技術者を排除したことによる、必然の結果であることを。
雨は冷酷に降り続き、王都の排水溝からはゴボゴボと不気味な音が響き続けていた。
それはまるで、王太子の治世の崩壊を告げるカウントダウンのようだった。
王都は、どんよりとした厚い雲に覆われていた。
例年よりも少し早い雨季の到来だった。
王宮の執務室で、王太子クリストフェル・ヴァレンティンは窓ガラスを打つ雨音に舌打ちをした。
「まったく、鬱陶しい雨だ。いつまで降り続くつもりだ」
彼はワイングラスを傾け、傍らのソファに座るクロエ・ダルトンに視線を向けた。
クロエはフリルたっぷりのドレスに身を包み、子猫のようにクッションを抱きしめている。
「クリス様ぁ、雨の音が怖いですぅ。雷様が怒っているのかしら?」
「ははは、可愛いことを言う。私の愛が熱すぎて、空が嫉妬しているのかもしれないな」
「やだぁ、クリス様ったら! 素敵!」
甘ったるい会話が交わされる室内とは裏腹に、扉の外では慌ただしい足音が響き渡っていた。
その時、唐突にノックと共に扉が開かれ、財務大臣が顔面蒼白で飛び込んできた。
「で、殿下! 一大事でございます!」
「騒々しいぞ」
「王立食糧倉庫が……、第一から第三倉庫まで、すべて浸水しました!」
クリストフェルは眉をひそめた。
「浸水? 何を言っている。あの倉庫の屋根は頑丈な石造りだろう」
「屋根ではありません! 保管していた小麦や保存食が、すべて水浸しになり、カビが生え始めているのです!」
大臣の報告によれば、倉庫の屋根や壁そのものが壊れたわけではないという。
問題は、積み上げられた木箱の覆いにあった。
「これまでは、ヴィオラ嬢……、いえ、クライン伯爵令嬢が開発した防水ゴムシートが掛けられておりました。しかし、彼女が去ってからメンテナンスが行われず、シートが経年劣化で破れてしまったのです」
ゴムは紫外線やオゾンによって劣化し、ひび割れを起こす。
ヴィオラがいた頃は、雨季の前に必ず劣化具合をチェックし、新しいシートに交換するルーチンが確立されていた。
だが、彼女を追放した今、その業務を引き継ぐ者は誰もいなかった。
「たかが布一枚の話だろう! 普通の帆布でも掛けておけ!」
「やりました! しかし、この長雨です。帆布では水が染み込み、中の小麦まで湿気を帯びて……。備蓄食料の六割が廃棄処分です!」
「六割だと……!?」
クリストフェルが絶句した時、クロエが首をかしげて口を挟んだ。
「ねえ、大臣さん。小麦さんが濡れちゃったなら、乾かせばいいじゃないですかぁ。お日様にお願いして、みんなでテルテル坊主を作りましょうよ!」
大臣は、殺意に近い冷ややかな目をクロエに向けた。
「……男爵令嬢。カビた小麦は毒です。それに、テルテル坊主など迷信でございます」
「ひどぉい! 私はみんなのために提案したのにぃ!」
クロエが嘘泣きを始めると、クリストフェルは慌てて彼女を抱き寄せた。
「大臣! クロエを責めるな! 彼女の純粋な心は、国一番の宝だぞ!」
「……宝で腹は膨れませんので」
大臣は冷たく言い捨て、執務室を出て行った。
だが、悲劇は食料倉庫だけでは終わらなかった。
数日後、雨はさらに激しさを増し、王都全体にある異変が生じ始めた。
――臭いのだ。
鼻が曲がるような、腐った卵と汚物を混ぜ合わせたような悪臭が、美しい石造りの街に充満し始めた。
「な、なんだこの臭いは……!」
クリストフェルがハンカチで鼻を押さえながら廊下を歩いていると、侍女たちが青い顔で走り回っていた。
床には、どこからともなく茶色く濁った水が滲み出し、高級な絨毯を汚している。
「殿下! 下水が……、下水が逆流しております!」
今度は建設局長が、泥だらけの姿で駆けつけてきた。
「逆流だと? 王都の排水システムは完璧なはずだ!」
「それが……、配管の継ぎ目に使われていた逆止弁が機能不全を起こしまして」
王都の地下には、複雑な下水路が張り巡らされている。
大雨の際、汚水が住宅街や王宮に逆流しないよう、ヴィオラが設計したゴム製の弁が設置されていた。
水圧がかかると自動的に閉まり、逆流を防ぐ単純だが確実な機構だ。
「ゴム弁が硬化して動きが悪くなり、ゴミが挟まって閉まらなくなった箇所が多発しています。そこへこの大雨で、処理しきれない雨水と汚水が混ざり合い、マンホールや排水口から噴き出しているのです!」
想像するだけで吐き気を催す光景だ。
かつてヴィオラは、定期的に地下水道へ潜り、ゴム弁の弾力性をチェックしていた。
汚い仕事と周囲は蔑んだが、その地味な作業こそが、王都の衛生な環境を保っていたのだ。
「そんな……。では、どうすればいいのだ!」
「交換用のゴム弁が必要です! しかし、在庫は全てヴィオラ嬢が管理しており、その製造法も彼女しか知りません。王立工房の職人たちは、設計図が複雑すぎて再現不可能と匙を投げました」
建設局長は、絶望的な顔で告げた。
「現在、王都の低地にある平民街は、膝下まで汚水に浸かっています。疫病が発生するのも時間の問題かと……」
クリストフェルは窓の外を見た。
雨に煙る街並みは、かつての輝きを失い、どす黒い水に沈もうとしていた。
民衆の怒りの声が、雨音に混じって聞こえてくるような気がした。
「すべては、あの女……、ヴィオラが悪いのだ!」
クリストフェルは責任転嫁するように叫んだ。
「そうだ、あいつが意地悪をして、欠陥品を設置していったに違いない! 私の統治を邪魔するために!」
論理的に考えれば、メンテナンスを行わなかった現体制の責任であることは明白だ。
しかし、彼の肥大したプライドはそれを認めることを拒絶した。
そこに、クロエが鼻をつまみながらやってきた。
「くさぁい! クリス様、このお城、臭くて嫌ですぅ。別の別荘に行きましょうよぉ」
「……そうだな。それがいい。この悪臭が収まるまで、高台の離宮へ移ろう」
王太子は、民を見捨てる決断を避難という言葉で正当化した。
王太子一行が離宮へ向かおうと、王宮の玄関ホールを出た時のことだ。
馬車寄せの石畳は濡れて黒く光っていた。
「さあ、クロエ。足元に気をつけて」
「はぁい、クリス様」
クリストフェルは颯爽とエスコートしようとした。
彼が履いているのは、最高級の革靴。
靴底もまた、滑らかな革製だ。
かつて、雨の日にはヴィオラが靴底に薄いゴムシートを貼ってくれていた。
「摩擦係数を上げないと転倒リスクがあります」と言いながら。
クリストフェルはそれを「靴の美観を損ねる」と嫌がり、婚約破棄の翌日に全ての靴からゴムを剥がさせていた。
乾いた音が響いた次の瞬間、クリストフェルの身体は宙を舞っていた。
「ぶべっ!?」
受け身も取れず、背中から石畳に強打。
さらに悪いことに、後頭部を馬車のステップにぶつけた。
バシャリと汚れた水たまりの中に、王国の次期国王が転がる。
「きゃあああ! クリス様が泥まみれぇ!」
クロエの頓狂な悲鳴が上がった。
近衛兵たちが慌てて駆け寄る。
「で、殿下! 大丈夫ですか!?」
「い、痛い……。腰が……」
クリストフェルは泥水の中で呻いた。
お気に入りの白い服は茶色く汚れ、見る影もない。
何より痛かったのは、周囲の使用人たちの視線だった。
心配しているようでいて、その瞳の奥には冷ややかな色が宿っている。
(ああ、ヴィオラ様がいらした時は、こんなことは起きなかったのに)
(雨の日には必ず滑り止めマットが敷かれていたわ)
(殿下が自分で剥がさせたゴム底があれば……)
誰も口には出さない。しかし、その沈黙こそが、最も雄弁な断罪だった。
「……くそっ、なぜだ! なぜ私の周りばかり、こんな不幸が起きる!」
クリストフェルは濡れた拳を石畳に叩きつけた。
彼は気づいていない。
これは不幸でも偶然でもない。
物理法則を無視し、メンテナンスを怠り、有能な技術者を排除したことによる、必然の結果であることを。
雨は冷酷に降り続き、王都の排水溝からはゴボゴボと不気味な音が響き続けていた。
それはまるで、王太子の治世の崩壊を告げるカウントダウンのようだった。
あなたにおすすめの小説
「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました
黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。
古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。
一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。
追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。
愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!
【完結】「お前に聖女の資格はない!」→じゃあ隣国で王妃になりますね
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【全7話完結保証!】
聖王国の誇り高き聖女リリエルは、突如として婚約者であるルヴェール王国のルシアン王子から「偽聖女」の烙印を押され追放されてしまう。傷つきながらも母国へ帰ろうとするが、運命のいたずらで隣国エストレア新王国の策士と名高いエリオット王子と出会う。
「僕が君を守る代わりに、その力で僕を助けてほしい」
甘く微笑む彼に導かれ、戸惑いながらも新しい人生を歩み始めたリリエル。けれど、彼女を追い詰めた隣国の陰謀が再び迫り――!?
追放された聖女と策略家の王子が織りなす、甘く切ない逆転ロマンス・ファンタジー。
王太子に理不尽に婚約破棄されたので辺境を改革したら、王都に戻ってきてくれと言われました
水上
恋愛
【全18話完結】
「君は中身まで腐っている」と婚約破棄されたエリアナ。
そんな彼女は成り行きで辺境へ嫁ぐことに。
自身の知識と技術で辺境を改革するエリアナ。
そんな彼女を、白い結婚のはずなのに「膝枕は合理的だ」と甘やかす夫。
一方、エリアナを追放した王都では、彼女の不在の影響が出始めて……。
王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。
佐藤 美奈
恋愛
クロエ・エルフェシウス公爵令嬢とガブリエル・フォートグランデ王太子殿下は婚約が内定する。まだ公の場で発表してないだけで、王家と公爵家の間で約束を取り交わしていた。
だが帝立魔法学園の創立記念パーティーで婚約破棄を宣言されてしまった。ガブリエルは魔法の才能がある幼馴染のアンジェリカ男爵令嬢を溺愛して結婚を決めたのです。
その理由は、ディオール帝国は魔法至上主義で魔法帝国と称される。クロエは魔法が一番大切な国で一人だけ魔法が全然使えない女性だった。
クロエは魔法が使えないことに、特に気にしていませんでしたが、日常的に家族から無能と言われて、赤の他人までに冷たい目で見られてしまう。
ところがクロエは魔法帝国に、なくてはならない女性でした。絶対に必要な隠された能力を持っていた。彼女の真の姿が明らかになると、誰もが彼女に泣いて謝罪を繰り返し助けてと悲鳴を上げ続けた。
【本編完結】真実の愛を見つけた? では、婚約を破棄させていただきます
ハリネズミ
恋愛
「王妃は国の母です。私情に流されず、民を導かねばなりません」
「決して感情を表に出してはいけません。常に冷静で、威厳を保つのです」
シャーロット公爵家の令嬢カトリーヌは、 王太子アイクの婚約者として、幼少期から厳しい王妃教育を受けてきた。
全ては幸せな未来と、民の為―――そう自分に言い聞かせて、縛られた生活にも耐えてきた。
しかし、ある夜、アイクの突然の要求で全てが崩壊する。彼は、平民出身のメイドマーサであるを正妃にしたいと言い放った。王太子の身勝手な要求にカトリーヌは絶句する。
アイクも、マーサも、カトリーヌですらまだ知らない。この婚約の破談が、後に国を揺るがすことも、王太子がこれからどんな悲惨な運命なを辿るのかも―――
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気だと疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う幸せな未来を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
追放された落ちこぼれ令嬢ですが、氷血公爵様と辺境でスローライフを始めたら、天性の才能で領地がとんでもないことになっちゃいました!!
六角
恋愛
「君は公爵夫人に相応しくない」――王太子から突然婚約破棄を告げられた令嬢リナ。濡れ衣を着せられ、悪女の烙印を押された彼女が追放された先は、"氷血公爵"と恐れられるアレクシスが治める極寒の辺境領地だった。
家族にも見捨てられ、絶望の淵に立たされたリナだったが、彼女には秘密があった。それは、前世の知識と、誰にも真似できない天性の《領地経営》の才能!
「ここなら、自由に生きられるかもしれない」
活気のない領地に、リナは次々と革命を起こしていく。寂れた市場は活気あふれる商業区へ、痩せた土地は黄金色の麦畑へ。彼女の魔法のような手腕に、最初は冷ややかだった領民たちも、そして氷のように冷たいはずのアレクシスも、次第に心を溶かされていく。
「リナ、君は私の領地だけの女神ではない。……私だけの、女神だ」
政略結婚で「新興国の王女のくせに」と馬鹿にされたので反撃します
nanahi
恋愛
政略結婚により新興国クリューガーから因習漂う隣国に嫁いだ王女イーリス。王宮に上がったその日から「子爵上がりの王が作った新興国風情が」と揶揄される。さらに側妃の陰謀で王との夜も邪魔され続け、次第に身の危険を感じるようになる。
イーリスが邪険にされる理由は父が王と交わした婚姻の条件にあった。財政難で困窮している隣国の王は巨万の富を得たイーリスの父の財に目をつけ、婚姻を打診してきたのだ。資金援助と引き換えに父が提示した条件がこれだ。
「娘イーリスが王子を産んだ場合、その子を王太子とすること」
すでに二人の側妃の間にそれぞれ王子がいるにも関わらずだ。こうしてイーリスの輿入れは王宮に波乱をもたらすことになる。