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魔石回収
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「倒した…?」
壁が炉のようになってフレイムブレスの威力も上がっていたようだ。腕ウサギがこんがり焼き上がっていた。
「食料問題も解決、か?」
レベルが上がりHPもMPも回復したが、やはり精神的疲労が大きい。強敵を倒したことで安心し足の力が抜けて座り込む。
壁にもたれ深呼吸をしたところで、腕ウサギの死体から中央が深い赤色をした透明な玉が出てきた。
「それ、魔石じゃないか?」
「魔石?」
本で読んだような覚えがあるが、そんなに記憶がない。魔物の体から出てきたから魔物の核となるものだろうか。
「あぁ。魔物からまれに入手できる魔力の結晶みたいなやつだ。武器とか盾に埋め込んで使うとか…。そういえば里で読んだ本には上手く魔石を壊せば吸収できるともあったな…」
「吸収…そんなことも出来るのか。壊し方は書いてなかったか?」
「小さい時に読んだからあまり覚えてないんだ。すまない」
クロは申し訳なさそうに首を横に振った。
吸収できる、か。これはいいことを聞いた。上手く壊して吸収すれば強くなれるかも。
「クロ、チャレンジしてみてもいいか?」
「ん?あぁ、いいんじゃないか?もし上に戻れたとしても売るか装備品にするかくらいだし」
クロからの了承も得て、早速壊しにかかる。鎌の柄の部分で突っついてみたが、相当硬い。刃の方で攻撃したら刃こぼれを起こしそうだ。
魔石の中心が赤色って事は、これは炎の魔法が込められた魔石と考えていいのだろうか。腕ウサギは炎系の魔法は使ってなかったと思うが。炎に強いのは普通に考えると水か。水圧で攻撃する『アクアカッター』なら壊せるかもしれないが、私は水とは相性が悪いみたいであまり威力が出ない。それでもやってみる価値はあるか。試してみよう。
手を開き、水をイメージしながら手を横に薙ぐ。パシャンと水の音が響いたが、魔石には傷1つ付いていない。やはりダメだったか。
「クロ、水系の魔法って使えるか?私とはどうも相性が悪くてな。」
「水?使えないことも無いが、あまり得意じゃ無いぞ。」
クロも苦手みたいだが、現実世界から来た私よりも元からこの世界にいたクロの方が魔法は得意だと思うからきっと私よりも威力は出るはずだ。
クロにアクアカッターを使ってもらい、魔石を確認する。
「……ダメだ。傷もついてない。」
クロでも傷がつかないのなら、水の魔法では壊せないということか。赤色の反対は青、青なら水というイメージがあったが間違いだったみたいだ。
ならば、腕ウサギが得意だったものを考えてその反対をぶつけてみるか。足鳩を倒した時も、熊を食べていた時も魔法を使った形跡は無かった。という事は腕ウサギは自己強化の魔法を使って戦っていたのかもしれない。自己強化の反対といえば、弱体化になるがそんな魔法で魔石は壊せるのか…?
私は自己強化の魔法しか使えない。またクロに頼むことになるな。
「クロ、弱体化の魔法で何か使えるのあるか?」
「弱体化か。攻撃力低下魔法なら使えるぞ。やってみるか。」
「頼む。」
クロが魔石に手をかざし、魔法をかけた。すると、徐々に中心の赤色が透明になっていき、パリンと小気味いい音が響き、魔石が壊れた。壊れた魔石から赤色の魔力が溢れ出し、クロの体へと入っていった。
「…まじか。」
弱体化で魔石が壊れるとは思わなかった。どうやら魔石の力は壊した本人に吸収されるみたいだ。私の方へは入ってこなかった。
「何か違和感とかあるか?大丈夫か?」
魔石を壊して、一言「まじか」と呟いてからクロの反応がない。少し不安になり、クロに近づき顔を覗き込む。
「……すげぇよ。すげぇよこれ!力が溢れてくるみたいだ!これならもう守ってもらわなくても自分で戦える!」
クロが笑顔で私を抱きしめてそう言った。
「あ、わり。」
クロは我に帰りすぐに離してくれたが、驚いてしばらく固まってしまった。
今まで首を絞められた事は何度かあったが、抱きしめられたのは初めてだった。20センチくらい身長差があるからちょっと怖かったのは言わないでおく。
クロは私に守られなくて済むと言っていたが、そうか。以前のパーティとの戦闘時も強敵に出会った時も影の中にしまっていたから、守られていると思っていたのか。私自身は自分の固有スキルで移動もできるから便利だと思いあまり考えていなかったが、クロは気になっていたようだ。
「あいつ、スキルで『剛力』ってのを持っていたみたいだ。多分だけどそれが使えるようになった。」
クロが「見てて」といい、壁を殴る。爆発したような音が響き壁に丸く穴が空く。
「これ竜化して使ったらとんでもない事になるんじゃないか?」
嬉しそうなクロが声を弾ませながらそう言う。たしかに、竜化したクロが剛力を使い殴ったら腕ウサギを超える力で殴れそうだ。その場面を想像したら足鳩が弾けたのを思い出し、身震いをする。だが戦闘で役に立つのは間違いない。クロも嬉しそうだし。
クロが新たなスキルを身につけた所で、腕ウサギの死体を解体しバングルにしまい、狭い通路を出る。塩も何も振っていないから素材そのものの味になるが、肉は肉だ。きっと食料になる。持って行って損はないだろう。
ついでに溜まったSPを使って片っ端からスキルを取っていく。耐性が上がるスキルは早めに取っておいた方が良さそうだ。
鑑定で見てみたところ、耐性系のスキルは、スキルに対する負荷がかかる事で徐々にレベルが上がっていくようだ。
「他の魔物からも魔石が貰えるかもしれないから、回収しに行かないか?」
魔石を壊した事で強くなれるのなら、私も強くなりたい。魔物を倒し、稀に出てくる魔石を回収。もし回収できなくても経験値がもらえるからレベルも上がって一石二鳥だ。
「あぁ、もっとたくさん回収しようぜ!」
クロの同意を得てここの階層の魔物を影に入って探す。先手を取られたくないため隠密も使っている。
ダンジョンには階層が深くなれば、フロアボスというものが出てくる。そのままの意味でその階層で一番強い魔物という意味だ。どうやらここの階層では腕ウサギがフロアボスだったらしく、あいつよりも強い魔物は出てこなかった。と言っても、やはり上の階層よりは段違いで強いが。
腕ウサギが食べていた4つ耳熊の群れを見つけ、影から出て奇襲をかける。腕ウサギを倒し大幅にレベルが上がった事で大量に貰ったSPを使い覚えた、『死神の鎌』で攻撃する。
死神の鎌は、遠く離れた敵でもその場から攻撃できるスキルだ。しかし、敵が見えていないと攻撃は届かない。
4つ耳熊の首に狙いを定め、鎌を振り下ろす。黒い斬撃が熊の体に当たる。はやり初めて使うスキルだから狙い通りに当てる事はできなかった。まぁ、当たったのだから今は良しとしよう。
熊がこちらに気づき、怒りを顕にし襲いかかってくる。熊が左手を振り上げ殴りかかろうとした時、クロが私の前に出て熊の顔面を殴りつける。剛力を使い殴ったみたいだ。熊の顔がひしゃげ、走ってきたスピードに頭が置いていかれその場で体が回転して倒れた。改めて見ると威力とんでもないな。
綺麗に1回転を決めて倒れた熊を仲間の熊はポカンと見つめていた。近くで止まっているなら当たるかもしれない。私はもう一度死神の鎌を使い、ごとりと熊の首が落ちる。今度はしっかり首に当たった。近いと簡単に当たるな。
熊は残り2体。仲間の2体がサクッと死んでしまい、私達を危険とみなしたのか残りの2体が逃げ出した。ここで逃してしまったら経験値が惜しい。死神の鎌の精度を上げるためにも練習台になってもらおう。
最初に腹に攻撃した方の熊に、死神の鎌を使い胴体を切り裂いた。遠い上に動いてる敵の首を狙うのはまだまだ練習が足りないな。
もう1体はクロが雷撃で仕留めたようだ。
熊の死体を確認し、茶色の魔石を1つ回収した。
壁が炉のようになってフレイムブレスの威力も上がっていたようだ。腕ウサギがこんがり焼き上がっていた。
「食料問題も解決、か?」
レベルが上がりHPもMPも回復したが、やはり精神的疲労が大きい。強敵を倒したことで安心し足の力が抜けて座り込む。
壁にもたれ深呼吸をしたところで、腕ウサギの死体から中央が深い赤色をした透明な玉が出てきた。
「それ、魔石じゃないか?」
「魔石?」
本で読んだような覚えがあるが、そんなに記憶がない。魔物の体から出てきたから魔物の核となるものだろうか。
「あぁ。魔物からまれに入手できる魔力の結晶みたいなやつだ。武器とか盾に埋め込んで使うとか…。そういえば里で読んだ本には上手く魔石を壊せば吸収できるともあったな…」
「吸収…そんなことも出来るのか。壊し方は書いてなかったか?」
「小さい時に読んだからあまり覚えてないんだ。すまない」
クロは申し訳なさそうに首を横に振った。
吸収できる、か。これはいいことを聞いた。上手く壊して吸収すれば強くなれるかも。
「クロ、チャレンジしてみてもいいか?」
「ん?あぁ、いいんじゃないか?もし上に戻れたとしても売るか装備品にするかくらいだし」
クロからの了承も得て、早速壊しにかかる。鎌の柄の部分で突っついてみたが、相当硬い。刃の方で攻撃したら刃こぼれを起こしそうだ。
魔石の中心が赤色って事は、これは炎の魔法が込められた魔石と考えていいのだろうか。腕ウサギは炎系の魔法は使ってなかったと思うが。炎に強いのは普通に考えると水か。水圧で攻撃する『アクアカッター』なら壊せるかもしれないが、私は水とは相性が悪いみたいであまり威力が出ない。それでもやってみる価値はあるか。試してみよう。
手を開き、水をイメージしながら手を横に薙ぐ。パシャンと水の音が響いたが、魔石には傷1つ付いていない。やはりダメだったか。
「クロ、水系の魔法って使えるか?私とはどうも相性が悪くてな。」
「水?使えないことも無いが、あまり得意じゃ無いぞ。」
クロも苦手みたいだが、現実世界から来た私よりも元からこの世界にいたクロの方が魔法は得意だと思うからきっと私よりも威力は出るはずだ。
クロにアクアカッターを使ってもらい、魔石を確認する。
「……ダメだ。傷もついてない。」
クロでも傷がつかないのなら、水の魔法では壊せないということか。赤色の反対は青、青なら水というイメージがあったが間違いだったみたいだ。
ならば、腕ウサギが得意だったものを考えてその反対をぶつけてみるか。足鳩を倒した時も、熊を食べていた時も魔法を使った形跡は無かった。という事は腕ウサギは自己強化の魔法を使って戦っていたのかもしれない。自己強化の反対といえば、弱体化になるがそんな魔法で魔石は壊せるのか…?
私は自己強化の魔法しか使えない。またクロに頼むことになるな。
「クロ、弱体化の魔法で何か使えるのあるか?」
「弱体化か。攻撃力低下魔法なら使えるぞ。やってみるか。」
「頼む。」
クロが魔石に手をかざし、魔法をかけた。すると、徐々に中心の赤色が透明になっていき、パリンと小気味いい音が響き、魔石が壊れた。壊れた魔石から赤色の魔力が溢れ出し、クロの体へと入っていった。
「…まじか。」
弱体化で魔石が壊れるとは思わなかった。どうやら魔石の力は壊した本人に吸収されるみたいだ。私の方へは入ってこなかった。
「何か違和感とかあるか?大丈夫か?」
魔石を壊して、一言「まじか」と呟いてからクロの反応がない。少し不安になり、クロに近づき顔を覗き込む。
「……すげぇよ。すげぇよこれ!力が溢れてくるみたいだ!これならもう守ってもらわなくても自分で戦える!」
クロが笑顔で私を抱きしめてそう言った。
「あ、わり。」
クロは我に帰りすぐに離してくれたが、驚いてしばらく固まってしまった。
今まで首を絞められた事は何度かあったが、抱きしめられたのは初めてだった。20センチくらい身長差があるからちょっと怖かったのは言わないでおく。
クロは私に守られなくて済むと言っていたが、そうか。以前のパーティとの戦闘時も強敵に出会った時も影の中にしまっていたから、守られていると思っていたのか。私自身は自分の固有スキルで移動もできるから便利だと思いあまり考えていなかったが、クロは気になっていたようだ。
「あいつ、スキルで『剛力』ってのを持っていたみたいだ。多分だけどそれが使えるようになった。」
クロが「見てて」といい、壁を殴る。爆発したような音が響き壁に丸く穴が空く。
「これ竜化して使ったらとんでもない事になるんじゃないか?」
嬉しそうなクロが声を弾ませながらそう言う。たしかに、竜化したクロが剛力を使い殴ったら腕ウサギを超える力で殴れそうだ。その場面を想像したら足鳩が弾けたのを思い出し、身震いをする。だが戦闘で役に立つのは間違いない。クロも嬉しそうだし。
クロが新たなスキルを身につけた所で、腕ウサギの死体を解体しバングルにしまい、狭い通路を出る。塩も何も振っていないから素材そのものの味になるが、肉は肉だ。きっと食料になる。持って行って損はないだろう。
ついでに溜まったSPを使って片っ端からスキルを取っていく。耐性が上がるスキルは早めに取っておいた方が良さそうだ。
鑑定で見てみたところ、耐性系のスキルは、スキルに対する負荷がかかる事で徐々にレベルが上がっていくようだ。
「他の魔物からも魔石が貰えるかもしれないから、回収しに行かないか?」
魔石を壊した事で強くなれるのなら、私も強くなりたい。魔物を倒し、稀に出てくる魔石を回収。もし回収できなくても経験値がもらえるからレベルも上がって一石二鳥だ。
「あぁ、もっとたくさん回収しようぜ!」
クロの同意を得てここの階層の魔物を影に入って探す。先手を取られたくないため隠密も使っている。
ダンジョンには階層が深くなれば、フロアボスというものが出てくる。そのままの意味でその階層で一番強い魔物という意味だ。どうやらここの階層では腕ウサギがフロアボスだったらしく、あいつよりも強い魔物は出てこなかった。と言っても、やはり上の階層よりは段違いで強いが。
腕ウサギが食べていた4つ耳熊の群れを見つけ、影から出て奇襲をかける。腕ウサギを倒し大幅にレベルが上がった事で大量に貰ったSPを使い覚えた、『死神の鎌』で攻撃する。
死神の鎌は、遠く離れた敵でもその場から攻撃できるスキルだ。しかし、敵が見えていないと攻撃は届かない。
4つ耳熊の首に狙いを定め、鎌を振り下ろす。黒い斬撃が熊の体に当たる。はやり初めて使うスキルだから狙い通りに当てる事はできなかった。まぁ、当たったのだから今は良しとしよう。
熊がこちらに気づき、怒りを顕にし襲いかかってくる。熊が左手を振り上げ殴りかかろうとした時、クロが私の前に出て熊の顔面を殴りつける。剛力を使い殴ったみたいだ。熊の顔がひしゃげ、走ってきたスピードに頭が置いていかれその場で体が回転して倒れた。改めて見ると威力とんでもないな。
綺麗に1回転を決めて倒れた熊を仲間の熊はポカンと見つめていた。近くで止まっているなら当たるかもしれない。私はもう一度死神の鎌を使い、ごとりと熊の首が落ちる。今度はしっかり首に当たった。近いと簡単に当たるな。
熊は残り2体。仲間の2体がサクッと死んでしまい、私達を危険とみなしたのか残りの2体が逃げ出した。ここで逃してしまったら経験値が惜しい。死神の鎌の精度を上げるためにも練習台になってもらおう。
最初に腹に攻撃した方の熊に、死神の鎌を使い胴体を切り裂いた。遠い上に動いてる敵の首を狙うのはまだまだ練習が足りないな。
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