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第九話

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「競争はいいけど、物を壊さないように気をつけてね」
《《》》 
「皆、もとの姿に戻ってー」

精霊王は、元々、人間と同じ大きさだけど、普段は動いたりするのに不便だからって、小さい手のひらサイズになっています
自由に変化できますが…
だから、私とお話をする時は、毎回元の姿に戻ってもらうんです
タメ語なのは、話しやすいし、親しみやすいからです

《マリア、今日は最悪な日だったね》

フィン…

「別に最悪って程でも無いわよ。結局、婚約はしなくてすんだのですもの」
《むぅー!マリアは甘いよ!》

あらディン

「そうかしら?」
《そうだ!だから、他の人間がつけあがるんだ!》

ファイまで…

《マリアの本当の力を知れば、誰もマリアに歯向かおうとなんてしないのに!》

ウォン…

「それは、言っても仕方の無い事よ。私の、その力は、他の人にはバレてはいけないの」
《…ごめんなさい…》
「ウォン、怒ってる訳じゃないんだから、そんなに縮こまらなくていいのよ」

私を思って言ってくれた事は分かっていますから
私には、珍しい力があります
大きな、とても強い力が…
でも、その力は絶対に使ってはいけないのです

《でも、もし…》

フィル?

《もし、その力が必要になったら…使わなくてはいけない状況になったら、マリアはどうするの?》

それは…

「そんな状況にはならないようにするけど…もし、その状況になったら…私は…」「終わったよー」

カイお兄様…
タイミング良すぎです
まぁ、こんなに重たい話をしたくて皆を呼んだわけではありませんし

「丁度いいですね。この話はここで終わりにしましょう」
《《《》》》

先程話していた力は、いつか知る日が来ると思いますよ
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