桜舞うなか、見つめて

二宮みぃ。

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ねぇ、先輩

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「ねぇ、先輩」

「ん?なに、笹岡ちゃん」

「............もうすぐ卒業ですね、」



桜の木が良く見える美術室。



私、笹岡詩織(ささおかしおり)は。



あと、3日で高校を卒業する、
寺岡久高(てらおかくだか)先輩に声をかけた。



すると........................



「.........ふっ。なに寂しそーな顔してんの」

「~~っ、してませんっ!」



寺岡先輩に、決まってからかわれる。



「はいはい。分かってるよ。俺らが卒業したら、笹岡ちゃん部長だから期待してるよ」

「............っ、分かってます、」



寺岡先輩は、
はっきり言って、学校で1番モテる。



そのくせ、彼女は作らなくって。



なのに、人をからかって、
無駄に、期待させるのだけは上手。



私は、そんな、
──────寺岡先輩が、好きだ。
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