上 下
1 / 2

帰り道は、

しおりを挟む


ビュゥ------------------



寒い、寒い北風が吹いたあと。



「............こんな寒い日に、
学校帰りにアイスクリームとか、
俺らって、ほんと肝座ってるよな」



そう言って、私の方を見つめる、
幼なじみの、加賀見慎也(かがみしんや)。



「いや、私たちだけじゃなくって、
冬でも雪でもアイスクリーム食べるのって、北海道人くらいらしいよ」



有名な話しを慎也に伝えたのは、
私、及川玲七(おいかわれな)。



「知ってる。何回も聞いたわ」

「うん。何回も話した」



学校の帰り道は、いつも慎也と一緒。



気づいたら、ずっと慎也がいて。



小学生の時からいつも、
アイスクリームを食べながら帰る。



それが、私たちの、
──────当たり前で日常だ。
しおりを挟む

処理中です...