あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

三章 いざ、入試へ！

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「っ、アーネ！お帰りなさい。
　……どう、だった？」

　恐る恐る聞いてくる兄様の前に私はお母様と同じように紙をばっと差し出す。
　一度驚いてから、兄様はじっくりと紙を読んだ。
　目線が下までいくと、ぱっと顔を明るくする。

「すごいや！
　おめでとう、アーネ」

　兄様が抱きついてくる。
　ふふっ、そうやって喜んでくれると嬉しくなるな。

「おめでとう、姉様？」

　いまいちよくわかっていないようなリュラもそう言ってくれた。
　思わず私もリュラのことを抱きしめてしまった。
　かわいいな～、リュラ。

「家の入り口に固まって何をしているんだ？」

　突然後ろから聞こえてきたのはお父様の声。

「きゃっ！」

　思わずあげてしまった悲鳴に、お父様は少しショックを受けていた。
　すいません、でも本当に驚いたんです。

「お帰りなさいませ、旦那様。
　お帰りがはやかったのですね」

「ああ、最近は皆大人しくてな。
　助かっている。
　それに、今日はアーネミリアの発表日だからと他のものも気を使ってくれたようで」

「父様、よかったです。
　早く帰ってきてくださって」

「アーネミリアの結果も気になるところだが、まずは中に入ろうか。
　アーネミリア、私の部屋に来なさい」

　返事をしつつ、私はその言葉に緊張した。
　父様の部屋に行くなど初めてだ。

「アーネ様、お帰りなさいませ。
　お着替えをいたしますか？」

「ただいま、ベンネ。
　お父様に呼ばれているから、先に行ってくるわね」

　部屋に戻った私を迎えてくれたベンネに、お父様のところへ行くと伝えると、あらっ、というように眉を上げた。

「では、また後ほど」

　ベンネと別れて、さっそくお父様の部屋へと向かう。
　お父様の執務室は自室よりも扉からして豪華だった。
　まあ、お客様の接待もここでするからそりゃそうか。

「お父様、アーネミリアです」

「入っていいぞ」

　がちゃり、と心地良い音と共に扉を開ける。
　手にはしっかりと結果が書かれた紙が握られている。

「アーネミリア、そこに座りなさい」

　指された先には、ふかふかのソファ。
　座るとすかさず、父の執事が紅茶と茶菓子を置いてくれる。
　さすが優秀だな、と感心してしまう。

「下がっていてくれ」

　父の一言に執事さんが一礼して下がっていく。
　さて、と父も私の前へと座った。