あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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三章 いざ、入試へ!

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 ふと、目を開けると映ったのは見慣れた天井。
 あっ、戻って来れたみたいだ。
 外は暗く、少しほっとした。

 額には少しひんやりとしたタオルがかけられている。 
 ベンネがやってくれたのかな?
 頭痛はもう引いている。

 扉が開く音に、そちらを見るとちょうどベンネが水が張った入れ物を持って、入ってくるところだった。

「アーネ様!
 目覚められたのですね」

「おはよう、ベンネ」

「ああ、もう心配いたしましたよ。
 急に旦那様が人をお呼びになるので、何事かと思えば、アーネ様がお倒れになっているのですから」

「迷惑をかけてしまったわね。
 もう、大丈夫よ」

「お気になさらないでください。
 体調が回復なされてなりよりです。
 旦那様もとても心配していらしましたよ。
 あれほどに慌てていらっしゃる旦那様は初めて見ました」

 お父様に迷惑をかけてしまったと落ち込むと、ベンネはあわあわと私を元気づけた。
 
「皆さまに知らせて参りますね」

 部屋を出ていくベンネを見送ると、時計を見てみる。
 18時57分。
 もうだいぶ時間が経っている。
 やってしまったな、とため息をついていると扉が開いた。

「アーネミリア、大丈夫か?」

「大丈夫?」

 入ってきたのはお父様とお母様。
 二人とも私の顔を見ると、ほっとした顔になった。
 心配させてしまって、申し訳ない。

「もう、大丈夫です。
 頭痛もすっかり引きましたし」

「それは、よかった。
 急に頭を抱えて苦しそうにしたから、焦ったよ」

「一応治癒魔法はかけておいたから、効いてよかったわ」

「ご心配をおかけしてすいませんでした」

「気にしないで。
 料理人達がごちそうを用意してくれたのだけれど、食べられそうかしら?」

「はい、いただきます!」

 実は夕飯を楽しみにしていたのだ。
 普段から食事は豪華なのだが、やはり自分を祝うために作ってくれたものは楽しみだ。
 間に合ったようようで嬉しい。

 三人で食堂に向かっていると途中で兄様とも合流した。
 話を聞いていた使用人が気を利かせて、兄様を呼んでくれたみたいだ。
 残念ながらリュラは寝てしまったようだけど。

「大丈夫?アーネ。
 急に倒れたと聞いて心配していたよ」

「すいません、兄様。
 もう、大丈夫です」

 私の返答に兄様はよかったと言って頭を撫でてくれた。

「さあ、早く食堂へいこうか。
 料理人達も食べてもらえるのを待っているはずだからね」

 父様の言葉に皆、少し足を速めた。
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