あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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五章 学園生活 1‐1

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「アーネ、どうしたんだい?」

 兄様がこちらを心配そうに見て問いかける。
 今はこの家族を大切にしたいと心から思っているのだ。
 ランスにも前に言ったように別れもできなかった以上、私が前の家族を忘れることは決してない。それでも、やっぱり今はこの人たちを大切にしたいと思う。

「いえ、なんでもありません」

「そう……? 
 あっ、ねえ今日のお昼一緒に食べないかい?
 もう初等科でも午後まであるはずだから」

「そうなんですか⁉
 私、お昼もお金も持ってきておりません……。
 どうしましょう」

「あれ、知らなかったのかい? 
 安心して、学食の代金の請求はあとで家に来るから。
 普段は学生証を使えばお昼を買えるよ」

 へー、と感心してしまう。
 この学生証にそんな機能があったなんて。
 電子マネーみたいな便利なものがこっちにもあるなんて思わなかった。
 確かに、これをもらうときにこれは魔術師が一枚一枚特殊な術式を用いて作っているものだから大切にするようにと念を押された覚えがある。
 
「そうなんですね。
 では、一緒に食べましょう!」

「うん、じゃあ教室で待っていてくれないか」

「わかりました」

 楽しみだな、と思っていると馬車はいつの間にか学園についていた。



 うう、緊張する……。
 教室の目の前で、思わず足を止めてしまう。
 久しぶりの教室ってなんだか緊張しません⁉
 しかも入学して数日でこんなに休むなんて……。
 なかなか一歩を踏み出せないでいると、突然後ろから抱き着かれた。
 
「お久しぶりです、アーネさん!
 よかった、体調が戻られたのですね」

「ルカさん!
 び、びっくりしました……」

「ああ、申し訳ありません。
 抱き着いてしまうなんて……。
 嬉しくなって、つい」

 うん、ルカさんがこんなことをするイメージが全くなかったから、本当にびっくりした。
 ちゃんと来ただけでそんなに喜んでもらえるなんて思わなかったし、なんか嬉しい反面申し訳なさもある。
 
「おはようございます、ルカさん」

「おはようございます。
 教室の前で何をなさっていたんですか?

「あ、いえ……。
 なんでもないです」

 うろうろしていたところを見られていたのかと思うと、なんだか恥ずかしい。
 あわあわしている私を不思議そうに見ながら、ルカさんが教室への扉を開けた。
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