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彼①
222
しおりを挟む2年前の2月22日
222の奇跡が起きた。
いっつも、どうしたって、
無理矢理にタイミングを合わせようとしたら、絶対にすれ違ってたのに、
この日だけは神さまが降りてきてくれたんだ。
後にも先にも、
この日ほど彼と会話が続けて出来た時間はないかもしれない。
およそ15分くらい。
「あのー、前から思ってたんですけど、
髪、切ったんですね!」
「誰にも言われなかったから、誰も気付いてないのかと思ってました!
ありがとうございます!」
本当にどうでもいい他愛のない会話、、、
なのに、飛び切り嬉しかったんだ。
時折この会話を思い出しては
猛烈に悲しくなって
今でも彼とのあの楽しかった空気感が鮮明に蘇ってきてしまい、自滅するんだ。
「今、ここに彼はいない。」って。。。
そして、その晩
22時22分に祈ってみたんだ。
「どうか、彼と一緒にさせてください。」
って。
ただそして、泣いているだけだった。
怖くて何もできなかった。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
こんな私はやっぱり嫌われているかもしれない。
気のせいかもしれない。
こんなに気持ちが持っていかれるのは、ただの精神病なだけかもしれない。
何も出来ないのに、
何も行動すらしないのに、
何の勇気もなくて、
ただ待ってるだけなのに、
何も動かない現実に、
泣いて見ているだけだった。
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そして1年前の2月22日は
拗ねてたんだ。
完全に会えなくなって、7ヶ月が経とうとしていた。
そしてまた泣いていたんだ。
「どうせ、もう会えないんだ。」
「ねぇ、神さま、どうか、彼に会わせてください。。。」
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