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しおりを挟む「らめ、そっちは、らめぇぇぇ」
口の中に納まった可愛らしい9610の陰茎を舌で舐め回し、時折喉奥で吸い、陰嚢をやわやわと揉んでやる。そもそも自分から襲ってきたくせに、9610は口淫から逃れようと必死に身悶え、最終的には仰向けになり、両脚をアルクの両肩に担がれてしまい、パタパタと足をばたつかせている。その抵抗ぶりが愉快になり、一度射精したのにも関わらず、アルクは口を離してやらない。
「あ、うぅ、ああん…ッ」
何度目かの精を放ち、ぐったりとしたところでようやく離してやる。未だに甘ったるい匂いが鼻について、アルクの興奮は治まらないが、それでもだいぶ冷静さを取り戻していた。
アルクの股間は、妖艶な9610の痴態を前にバキバキに張り詰めている。血管がこれ以上なく怒張し、こんなにも全力勃起できたのか!とアルクは今まで知らなかった自身のポテンシャルに戦いた。
舐め刷りをして、獲物の両脚を開かせようとしながらも、アルクは理性でその手を止める。放心し、涙で濡れた9610の両頬を両手で包み込んだ。黒い瞳は光を失った人形のように虚ろで、アルクの胸を締め付ける。
「ごめんな、怖かったよな」
目の前の虚ろな目はゆっくりと瞬く。放心しつつも、どうやら彼なりに驚いたらしい。アルクは苦笑した。
「俺はお前を、性欲処理の道具になんてしたくないんだ。なのに、暴走した。すまない」
ポロリと、いつぞやのように9610の瞳から涙が溢れる。それを始まりにして、悔しがるように、クシャクシャに表情筋を歪めて、9610は大泣きし始めた。
「つかえよ!つかってくれよ!他に出来ることなんてろくにないのに…!なんで、ボクを人間みたいに扱おうとするんだよ!バカじゃないの!?バカ!大バカ!」
「好きだからに決まってる」
アルクは3000年生きた割りに情緒が育ちきっていない9610を抱き締めた。
「人間じゃないのに…」
「うん。好きだ。大切にしたい」
まるで言葉の真偽を確かめるように、9610はアルクの胸元に頬を寄せて耳を済ませる。
「ぼ、僕が、アンタの子供産みたいって言ったら…どうすんの?」
「幸せだなぁ」
床からベットに移動し、胡座をかいて座るアルクの膝上に、9610はやや恥じらいながらも向かい合う形で跨ぐように腰を下ろしていく。
「ンあああああっ」
ズブズブと、自重の助力を得ながら、熱く脈打つ楔を迎え入れ、9610は仰け反りながら悲鳴じみた喘ぎを上げた。
狭いが、きつくは無い。もっと、もっとと、絞り上げるように9610のナカは収縮し、うねる。その貪欲さに、アルクは「く、」と呻きつつ、何とか射精は堪える。
「僕の中、いっぱい…」
恍惚とした表情で9610が自身の腹を、隆起した腹部を撫でる。
「煽るな」
「ふひゃん!!ぬけちゃ…あ!やあ!あ!」
アルクの両手で9610の腰を掴み、上下にその体を動かしてやる。抜けるのではと焦って締め付けたところで再び身体を落とされ、奥まで突かれ、反射的な矯声が口から溢れる。後はもうその繰り返しだ。必死にアルクにしがみつきながらも、与えられる衝撃に9610はただひたすら喘ぐ。
「本当に、中に出して、いいのか?」
息を途切れさせながらも何とか問うと、必死に快楽を受け止めながら9610は必死に頭を縦に振る。
「あ!ちょ、だい!おくぅ!ひゃ!も!」
結局、一度中で吐精しただけで性交が終わるはずもなく。何回戦したかは覚えていないが、気づいたら2人で気を失うように眠っていた。
今日か明日にでも、隣の部屋か宿の管理人から苦情が来るに違いない。そのくらい激しかった。アルクはいい加減家を借りようと決める。それと転職だ。
幸い、気を失っても9610は実体化を維持している。二度寝するために抱き締めれば、最初から自分のために存在したかのように馴染む。幸せな重みだ。これからは、コイツを幸せにするために生きよう。アルクはそう決めて、目を閉じた。
アルクの寝息を確認し、9610は目を開ける。色々と思い出し、全身が熱くなる感覚に動揺する。今まで、人間だった時も、人間でなくなった後も、ずっと道具としてしか扱われて来なかった。性行為も道具としての役目でしかなかった。
(あ、あんなに、気持ちいいだなんて───!!)
熱を帯びた彼の手が、泣き出しそうな彼の眼差しが、剥き出しの心に触れたかのように、熱くて。3000年の中であんなに喘がされたのは初めてである。それもこれも、彼が9610をいち個人として想っており、且つ、9610も彼に内側まで愛されたいと願った結果なのだろう。
あんなに身も心も溶けそうで怖いほどの快感など知らない。どんなに乱れても、彼なら受け止めてくれると信頼していなければ、とてもじゃないが曝け出せない。
怖いほどの幸せと時間差で襲ってきた羞恥に、9610は悶絶した。
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