召喚したのは『男体 Ω(オメガ)』の幽霊でした

ひづき

文字の大きさ
6 / 10

しおりを挟む



「らめ、そっちは、らめぇぇぇ」

 口の中に納まった可愛らしい9610クロトの陰茎を舌で舐め回し、時折喉奥で吸い、陰嚢をやわやわと揉んでやる。そもそも自分から襲ってきたくせに、9610クロト口淫フェラから逃れようと必死に身悶え、最終的には仰向けになり、両脚をアルクの両肩に担がれてしまい、パタパタと足をばたつかせている。その抵抗ぶりが愉快になり、一度射精したのにも関わらず、アルクは口を離してやらない。

「あ、うぅ、ああん…ッ」

 何度目かの精を放ち、ぐったりとしたところでようやく離してやる。未だに甘ったるい匂いが鼻について、アルクの興奮は治まらないが、それでもだいぶ冷静さを取り戻していた。

 アルクの股間は、妖艶な9610クロトの痴態を前にバキバキに張り詰めている。血管がこれ以上なく怒張し、こんなにも全力勃起できたのか!とアルクは今まで知らなかった自身のポテンシャルにおののいた。

 舐め刷りをして、獲物の両脚を開かせようとしながらも、アルクは理性でその手を止める。放心し、涙で濡れた9610クロトの両頬を両手で包み込んだ。黒い瞳は光を失った人形のように虚ろで、アルクの胸を締め付ける。

「ごめんな、怖かったよな」

 目の前の虚ろな目はゆっくりと瞬く。放心しつつも、どうやら彼なりに驚いたらしい。アルクは苦笑した。

「俺はお前を、性欲処理の道具になんてしたくないんだ。なのに、暴走した。すまない」

 ポロリと、いつぞやのように9610クロトの瞳から涙が溢れる。それを始まりにして、悔しがるように、クシャクシャに表情筋を歪めて、9610クロトは大泣きし始めた。

「つかえよ!つかってくれよ!他に出来ることなんてろくにないのに…!なんで、ボクを人間みたいに扱おうとするんだよ!バカじゃないの!?バカ!大バカ!」

「好きだからに決まってる」

 アルクは3000年生きた割りに情緒が育ちきっていない9610クロトを抱き締めた。

「人間じゃないのに…」

「うん。好きだ。大切にしたい」

 まるで言葉の真偽を確かめるように、9610クロトはアルクの胸元に頬を寄せて耳を済ませる。

「ぼ、僕が、アンタの子供産みたいって言ったら…どうすんの?」

「幸せだなぁ」



 床からベットに移動し、胡座をかいて座るアルクの膝上に、9610クロトはやや恥じらいながらも向かい合う形で跨ぐように腰を下ろしていく。

「ンあああああっ」

 ズブズブと、自重の助力を得ながら、熱く脈打つ楔を迎え入れ、9610クロトは仰け反りながら悲鳴じみた喘ぎを上げた。

 狭いが、きつくは無い。もっと、もっとと、絞り上げるように9610クロトのナカは収縮し、うねる。その貪欲さに、アルクは「く、」と呻きつつ、何とか射精は堪える。

「僕の中、いっぱい…」

 恍惚とした表情で9610クロトが自身の腹を、隆起した腹部を撫でる。

「煽るな」

「ふひゃん!!ぬけちゃ…あ!やあ!あ!」

 アルクの両手で9610クロトの腰を掴み、上下にその体を動かしてやる。抜けるのではと焦って締め付けたところで再び身体を落とされ、奥まで突かれ、反射的な矯声が口から溢れる。後はもうその繰り返しだ。必死にアルクにしがみつきながらも、与えられる衝撃に9610クロトはただひたすら喘ぐ。

「本当に、中に出して、いいのか?」

 息を途切れさせながらも何とか問うと、必死に快楽を受け止めながら9610クロトは必死に頭を縦に振る。

「あ!ちょ、だい!おくぅ!ひゃ!も!」





 結局、一度中で吐精しただけで性交が終わるはずもなく。何回戦したかは覚えていないが、気づいたら2人で気を失うように眠っていた。

 今日か明日にでも、隣の部屋か宿の管理人から苦情が来るに違いない。そのくらい激しかった。アルクはいい加減家を借りようと決める。それと転職だ。

 幸い、気を失っても9610クロトは実体化を維持している。二度寝するために抱き締めれば、最初から自分のために存在したかのように馴染む。幸せな重みだ。これからは、コイツを幸せにするために生きよう。アルクはそう決めて、目を閉じた。



 アルクの寝息を確認し、9610クロトは目を開ける。色々と思い出し、全身が熱くなる感覚に動揺する。今まで、人間だった時も、人間でなくなった後も、ずっと道具としてしか扱われて来なかった。性行為も道具としての役目でしかなかった。

(あ、あんなに、気持ちいいだなんて───!!)

 熱を帯びた彼の手が、泣き出しそうな彼の眼差しが、剥き出しの心に触れたかのように、熱くて。3000年の中であんなに喘がされたのは初めてである。それもこれも、彼が9610クロトをいち個人として想っており、且つ、9610クロトも彼に内側まで愛されたいと願った結果なのだろう。

 あんなに身も心も溶けそうで怖いほどの快感など知らない。どんなに乱れても、彼なら受け止めてくれると信頼していなければ、とてもじゃないが曝け出せない。

 怖いほどの幸せと時間差で襲ってきた羞恥に、9610クロトは悶絶した。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由

スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。 これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。 無自覚両片想いの勇者×親友。 読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

転生エルフの天才エンジニア、静かに暮らしたいのに騎士団長に捕まる〜俺の鉄壁理論は彼の溺愛パッチでバグだらけです〜

たら昆布
BL
転生したらエルフだった社畜エンジニアがのんびり森で暮らす話 騎士団長とのじれったい不器用BL

妹が聖女になったと思ったら俺は魔王の待ち人だった件

鳫葉あん
BL
幼い頃に両親を亡くし、妹の為に生きてきたゼノはある日不思議な女性と出会う。 不可解な言動の多い彼女は「貴方の求めている人に会える」とゼノを誘い、導かれるままゼノの旅が始まる。 自分のことを知る旅が。 尽くし系溺愛盲目悪魔×卑屈系地味受けの生まれ変わりものです。 ※他サイトにも投稿してます。 ※性描写は10話に入ります。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

オメガなのにムキムキに成長したんだが?

未知 道
BL
オメガという存在は、庇護欲が湧く容姿に成長する。 なのに俺は背が高くてムキムキに育ってしまい、周囲のアルファから『間違っても手を出したくない』と言われたこともある。 お見合いパーティーにも行ったが、あまりに容姿重視なアルファ達に「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」とキレて帰り、幼なじみの和紗に愚痴を聞いてもらう始末。 発情期が近いからと、帰りに寄った病院で判明した事実に、衝撃と怒りが込み上げて――。 ※攻めがけっこうなクズです。でも本人はそれに気が付いていないし、むしろ正当なことだと思っています。 同意なく薬を服用させる描写がありますので、不快になる方はブラウザバックをお願いします。

薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。  ─── からの~数年後 ──── 俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。  ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。 「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」  そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か? まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。  この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。  多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。  普通は……。 異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話。ここに開幕! ● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。 ● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。

異世界転移された傾国顔が、アラ還宰相の幼妻になって溺愛されるまでの話

ふき
BL
異世界に転移したカナトは、成り行きでアラ還の宰相ヴァルターと結婚することになる。 戸惑いながら迎えた初夜。衝動のキス、触れあう体温――そして翌朝から距離が遠ざかった。 「じゃあ、なんでキスなんてしたんだよ」 これは、若さを理由に逃げようとするアラ還宰相を、青年が逃がさない話。 ヴァルター×カナト ※サブCPで一部、近親関係を想起させる描写があります。

処理中です...