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休み時間の雑談
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人と人との繋がりとは、一緒にいる時間に比例する…という訳ではない。
どれだけ同じ時を重ねても、心が繋がっていなければ、近づけはしない。
ただ、子供の頃は親に一緒にいる時間イコール愛情と捉えていた気がする…
仕事仕事で構ってくれない親に対して、愛してくれないとすねていた…
だが実際は違うんだ…愛は一緒に居る時間に比例しないって…例え言葉にしなくても、顔を合わせなくても、一番大事なモノは言葉ではないのだ…
「てな理由をあげて、他所のクラスにいる男にグイグイ攻めないのは甘い!」
「そっ…そうかな? (‘Д’)**」
授業の間にある休憩時間、仲の良い女友達を二人、机を囲んでおしゃべり。
本当は彼の元へといきたいって思うんだけど、それをやるには自分のメンタルポイント。
san値が圧倒的に足りない…! とゲーマーなら言うのかな…きっと
入学当時から意気投合してきた彼女にはきっと、何もかも分かっている筈なのに…
「男なんて女と違って、あっちへフラフラ~、こっちへフラフラってするんだから! しっかりと捕まえておきなさい!!」
彼女から少し視線を外し、誰もいない方へ。そして人差し指を空に向けながら…
「霜月美桜…その論説は、何か得体の知れない熱情に駆り立てられているようだった…それに秘められし彼女の過去とは…!?」
「誰に向かって解説しているんだ~~~っ!! そんな過去ないわっ!!」
鋭いツッコミと共に、激しい合いの手が脳天を貫く…!
効果音だけ高く、実際はさほど威力のない絶妙な合いの手…そこに巧の技を感じる…!
「ごめんごめん~また男にフラれちゃったのかなって思ってさ~(*’▽’)」
「フラれておらんわ! まだ……ね」
舌をちょこっとだけ出し、悪戯っ子のような表情で美桜に笑いかける…すると、
美桜は綺麗な顔を豪快に怒った顔ふりをしたまま、演技っぽく大袈裟に腕を組みながらため息を吐いた。
「まだという事は、告白はまだなんだね~美桜も(‘ω’)ノ」
「余計なお世話よ! まったく…そんな人をチャカしてる暇があったら努力しなさい~。でないと、あんたも彼に逃げられちゃうわよ~?」
「そっ…そんな訳…!! ―――――――ないでしょ…( ;∀;)」
「ものすごい長い沈黙だったわね…」
数少ない女友達、会えば色恋の話をしてド突き合い、互いに不毛な牽制をしあう。
『その長い間に色々な事が頭をよぎったからだよ~!』、と表情で伝えるが、どこ吹く風の美桜はニヤニヤしながらこちらを見ている…
「また二人で漫才やってるの? 相変わらず仲イイわね~♪」
「葵~~ あんたは色恋に全く興味ないわよね? なんでよ~」
「男なんて面倒で鬱陶しいだけだもん~♪ 逆ナンするなら年上に限るわ!」
「進んでいるんだか、高望みしてるんだか、ボクには分からないよ…」
それまでスマホでマンガを観ながら、傍観者に徹していた葵が口笛を吹きながら口を開く。
休み時間の僅か10分の間にも、集まれば話すのはコイバナばかり…
女は三人集まれば姦《かしま》しい――と云うが…互いの好きな好みが被らないので、取り合う事はないのが幸いだった。
「普段はド突き漫才できるぐらい逞しいのに…あんたが緊張するのって東谷君限定なんじゃない? もしかしなくても…」
「はははは…ほんと何でだろうね…」
「うちらの中では一番のお喋りだよね?」
そうなのだろうか? 漫才の相方のツッコミに腕を組み、首を傾げながら考え込むけど…う~ん、思い出して…思い出すんだ樹《たつき》!
「…ボクがお喋りって…そんなの…えっと…そうなのかな?」
「おい、こいつ…自覚がないぞ!」
「いや…あるよ…あるけどさ…ちょっとボケたくなった(._.)」
実は登校中ずっと、耳を触られたショックでずっと赤面して隣を歩いていたのは内緒である…東谷君にはとりあえず、寒さで赤くなってると言い訳していたが…
美桜につっこまれて、思わずその時の事を思い出しそうになり、慌ててボケて赤面するのを回避していたのだが…二人にはバレてないよね?
「まあ~ボケるぐらい余裕があるなら幸せかもね? でもその東谷君さっき…担任の工藤先生と二人『きり』で廊下を歩いていたわよ?」
「ぬわ~~にっ!!」
(キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン)
ボケで回避しようと思ったら、いきなりの爆弾投下…思わず絶叫をあげたタイミングでチャイムが鳴った…そして同時に入ってくる数学の先生…
集まっていた二人はそれぞれ席に戻り、先生は『お前ら席に座れよ~』と少しだるい口調で教壇に立ち、授業を始めようとする…
爆弾を投下していった相方に恨みがましいというか、逆恨みのような視線を向けながら、噛みつく様な表情で先生の顔を見る…
「どうしたんだ? 一体…何かあったのか?」
「いえ…大丈夫です、先生。時間通り授業を終えて頂けたら何も問題ありません」
「おっ…おう…分かった…」
間違っても授業延長して、休み時間に割り込むような真似はしないで! という念を込めた視線を向けながら、ボクは黙々とただ機械のように目の前の計算式を解き、時間を短くさせる為に、率先して先生の質問に手をあげて答え、教壇で答えを書き続けた…
(とにかく…何で二人きりだったのか、東谷君に訊ねねばならない!!)
どれだけ同じ時を重ねても、心が繋がっていなければ、近づけはしない。
ただ、子供の頃は親に一緒にいる時間イコール愛情と捉えていた気がする…
仕事仕事で構ってくれない親に対して、愛してくれないとすねていた…
だが実際は違うんだ…愛は一緒に居る時間に比例しないって…例え言葉にしなくても、顔を合わせなくても、一番大事なモノは言葉ではないのだ…
「てな理由をあげて、他所のクラスにいる男にグイグイ攻めないのは甘い!」
「そっ…そうかな? (‘Д’)**」
授業の間にある休憩時間、仲の良い女友達を二人、机を囲んでおしゃべり。
本当は彼の元へといきたいって思うんだけど、それをやるには自分のメンタルポイント。
san値が圧倒的に足りない…! とゲーマーなら言うのかな…きっと
入学当時から意気投合してきた彼女にはきっと、何もかも分かっている筈なのに…
「男なんて女と違って、あっちへフラフラ~、こっちへフラフラってするんだから! しっかりと捕まえておきなさい!!」
彼女から少し視線を外し、誰もいない方へ。そして人差し指を空に向けながら…
「霜月美桜…その論説は、何か得体の知れない熱情に駆り立てられているようだった…それに秘められし彼女の過去とは…!?」
「誰に向かって解説しているんだ~~~っ!! そんな過去ないわっ!!」
鋭いツッコミと共に、激しい合いの手が脳天を貫く…!
効果音だけ高く、実際はさほど威力のない絶妙な合いの手…そこに巧の技を感じる…!
「ごめんごめん~また男にフラれちゃったのかなって思ってさ~(*’▽’)」
「フラれておらんわ! まだ……ね」
舌をちょこっとだけ出し、悪戯っ子のような表情で美桜に笑いかける…すると、
美桜は綺麗な顔を豪快に怒った顔ふりをしたまま、演技っぽく大袈裟に腕を組みながらため息を吐いた。
「まだという事は、告白はまだなんだね~美桜も(‘ω’)ノ」
「余計なお世話よ! まったく…そんな人をチャカしてる暇があったら努力しなさい~。でないと、あんたも彼に逃げられちゃうわよ~?」
「そっ…そんな訳…!! ―――――――ないでしょ…( ;∀;)」
「ものすごい長い沈黙だったわね…」
数少ない女友達、会えば色恋の話をしてド突き合い、互いに不毛な牽制をしあう。
『その長い間に色々な事が頭をよぎったからだよ~!』、と表情で伝えるが、どこ吹く風の美桜はニヤニヤしながらこちらを見ている…
「また二人で漫才やってるの? 相変わらず仲イイわね~♪」
「葵~~ あんたは色恋に全く興味ないわよね? なんでよ~」
「男なんて面倒で鬱陶しいだけだもん~♪ 逆ナンするなら年上に限るわ!」
「進んでいるんだか、高望みしてるんだか、ボクには分からないよ…」
それまでスマホでマンガを観ながら、傍観者に徹していた葵が口笛を吹きながら口を開く。
休み時間の僅か10分の間にも、集まれば話すのはコイバナばかり…
女は三人集まれば姦《かしま》しい――と云うが…互いの好きな好みが被らないので、取り合う事はないのが幸いだった。
「普段はド突き漫才できるぐらい逞しいのに…あんたが緊張するのって東谷君限定なんじゃない? もしかしなくても…」
「はははは…ほんと何でだろうね…」
「うちらの中では一番のお喋りだよね?」
そうなのだろうか? 漫才の相方のツッコミに腕を組み、首を傾げながら考え込むけど…う~ん、思い出して…思い出すんだ樹《たつき》!
「…ボクがお喋りって…そんなの…えっと…そうなのかな?」
「おい、こいつ…自覚がないぞ!」
「いや…あるよ…あるけどさ…ちょっとボケたくなった(._.)」
実は登校中ずっと、耳を触られたショックでずっと赤面して隣を歩いていたのは内緒である…東谷君にはとりあえず、寒さで赤くなってると言い訳していたが…
美桜につっこまれて、思わずその時の事を思い出しそうになり、慌ててボケて赤面するのを回避していたのだが…二人にはバレてないよね?
「まあ~ボケるぐらい余裕があるなら幸せかもね? でもその東谷君さっき…担任の工藤先生と二人『きり』で廊下を歩いていたわよ?」
「ぬわ~~にっ!!」
(キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン)
ボケで回避しようと思ったら、いきなりの爆弾投下…思わず絶叫をあげたタイミングでチャイムが鳴った…そして同時に入ってくる数学の先生…
集まっていた二人はそれぞれ席に戻り、先生は『お前ら席に座れよ~』と少しだるい口調で教壇に立ち、授業を始めようとする…
爆弾を投下していった相方に恨みがましいというか、逆恨みのような視線を向けながら、噛みつく様な表情で先生の顔を見る…
「どうしたんだ? 一体…何かあったのか?」
「いえ…大丈夫です、先生。時間通り授業を終えて頂けたら何も問題ありません」
「おっ…おう…分かった…」
間違っても授業延長して、休み時間に割り込むような真似はしないで! という念を込めた視線を向けながら、ボクは黙々とただ機械のように目の前の計算式を解き、時間を短くさせる為に、率先して先生の質問に手をあげて答え、教壇で答えを書き続けた…
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