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兄の苦労日記7
父上に妹を王都に連れて行けと命を出されて学園から帰ってきた。王都に行くため馬車に揺られていた。
まさか妹が父上に頼むとは思わなかった。
「父上に頼むなよ」
「私は2年も待ちました。それなのにお兄様は忙しいからって」
そういえば、そんな約束をしていた…。
「悪かった。忘れてた」
「今日は1日付き合ってください。行きたい場所があります」
頬を膨ませ拗ねる妹の頭を撫でて宥めることにした。律儀に2年も待っていた妹に免じて我儘を叶えるか。
妹は俺の手を繋いでふらふらと歩いていく。
店もない貧民街に辿り着いた。何が見たいかわからない。何も言わずについてこいと言うので黙って見守ることにした。
「お兄様、市に行きたいんですが・・・」
市!?逆方向だった。
まさか迷っていたのか…。
まぁいいか。妹の手を引いて人の賑わう市を目指した。妹は初めての王都の市が物珍しいのかきょろきょろとあたりを見渡していた。妹が飛び出さないように手をしっかり握ってゆっくり足を進めることにした。
突然妹が足を止めた。
「エイベル、あの子供を捕まえてください。私はここで待ってます」
店主に追いかけられる少年を指さしている。はぐれるわけにはいかないので風魔法で拘束した。妹が手を離して少年に駆け寄っていくので慌てて追いかけた。
妹は少年を抱え激怒する店主に銀貨を突きつけた。足元にはパンが散らかっていた。銅貨で買えるパンに銀貨を出すとはケチな妹にしては珍しい。
「離してください。お代は私が払いますわ」
「嬢ちゃん、こいつの知り合いか!?」
「はい。乱暴はやめてください。お釣りはいりません。この子から手を離してください」
知り合いじゃないよな。店主が投げ飛ばした少年に妹が駆け寄って抱き起こしている。事情がありそうだな。放っておいたら妹が殴られそうで睨む店主に声をかけた。
妹が安全なビアード領以外で外出禁止されているのはこの危機感のなさゆえだろうか。
「妹が申しわけない」
「そいつはいつもうちの物を盗むんだ。しっかり見とけ」
銀貨を1枚差し出した。
「他言無用にしてほしい。これで足りるか?」
「あんたは」
「詮索はやめてほしい」
店主が後ろの護衛を見て、不服そうな顔をして離れた。護衛騎士のつく子供は貴族。逆らうのは危険なことと知っているのだろう。
妹は少年の頭を撫でながら笑顔で俺を見てきた。この顔の時は厄介で絶対に妹は折れない。
「エイベル、あとで説明するのでついてきてください。食べられるものを買いたいです」
散らばったパンを拾い抱える少年からパンを取り上げ、やせ細った少年に果物を食べさせ、付いていくことにした。パンは騎士に預けて家畜のエサにすればいいか。こんな痩せ細った薄汚い子供が盗むのは事情があるだろう。
古びた扉をあけると、異臭がした。床にはやせ細った女性と幼女が眠っていた。妹は二人の側に近づき少年が俺に近づいてきた。
不安そうな顔をする少年に膝を折り、視線を合わした。
「事情を教えてほしい」
「母さんが倒れてからお金がなくなった。お役人に話しても、信じてもらえなかった。だから俺は・・」
盗んで生計を立てていたのか。フラン王国では見かけない金髪に黄色の瞳という風貌の所為だろうか。
異国民だろうと、うちの領ならすぐに保護する手続きがとられる案件だ。
「家族は?」
「母さんと妹だけ」
父親はいないのか。小さい体で必死に守っていたのか。盗みは許されないが気持はよくわかる。
頭をゆっくり撫でる。
「よく頑張ったな。男として立派だ」
「え?」
不思議そうに俺を見る顔はあどけなかった。
詳しく調べるか。こんな子供に無体な仕打ちは許せない。やせ細って、衰弱している母親を妹が手当している。魔法の勉強をしていたのは知ってるけど治癒魔法が使えるとは思わなかった。大量の本を読み、意外性の塊の妹ならありえるか。魔法について報告がないのは、妹が隠していたんだろう。まぁ魔力をコントロールでき危険がないならいいか。
「お兄様、連れて帰ってもいいですか?」
「そうだな。」
「ロキ、三人で私達の家に来ませんか?」
「いいの?」
「はい。今までよく一人で頑張りました。もう大丈夫です。お母様は責任もって私が元気にしますわ」
堂々と胸をはり、強気な笑みを浮かべた妹が泣き出した少年を抱きしめてあやしている。迷惑ばかりかける妹が子供をあやせるまで成長したのか。妹は放っておき、控えている護衛騎士に馬車の手配と3人保護する準備を整えるように命じた。
用意ができたので3人を馬車に乗せて、帰宅することにした。
俺は妹と別の馬車に乗り、顔を覗きこんだ。俺には少年達の保護が偶然には見えなかった。
「お茶会で噂を聞きましたの。王都の市に綺麗な髪色の妖精が出ると。嫌な予感がしたので調べてみたかったんです」
精霊ではなく妖精?
そんな怪しい話を信じたのか?
「市に行く前に歩き回っていたのは?」
「なんとなく歩きたかったんです。初めての王都に興奮してしまいました。せっかくのお兄様とのお出かけなのに、こんなに早く帰るのは残念です」
笑顔の妹にため息をついた。父上と一緒で妹も直感に優れているのかもしれない。父上達への説明は妹にさせることにした。
父上は妹の願いを叶えた。役人のことはルーン公爵家に依頼したらしい。王都の管理は名目は王家だが実質は宰相が請け負っている。もっと遊びたかったという妹の願いはいずれ叶えてやることにした。
***
学園での生活は慌ただしかった。呼び出しがなければ帰省する予定はなかった。入学して初めて妹から会いたいと頼まれて久しぶりに帰宅した。
妹は自由時間はずっとロキ達の面倒を見ているようだ。妹の部屋を訪ねるとロキとナギがいた。保護した頃と比べると肉はついたがまだまだ細すぎる。
「お兄様、ロキは天才です。教えるとなんでも覚えます」
上機嫌な妹が頭を撫でると、ロキは嬉しそうに笑っている。屈託なく笑う姿に安堵した。
「そうか。」
「お嬢様、エイベル様、俺も仕事したい」
「ナギも!!」
ロキには坊ちゃんとは呼ばれたくないので名前で呼ばせている。目を輝かせる二人に妹が困惑した顔をしている。
「子供は遊ぶのが仕事です」
「役にたちたい」
妹は困惑した目で俺を見た。やりたいならやらせればいい。
「マナ、二人にできそうな仕事を与えてやれ」
何を言い出すのかと睨まれている。
「お兄様?」
「せっかくやりたいことがあるならやらせればいい。やりたいことは人それぞれだ。俺はお前が武術習うの反対したけど、父上が許しただろ?」
しばらくして妹が頷いた。
「マナ、嫌がるならすぐにやめさせていいわ。お願いね」
「かしこまりました」
ロキ達をマナが連れて出て行った。
「レティシア、相談ってなんだ?」
「ローナが過去の事を聞くと発狂します。家族を探した方がいいか悩んでまして」
ロキ達の母親のローナは回復し侍女として働いていた。
「ロキは今が幸せだから、このままでいいって」
ローナよりもロキのほうがしっかりしているのか。無理して探す必要はないだろう。ローナ達の捜索願いも、出されていなかった。国民登録もないので、うちで新たに登録したくらいだ。父上達が動いてないなら俺達も動く必要はない。
「今はいいんじゃないか。生活に慣れたばかりだ。本人たちが望めば手を貸せ回ばいい。一人で動く前に相談しろよ。怯えるのは何か理由があるんだろう。危険だ」
「わかりました。帰ってきてくれてありがとうございます。」
「用はそれだけ?」
「はい」
「なら俺は学園に戻る。じゃあな」
驚いた顔をする妹は放っておいて学園に戻ることにした。
仕事が溜まっていた。初めて帰ってきてほしいと頼まれたから、顔を見にきただけだし。
妹もロキ達も元気そうでよかったよ。
まさか妹が父上に頼むとは思わなかった。
「父上に頼むなよ」
「私は2年も待ちました。それなのにお兄様は忙しいからって」
そういえば、そんな約束をしていた…。
「悪かった。忘れてた」
「今日は1日付き合ってください。行きたい場所があります」
頬を膨ませ拗ねる妹の頭を撫でて宥めることにした。律儀に2年も待っていた妹に免じて我儘を叶えるか。
妹は俺の手を繋いでふらふらと歩いていく。
店もない貧民街に辿り着いた。何が見たいかわからない。何も言わずについてこいと言うので黙って見守ることにした。
「お兄様、市に行きたいんですが・・・」
市!?逆方向だった。
まさか迷っていたのか…。
まぁいいか。妹の手を引いて人の賑わう市を目指した。妹は初めての王都の市が物珍しいのかきょろきょろとあたりを見渡していた。妹が飛び出さないように手をしっかり握ってゆっくり足を進めることにした。
突然妹が足を止めた。
「エイベル、あの子供を捕まえてください。私はここで待ってます」
店主に追いかけられる少年を指さしている。はぐれるわけにはいかないので風魔法で拘束した。妹が手を離して少年に駆け寄っていくので慌てて追いかけた。
妹は少年を抱え激怒する店主に銀貨を突きつけた。足元にはパンが散らかっていた。銅貨で買えるパンに銀貨を出すとはケチな妹にしては珍しい。
「離してください。お代は私が払いますわ」
「嬢ちゃん、こいつの知り合いか!?」
「はい。乱暴はやめてください。お釣りはいりません。この子から手を離してください」
知り合いじゃないよな。店主が投げ飛ばした少年に妹が駆け寄って抱き起こしている。事情がありそうだな。放っておいたら妹が殴られそうで睨む店主に声をかけた。
妹が安全なビアード領以外で外出禁止されているのはこの危機感のなさゆえだろうか。
「妹が申しわけない」
「そいつはいつもうちの物を盗むんだ。しっかり見とけ」
銀貨を1枚差し出した。
「他言無用にしてほしい。これで足りるか?」
「あんたは」
「詮索はやめてほしい」
店主が後ろの護衛を見て、不服そうな顔をして離れた。護衛騎士のつく子供は貴族。逆らうのは危険なことと知っているのだろう。
妹は少年の頭を撫でながら笑顔で俺を見てきた。この顔の時は厄介で絶対に妹は折れない。
「エイベル、あとで説明するのでついてきてください。食べられるものを買いたいです」
散らばったパンを拾い抱える少年からパンを取り上げ、やせ細った少年に果物を食べさせ、付いていくことにした。パンは騎士に預けて家畜のエサにすればいいか。こんな痩せ細った薄汚い子供が盗むのは事情があるだろう。
古びた扉をあけると、異臭がした。床にはやせ細った女性と幼女が眠っていた。妹は二人の側に近づき少年が俺に近づいてきた。
不安そうな顔をする少年に膝を折り、視線を合わした。
「事情を教えてほしい」
「母さんが倒れてからお金がなくなった。お役人に話しても、信じてもらえなかった。だから俺は・・」
盗んで生計を立てていたのか。フラン王国では見かけない金髪に黄色の瞳という風貌の所為だろうか。
異国民だろうと、うちの領ならすぐに保護する手続きがとられる案件だ。
「家族は?」
「母さんと妹だけ」
父親はいないのか。小さい体で必死に守っていたのか。盗みは許されないが気持はよくわかる。
頭をゆっくり撫でる。
「よく頑張ったな。男として立派だ」
「え?」
不思議そうに俺を見る顔はあどけなかった。
詳しく調べるか。こんな子供に無体な仕打ちは許せない。やせ細って、衰弱している母親を妹が手当している。魔法の勉強をしていたのは知ってるけど治癒魔法が使えるとは思わなかった。大量の本を読み、意外性の塊の妹ならありえるか。魔法について報告がないのは、妹が隠していたんだろう。まぁ魔力をコントロールでき危険がないならいいか。
「お兄様、連れて帰ってもいいですか?」
「そうだな。」
「ロキ、三人で私達の家に来ませんか?」
「いいの?」
「はい。今までよく一人で頑張りました。もう大丈夫です。お母様は責任もって私が元気にしますわ」
堂々と胸をはり、強気な笑みを浮かべた妹が泣き出した少年を抱きしめてあやしている。迷惑ばかりかける妹が子供をあやせるまで成長したのか。妹は放っておき、控えている護衛騎士に馬車の手配と3人保護する準備を整えるように命じた。
用意ができたので3人を馬車に乗せて、帰宅することにした。
俺は妹と別の馬車に乗り、顔を覗きこんだ。俺には少年達の保護が偶然には見えなかった。
「お茶会で噂を聞きましたの。王都の市に綺麗な髪色の妖精が出ると。嫌な予感がしたので調べてみたかったんです」
精霊ではなく妖精?
そんな怪しい話を信じたのか?
「市に行く前に歩き回っていたのは?」
「なんとなく歩きたかったんです。初めての王都に興奮してしまいました。せっかくのお兄様とのお出かけなのに、こんなに早く帰るのは残念です」
笑顔の妹にため息をついた。父上と一緒で妹も直感に優れているのかもしれない。父上達への説明は妹にさせることにした。
父上は妹の願いを叶えた。役人のことはルーン公爵家に依頼したらしい。王都の管理は名目は王家だが実質は宰相が請け負っている。もっと遊びたかったという妹の願いはいずれ叶えてやることにした。
***
学園での生活は慌ただしかった。呼び出しがなければ帰省する予定はなかった。入学して初めて妹から会いたいと頼まれて久しぶりに帰宅した。
妹は自由時間はずっとロキ達の面倒を見ているようだ。妹の部屋を訪ねるとロキとナギがいた。保護した頃と比べると肉はついたがまだまだ細すぎる。
「お兄様、ロキは天才です。教えるとなんでも覚えます」
上機嫌な妹が頭を撫でると、ロキは嬉しそうに笑っている。屈託なく笑う姿に安堵した。
「そうか。」
「お嬢様、エイベル様、俺も仕事したい」
「ナギも!!」
ロキには坊ちゃんとは呼ばれたくないので名前で呼ばせている。目を輝かせる二人に妹が困惑した顔をしている。
「子供は遊ぶのが仕事です」
「役にたちたい」
妹は困惑した目で俺を見た。やりたいならやらせればいい。
「マナ、二人にできそうな仕事を与えてやれ」
何を言い出すのかと睨まれている。
「お兄様?」
「せっかくやりたいことがあるならやらせればいい。やりたいことは人それぞれだ。俺はお前が武術習うの反対したけど、父上が許しただろ?」
しばらくして妹が頷いた。
「マナ、嫌がるならすぐにやめさせていいわ。お願いね」
「かしこまりました」
ロキ達をマナが連れて出て行った。
「レティシア、相談ってなんだ?」
「ローナが過去の事を聞くと発狂します。家族を探した方がいいか悩んでまして」
ロキ達の母親のローナは回復し侍女として働いていた。
「ロキは今が幸せだから、このままでいいって」
ローナよりもロキのほうがしっかりしているのか。無理して探す必要はないだろう。ローナ達の捜索願いも、出されていなかった。国民登録もないので、うちで新たに登録したくらいだ。父上達が動いてないなら俺達も動く必要はない。
「今はいいんじゃないか。生活に慣れたばかりだ。本人たちが望めば手を貸せ回ばいい。一人で動く前に相談しろよ。怯えるのは何か理由があるんだろう。危険だ」
「わかりました。帰ってきてくれてありがとうございます。」
「用はそれだけ?」
「はい」
「なら俺は学園に戻る。じゃあな」
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