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兄の苦労日記11
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茶会の件も片付き平穏な生活が戻ってきた。妹の怪我の件を知った両親は怒った。レート公爵家と組んで主犯の家を取りつぶした。無知でも殺人未遂を犯したから悪戯ではすまされない。ビアード公爵家の嫡男と令嬢を命の危険にさらしただけでも重罪だ。他にもあの場には高貴な血を持つ生徒が多くいた。家格の低い令嬢が家格の高い者達の命を危険を晒したので、連座も仕方ない。
俺はクロード殿下の傍に控えているとマールの報告に頭を抱えた。
妹は絡まれた令嬢を助けようとして魔法で戦闘した。屈強な男子生徒5人相手に。マールが見つけてフォローに入ったらしい。本当に偶然見つけたのか疑問だが、今回は助かったから見逃すか。
青い顔をした妹が生徒会室に入って頭をさげる。殿下に求められ事情説明を始めた。
「ご令嬢に乱暴する男子生徒がいたので注意しました。生徒会やビアードの名を出しても止められず、武力行使されたので、魔法を使ってしまいました。私の体術の腕が弱いばかりに申しわけありませんでした」
見当違いなことを言う妹への殿下の視線が痛い。殿下は生徒会役員の非常識な行動を嫌っている。
何もわかっていない妹を見て仕方なく口を挟むしかないか。
「殿下、御前を失礼します。レティシア、いつも考えて行動しろと言ってるだろうが。魔法を使ったことじゃなく、救援を呼ばなかったことを怒られてるんだよ。何のために魔道具の笛を渡されている」
目を大きく開けて驚いている。生徒会役員になってしばらくたつけど・・。後で持ち歩いているか確認するか。
「忘れてましたわ」
本気で忘れていた妹の頭を容赦なく叩く。よろけた妹が顔をあげて、静かに見つめてきた。
「エイベル、後で怒られます。殿下の御前です。わきまえてください。殿下申しわけありません。エイベル、」
「殿下、失礼しました」
殿下の前と言うのは頭から抜けてたので大人しく頭を下げた。
「構わない。頭をあげて。わかっているならいいよ。ただレティシアは反省文と報告書の提出を。書き方はリオに教わって」
「はい?殿下、恐れながらお忙しいマール様の手を」
バカ。嫌でも口答えするな。レオ様とは違うんだよ。
「わかった?」
殿下の圧に負けた妹が一瞬しょんぼりした。
「かしこまりました。マール様、ご指導よろしくお願いします」
「ああ。構わないよ」
上機嫌なマールが不愉快だ。妹は俺の服の裾を掴んでいることに気付いていない。
「レティシア、離せ」
袖を離して怯えた顔で俺を見る妹に怒るのはやめた。
「もう怒ってない。次は気をつけろ」
弱った顔で笑う妹の頭を撫でる。反省文はあとで見てやるか。うちの妹は報告書の書き方を知ってるけど、マールに習えというのは殿下からの罰だろう。
「はい。申し訳ありませんでした」
妹のことは後にして仕事に戻る。
妹は上機嫌なマールの指導を受け、報告書を書き上げていた。マールが妹を物足りなそうに見る視線はなんなんだろうか。妹は殿下に報告書を提出して立ち去った。殿下の雰囲気が怖くて逃げたかったんだろう。
マールが妹を追いかけていったけどうちの妹はやはり付き纏われてないか?
「追いかけるか?」
「必要ありません」
「そうか」
自分で対処できないなら妹は逃げてくるから大丈夫だろう。私情で殿下のお傍を離れることは許されない。しばらくするとマールが一人で戻ってきたから妹はうまく逃げたらしい。
***
翌日妹を朝早くに呼び出した。
用意した朝食に手をつけない妹を睨んだ。
「レティシア、朝食を取ってるよな?」
目を逸らしてごまかす笑みを浮かべている。
「マナ、説明しろ」
「朝は紅茶とクッキーを1枚召し上がられます」
「マナのクッキーは栄養満点です」
笑顔でごまかす妹を睨みつける。
「レティシア、明日からも構ってやるよ。俺と朝食とるか」
「お忙しいお兄様の時間をとるわけにはいきません」
お兄様って呼ぶならごまかしたいことがあるのか・・。
「食事の時間を何に費やしている?マナ、報告しろ」
「読書されてます」
「父上と母上に報告する」
「やめてください。朝ごはん食べます」
「当分は俺の目の前で食事をしろ」
「わかりました」
不満そうな顔をした妹は用意した食事を半分しか食べていなかった。
明らかに食事の量が減っている。
「おやつはちゃんと食べているか?」
「はい」
頷く妹は信用できない。
妹は食事よりも睡眠欲と好奇心を優先させてしまう人間である。ステラとフィルに頼んでおくか。
妹の反省文を確認するか。
「レティシア、笛はどこに持っている?」
妹が鞄から取り出した。持ち歩いていない笛を受け取り、紐をつけて首から下げさせた。
「学園内はずっと首にかけておけ」
「授業中も?」
「ああ」
「寮でも?」
「ああ」
「壊してしまうかもしれません」
「壊したら俺が弁償してやる。わかったな?」
妹と睨み合いしばらくすると静かに頷いた。
反省文には笛の存在を忘れたことと戦闘への反省点が綴られていた。
救援を呼ばなかったことは一言も書いていなかった。説教して、反省文を書き直させた。
妹の反省文をクロード殿下に見せたら冷気が吹き荒れただろう。
俺は妹の育て方がわからない。とりあえず二人以上の相手がいる時は必ず笛を吹くと約束させた。
暴力行為を働いた生徒は謹慎処分になった。
妹は令嬢への乱暴が許せなかったのか生徒の親に抗議の手紙を送っていた。
謹慎が解けた生徒達は俺と妹に謝罪にきた。妹は勝気な笑みで令嬢に手を出したら許さないと言い放った。許すつもりはないらしい。
俺も妹の意見に同意なので、危害を加えられないようにだけ気をつけることにした。
俺はクロード殿下の傍に控えているとマールの報告に頭を抱えた。
妹は絡まれた令嬢を助けようとして魔法で戦闘した。屈強な男子生徒5人相手に。マールが見つけてフォローに入ったらしい。本当に偶然見つけたのか疑問だが、今回は助かったから見逃すか。
青い顔をした妹が生徒会室に入って頭をさげる。殿下に求められ事情説明を始めた。
「ご令嬢に乱暴する男子生徒がいたので注意しました。生徒会やビアードの名を出しても止められず、武力行使されたので、魔法を使ってしまいました。私の体術の腕が弱いばかりに申しわけありませんでした」
見当違いなことを言う妹への殿下の視線が痛い。殿下は生徒会役員の非常識な行動を嫌っている。
何もわかっていない妹を見て仕方なく口を挟むしかないか。
「殿下、御前を失礼します。レティシア、いつも考えて行動しろと言ってるだろうが。魔法を使ったことじゃなく、救援を呼ばなかったことを怒られてるんだよ。何のために魔道具の笛を渡されている」
目を大きく開けて驚いている。生徒会役員になってしばらくたつけど・・。後で持ち歩いているか確認するか。
「忘れてましたわ」
本気で忘れていた妹の頭を容赦なく叩く。よろけた妹が顔をあげて、静かに見つめてきた。
「エイベル、後で怒られます。殿下の御前です。わきまえてください。殿下申しわけありません。エイベル、」
「殿下、失礼しました」
殿下の前と言うのは頭から抜けてたので大人しく頭を下げた。
「構わない。頭をあげて。わかっているならいいよ。ただレティシアは反省文と報告書の提出を。書き方はリオに教わって」
「はい?殿下、恐れながらお忙しいマール様の手を」
バカ。嫌でも口答えするな。レオ様とは違うんだよ。
「わかった?」
殿下の圧に負けた妹が一瞬しょんぼりした。
「かしこまりました。マール様、ご指導よろしくお願いします」
「ああ。構わないよ」
上機嫌なマールが不愉快だ。妹は俺の服の裾を掴んでいることに気付いていない。
「レティシア、離せ」
袖を離して怯えた顔で俺を見る妹に怒るのはやめた。
「もう怒ってない。次は気をつけろ」
弱った顔で笑う妹の頭を撫でる。反省文はあとで見てやるか。うちの妹は報告書の書き方を知ってるけど、マールに習えというのは殿下からの罰だろう。
「はい。申し訳ありませんでした」
妹のことは後にして仕事に戻る。
妹は上機嫌なマールの指導を受け、報告書を書き上げていた。マールが妹を物足りなそうに見る視線はなんなんだろうか。妹は殿下に報告書を提出して立ち去った。殿下の雰囲気が怖くて逃げたかったんだろう。
マールが妹を追いかけていったけどうちの妹はやはり付き纏われてないか?
「追いかけるか?」
「必要ありません」
「そうか」
自分で対処できないなら妹は逃げてくるから大丈夫だろう。私情で殿下のお傍を離れることは許されない。しばらくするとマールが一人で戻ってきたから妹はうまく逃げたらしい。
***
翌日妹を朝早くに呼び出した。
用意した朝食に手をつけない妹を睨んだ。
「レティシア、朝食を取ってるよな?」
目を逸らしてごまかす笑みを浮かべている。
「マナ、説明しろ」
「朝は紅茶とクッキーを1枚召し上がられます」
「マナのクッキーは栄養満点です」
笑顔でごまかす妹を睨みつける。
「レティシア、明日からも構ってやるよ。俺と朝食とるか」
「お忙しいお兄様の時間をとるわけにはいきません」
お兄様って呼ぶならごまかしたいことがあるのか・・。
「食事の時間を何に費やしている?マナ、報告しろ」
「読書されてます」
「父上と母上に報告する」
「やめてください。朝ごはん食べます」
「当分は俺の目の前で食事をしろ」
「わかりました」
不満そうな顔をした妹は用意した食事を半分しか食べていなかった。
明らかに食事の量が減っている。
「おやつはちゃんと食べているか?」
「はい」
頷く妹は信用できない。
妹は食事よりも睡眠欲と好奇心を優先させてしまう人間である。ステラとフィルに頼んでおくか。
妹の反省文を確認するか。
「レティシア、笛はどこに持っている?」
妹が鞄から取り出した。持ち歩いていない笛を受け取り、紐をつけて首から下げさせた。
「学園内はずっと首にかけておけ」
「授業中も?」
「ああ」
「寮でも?」
「ああ」
「壊してしまうかもしれません」
「壊したら俺が弁償してやる。わかったな?」
妹と睨み合いしばらくすると静かに頷いた。
反省文には笛の存在を忘れたことと戦闘への反省点が綴られていた。
救援を呼ばなかったことは一言も書いていなかった。説教して、反省文を書き直させた。
妹の反省文をクロード殿下に見せたら冷気が吹き荒れただろう。
俺は妹の育て方がわからない。とりあえず二人以上の相手がいる時は必ず笛を吹くと約束させた。
暴力行為を働いた生徒は謹慎処分になった。
妹は令嬢への乱暴が許せなかったのか生徒の親に抗議の手紙を送っていた。
謹慎が解けた生徒達は俺と妹に謝罪にきた。妹は勝気な笑みで令嬢に手を出したら許さないと言い放った。許すつもりはないらしい。
俺も妹の意見に同意なので、危害を加えられないようにだけ気をつけることにした。
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