55 / 362
第三十話 訓練
ダンスパーティより先に合同訓練の日を迎えました。サイラス様とソート様には無礼を許してくださいと頼んであります。エイベルとフィルは頼む必要はありません。せっかくなので私とステラも参加します。
「レティシアも参加するのか?」
「はい。そんなに強くないですが」
3組の生徒達と仲良くなりました。やる気のある生徒を見ると頬が緩み将来が楽しみです。
基礎訓練の参加しかエイベルに許してもらえなかったので手合わせは見学をしてます。さすがに手合わせでエイベル達に勝てる生徒は一人もいません。残念ながら今のところ見込みのありそうな方はいませんね。エイベルが苦戦するならスカウトしようと思ったのに・・。
「レティシア様、ありがとうございます。」
ソート様と手合わせを終えた生徒達が寄って来ました。
「お安い御用です。今後も希望があれば教えてください」
「ありがとうございます。魔法の手合わせしないかなぁ」
「見てぇ!!」
盛り上がる生徒の声を聞き、確かに手合わせの見学もいい経験になりますわ。絶対に四人は見応えがあります。何より学年が違うので授業でも武術大会でもお目にかかれない対戦です。
「エイベル、魔法の手合わせが見たいです。サイラス様、ソート様、フィル、お願いできませんか?」
快く了承してくれたので生徒達を集めて結界で覆います。見応えを期待してましたが動きが早くて見えません。忘れてましたわ。風を操り速さが武器のエイベルと身軽さと勘の良さは同世代で一番のフィルに剣の腕なら学園で5指に入るサイラス様と補助が上手く万能型のソート様、空気を切り裂く音と土煙や煙が立ち、全く見えない。これは見学の意味がありませんわ・・。
後輩の勉強になる手合わせをとお願いするのを忘れましたわ。4人とも夢中で手合わせしてますわ。こうなれば勝敗がつくまで止まりませんし、声も届きません。
「はやっ!!」
「見えない」
「やはり魔力か・・・」
あの四人の速さは魔法の力だけではありません。
魔法を使わなくても、学生にしては十分強いと思います。フィルは武術の授業の手合わせで負けなしですから。
「魔力がなくても立派な騎士になれますわ。ビアード家門には魔力を持たない優秀な騎士がいます。厳しい鍛錬は必要ですが」
「平民でも?」
「はい。私の護衛騎士に平民出身者もいます。貴族より根気強く融通が効くので非常に重宝されています」
私の護衛騎士のマオは平民出身ですが優秀です。どこでもついてきてくれまし、狩りもあっさり了承してくれました。ビアード領内だけですがマオのおかげで自由に過ごしています。マオは魔力を持ってますが。
「いいな。いつか会いたいな」
「でしたらビアード領に訓練を受けに来ますか?」
「いいんですか!?」
目を輝かせる様子に笑みが溢れます。
「御家族の許可がありましたら。魔力に関係なくやる気のある騎士見習いは大歓迎です」
「生徒会はすごい」
「優秀な方ばかりですから。私はお話についていけないことがよくあります」
いつの間にか終わりましたね。生徒達が拍手してます。よく見えませんでしたが、凄いものだとわかったみたいです。結界を解除します。
「レティシアは戦える?」
「嗜み程度でしたら」
「やろう!!」
四人の様子に触発されたんでしょうか。生徒にエイベル達が囲まれてますし、少しならいいでしょう。
「わかりました」
魔法なしの剣の手合わせならすぐ終わりますね。礼をして、正面から向かってくる剣を躱します。剣筋が読みやすく、剣で斬りかかると止められますが剣はそれほど重たくありません。剣を合わせて、バランスを崩したので足払いをかけて、剣を飛ばします。最近は足払いの成功率があがりましたわ。武術の授業も生前よりは勝率は上がり、同級生なら勝率は半々です。時間切れで引き分けが一番多いですが、生前のように連敗記録を重ねることはありません。フィルには魔法なしだと一度も勝てません。
拍手が聞こえ振り向くと愛らしい笑顔のステラでした。拍手をもらえるほどではないので、くすぐったく、礼をして、倒れている生徒に手を差し伸べます。
「弱い?」
「はい。私は弱い方です」
頭に衝撃を受けました。嫌な予感がして振り替えると眉間に皺のあるエイベルがいます。
「基礎訓練のみと」
見つからないと思っていたのに予想外ですわ。ごまかすためにニッコリ笑いかけます。
「申し込まれたら受けるでしょう?」
「病み上がりが」
「大丈夫ですよ。今度ビアード家門の訓練に彼らを参加させてもいいですか?」
「馬車が必要だな」
「どんどん賑やかになりますね。将来、うちに入ってくれる方はいますかね。気に入った生徒がいればスカウトするので教えてください」
「お前がスカウトするのかよ」
「訓練は役に立たないので、交渉はお任せください」
頭を乱暴に撫でられました。エイベルには駆け引きは期待してません。とりあえずエイベルの気が逸れたのでお説教はありませんね。
「レティシア様はエイベル様の恋人ですか?」
生徒の声に首を傾げ首を横に振ります。
「私は自分の頭を叩く恋人はごめんですわ」
「叩かせてるのはお前だ!!」
「大きい声を出さないでください。驚きますわ。エイベルが驚かせてごめんなさい。そろそろ解散にしましょう。お疲れ様でした。ビアードは志のあるものは大歓迎です。訓練やビアード家門に興味がある方はいつでも声をかけてください」
「ありがとうございます。」
ブツブツと呟きながら去っていく生徒達を見送ります。是非精進して立派な騎士を目指して欲しいですわ。
「レティシア嬢、控えめに」
サイラス様に咎められるのは初めてです。
「はい?」
「最近、ビアード家門が大きくなりすぎじゃないか?」
優秀な騎士の取り合いは仕方ありません。それにうちの当主はビアード公爵ですから魅力的な騎士に憧れるのは仕方のないものですわ。エイベルも是非お父様のように成長して欲しいですわ。
「さすがお父様ですわ。父が申しわけありません」
「君に仕えたいって」
サイラス様の冗談は珍しいです。
「社交辞令ですわ。サイラス様もうちの家門に大歓迎致しますわ。婿入りしていただいても構いませんよ?」
「その冗談を本気にする奴出るからやめて」
「令嬢に人気のサイラス様の相手は私では役不足ですわ」
憐れみの視線を向けられてますが自分の身の程をわきまえてます。ふざけるのはここまでにして切り替えて礼をします。
「今日はありがとうございました。またお付き合いくださいませ。ささやかですがお礼です」
お礼に作ったお菓子と魔石を渡します。
「治癒魔法を付与してあります。体力回復と小さい怪我なら治ります」
「こんなに魔法の腕が凄いのにな」
魔石を眺めて、不満そうな顔をするサイラス様もソート様も優しいです。二人の優しさが嬉しくて頬が緩んでしまいます。私の腕はまだまだですけどね。
「気にしないでください。どの令嬢も悪名はありますもの。私はまだマシなほうですわ」
ビアード公爵家で風属性をもたずに、常に王家の行事を欠席する私はまがいものの深窓の令嬢と囁かれています。生前の無属性設定の時ほど言われてませんが。ルーンの恥さらし、偽物貴族令嬢、人形など色々言われた頃が懐かしいですわ。皆様、よく思いつくと感心しました。
とりあえず無事に合同訓練が終わりました。
さてダンスパーティの準備を頑張らないといけませんね。中々今世も忙しいですわ。
「レティシアも参加するのか?」
「はい。そんなに強くないですが」
3組の生徒達と仲良くなりました。やる気のある生徒を見ると頬が緩み将来が楽しみです。
基礎訓練の参加しかエイベルに許してもらえなかったので手合わせは見学をしてます。さすがに手合わせでエイベル達に勝てる生徒は一人もいません。残念ながら今のところ見込みのありそうな方はいませんね。エイベルが苦戦するならスカウトしようと思ったのに・・。
「レティシア様、ありがとうございます。」
ソート様と手合わせを終えた生徒達が寄って来ました。
「お安い御用です。今後も希望があれば教えてください」
「ありがとうございます。魔法の手合わせしないかなぁ」
「見てぇ!!」
盛り上がる生徒の声を聞き、確かに手合わせの見学もいい経験になりますわ。絶対に四人は見応えがあります。何より学年が違うので授業でも武術大会でもお目にかかれない対戦です。
「エイベル、魔法の手合わせが見たいです。サイラス様、ソート様、フィル、お願いできませんか?」
快く了承してくれたので生徒達を集めて結界で覆います。見応えを期待してましたが動きが早くて見えません。忘れてましたわ。風を操り速さが武器のエイベルと身軽さと勘の良さは同世代で一番のフィルに剣の腕なら学園で5指に入るサイラス様と補助が上手く万能型のソート様、空気を切り裂く音と土煙や煙が立ち、全く見えない。これは見学の意味がありませんわ・・。
後輩の勉強になる手合わせをとお願いするのを忘れましたわ。4人とも夢中で手合わせしてますわ。こうなれば勝敗がつくまで止まりませんし、声も届きません。
「はやっ!!」
「見えない」
「やはり魔力か・・・」
あの四人の速さは魔法の力だけではありません。
魔法を使わなくても、学生にしては十分強いと思います。フィルは武術の授業の手合わせで負けなしですから。
「魔力がなくても立派な騎士になれますわ。ビアード家門には魔力を持たない優秀な騎士がいます。厳しい鍛錬は必要ですが」
「平民でも?」
「はい。私の護衛騎士に平民出身者もいます。貴族より根気強く融通が効くので非常に重宝されています」
私の護衛騎士のマオは平民出身ですが優秀です。どこでもついてきてくれまし、狩りもあっさり了承してくれました。ビアード領内だけですがマオのおかげで自由に過ごしています。マオは魔力を持ってますが。
「いいな。いつか会いたいな」
「でしたらビアード領に訓練を受けに来ますか?」
「いいんですか!?」
目を輝かせる様子に笑みが溢れます。
「御家族の許可がありましたら。魔力に関係なくやる気のある騎士見習いは大歓迎です」
「生徒会はすごい」
「優秀な方ばかりですから。私はお話についていけないことがよくあります」
いつの間にか終わりましたね。生徒達が拍手してます。よく見えませんでしたが、凄いものだとわかったみたいです。結界を解除します。
「レティシアは戦える?」
「嗜み程度でしたら」
「やろう!!」
四人の様子に触発されたんでしょうか。生徒にエイベル達が囲まれてますし、少しならいいでしょう。
「わかりました」
魔法なしの剣の手合わせならすぐ終わりますね。礼をして、正面から向かってくる剣を躱します。剣筋が読みやすく、剣で斬りかかると止められますが剣はそれほど重たくありません。剣を合わせて、バランスを崩したので足払いをかけて、剣を飛ばします。最近は足払いの成功率があがりましたわ。武術の授業も生前よりは勝率は上がり、同級生なら勝率は半々です。時間切れで引き分けが一番多いですが、生前のように連敗記録を重ねることはありません。フィルには魔法なしだと一度も勝てません。
拍手が聞こえ振り向くと愛らしい笑顔のステラでした。拍手をもらえるほどではないので、くすぐったく、礼をして、倒れている生徒に手を差し伸べます。
「弱い?」
「はい。私は弱い方です」
頭に衝撃を受けました。嫌な予感がして振り替えると眉間に皺のあるエイベルがいます。
「基礎訓練のみと」
見つからないと思っていたのに予想外ですわ。ごまかすためにニッコリ笑いかけます。
「申し込まれたら受けるでしょう?」
「病み上がりが」
「大丈夫ですよ。今度ビアード家門の訓練に彼らを参加させてもいいですか?」
「馬車が必要だな」
「どんどん賑やかになりますね。将来、うちに入ってくれる方はいますかね。気に入った生徒がいればスカウトするので教えてください」
「お前がスカウトするのかよ」
「訓練は役に立たないので、交渉はお任せください」
頭を乱暴に撫でられました。エイベルには駆け引きは期待してません。とりあえずエイベルの気が逸れたのでお説教はありませんね。
「レティシア様はエイベル様の恋人ですか?」
生徒の声に首を傾げ首を横に振ります。
「私は自分の頭を叩く恋人はごめんですわ」
「叩かせてるのはお前だ!!」
「大きい声を出さないでください。驚きますわ。エイベルが驚かせてごめんなさい。そろそろ解散にしましょう。お疲れ様でした。ビアードは志のあるものは大歓迎です。訓練やビアード家門に興味がある方はいつでも声をかけてください」
「ありがとうございます。」
ブツブツと呟きながら去っていく生徒達を見送ります。是非精進して立派な騎士を目指して欲しいですわ。
「レティシア嬢、控えめに」
サイラス様に咎められるのは初めてです。
「はい?」
「最近、ビアード家門が大きくなりすぎじゃないか?」
優秀な騎士の取り合いは仕方ありません。それにうちの当主はビアード公爵ですから魅力的な騎士に憧れるのは仕方のないものですわ。エイベルも是非お父様のように成長して欲しいですわ。
「さすがお父様ですわ。父が申しわけありません」
「君に仕えたいって」
サイラス様の冗談は珍しいです。
「社交辞令ですわ。サイラス様もうちの家門に大歓迎致しますわ。婿入りしていただいても構いませんよ?」
「その冗談を本気にする奴出るからやめて」
「令嬢に人気のサイラス様の相手は私では役不足ですわ」
憐れみの視線を向けられてますが自分の身の程をわきまえてます。ふざけるのはここまでにして切り替えて礼をします。
「今日はありがとうございました。またお付き合いくださいませ。ささやかですがお礼です」
お礼に作ったお菓子と魔石を渡します。
「治癒魔法を付与してあります。体力回復と小さい怪我なら治ります」
「こんなに魔法の腕が凄いのにな」
魔石を眺めて、不満そうな顔をするサイラス様もソート様も優しいです。二人の優しさが嬉しくて頬が緩んでしまいます。私の腕はまだまだですけどね。
「気にしないでください。どの令嬢も悪名はありますもの。私はまだマシなほうですわ」
ビアード公爵家で風属性をもたずに、常に王家の行事を欠席する私はまがいものの深窓の令嬢と囁かれています。生前の無属性設定の時ほど言われてませんが。ルーンの恥さらし、偽物貴族令嬢、人形など色々言われた頃が懐かしいですわ。皆様、よく思いつくと感心しました。
とりあえず無事に合同訓練が終わりました。
さてダンスパーティの準備を頑張らないといけませんね。中々今世も忙しいですわ。
あなたにおすすめの小説
本の通りに悪役をこなしてみようと思います
Blue
恋愛
ある朝。目覚めるとサイドテーブルの上に見知らぬ本が置かれていた。
本の通りに自分自身を演じなければ死ぬ、ですって?
こんな怪しげな本、全く信用ならないけれど、やってやろうじゃないの。
悪役上等。
なのに、何だか様子がおかしいような?
悪役令嬢と転生ヒロイン
みおな
恋愛
「こ、これは・・・!」
鏡の中の自分の顔に、言葉をなくした。
そこに映っていたのは、青紫色の髪に瞳をした、年齢でいえば十三歳ほどの少女。
乙女ゲーム『タンザナイトの乙女』に出てくるヒロイン、そのものの姿だった。
乙女ゲーム『タンザナイトの乙女』は、平民の娘であるヒロインが、攻略対象である王太子や宰相の息子たちと交流を深め、彼らと結ばれるのを目指すという極々ありがちな乙女ゲームである。
ありふれた乙女ゲームは、キャラ画に人気が高まり、続編として小説やアニメとなった。
その小説版では、ヒロインは伯爵家の令嬢となり、攻略対象たちには婚約者が現れた。
この時点で、すでに乙女ゲームの枠を超えていると、ファンの間で騒然となった。
改めて、鏡の中の姿を見る。
どう見ても、ヒロインの見た目だ。アニメでもゲームでも見たから間違いない。
問題は、そこではない。
着ているのがどう見ても平民の服ではなく、ドレスだということ。
これはもしかして、小説版に転生?
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
ある日、私は事故で死んだ───はずなのに、目が覚めたら事故の日の朝なんですけど!?
ねーさん
恋愛
アイリスは十六歳の誕生日の前の日に、姉ヴィクトリアと幼なじみジェイドと共に馬車で王宮に向かう途中、事故に遭い命を落とした───はずだったが、目覚めると何故か事故の日の朝に巻き戻っていた。
何度もその日を繰り返して、その度事故に遭って死んでしまうアイリス。
何度目の「今日」かもわからなくなった頃、目が覚めると、そこにはヴィクトリアの婚約者で第三王子ウォルターがいた。
「明日」が来たんだわ。私、十六歳になれたんだ…
あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」
好感度0になるまで終われません。
チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳)
子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。
愛され続けて4度目の転生。
そろそろ……愛されるのに疲れたのですが…
登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。
5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。
いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。
そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題…
自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。
毒状態の悪役令嬢は内緒の王太子に優しく治療(キス)されてます
娯遊戯空現
恋愛
ハイタッド公爵家の令嬢・セラフィン=ハイタッドは悪人だった……。
第二王子・アエルバートの婚約者の座を手に入れたセラフィンはゆくゆくは王妃となり国を牛耳るつもりでいた。しかし伯爵令嬢・ブレアナ=シュレイムの登場により、事態は一変する。
アエルバートがブレアナを気に入ってしまい、それに焦ったセラフィンが二人の仲を妨害した。
そんな折、セラフィンは自分が転生者であることとここが乙女ゲーム『治癒能力者(ヒーラー)の選ぶ未来』の世界であることを思い出す。
自分の行く末が破滅であることに気付くもすで事態は動き出した後で、婚約破棄&処刑を言い渡される。
処刑時に逃げようとしたセラフィンは命は助かったものの毒に冒されてしまった。
そこに謎の美形男性が現れ、いきなり唇を奪われて……。