追憶令嬢のやり直し

夕鈴

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第九十話 お忍び準備 

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平穏な学園生活が戻ってきました。
リオは私の生前の記憶が気になるようです。やはりおかしい人みたいです。あまりにしつこいので、聞かれたことだけお話することにしました。
生前の記憶なんて知ってもどうにもなりません。頑なに拒めば余計に興味を引きます。子供のようなリオに笑ってしまいました。今世のリオはよくわかりません。でも危ない目にあってほしくはないので、今年の生誕祭は気をつけようと思います。血まみれのリオなんて二度と見たくありません。


今日はセリアが訪ねてきました。
敬称もいらないと言うので名前で呼んでます。シオン様は長いから時間の無駄と言われて笑ってしまいました。いつの世も効率重視は変わりませんね。

「レティシア、魔石を本気で作ってる?」
「はい」
「貴方ならもっと高純度を目指せそうなのに」

魔石を本気で作っていないことは秘密です。
最近は生前よりも純度の高い魔石を作れるようになりました。

「私はしがない一生徒ですから」
「卒業したら私の助手にならない?」
「なりません。被験者はごめんです」
「勿体ない。その魔力があればいくらでも実験できるのに」
「良いお付き合いを」
「抜け目ないわね。まさかマール様を選ぶとはね」
「セリアが興味を持つとは思いませんでした」
「できれば火か水か土属性の人との子供が見たかったのに。二人の子供はきっと銀の瞳でしょう。」
「被験者は他をあたってください。それに瞳の色と属性が合わないのは平民でよくありますよ。探せば珍しいことではありません」
「違う。甘いわ・・・・・」

セリアの長い話が始まりました。時々、語りに入ります。普段は時間の無駄って話さないんですが・・。
難しい理論の話に全く何を言っているかわかりません。

「セリア、全く意味がわからないので、その話はレオ様としてください」
「どうしてレオ様には素材を提供するの?」
「欲しいって言われてますから。セリアはいくらでも手に入るでしょう?」
「私だってあの動く木は欲しかったわ」
「その話はやめましょう。フラン王国の滅亡に繋がりますから。動く木と共存なんて嫌ですわ」
「それも楽しそう」

妖艶に微笑むセリアに嫌な予感がするので逃げましょう。

「セリア、私そろそろ予定がありますので。次は先触れ出してください」
「面倒よ。またね」

立ち去っていくセリアを見送ります。いつも楽しそうなセリアが羨ましいです。

***

私はクロード殿下にお願いがあります。
会議のない日に生徒会室に行くと一人でした。殿下はいつも生徒会室にいるんですが、学園生活を全うされているんでしょうか。

「殿下、相談が?」
「なに?」
「レオ様の外出許可をください。護衛はビアードで用意します。遊びに行きたいです」
「は?」
「執務が落ち着いたらでいいです。お暇な時に。お友達とお忍びに」
「レオは勝手に出て行く」
「許可があるのとないのは違います。私がしっかり見張ります。お願いします」
「わかったよ。今月末の休養日に」
「ありがとうございます。」
「その代わり、次の休養日は」
「かしこまりました。リオ様かエイベルを同行させてもいいでしょうか?」
「構わない」

流石に殿下と二人っきりはまずいです。婚約者か兄と共に訪問すれば警戒されないといいんですが。
レオ様とエイミー様の逢瀬にお邪魔することにしました。
演奏室に向かうと美しい音色が聴こえました。うっとりしてしまします。演奏が終わったので、ノックをすると了承の声が聞こえたので入ります。


「レオ様、エイミー様、今月末の休養日にお忍びしましょう。クロード殿下に許可はいただきました」
「は?」

レオ様には無表情で見つめられました。

「護衛はビアードにお任せを。お二人の御身は必ずお守りします。私は後ろからこっそり護衛するので、お二人で。どうですか?王都の美味しいケーキ屋さんに行きましょう。リール公爵家の許可もいりますか?私がエイミー様とお出かけするって説得しましょうか?」
「兄上は?」
「快く了承してくださいました。お土産はいらないそうですわ。行きましょうよ。楽しいですよ。心配なら私の防御魔法が仕込んであるローブを貸しますよ」
「レオ様、せっかくです。お出かけしませんか?」
「俺は令嬢が喜ぶ場所は・・・」
「レオ様、素直にお願いします。場所はいくらでも考えてあげます。」
「エイミーの時間を俺にくれるか?」
「喜んで」

エイミー様のほんのり頬を染めて微笑む様子が可愛いです。これは素敵な王都のデート計画を立てないといけません。
私は邪魔しないように礼をして退室しました。王都についての情報を集めましょう。
まずは来週の殿下のお手伝いです。エイベルよりもリオの方が書類仕事は得意です。エドワード様も一緒なら適任はリオです。果たしてお願いしたら同行してくれますかね。
腰を引かれて見上げるとリオがいました。

「レティシア、危ないよ」

階段に気付きませんでした。

「すみません。ありがとうございます。」
「送るよ」
「リオ様、もう帰るんですか?」
「いや、まだ帰らない。でもせっかくだから。来る?」

リオの部屋には興味深い本がたくさんあります。

「ご迷惑でなければ」

嬉しそうに笑うリオに手を引かれてリオの部屋に行きました。

「リオ様、今度の休養日に王宮に行くんですが付き合っていただくことは」
「王宮にどうして?」
「クロード殿下のお手伝いです。一人で行くのは」
「いいよ。手配は俺がするよ。」

リオは強引なので甘えることにしました。
相変わらずクロード殿下の執務室は書類がたくさんありました。エドワード様はいませんでした。
3人で無言で仕事をしました。リオも殿下のお手伝いができるなんて優秀ではあるんですね。それから時々クロード殿下に二人で王宮に呼ばれることが増えました。
リオは王宮に行く時は眼鏡を外しています。未だにリオの眼鏡の使い分けがわかりません。気にするのはやめました。
私はレオ様のデートの手配を整えないといけません。
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