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兄の苦労日記32
不正を働いたイーガン嬢達と教師は王宮に預けてきた。
未成年の俺は尋問の立ち合いは許されなかった。
翌日に妹に見せられた訴状を見て頭を抱えた。一点を除けばきちんと書かれていた。イーガン嬢の妹を賠償として引き取ろうとしていること以外は。
「エイベル、連座は嫌です。せめて前途あるハンナ様は無罪に」
「事が大きすぎる」
「未成年です。咎が必要なら私に危害を加えたんですから、死んで許すなんて甘いですわ。しっかりビアードのために働いていただきます。すべては」
「俺がなんとかしてあげるよ。ライラ・イーガンは庇えない。爵位も剥奪だろうが連座は免れるように」
人の部屋に勝手に入って来るなよ。妹を背中から抱きしめている笑顔のマールを睨みつける。
「リオ様」
「この件は俺に任せてよ。ビアード公爵夫妻に確認をとるよ。引き取らなくても連座さえ回避できればいいんだろう?」
「はい。よろしくお願いします」
「授業に遅れるから、もう行かないと。移動だろう?」
驚いた顔をした妹が礼をして出て行った。
笑顔で妹の背中を見送っていたマールの顔が無表情に変わった。いつの間にかマールが訴状を持っている。
「マール、本気か?」
「殿下には俺が話すよ。学園での不正は公にしたくないから内輪でおさめたいだろう。姉は修道院に送って、更生不能なら研究所。妹は様子見。罪人の姉を持ち爵位も取り上げられどう生き抜くかは知らない。イーガン商会は商売ができないように手を打つよ。姉も離縁されるだろうな。イーガン夫妻は借金まみれでどうなるか。自殺するかもしれないけど」
イーガン伯爵家は爵位剥奪と多額の賠償金を請求された。
クロード殿下は学園でのことなので慈悲の心で更生の道を示した。姉のライラは修道院送りになり妹のハンナは謹慎。
その先のことは公表されない。
この結果を聞いて妹はマールに感謝していた。
ただマールの読みは甘かった。
前イーガン伯爵がうちに救済を求めに来たがマールが手を回した。
王家への罪を犯した人間をビアードは受け入れない。甘い妹さえも何も言わない。
ハンナ・イーガンが謹慎が明け、学園が荒れていた。
殿下の決めた罰を受けた彼女にはビアードとして干渉する気はなかった。
派閥やうちの傘下が荒れたので妹が収拾に動いていた。
社交関係は妹に任せている。余計なことはするなと言われたので、静観していたらいつの間にか学園も落ち着きを取り戻した。
授業中に首にかけていたビアードの風笛が熱くなった。
妹が攫われてから父上が持たせたシオン伯爵の作った魔道具。
対になる笛は妹の護衛騎士のマオに持たせている。どんなに離れていても笛の音が鳴らされれば、居場所を感知する。
マオが妹の元に駆けつけるだろう。
風笛は繋がっており誰かの笛が吹かれれば熱くなる。
俺の風笛も護衛騎士と繋がっている。
学園では結界に阻まれて使えないので、学園外にいる。授業中に抜け出したのかよ・・。
「ストーム、レティシアの場所を探れ」
「わかった」
「ソート、抜ける。」
「また巻き込まれたか。行ってこい」
ソートに頼んで、授業を抜け外出の準備を整えた。
「主、レティいたよ。王都に」
馬ではなく風で飛んで追いかけることにした。
ストームの案内で着いたのは娼館だった。風の結界に囲われていたが俺に気付いた騎士が招き入れた。ビアードの騎士達が制圧して捕縛している。
中に入るとマオから書類を受け取り笑っている妹を見つけた。
ハンナ・イーガンの手を繋いでいる。
怒鳴りつけると茫然とした顔で見られた。
「ビアードの風笛は坊ちゃんも持ってるんです」
「私、マオが来てくれるって」
「坊ちゃんの笛は場所まで感知できません。笛が鳴ったことはわかります」
「そういうことは最初に説明してください。エイベル、落ち着いてください。貴族は取り乱してはいけません。騎士達に示しがつきません。マオ、私はビアードに戻るからここはお願いできますか?」
「俺はお嬢様に付いていきます。あいつらに任せれば大丈夫です」
娼館で何をしているんだよ。どういう場所だか知ってるんだよな・・。
なぜかマールがいた。
能天気に授業をさぼるなという妹の頭を強く叩いた。
「お前が言うな。勝手に飛び出すな。状況は」
「私はやることがあるので、マオに聞いてください。後でお父様に報告書を提出します」
頭を撫でられマールをぼんやり見つめている妹は大丈夫だろうか。
イーガン家のことはマールが手を回したいらしい。
「お嬢様捕縛が完了しました。罪状は違法の人身売買でよろしいですか?お嬢様への不敬は」
妹が両頬をパチンと叩き、一気に視線が集まった。
目が変わったから正気に戻ったらしい。とうとうぼんやりしながら会話するようになったのか・・。
「未遂ですが嫌な噂がたてば困ります。私の件がなくても重罪になるでしょう」
一気に頭が冷えた。肩を掴んで両頬の赤い顔を睨んだ。
「未遂って何された!?」
「押し倒されたので投げ飛ばしました。初めて綺麗に決まりました。あれは是非見てほしかった」
笑顔を浮かべた頭を強く叩いた。
襲われかけて、技が決まった!?
「痛いです。すぐに頭を叩くのいい加減やめてください」
駄目だ。もう学園に返そう。不満そうに睨んでるけど、怒っているのは俺だ。
「後は任される。お前は学園に帰れ」
「ビアードに帰ります。ハンナを領民として受け入れる手続きとイーガン伯爵に報復を」
「この件は俺が預かる」
「この件は私が。ハンナに酷いことをしたらエイベルの秘密をバラします」
「命令だ。帰って授業を受けろ。彼女は置いていけよ」
「かしこまりました」
不満そうな妹は帰っていった。マオは残して他の騎士に護衛をつけた。
マールが取り残されたイーガン嬢を静かに見ている。
「レティシアは君の保護を願ったけどどうしたい?」
「リオ様、お嬢様は成人するまで彼女に傍にいるように命じました」
「どうして私を・・」
「最初からレティシアは君の保護を願っていたよ。本当ならイーガン家は処刑で連座。殿下と公爵令嬢に手を出し、学園の規律を乱した。
レティシアの願いで処罰が軽くされ、無関係な者は連座から逃れた。前途ある君に更生の機会をと。ビアード、レティシアが命じたならビアード領で保護しよう。領主一族に害を成すならレティシアも納得するだろう」
「一度だけ、機会を与えるということか」
「ああ。監視はつける。一度だけ更生の機会を。二度目はない。この娼館は潰すか。罪状もたくさんあるしな」
マールが冷笑を浮かべている。
騎士達がなぜかマールの指示に従っている。
「坊ちゃん、お任せしましょう」
「イーガン嬢、希望はあるか?マール達がなんて言おうと無理矢理保護するつもりはない。妹の命令は俺が撤回する」
「私は許されるなら恩を返したいです。たくさん助けていただいたのに何もお返しできてません。ただ父は」
「イーガン家はビアード領には立ち入りできない。家の救済を望むなら受け入れない。レティシアの傍にいることを願うならイーガン家と手を切ることが条件だ。レティシアは望まなくても俺は覚悟を求めるよ。婚約者の近くに二心を抱くものはいらない」
「マール、口を挟むな」
「救済を願っても俺が手を回してばれないように地獄をみせるから。わかったよ。俺は戻るよ。うまくやれよ。イーガン家は俺がもらうから、ここだけ任せる」
自由な奴だ・・・。
真っ青な顔をするイーガン嬢はビアード領に連れ帰り母上に任せた。
娼館に売られた彼女に俺は怖いだろう。
娼館は違法なことをしていたので、父上に報告し任せた。
母上と面談し、ビアード領民として保護することになった。彼女は気は弱いが善良な人間らしい。
孤児院に預けると孤児の面倒を見ていた。
一時的に監視はつけたが、問題ないと判断された。
しばらくして学園に復学した。
妹は学園ではイーガン嬢に声を掛けないが領に帰ると頻繁に遊びに行っている。
友人が増えたようだ。
今回の拾い物は厄介なものではないらしい。
未成年の俺は尋問の立ち合いは許されなかった。
翌日に妹に見せられた訴状を見て頭を抱えた。一点を除けばきちんと書かれていた。イーガン嬢の妹を賠償として引き取ろうとしていること以外は。
「エイベル、連座は嫌です。せめて前途あるハンナ様は無罪に」
「事が大きすぎる」
「未成年です。咎が必要なら私に危害を加えたんですから、死んで許すなんて甘いですわ。しっかりビアードのために働いていただきます。すべては」
「俺がなんとかしてあげるよ。ライラ・イーガンは庇えない。爵位も剥奪だろうが連座は免れるように」
人の部屋に勝手に入って来るなよ。妹を背中から抱きしめている笑顔のマールを睨みつける。
「リオ様」
「この件は俺に任せてよ。ビアード公爵夫妻に確認をとるよ。引き取らなくても連座さえ回避できればいいんだろう?」
「はい。よろしくお願いします」
「授業に遅れるから、もう行かないと。移動だろう?」
驚いた顔をした妹が礼をして出て行った。
笑顔で妹の背中を見送っていたマールの顔が無表情に変わった。いつの間にかマールが訴状を持っている。
「マール、本気か?」
「殿下には俺が話すよ。学園での不正は公にしたくないから内輪でおさめたいだろう。姉は修道院に送って、更生不能なら研究所。妹は様子見。罪人の姉を持ち爵位も取り上げられどう生き抜くかは知らない。イーガン商会は商売ができないように手を打つよ。姉も離縁されるだろうな。イーガン夫妻は借金まみれでどうなるか。自殺するかもしれないけど」
イーガン伯爵家は爵位剥奪と多額の賠償金を請求された。
クロード殿下は学園でのことなので慈悲の心で更生の道を示した。姉のライラは修道院送りになり妹のハンナは謹慎。
その先のことは公表されない。
この結果を聞いて妹はマールに感謝していた。
ただマールの読みは甘かった。
前イーガン伯爵がうちに救済を求めに来たがマールが手を回した。
王家への罪を犯した人間をビアードは受け入れない。甘い妹さえも何も言わない。
ハンナ・イーガンが謹慎が明け、学園が荒れていた。
殿下の決めた罰を受けた彼女にはビアードとして干渉する気はなかった。
派閥やうちの傘下が荒れたので妹が収拾に動いていた。
社交関係は妹に任せている。余計なことはするなと言われたので、静観していたらいつの間にか学園も落ち着きを取り戻した。
授業中に首にかけていたビアードの風笛が熱くなった。
妹が攫われてから父上が持たせたシオン伯爵の作った魔道具。
対になる笛は妹の護衛騎士のマオに持たせている。どんなに離れていても笛の音が鳴らされれば、居場所を感知する。
マオが妹の元に駆けつけるだろう。
風笛は繋がっており誰かの笛が吹かれれば熱くなる。
俺の風笛も護衛騎士と繋がっている。
学園では結界に阻まれて使えないので、学園外にいる。授業中に抜け出したのかよ・・。
「ストーム、レティシアの場所を探れ」
「わかった」
「ソート、抜ける。」
「また巻き込まれたか。行ってこい」
ソートに頼んで、授業を抜け外出の準備を整えた。
「主、レティいたよ。王都に」
馬ではなく風で飛んで追いかけることにした。
ストームの案内で着いたのは娼館だった。風の結界に囲われていたが俺に気付いた騎士が招き入れた。ビアードの騎士達が制圧して捕縛している。
中に入るとマオから書類を受け取り笑っている妹を見つけた。
ハンナ・イーガンの手を繋いでいる。
怒鳴りつけると茫然とした顔で見られた。
「ビアードの風笛は坊ちゃんも持ってるんです」
「私、マオが来てくれるって」
「坊ちゃんの笛は場所まで感知できません。笛が鳴ったことはわかります」
「そういうことは最初に説明してください。エイベル、落ち着いてください。貴族は取り乱してはいけません。騎士達に示しがつきません。マオ、私はビアードに戻るからここはお願いできますか?」
「俺はお嬢様に付いていきます。あいつらに任せれば大丈夫です」
娼館で何をしているんだよ。どういう場所だか知ってるんだよな・・。
なぜかマールがいた。
能天気に授業をさぼるなという妹の頭を強く叩いた。
「お前が言うな。勝手に飛び出すな。状況は」
「私はやることがあるので、マオに聞いてください。後でお父様に報告書を提出します」
頭を撫でられマールをぼんやり見つめている妹は大丈夫だろうか。
イーガン家のことはマールが手を回したいらしい。
「お嬢様捕縛が完了しました。罪状は違法の人身売買でよろしいですか?お嬢様への不敬は」
妹が両頬をパチンと叩き、一気に視線が集まった。
目が変わったから正気に戻ったらしい。とうとうぼんやりしながら会話するようになったのか・・。
「未遂ですが嫌な噂がたてば困ります。私の件がなくても重罪になるでしょう」
一気に頭が冷えた。肩を掴んで両頬の赤い顔を睨んだ。
「未遂って何された!?」
「押し倒されたので投げ飛ばしました。初めて綺麗に決まりました。あれは是非見てほしかった」
笑顔を浮かべた頭を強く叩いた。
襲われかけて、技が決まった!?
「痛いです。すぐに頭を叩くのいい加減やめてください」
駄目だ。もう学園に返そう。不満そうに睨んでるけど、怒っているのは俺だ。
「後は任される。お前は学園に帰れ」
「ビアードに帰ります。ハンナを領民として受け入れる手続きとイーガン伯爵に報復を」
「この件は俺が預かる」
「この件は私が。ハンナに酷いことをしたらエイベルの秘密をバラします」
「命令だ。帰って授業を受けろ。彼女は置いていけよ」
「かしこまりました」
不満そうな妹は帰っていった。マオは残して他の騎士に護衛をつけた。
マールが取り残されたイーガン嬢を静かに見ている。
「レティシアは君の保護を願ったけどどうしたい?」
「リオ様、お嬢様は成人するまで彼女に傍にいるように命じました」
「どうして私を・・」
「最初からレティシアは君の保護を願っていたよ。本当ならイーガン家は処刑で連座。殿下と公爵令嬢に手を出し、学園の規律を乱した。
レティシアの願いで処罰が軽くされ、無関係な者は連座から逃れた。前途ある君に更生の機会をと。ビアード、レティシアが命じたならビアード領で保護しよう。領主一族に害を成すならレティシアも納得するだろう」
「一度だけ、機会を与えるということか」
「ああ。監視はつける。一度だけ更生の機会を。二度目はない。この娼館は潰すか。罪状もたくさんあるしな」
マールが冷笑を浮かべている。
騎士達がなぜかマールの指示に従っている。
「坊ちゃん、お任せしましょう」
「イーガン嬢、希望はあるか?マール達がなんて言おうと無理矢理保護するつもりはない。妹の命令は俺が撤回する」
「私は許されるなら恩を返したいです。たくさん助けていただいたのに何もお返しできてません。ただ父は」
「イーガン家はビアード領には立ち入りできない。家の救済を望むなら受け入れない。レティシアの傍にいることを願うならイーガン家と手を切ることが条件だ。レティシアは望まなくても俺は覚悟を求めるよ。婚約者の近くに二心を抱くものはいらない」
「マール、口を挟むな」
「救済を願っても俺が手を回してばれないように地獄をみせるから。わかったよ。俺は戻るよ。うまくやれよ。イーガン家は俺がもらうから、ここだけ任せる」
自由な奴だ・・・。
真っ青な顔をするイーガン嬢はビアード領に連れ帰り母上に任せた。
娼館に売られた彼女に俺は怖いだろう。
娼館は違法なことをしていたので、父上に報告し任せた。
母上と面談し、ビアード領民として保護することになった。彼女は気は弱いが善良な人間らしい。
孤児院に預けると孤児の面倒を見ていた。
一時的に監視はつけたが、問題ないと判断された。
しばらくして学園に復学した。
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