追憶令嬢のやり直し

夕鈴

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第百一話 2 王家の厄介事

ロダ様に声を掛けられゆっくりと起き上がりました。
ロダ様と一緒に用意していただいた食事をいただきながら巻き込んでしまったことを謝ると「力になれて光栄」と笑ってくださり、亡命してきた時に疑ったことを反省します。ロダ様は誠実な人でしたわ。部屋の物は自由に使っていいと言うので好意に甘えております。
辺りは暗く時間の感覚がわかりませんが明るくないのでまだ処刑は執行されていないことにほっとしました。

食事をしてしばらくするとアリア様との謁見許可が降りたので身だしなみを整えて謁見の間にいきました。
アリア様とクロード殿下と生前のお父様であるルーン公爵がいました。
礼をします。

「頭をあげなさい。クロードから聞いているわ。レオの名代で精霊の審議を願いでていると。もしも、貴方が儀式を受けている間に二人が逃げたらどうするの?」

顔を上げると、不機嫌な声と整った眉を吊り上げるお顔のアリア様に睨まれました。
公の場で明らかに不機嫌をあらわにするのは初めて見ました。最初の人生の時にサラ様に向けていたお顔なので動揺しません。ルーン公爵は静かな瞳で無表情、クロード殿下も無表情ですが瞳は心配そうです。アリア様は私がレオ様の味方をするのが気に入らないんでしょう。いつの世もアリア様のレオ様とサラ様嫌いは変わりませんね。慈愛に満ちた優しい王妃様が気性が荒いなんてどれだけの方がご存知でしょうか。現実逃避してる場合ではありませんね。レオ様の転移魔法で逃げるなら可能ですが、転移魔法で逃げるならクロード殿下が止めるでしょう。でもクロード殿下が動くまでもありません。

「ビアードの騎士が必ず捕えます。ビアードの名にかけて罪人を逃がしたりしません」
「母上、ビアードの忠誠心は王国一です。ビアード公爵令嬢が命をかけて、儀式を行っているときに逃げ出すならどこまでも追いかけるでしょう。彼女を慕う武門貴族達も動きます」

大げさですが、クロード殿下が説得してくれるので任せましょう。私のためには動きませんがビアード公爵令嬢の名誉のためならうちの家門は動くでしょう。

「ビアード公爵令嬢が命を失えば」

ビアードは私が亡くなっても王家への忠誠は揺るぎません。
念のため予想していたので準備しました。

「遺書も用意しました。ビアードは私が信念を通して命をかけたことを誇りに思ってくれるでしょう。内容を確認していただいても構いません」

ルーン公爵に食事の後に書いた遺書を渡しました。
私の意思で行ったことと王国へ忠儀を尽くしてほしいこと、ビアードの繁栄を願うことを書きました。
遺書を読んだアリア様の浮かべた妖艶な笑みにゾクッと寒気がしました。

「それでも、手間よ。貴方は私に手間をかけさせる対価を差し出せるかしら?」

手間?対価?
ルーン公爵とクロード殿下がアリア様を凝視しました。私は生前の経験でアリア様の無茶には慣れてますので、動揺しません。理を権力で曲げる力を王族は持っているので、それを止めるのは臣下の役目。建国から一度もフラン王国で最も力を持つ序列3位以内から外されたことのないルーン公爵家では権力に溺れてはいけないと教え込まれております。
精霊の審議は命をかけて行うかわりにどんな結果であれ、罪に問われません。この儀を許されるのは王族と高貴な血筋の者だけです。
多大な魔力がないと儀式に使う精霊の宝具に触れられないと言われています。また宝具を壊した時に修復する魔力と財力がある家の者のみが許されます。どれだけ修復に魔力は必要かわかりませんが大量の水の魔石を私の部屋に隠してあるので足りるといいんですが・・。いざとなればエイベルとビアード公爵の魔力を頼りましょう。ですが手間と言われるとは思いませんでした。神官や研究者は喜ぶと思いますよ。研究に興味のないアリア様にとっての利にはなりませんが・・・。
アリア様の中では私は死ぬことになっていますのね。王族は臣下に誠意を持って接しなければいけません。私は忠義の塊の一族ビアード公爵令嬢。死ぬなら、丁度良いものがありました。きっとこれならアリア様を興味を持つはずですわ。レオ様の味方についた私がお気に召さないんですもの。セリアに感謝ですわ。

「この儀で私の命が尽きましたら、遺体をご自由に使ってください」
「辱めを受けても?」

妖艶に微笑み冷たい言葉で遺体の扱いを脅されても怖くありません。私は一番怖い微笑みを知ってますのでアリア様の微笑みに怯えませんし、空気に飲まれもしません。
生前のアリア様直伝の淑女の笑みを浮かべます。

「はい。ビアードの瞳を持ち水属性の私の遺体はお役に立つでしょう。シオン伯爵令嬢にもお墨付きをいただいておりますので、アリア様の貴重な時間をかける対価に値すると存じます」

謙遜したりしません。貴族令嬢は自分の価値を高めることに長けています。それに美しさを保つことに執念を燃やすアリア様は治癒魔法の得意な献体は欲しいでしょう。優秀な治癒魔導士の血を飲み続けて永遠の若さを手に入れた魔女の伝承もありますし・・・。

「母上、流石にそれは」
「クロード、陛下の御身が危険なのに余計なことをさせるのよ。でもこの子なら数時間の猶予かしら。朝の処刑の予定が昼まで伸びるかしら」
「レオ達を釈放するにあたり私が監視につきます。後輩であり臣下の最期の頼みを無下にはできません」
「貴方がそこまで言うなら許しましょう。王家にとって役に立たない者を庇護するのもね・・」

冷たい瞳で笑うアリア様は私の知るアリア様とは違います。
怖い方でしたが冷たい方ではありませんでした。アリア様のことは考えても仕方ありませんね。クロード殿下のおかげで説得が成功して良かったですわ。
レオ様さえ釈放されればすぐに結果はわかるでしょう。セリアは協力してくれるかわかりませんが・・。でも原因不明の毒なら興味持つかな。未知や原因不明はセリアの大好物ですから。
王宮の泉で禊をして用意された真っ白な服に着替えて儀式の間にいきます。王宮には幾つか神聖な儀式をする場所があります。王宮神官達が管理している儀式の間もその一つです。
儀式に必要な付添人はロダ様に頼みました。
意識を失いそうなら、痛くてもいいので起こしてほしいと頼むと笑って頷いてくれました。
王宮魔導士をお借りするのは心苦しいですが、王宮に他に心当たりもいません。クロード殿下が快く了承してくれたのに感謝しますわ。

一面が真っ白な部屋には四精霊の像が祀られています。
神官様が精霊の宝具を持ってきました。
精霊の宝具は初代国王陛下が四大精霊様に授けられました。

地を司るノーム様の盾。
火を司るサラマンダー様の槍。
水を司るウンディーネ様の弓。
風を司るシルフ様の剣。

宝具は特別な儀式の時以外は見ることができません。
昔、冤罪をかけられた王子様を救うために祈りを捧げた妃に精霊様が声を掛けました。
宝具を使えば正しき道は開けると。
それが精霊の審議の起源です。宝具は正しき道を示し邪な者は触れられない。
宝具に触れることを許された者が儀式を行ってる間はその罪を精霊は認めない。
宝具から手が離れたら精霊の心が離れたことになります。それは罪が認められたと同義です。
私が宝具を操っている間はサラ様が処刑されることはなく、レオ様達は解放されます。

ビアードとしてはシルフ様の剣を持つべきですが、病に侵された国王陛下のためにはウンディーネ様の弓が一番相応しいでしょう。
青く美しい弓を手にとり魔法陣の中心に入ります。

「これより精霊の審議を行います。正しき道を示されることを。どうかご加護がありますように」

大神官様の祝詞が終わり私の戦いの始まりですわ。せっかくなので国王陛下の部屋に向けて弓を構えてゆっくりと弦を引きます。美しく澄んだ音色の弦音が響き渡ります。
弓から楽器のように美しい音色が響くなんてさすが宝具です。
成人の男性が使う弓よりも大きい弓ですが軽いのでありがたいです。国王陛下が回復しますように。
弦を力いっぱい引き願いをこめて放ちます。
クロード殿下とレオ様が仲良くなれますように。
サラ様が幸せになれますように。
アリア様が健やかでありますように。
王家のことを想って思いっきり弦を引き放ちます。

「王家のことなんて想ってないのに。憎んでいたんでしょ?」

頭の中に声が聞こえます。精霊様でしょうか。
憎んでませんよ。

「助けてほしかった。もういらないって。願わなかった?」

最初の人生の時でしょうか。
頭に昔の記憶が浮かびます。エイベルに攻撃され、レオ殿下に捕えられました。
監禁された部屋で耳を塞いでいる私がいます。
嫌な声がずっと聞こえて頭から離れなくて辛かったんです。「いらない。必要ない。消えろ」って。心が悲しくて辛くて痛かった。でも認めるわけにはいきませんでした。
ルーン公爵令嬢で王太子の婚約者が弱さを見せてはいけないと抗っていました。
捨てられたと勘違いして最期までクロード様達を信じられませんでした。
最初の人生はクロード様と自分のことでいっぱいいっぱいでした。
レオ殿下のことを全く気に掛けませんでした。
あの頃、レオ殿下に気付いてあげてればと思います。王宮で過ごした記憶はあるのに幼いレオ殿下のお姿を見たことはほとんどありません。私とクロード様がお茶している時はどうしていたんでしょうか?私とクロード様とリオとエイベルで散歩している時は?クロード様と手を繋いでレオ殿下を迎えに行ってあげれば、違う未来があったかもしれません。あんなにブラコンを拗らす前に・・。
監禁に気を取られて王家から逃げることばかり考えてましたが、目を向けるべきは子供の頃のレオ殿下でしたわ。

「辛くて、逃げたかったのに?」

お勉強中に出来の悪い私に先生が嫌味を言っている姿が浮かんできました。
精霊様、この後は続きがあるんですよ。
いつもこっそりと会いにきたクロード様が教えてくれたり、リオが頭を撫でに来てくれました。
エイベルはさっぱりわからないと好きでもないのに甘いお菓子をくれました。
お勉強は大変でしたよ。でもクロード様とリオとエイベルと過ごした時間は大事でした。
腹黒ですがいつも笑顔で優しいクロード様、頼りになるリオ兄様、剣を振るしか能のない実直過ぎるエイベル。
民のためと一心に努力するクロード様を支えて良い国を作ろうと進んだ過去に後悔はありません。
生きていれば命ある限りずっとお傍にいましたわ。監禁される前のクロード様のために全てを捧げる覚悟があった私は。

「生きるのが怖かったのに?」

2度目の人生の時でしょうか。
一人で蹲って泣いてる姿が浮かんできました。
捨てられたと勘違いしていたので、自棄になってました。
でも知らない世界をたくさん知りました。2度目の人生は色鮮やかでした。知らなかった感情をたくさん知りましたよ。
時が進むのは怖かったですよ。人を信じることも。でも優しい人達のおかげで幸せでしたよ。

「恨んでたのに?」

誰も恨んでません。
成人して一人でぼんやりと空を眺めている姿が浮かんできました。
嘘です。自分自身を恨んでました。私の我儘でたくさんの人を傷つけました。
魔力測定の時の姿が浮かんできました。
リオを騙して共犯者にして、魔力があるのに無属性って嘘をつきました。魔力のことを隠さなければ、お母様は倒れずに悲しまなかったんでしょうか。

ルーン公爵令嬢を捨てた時の姿が浮かびました。
リオに家を捨てさせて、エディにルーンを全部背負わせました。
でも誰も責めないんです。幸せだって笑ってくれました。傍にいるだけでいいって。
生きて帰ってきてくれただけでいいって優しく抱きしめてくれました。私はあの優しい世界が大好きでした。

「ほっとしたのに?」

ビアード公爵家で目覚めた時の姿が浮かんでます。
ほっとした・・?
ビアード公爵令嬢なら大事な人達との関わりは生まれません。
気付いてなかったですが、私が傷つけた人達と深く関わらずに生きれる立ち位置でした。
あんなに寂しくて、苦しかったのに。

「帰りたい?」

帰りたいかと聞かれると困ります。もし本物のレティシア・ビアード様が存在するなら体を返したいです。ですが、今だけは、願わくばレオ様達の無罪が証明されるまではこの世界にいたいです。

「ずっとここにいればいいのに」

何も映像が浮かばなくなりました。体がふわふわしてぼんやりとして心が軽いです。

「この世界は望むままだよ。君の欲しい物は全て手に入る。君が一番欲しいのは?」

一番欲しいもの?
優しい風が吹きました。

「レティ、駄目だよ。この儀はやってはいけないよ。精霊の言葉に耳を傾けてはいけない。王家の精霊は対価を望む。私は」

懐かしい声と心配そうな顔。クロード様、その顔はおやめください。私は大丈夫ですから笑ってください。伝承の世界の精霊の儀の授業の後に言われましたわ。ごめんなさい。クロード様、でも譲れなかったんですよ。クロード様の笑顔は国の宝ですもの。宝が曇りなく輝けるようにするのは私達の務めです。

「シア、いつも相談しろって言ってるだろう。勝手に決めない」

リオ、怒らないでください。ごめんなさい。だってあれしか方法がなかったんです。サラ様を助けないとレオ様が。

「ねぇねぇ、見たいものをあげるよ。だからちょうだい」

思考がはっきりしてきました。
目を閉じると穏やかな笑みを浮かべるクロード様、優しい笑みを浮かべるリオ。
私の見たい物は心の中にあります。どなたか存じませんが貴方の力はいりません。お気遣い不要です。

「レティシア、もういい。離せ。」
「レティシア、もう終わったよ。だから出てきて」
「もうやめろ。父上は無事だ」

焦ったような声が聞こえます。
ぼんやりした世界に人影がありました。
必死な顔のレオ様とロダ様と眉間に皺のあるクロード殿下がいます。

「レティ、帰ってきて。もう解決したわ。そこは危ない」

ディーネの声が聞こえました。
弦を引く手を止めると力が抜けて座り込みました。

「レティシア、大丈夫か?」

レオ様が声を荒げるの初めてです。

「サラ様は」
「母上は無実だ。お前のおかげだ」

レオ様に抱きしめられました。クロード殿下の瞳が見たことないほど暗く顔が強張ってます。

「クロード殿下、心配しないでください。皆、殿下のためにありますよ。貴方の願いを聞かせてください。」
「母上だった。ずっとレオとサラ様に嫌がらせをして、父上に薬を飲ませて」

生前はアリア様とサラ様は仲が悪かったです。アリア様の気性なら嫌がらせしても驚きません。時々短気で横暴な所もありますから・・・。国王陛下に薬・・?

「どうして、そんな」
「嫉妬。母上は父上が誰をも平等に扱うことが気に入らなかった。私は気付かずにレオやサラ様を」

アリア様がレオ様達に嫌がらせをしても驚きません。気に入らない者には厳しい方ですから。
アリア様が嫉妬に狂った?
国王陛下の寵愛が欲しかったということですか?
王妃は王のためにある。私がクロード殿下の寵愛を願えばおこがましいと怒られそうですが・・。王妃に自己はいらないと教えてくださったアリア様が?
いけません。生前のアリア様とは別人です。
でもアリア様の罪でクロード殿下が自身を責めるのは違うと思います。
そのまま伝えても潔癖で頑固なクロード殿下は納得しないでしょう。

「レオ様、サラ様の一番喜ぶことを教えてください」
「母上は俺と一緒に自由に研究したいと」
「王族であることを望んでますか?」
「望んでない」

不謹慎にも笑ってしまいました。
二人が望んでいないなら簡単な方法があります。
正しいことだけでは生きられません。優先すべきものを見極め利を掴むことが大切です。
生前のお父様であるルーン公爵の教えです。
ビアードの教えとは矛盾しますが見逃してもらいましょう。

「クロード殿下、無かったことにしませんか?」
「は?」

殿下に気にしないでと言っても無理ですよね・・。目の前の殿下は頭が固く融通がきかない所があります。生前の殿下の方が柔軟性がありましたわ。無表情で見つめられてます。

「サラ様の願いを叶えてくださいませんか。陛下の寵愛を受けたいアリア様と王家から解放されたいサラ様。慰謝料としてクロード殿下のお小遣いで研究所でも贈って、名ばかりの降嫁を。ビアードで引き受けても良いですよ。レオ様と違って王家に必要ないなら解放して差し上げましょう」

もともと公務をしないサラ様は王族である必要がありません。後継者もいますし。

「レティシア、母上は罪を犯して」

重たい空気を払拭するように笑顔を作ります。
頭の固い殿下に恐れながら子供に言いきかせるようにゆっくりと話します。

「被害者のレオ様とサラ様の幸せが最優先だと思います。アリア様は国王陛下の体に害のないお薬なら悪戯ですよ。媚薬の量を間違えて効果が出すぎたんですよ。国王陛下を目覚めさせたのがセリアならいくらでも取引できます。あまりにもアリア様が更生しないようでしたら、セリアに良い感じに仕上げてもらいましょう。国王陛下は自業自得ですわ。女の争いに巻き込まれただけですわ。クロード殿下は正直に謝ってください。ずっと言いたかったんです。フィルの事件の時にレオ様を疑ったこと」

「レティシア、それは」

咎めようとするレオ様に向き直ります。

「レオ様もクロード殿下にしっかり伝えてください。話しても無駄、信じてもらえないからって拗ねるのはやめてください。言葉にすることは大事です。二人には言葉が足りないんです」

両殿下が駄々をこねる子供に見えて、つい本気で笑ってしまいました。抑えないといけないのに・・。

「クロード様、友人として言わせてください。全て国王陛下に押し付けましょう。レティシアの意見に賛成です。妃の喧嘩は王子の領分ではありません。必要なら記憶をいじってあげますよ」

ロダ様がサラリと恐ろしいことを言いました。記憶をいじるってどういうことですか・・。
海の皇国は怖すぎます。これ以上は怖くて聞きたくありません。恐怖で笑いが止まりましたわ。

「私は今日のことは誰にも話しません。ご用があればお声を掛けてください。失礼します」

立ち上がろうとしたら足が震えて体に力が入りません。

「ロダ様、手を貸してください」

レオ様に抱き上げられました。

「レオ様、大丈夫です。王宮で殿下に運ばれるなど不敬罪で」
「レティシア、3日間ずっと弓を引きつづけていたんだよ。体力の限界だよ」

頭は元気なのに体力の限界とは不甲斐ないですわ。
ビアード公爵令嬢なのに・・。

「力が入らないだけなのに不思議ですね。そこまで疲労感もないんですが。3日!?門限が・・・・。言い訳どうしよう・・」
「ビアード公爵家には王宮で預かっていると使いを出した。公務の手伝いと」

ビアード公爵夫人に心配をかけていないことに安堵しました。
クロード殿下の機転のおかげでお咎めもないでしょう。

「ありがとうございます」
「部屋を用意するよ。御苦労だった」
「殿下のお役に立てたなら光栄です。レオ様降ろしてください」

レオ様は私の言葉を聞いてくれませんでした。
周りの視線を感じながら運ばれました。クロード殿下の咎めないと言う言葉を信じて静かにすることにしました。王宮で暴れるのは淑女として許されません。
ベッドに降ろされると瞼が重たくなりそのままで眠りにつきました。
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