追憶令嬢のやり直し

夕鈴

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王家の厄介事 王子の災難 後編

父上をレオとサラ様とシオン嬢に任せ、問い合わせてくる大臣達に箝口令を敷いているとエイベル達が茶器を見つけたと報告を受ける。
空間魔法で隠され風の結界で守られた部屋にあった茶器の中身は空。
父上の部屋にいるサラ様に確認のために持って行くと同じものと頷く。

「兄上、貸してください。中身がなくても調べられます」

サラ様とレオが透明な液体をかけている。6本目の瓶の中身をかけると透明な液体の色が変わる。

「私が育てている草の成分だけど、軽い睡眠作用しかないわ。即効性はあるけどすぐに目覚めるわ」

「殿下、無効化の魔法を使ってください。眠りの魔法がかけられてます」

一部の者しか知らない王族の無効化魔法をシオン嬢は知っているのか。
父上に全ての魔法の効果を打ち消す無効化魔法を使うと反応があった。

「陛下、起きてください」

サラ様の声で父上がゆっくりと目を開けた。

「賑やかだな」
「おはようございます。悪戯が過ぎます」

声の主はビアード公爵だった。

「クロード、どう収める?」

いつもと変わらない穏やかな顔は全てわかっているのかもしれない。まだサラ様の無罪は晴れていない。

リィーン

「ほぉ。面白いことになっているな。そなたの顔を見ると術者は愛娘か」

「クロード殿下、自白剤をどうぞ。サラ様とアリア様に飲んでいただきましょう。一番早いでしょう」

睡眠薬で眠らせた父上に魔法で眠りの魔法をかけられる人間は限られている。無効化したのは風の魔法だった。シオン嬢の差し出す液体は断った。火属性のサラ様が主犯ではない。王族で風属性は母上だけ。
最初の嫌な予感は当たっていた。

「父上、母上に記憶さらしの許しを」
「わかっておるのか?」
「はい。正しいことを。罪のないサラ様を処刑しようとした母上ならわかってくれるでしょう」
「母が狂っても?」
「もう狂っているかもしれません」

穏やかな顔の父上には動揺はない。

「兄上、父上が目覚めたので母上の処刑は無くなります。俺はレティシアを止めてもいいですか?」
「頼むよ」

レオがすごい速さで駆け出して行った。
ルーン公爵に命じて記憶さらしの準備を整えた。
無実のサラ様の処刑を命じ、レティシアには命懸けの儀式の対価に遺体の提供を望んだ母上にも同じことを求めることにした。疑いだけで処罰を受けるのもわかってくださるだろう。

目を醒まして取り乱されても困るので眠ったままの母上を運ばせた。
記憶さらしの魔法陣の中心に眠る母上を王宮魔導士が囲み、詠唱が始まり、映像が浮かんでいた。

婚約をかわして、穏やかな顔の両親の様子が浮かんでいる。
穏やかな顔の父上と幸せそうな顔をする母上の姿があった。
幸せそうな様子は婚姻までだった。
子供に恵まれない母上は荒れていった。父上に側妃を迎える話をされて、表情が抜け落ちた。

「陛下、魔導士の派遣を。どんな苦痛も耐えて見せます。どうかお考えを」
「生まれた子はそなたに預けよう。何も変わらない。苦しむそなたを見たくない」
「陛下」

私は陛下に愛されているから大丈夫。陛下の子供ならきっと愛せる。でも・・。
母上は側妃を受け入れられなかった。
父上の前で微笑んでいても、姿がなければ侍女に八つ当たりをしていた。


「サラ様、歓迎するわ。共に陛下を支えていきましょう」
「よろしくお願い致します」

父上は母上とサラ様を平等に接していた。
サラ様と父上の話し合う姿を母上は忌々しそうに見ていた。
母上よりもサラ様のほうが有能だった。
若く美しく聡明なサラ様に嫉妬しながらも表面上はうまく付き合っている。
サラ様が執務をしていた時代があったのか・・・。父上とチェスをする姿しか知らなかった。


サラ様は後宮に入り半年もたたない頃にレオを授かった。
新たな王族の誕生を賑わう王宮で母上は倒れた。
医務官の診察で妊娠が発表された。

「赤子をサラよりも早く生みたい。なんとかして」
「アリア、産まれた順番など関係ない」
「陛下、お願いします。」
「健康な子が一番だ」
「魔導士の力なら」
「継承権をサラの子には与えない。マールも優遇しよう。この子が無事に生まれれば序列を変える。資質があるなら即位するまで序列一位にしよう。私は二人に苦痛を強いたくない。どうか子の誕生を祝わせてくれないか」

母上を宥める父上の話し合う様子が浮かんでいる。
今はマールが序列一位だが先代の時はルーン、シオン、レート、ビアード、パドマ、マールだった。序列は年の初めに国王の独断で決められる。
先代王はシオンの能力を発揮できるように力を入れていた。さらに前はビアード、スミス、ルーン、パドマ、レート、マール。国王の目指す治世によって序列は変わり、それに従い貴族は動く。

光景がかわり体調が優れない母上のもとにサラ様と父上が訪問している。

「アリア様、おめでとうございます。私の子は継承権はいりません。極秘で生みます。アリア様の御子の弟として育てます」
「サラも受け入れてくれている。どうか無事に子を産んでほしい」
「シオンは王位に興味はありません。この子の後ろ盾になることもありません」

母上は静かに頷いた。休む邪魔をしないようにと退室するサラ様と父上の背中を見送った。

「どうして、あの女ばかり。変わらないって。陛下」

泣き崩れる母上は苦しんでいたのか。
映像をいつもと変わらない穏やかな顔で父上は見ている。
レオと私は2月違いの異母兄弟だった。
先にレオが産まれたのか。レオが生まれて3か月後に私が誕生した。
レオが離宮で隠されて育ったのはこのためか。

「レオ様はもうお話になったわ。さすがサラ様のお子。兄君より優秀かしら」
「やめなさい」

侍女の囁く姿が浮かび上がった。幼い頃からレオには負けてはいけないが母上の口癖だった。
レオとサラ様の食事に混ぜなさいと薬を渡していた。サラ様付きの侍女に暇をだし、母上が新しい侍女を送っていた。その侍女達はすぐに辞任した。
レオは教師の手配もされていなかったのか。レオの嫌な噂を聞くたびに母上は極上の笑みを浮かべている。

どんなにレオやサラ様が公務を放棄しても父上は変わらず穏やかに接していた。母上が公務を放棄しても何も言わない。
父上は平等な人だ。レオが何をしても諫めず穏やかに見守るだけ。
父上がレオと過ごすのも母上は嫌だったのか・・。

母上はレオの評価が上がるのを忌々しそうに聞いている。
何かはわからないが怪しい術に手を出している。レオとサラ様にかけているようだ。
海の皇国への初めての視察を許可したのは失敗するように願っていたのか。レオが愚鈍で無能なフリをしていたのは生きるためか。
母上の仕込んだ罠をサラ様と二人で躱している。母上は狂っていた。
私は乳母に育てられたから、母上との思い出はそんなにない。
サラ様への嫉妬に狂っていたのか。

父上が倒れるように仕込んだのも母上だった。
茶葉を用意したのは母上だ。母上は父上の手を握りながら眠りの魔法をかけていた。
そこまでしてサラ様達を排除したかったのか・・・。

「母上を捕えて軟禁しろ」

父上の穏やかな顔は何も変わらない。全く動揺しないルーン公爵も知っていたのか。

「父上、どうして放っておいたんですか?」
「教材として最適だろう」
「ルーン公爵もか」
「申し訳ありません」
「もしサラ様やレオが処刑されたら」
「それが運命だ。まさかクロードがアリアに記憶さらしをさせるとはな。この件は好きにしろ」

第二王子を暗殺しようとした母の息子に王位を継ぐ資格はあるんだろうか。
弦音を聞くと、頭が冷える。
なんでまだ響いているんだ。
記憶さらしは時間がかかるため相当な時間が経っている。
儀式の間に行くと結界の中で空ろな瞳のレティシアが弓を構えている。

「レティシア、もういいからやめて。大丈夫だから」

「何が起こっている?」

大神官はレティシアに一心に祈りを捧げている。

「ビアード様は依代に。ウンディーネ様」

「ロダ、説明を」
「レティシアが儀式に入ると魔法陣が光りドームができました。声が届いてません。ずっとこの調子で」

筆頭王宮魔導士を呼ぶと興味深そうに眺めていた。

「儀式が終われば遺体は我らが。すぐに手配を。この均等な魔力は並の魔導士では、なんとすばらしい逸材を。すぐに手配を」

付き添っていた王宮魔導士の一人が消えた。ブツブツと言う魔導士も役に立たない。
サラ様ならわかるだろうか。
サラ様を呼ぶと父上とルーン公爵と共に現れた。

「ビアード令嬢が水の宝具か。宝具に敵うといいが」
「父上どうすれば」
「精霊は悪戯好きだ。気に入った娘を返してくれるか。国のために命を賭けるのはさすがビアード公爵令嬢」
「呼びかけるしかありません。この魔法陣を壊したら二度と儀式は行えません」

部外者を追い出してロダとレオと呼びかけることにした。
こんな事情で死なせたら後悔する。
一点をずっと見ていたレティシアの首が動いた。
不思議そうな顔で見られている。

「レティシア、もういい。離せ。」
「レティシア、もう終わったよ。だから出てきて」
「もうやめろ。父上は無事だ」

弦を引く手が止まり座り込むとレティシアを囲む光が消えた。
レオが駆け寄り崩れる体を支えた。

「レティシア、大丈夫か?」
「サラ様は」
「母上は無実だ。お前のおかげだ。」

レオがレティシアを抱きしめると首を横に振ったレティシアと目が合った。
柔らかい笑みを向けられ力が抜けた。

「クロード殿下、心配しないでください。皆、殿下のためにありますよ。貴方の願いを聞かせてください。」

無意識に母上と自分の罪を懺悔している自分に気付いた。

「クロード殿下」

レティシアの柔らかい声で呼ばれて視線を向けると侮蔑の色はなくふんわりと笑っている。

「無かったことにしませんか?」

耳を疑った。

「サラ様の願いを叶えてくださいませんか。陛下の寵愛を受けたいアリア様と王家から解放されたいサラ様。慰謝料としてクロード殿下のお小遣いで研究所でも贈って、名ばかりの降嫁を。ビアードで引き受けても良いですよ。レオ様と違って王家に必要ないなら解放して差し上げましょう」

レティシアの能天気な空気に飲まれていたことに気付いた。

「レティシア、母上は罪を犯して」

母上は重罪を犯したことをわかっているんだろうか。

「被害者のレオ様とサラ様の幸せが最優先だと思います。アリア様は国王陛下の体に害のないお薬なら悪戯ですよ。媚薬の量を間違えて効果が出すぎたんですよ。国王陛下を目覚めさせたのがセリアならいくらでも取引できます。あまりにもアリア様が更生しないようでしたら、セリアに良い感じに仕上げてもらいましょう。国王陛下は自業自得ですわ。女の争いに巻き込まれただけですわ。クロード殿下は正直に謝ってください。ずっと言いたかったんです。フィルの事件の時にレオ様を疑ったこと」

さらりと語る言葉は軽い。いつかの生徒の痴話げんかを仲裁していたレティシアの姿が浮かんだ。正しさを求めた彼女が事実を捻じ曲げようとしていた。
いや、薬を盛って眠っていたことを夫婦の営みで片付ければ抜け道はある。目覚めた父上の体に害はなく医務官にも健康と言われた。

「レティシア、それは」

「レオ様もクロード殿下にしっかり伝えてください。話しても無駄、信じてもらえないからって拗ねるのはやめてください。言葉にすることは大事です。二人には言葉が足りないんです」

レオの言葉を遮り、クスクスと笑うレティシアが幼子に言い聞かせているようにレオを諭していた。

「クロード様、友人として言わせてください。全て国王陛下に押し付けましょう。レティシアの意見に賛成です。妃の喧嘩は王子の領分ではありません。必要なら記憶をいじってあげますよ」

海の皇国の元皇子も全く動揺はないらしい。
空気が緩い。この二人って実は似てるんだろうか・・・。
レティシアはロダに怯えた視線を向けている。
他言しないと笑うレティシアは立ち上がれなかった。
3日間、ずっと弓を引いていたから動けないのは仕方ない。
レオが腕の中でロダに手を伸ばすレティシアを抱き上げた。

「レオ様、大丈夫です。王宮で殿下に運ばれるなど不敬罪で」

レティシアの不敬の認識はおかしい。
運んだくらいでは誰も罰しない。

「レティシア、3日間ずっと弓を引きつづけていたんだよ。体力の限界だよ」

「力が入らないだけなのに不思議ですね。そこまで疲労感もないんですが。3日!?門限が・・・・。言い訳どうしよう・・」

ロダの言葉に不思議そうな顔をしたあと顔を真っ青にした。王家の罪よりも門限のほうが深刻そうだ。

「ビアード公爵家には王宮で預かっていると使いを出した。公務の手伝いと」

「ありがとうございます。」

使いを出したことに心底ほっとした顔を浮かべている。

「部屋を用意する。御苦労だった」

「殿下のお役に立てたなら光栄です。レオ様降ろしてください。」

レオは降ろす気はないらしい。客室のベッドに降ろすと一瞬で眠りについた。

「レオ、すまなかった」
「兄上、王位に興味はありません。俺は母上と共に生きられれば何もいりません。諦めてた俺に教えてくれた友人がいました。王族としてもレオとしても慕ってくれた。母上の安全の保障をお願いします。兄上が王になり、俺に王位が回ってこないようにお願いします」
「真実を隠せと?」
「しっかりやり返したのでご心配なく」

レオ達が使用人を追い出していた理由がわかった。
弟に初めて笑顔を向けられた。

「クロード殿下、妃の争いに頭を悩ませていたらきりがありませんよ。」

目の前の元皇子も女の争いに巻き込まれた不幸な身の上だった。
サラ様に謝罪し希望を聞くとレオの安全の保障を求められた。降嫁ではなく王族位を返上してシオンに返ることとレオと自由に面会できることを望まれた。
母上は記憶さらしのせいかずっとぼんやりしていた。離宮で静養と言う名の軟禁にした。
王妃不在だが問題ない。もともとほとんど母上の執務は私に回ってきていた。
父上に報告するといつもと変わらない穏やかな顔だった。

「クロード、婚約者を選べ」
「命令でなければお許しを」
「ビアード嬢は」

父上がレティシアの名前を出すとは思わなかった。

「彼女を王妃にしたら仕事が増えます。全てを救おうとするでしょう。ビアードとマールを敵に回したくありません。執務能力が高いので重宝してます。当分は女性に振り回されたくありません」
「この件は委ねたからな。中々愉快だったよ」
「お気に召していただきました?」
「王家の醜聞だ。うまくおさめよ」

執務に戻ることにした。最後の父上の笑みが固かった気がするのは気のせいだろうか。
レティシアは魔力切れで眠っていた。
神官と王宮魔導士に彼女を欲しいと言われたが王命を使う気はなかった。
ビアード公爵家から王命で任命するなら覚悟しろと物騒な文が届いた。
ずっと閉鎖していた王宮は解放した。
リオやエイベルが面会に来たらレティシアのもとに案内するように侍従に命じた。
時々様子を見に行くとぐっすりと眠っていた。
リオは連日レティシアに会いに来ていた。レティシアの手を握り無事を祈るリオの邪魔をするつもりはなかった。

「クロード殿下、ビアードの騎士達が剣を向けてきます。賠償としてビアード公爵令嬢を」

筆頭王宮魔導士の話を聞くとビアード公爵家と王宮魔導士が揉めていた。
連日戦っているとは知らず、エイベルでは手に負えないようだ。
邪魔をしたくなかったが適任者に任せることにした。
リオに頼むとレティシアの顔を見て頷き出て行った。
王宮魔導士とビアードの対立を知って頭を抱えるのはレティシアだろうから。
ビアード公爵に頼んで火に油を注ぐつもりもなかった。
物理で解決するビアードには話術で全てを収めることに長けたマール公爵家のリオの婿入りはありがたいかもしれない。
リオのおかげで、表面上の対立は終息した。リオの毒舌を受けただろう魔導士の顔色が悪いのは気付かないフリをする。

執務をしながら時々レティシアを訪ねていた。
レティシアの部屋の前には護衛騎士を配置して、許しのある者しか近づけないようにしていた。気が狂った研究者に攫われるわけにはいかないから。

部屋を訪ねると、レティシアは目覚めていた。
ベッドから起き上がり、礼をしようとするので首を横に振る。

「礼はいらない。そのままで」

視線が合ってふんわりと柔らかい笑みを向けられた。

「殿下、お疲れ様でした」
「助かったよ」
「お役にたてて光栄です。どうかレオ様にも素直になってください。兄弟は助け合うものです」

生きてて良かった。華奢な体に手を伸ばすと温かく、気付いたら抱きしめていた。
自分の行動に驚いて離そうとすると背中に手が回った。

「お疲れ様でした。ゆっくり休んでください」

優しい声で労わられた。
耳心地の良い力の抜ける声に彼女と共に過ごすのも悪くないと思った。

「レティシア、王妃になりたいか?」
「お戯れを。私には荷が重いです。私は資格がありません」
「資格?」
「大切なものが多すぎてクロード殿下のことだけを想い隣にいることはできません。殿下を第一に想ってくださる方を迎えてください。」
「忠告するが、ベッドの上で抱きしめられたら拒まないと襲われる」
「クロード殿下はそんなことしません。どんな女性も手に入れられる方が貧相な私を選ぶことはありません」

この無防備さはなんなんだろうか・・・。腕の中の体は緊張する様子もない。

「襲われるなよ。婚約したい相手はいるか?」
「私はすでに婚約者がいます。お父様の命に従います」
「そうか」

レティシアはリオに惚れていない。いつも諦めた目でリオの好きにさせているだけだから。
レオとレティシアが望むなら手を回してもいいと思ったが、レオとは違うのか。
腕を離して事の真相を告げるとしばらく見つめられた後ふんわりと笑い私が後悔しないなら十分ですと言った。
挨拶せずにビアードに帰っていいと告げると嬉しそうに笑い、ビアード公爵が可愛がる気持ちが少しだけわかった。

「僕だけ蚊帳の外でした」

手伝いにきたエドワードが不満そうにこぼした。
どうして事情を知っているかは聞かない。父上の顔が腫れていたのは気付かないフリをする。
サラ様はシオンに帰り、レオは執務を真面目にこなすようになった。
処理能力の高いレオのおかげで母上がいなくても執務に支障はでない。
臣下に降ろさず、王族のまま傍に置いておくのもいいかもしれない。
しばらくするとレティシアとリオが手伝いに来た。
母上不在で大変と心配されていたが誤解は解かず、せっかくなので任せることにした。
まさか連日来てくれるとは思わなかった。
妃教育を受けずに母上の仕事を完璧にこなすレティシアの執務能力の高さは異常だ。
私が王太子のままでいいのかと零せばレティシアに「お戯れを」とお茶を出される。
書類の山がどんどん減っていくことに感動を覚えた私をロダが笑っていた。
レティシアとロダの前では全てが些細なことで済まされそうである。
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