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元夫の苦難37
最近の令嬢はしつこい。
俺の話を全く聞かない。
「リオ様、ビアード様から許可をいただきました。リオ様が許してくれれば愛人として迎え入れてくださるって」
「俺達に付き纏わないで。俺は生涯レティシア一人と決めている」
「ビアード様の立場を取ろうとは思ってません。私はリオ様をお慰めしてお子を産んであげたいのです。お体の弱いビアード様は」
直接的な言葉も悪意も不快で堪らない。
不機嫌を隠さないのに引かないのは空気が読めないのだろうか。貴族として致命的な欠点だ。
「レティシアとの子供なら大事にするけど、できないなら構わない。俺達は血を残すことは求められてない」
「我慢はよくありません。それにあのお体では」
「君に全く興味はない。抱きたいのはレティシアだけだ。迷惑だ」
令嬢に捕まれた腕を乱暴に振り払って足早に教室を目指した。
胸を押し付けられても不快なだけだ。品位にかける行動に呆れしかない。
訓練の後に待ち伏せされるのは迷惑だ。最近はレティシアは木の上にはいない。
俺や令嬢達から逃げ回っている。
教室に行くと騒がしかった。
ただでさえイライラしているから朝は静かにしてほしい。
レティシアとは生徒会室でしか会えない。魔力を辿っても近づくとすぐに逃げられる。教師が来るまでまだ時間があるから仕事をするか。
「ビアード嬢に強くなって欲しいと。目指すところは共にあると言われた。駄目元で頼んだら笑顔で贈ってくれた」
「略奪か?」
「それは・・・。でも脈無しではないと思う。」
「銀糸の刺繍ならもしかするよな。ビアード公爵家は彼女に甘いから」
「俺は口下手でうまくいえないのに、察してくれて」
「おめでとう」
どういうことだ・・?
後の席で騒ぐクラスメイトの話は聞き流せなかった。赤面してうっとりと語る姿は気持ちが悪い。
二人っきりで、優しく微笑まれてって俺が避けられてるのになんて羨ましいことを。
「リオ、落ち着きなよ」
肩をサイラスに掴まれている。
「あれは俺の聞き間違いか?」
「彼女のハンカチを持ってる生徒は多いから、深い意味はないよ」
夜会でも意味深なことを言っていたけど事実なのか・・・。
あの後は社交に駆けまわった所為でろくに話も聞けなかった。
レティシアはなぜかルーン公爵家の社交もこなしている。ビアード公爵夫人のルーン公爵への無礼へのお詫びらしい。叔父上にレティシアの成果を渡すと、驚いた顔で見られて複雑な顔をされた。レティシアに謝罪はいらないと伝えてほしいと頼まれたが、余計に恐縮させた。
こんなに慈悲深いルーン公爵になんてことをと呟いていたが、叔父上は慈悲深くない。レティシアは優秀だけど人の評価だけは信用できない。ビアードと武門貴族関連の社交、ルーン、時々マールと一晩で二つの夜会に顔を出すこともある。休憩なしの叔母上よりも多忙な社交をこなしている。
「俺は銀糸の刺繍なんてもらってない」
「欲しいと言わなければもらえないよ。昼休みにでも行ってきたら?レティシア嬢は政略結婚しかする気がないから大丈夫だよ」
サイラスの言葉も全然気分が浮上しなかった。
慰めになっていないことに気付いてないんだろうか。
昼休みに急いで食事をすませて、探すことにした。食事中なら逃げられないだろう。魔力を辿って会いに行くと教室で虚ろな視線でブツブツ呟いていた。
「人気のない辺境伯に嫁ぎたい・・・。僻地で穏やかな民に囲まれて、畑を耕して自給自足の生活を・・。幸せでしょう」
逃げられないようにそっと背中から抱きしめても全く反応がない。
レティシアも追いかけまわされてるんだよな。俺の所為だろうか。レティシアの言葉に返答しても聞こえていないようだ。
望むなら辺境地の爵位買うけど。このまま浚って二人っきりの生活もいいよな。
カーソンに頬をつねられてようやく気付いた。
ぼんやりしている時はそうすれば戻るのか。
「リオ様、離してください」
「爵位を手に入れるよ。ビアード公爵に勝つより簡単だ。二人で逃げようか」
「どうぞお一人で。ご用件は?」
声がいつもよりも冷たい気がする。レティシアもイライラしてるんだろうか。
「会いたかっただけ。求婚してないよな?」
「はい?」
「強くなって迎えに来てほしいって誰かに言った?」
「言いました」
感情の籠っていない肯定の言葉に息を飲んだ。好きな奴ができたのかと慌てていたら杞憂だった。
レティシアが生涯共にいると決めてるのはビアードだった。
どう勘違いしたのか俺がビアード公爵を目指すと思い敵意を向けられた。
気が抜けた。
ハンカチの件を聞いたら銀の糸は風属性の者のためらしい。
たくさん人に贈ったのに俺は含まれてないんだろうか。
レティシアの肩に顔を埋めた。
「なんで、俺には・・・」
「欲しいんですか?」
できればレティシアから贈られたい。でも意地を張ったら絶対にもらえない。正直に頷くと笑い声が聞こえた。
「どうぞ。お気づきの点があれば教えてください」
恥じらいのカケラもなく淡々と差し出されハンカチには美しい銀糸で魔法陣が刺繍してあった。
なんにもわかってないんだろう。レティシアは言わないと伝わらないよな。俺への特別な気持ちはなくても婚約者だから許されるだろう。
「銀糸で刺繍したものを俺以外に贈らないで欲しいんだけど」
「風属性はこの糸が一番なんですよ。お母様から刺繍の課題もありますし」
「深い意味はないってわかってるけど、勘違いする奴がいるんだよ。レティシアの手作りを俺以外が持っているのが嫌なんだよ」
「具合悪いんですか?」
心配そうな顔で見つめられるけどここまで言っても伝わらないのか!?
「心の問題。どうしたら伝わるんだよ」
「レティシア様、マール様は妬いてるんですよ。令嬢達が自分の色の糸で刺繍したハンカチを贈るのは愛の告白ですわ。」
令嬢の楽しそうな声にレティシアが不思議そうな顔をした。
情けないけど事実だ。妬いてるのわかってもらえないかな。直接言われるとさすがに恥ずかしい。ふっと噴き出す音がが聞こえた。
「リオ様、私が送ったハンカチは実験品ですよ。皆、特別な意味がないってわかってますよ。その情けない顔やめてください」
わかってない。楽しそうに笑ってる顔が可愛い。
「放課後俺と過ごしてくれる?」
「明日でしたら」
「約束だよ。放課後迎えに行くよ」
多忙なレティシアの時間をもらえるだけで良しとするか。
頬に口づけ、きょとんとしている間に離れた。人前では嫌がるから。
イライラは落ち着いた。明日の放課後二人で過ごせると思うと頬が緩んだ。
令嬢達は無視をして教室を目指す。
レティシアのクラスで視線を集めていたけど牽制になるだろう。
***
朝の訓練の時に久々にレティシアが木の上で刺繍をしているのを見つけた。ビアード公爵夫人はどうしてそこまで刺繍の課題を出すんだろうか。今度聞いてみるか。
訓練が終わって着替えてレティシアを探して魔力を辿ると近くに気配があった。
「マール様」
令嬢達は無視をして足早に進む。レティシアを追いかけて腕を掴むと驚いた顔で見られた。
「おはよう」
「おはようございます」
「急いでる?」
「いえ、お邪魔かなと。良ければどうぞ」
受け取ると紙袋の中には朝食が用意されていた。会いに来てくれたんだろうか?
「ありがとう。まだ時間があるから付き合ってくれないか?」
頷くレティシアに一気に気分が良くなり手を繋いで近くのベンチに座った。
一緒に登校するのはいつ以来だろうか。
最近は一緒に帰ることさえできない。
玄関にレティシアの靴はなく、玄関での待ち伏せを避けるために窓から帰るレティシアを捕まえるわけにはいかなかった。追跡魔法をかけているのを知られるわけにはいかないから・・。
「昼、たまには二人で食べないか?」
頷くレティシアに感動して抱きしめた。初めて昼の誘いを断られなかった。
昼休みに迎えに行くとを伝えると頷いてくれた。あんまり話さないのはどうしてだろうか。
レティシアを教室に送って、周囲の男の牽制に頬に口づけると頬を染めてにっこりするのが可愛かった。
昼食は俺の部屋で食べよう。
庭園で食事をするとまた令嬢達が寄ってくるだろうから。
昼休みに迎えに行くと、立ち上がったレティシアに腕に抱きつかれた。
「お会いできて嬉しいです」
頬を染めて微笑む姿が可愛くて思わず抱きしめた。
振り払われないので顔を見るとニコッと笑いかけられ顔に熱が籠った。
俺の部屋に行こうとすると庭園に行きたいと言うので、人気の少ない裏庭園に行くとアナ達に会った。
「リオ様、レティシア様、一緒に」
即答すると思ったのにレティシアは俺の顔を見て首を傾げた。
「どうする?」
「私はリオ様と御一緒できれば構いません」
初めてアナ達に勝った。
アナ達が一緒なら令嬢達に見つからないと思い了承した。
いつもはアナと先に行くのに俺の腕を抱いてずっと隣にいてくれる姿に口元が緩んで手で隠した。
レティシアは笑顔でアナ達と食事をしていた。
アナ達と共にいるレティシアは優しい笑みを浮かべる。
リナに頼まれてバイオリンを演奏する姿は美しかった。男が寄ってきたので演奏が終わったレティシアを抱き寄せると甘えるように身を委ねてくれた。
付き纏う令嬢達は不愉快だがレティシアに避けられず一緒にいられる時間が増えたので気分が良かった。久しぶりの充実した学園生活を満喫していた。
友人はレティシアが俺で遊んでいると言っていたけど構わなかった。
俺の話を全く聞かない。
「リオ様、ビアード様から許可をいただきました。リオ様が許してくれれば愛人として迎え入れてくださるって」
「俺達に付き纏わないで。俺は生涯レティシア一人と決めている」
「ビアード様の立場を取ろうとは思ってません。私はリオ様をお慰めしてお子を産んであげたいのです。お体の弱いビアード様は」
直接的な言葉も悪意も不快で堪らない。
不機嫌を隠さないのに引かないのは空気が読めないのだろうか。貴族として致命的な欠点だ。
「レティシアとの子供なら大事にするけど、できないなら構わない。俺達は血を残すことは求められてない」
「我慢はよくありません。それにあのお体では」
「君に全く興味はない。抱きたいのはレティシアだけだ。迷惑だ」
令嬢に捕まれた腕を乱暴に振り払って足早に教室を目指した。
胸を押し付けられても不快なだけだ。品位にかける行動に呆れしかない。
訓練の後に待ち伏せされるのは迷惑だ。最近はレティシアは木の上にはいない。
俺や令嬢達から逃げ回っている。
教室に行くと騒がしかった。
ただでさえイライラしているから朝は静かにしてほしい。
レティシアとは生徒会室でしか会えない。魔力を辿っても近づくとすぐに逃げられる。教師が来るまでまだ時間があるから仕事をするか。
「ビアード嬢に強くなって欲しいと。目指すところは共にあると言われた。駄目元で頼んだら笑顔で贈ってくれた」
「略奪か?」
「それは・・・。でも脈無しではないと思う。」
「銀糸の刺繍ならもしかするよな。ビアード公爵家は彼女に甘いから」
「俺は口下手でうまくいえないのに、察してくれて」
「おめでとう」
どういうことだ・・?
後の席で騒ぐクラスメイトの話は聞き流せなかった。赤面してうっとりと語る姿は気持ちが悪い。
二人っきりで、優しく微笑まれてって俺が避けられてるのになんて羨ましいことを。
「リオ、落ち着きなよ」
肩をサイラスに掴まれている。
「あれは俺の聞き間違いか?」
「彼女のハンカチを持ってる生徒は多いから、深い意味はないよ」
夜会でも意味深なことを言っていたけど事実なのか・・・。
あの後は社交に駆けまわった所為でろくに話も聞けなかった。
レティシアはなぜかルーン公爵家の社交もこなしている。ビアード公爵夫人のルーン公爵への無礼へのお詫びらしい。叔父上にレティシアの成果を渡すと、驚いた顔で見られて複雑な顔をされた。レティシアに謝罪はいらないと伝えてほしいと頼まれたが、余計に恐縮させた。
こんなに慈悲深いルーン公爵になんてことをと呟いていたが、叔父上は慈悲深くない。レティシアは優秀だけど人の評価だけは信用できない。ビアードと武門貴族関連の社交、ルーン、時々マールと一晩で二つの夜会に顔を出すこともある。休憩なしの叔母上よりも多忙な社交をこなしている。
「俺は銀糸の刺繍なんてもらってない」
「欲しいと言わなければもらえないよ。昼休みにでも行ってきたら?レティシア嬢は政略結婚しかする気がないから大丈夫だよ」
サイラスの言葉も全然気分が浮上しなかった。
慰めになっていないことに気付いてないんだろうか。
昼休みに急いで食事をすませて、探すことにした。食事中なら逃げられないだろう。魔力を辿って会いに行くと教室で虚ろな視線でブツブツ呟いていた。
「人気のない辺境伯に嫁ぎたい・・・。僻地で穏やかな民に囲まれて、畑を耕して自給自足の生活を・・。幸せでしょう」
逃げられないようにそっと背中から抱きしめても全く反応がない。
レティシアも追いかけまわされてるんだよな。俺の所為だろうか。レティシアの言葉に返答しても聞こえていないようだ。
望むなら辺境地の爵位買うけど。このまま浚って二人っきりの生活もいいよな。
カーソンに頬をつねられてようやく気付いた。
ぼんやりしている時はそうすれば戻るのか。
「リオ様、離してください」
「爵位を手に入れるよ。ビアード公爵に勝つより簡単だ。二人で逃げようか」
「どうぞお一人で。ご用件は?」
声がいつもよりも冷たい気がする。レティシアもイライラしてるんだろうか。
「会いたかっただけ。求婚してないよな?」
「はい?」
「強くなって迎えに来てほしいって誰かに言った?」
「言いました」
感情の籠っていない肯定の言葉に息を飲んだ。好きな奴ができたのかと慌てていたら杞憂だった。
レティシアが生涯共にいると決めてるのはビアードだった。
どう勘違いしたのか俺がビアード公爵を目指すと思い敵意を向けられた。
気が抜けた。
ハンカチの件を聞いたら銀の糸は風属性の者のためらしい。
たくさん人に贈ったのに俺は含まれてないんだろうか。
レティシアの肩に顔を埋めた。
「なんで、俺には・・・」
「欲しいんですか?」
できればレティシアから贈られたい。でも意地を張ったら絶対にもらえない。正直に頷くと笑い声が聞こえた。
「どうぞ。お気づきの点があれば教えてください」
恥じらいのカケラもなく淡々と差し出されハンカチには美しい銀糸で魔法陣が刺繍してあった。
なんにもわかってないんだろう。レティシアは言わないと伝わらないよな。俺への特別な気持ちはなくても婚約者だから許されるだろう。
「銀糸で刺繍したものを俺以外に贈らないで欲しいんだけど」
「風属性はこの糸が一番なんですよ。お母様から刺繍の課題もありますし」
「深い意味はないってわかってるけど、勘違いする奴がいるんだよ。レティシアの手作りを俺以外が持っているのが嫌なんだよ」
「具合悪いんですか?」
心配そうな顔で見つめられるけどここまで言っても伝わらないのか!?
「心の問題。どうしたら伝わるんだよ」
「レティシア様、マール様は妬いてるんですよ。令嬢達が自分の色の糸で刺繍したハンカチを贈るのは愛の告白ですわ。」
令嬢の楽しそうな声にレティシアが不思議そうな顔をした。
情けないけど事実だ。妬いてるのわかってもらえないかな。直接言われるとさすがに恥ずかしい。ふっと噴き出す音がが聞こえた。
「リオ様、私が送ったハンカチは実験品ですよ。皆、特別な意味がないってわかってますよ。その情けない顔やめてください」
わかってない。楽しそうに笑ってる顔が可愛い。
「放課後俺と過ごしてくれる?」
「明日でしたら」
「約束だよ。放課後迎えに行くよ」
多忙なレティシアの時間をもらえるだけで良しとするか。
頬に口づけ、きょとんとしている間に離れた。人前では嫌がるから。
イライラは落ち着いた。明日の放課後二人で過ごせると思うと頬が緩んだ。
令嬢達は無視をして教室を目指す。
レティシアのクラスで視線を集めていたけど牽制になるだろう。
***
朝の訓練の時に久々にレティシアが木の上で刺繍をしているのを見つけた。ビアード公爵夫人はどうしてそこまで刺繍の課題を出すんだろうか。今度聞いてみるか。
訓練が終わって着替えてレティシアを探して魔力を辿ると近くに気配があった。
「マール様」
令嬢達は無視をして足早に進む。レティシアを追いかけて腕を掴むと驚いた顔で見られた。
「おはよう」
「おはようございます」
「急いでる?」
「いえ、お邪魔かなと。良ければどうぞ」
受け取ると紙袋の中には朝食が用意されていた。会いに来てくれたんだろうか?
「ありがとう。まだ時間があるから付き合ってくれないか?」
頷くレティシアに一気に気分が良くなり手を繋いで近くのベンチに座った。
一緒に登校するのはいつ以来だろうか。
最近は一緒に帰ることさえできない。
玄関にレティシアの靴はなく、玄関での待ち伏せを避けるために窓から帰るレティシアを捕まえるわけにはいかなかった。追跡魔法をかけているのを知られるわけにはいかないから・・。
「昼、たまには二人で食べないか?」
頷くレティシアに感動して抱きしめた。初めて昼の誘いを断られなかった。
昼休みに迎えに行くとを伝えると頷いてくれた。あんまり話さないのはどうしてだろうか。
レティシアを教室に送って、周囲の男の牽制に頬に口づけると頬を染めてにっこりするのが可愛かった。
昼食は俺の部屋で食べよう。
庭園で食事をするとまた令嬢達が寄ってくるだろうから。
昼休みに迎えに行くと、立ち上がったレティシアに腕に抱きつかれた。
「お会いできて嬉しいです」
頬を染めて微笑む姿が可愛くて思わず抱きしめた。
振り払われないので顔を見るとニコッと笑いかけられ顔に熱が籠った。
俺の部屋に行こうとすると庭園に行きたいと言うので、人気の少ない裏庭園に行くとアナ達に会った。
「リオ様、レティシア様、一緒に」
即答すると思ったのにレティシアは俺の顔を見て首を傾げた。
「どうする?」
「私はリオ様と御一緒できれば構いません」
初めてアナ達に勝った。
アナ達が一緒なら令嬢達に見つからないと思い了承した。
いつもはアナと先に行くのに俺の腕を抱いてずっと隣にいてくれる姿に口元が緩んで手で隠した。
レティシアは笑顔でアナ達と食事をしていた。
アナ達と共にいるレティシアは優しい笑みを浮かべる。
リナに頼まれてバイオリンを演奏する姿は美しかった。男が寄ってきたので演奏が終わったレティシアを抱き寄せると甘えるように身を委ねてくれた。
付き纏う令嬢達は不愉快だがレティシアに避けられず一緒にいられる時間が増えたので気分が良かった。久しぶりの充実した学園生活を満喫していた。
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