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兄の苦労日記35
マール執心のブローダ伯爵令嬢は退学した。ブローダ伯爵領は王家預かりになった。取りつぶしにあったようだが、うちも妹の関係者も関与はない。王家が動いており、うちとは関係ないので詳しく調べなかった。
マールも休んでいたから令嬢を追いかけるなら妹との婚約破棄してからにしてほしいと願った俺は間違っていた。
マール公爵家から届いた招待状を妹は珍しく真顔で眺めている。
私的なお茶会の誘い。マールは自宅療養中と聞き現実の厳しさを知った。マールがいないおかげで妹は女遊びの尻拭いから解放されて楽しそうに過ごしていた。破棄しなくてもいいから二人で逃亡して消えて欲しかった。お人好しの妹がマールの恋人を拾うのを絶対に許すつもりはない。
「レティシア、母上に代わってもらうか?」
「大丈夫です」
「ついていこうか?」
「私はマール様の婚約者ですから断ることはできません。一人で大丈夫です」
強情な妹は無理矢理笑っている。妹の認めたくない婚約者の顔を見たら斬るかもしれない。
もしもビアード公爵令嬢として相応しくないと妹を裁くならうちにも連絡がくるだろう。
マール公爵邸から帰ってからはもともと少ない食欲がさらに落ちている。張り付けた笑みを浮かべ、ここまで弱った妹は初めてかもしれない。また殺気を向けられ、言いがかりをつけられたんだろうか。ビアード公爵令嬢として相応しくなるように頑張ると意気込んでいる妹。同じ公爵家の男は自分は相応しいと思っているんだろうか。マールよりもうちの妹のほうが認められていると思う俺は身内贔屓だろうか。
妹の傍にフィルやステラがいるから平気か。
あの二人ならうまく元気づけてくれるだろう。当分は朝以外も食事は一緒にとるか。おやつの量を増やさせるか。蜂蜜を取り寄せてマナに渡すか。どんなに食欲が落ちても蜂蜜だけは食べるだろう。
***
学園に復帰したマールは常に令嬢達に囲まれている。執心の伯爵令嬢が退学したので、次を狙う者が多い。
妹はマールを避け、会うといつも張り付けた作り笑いで向き合っている。マール公爵家で何があったかは話さない。マナが真顔で妹に命じられマールからの贈り物を燃やしているのを見たと侍従が言っていた。物を大事にする妹が処分を命じるのは初めてだ。人を嫌うことのない妹がとうとう嫌うことを覚えたんだろうか。
「ビアード、彼女を」
「あいつは多忙だ。女遊びは他をあたれ」
マールは素っ気なくなった妹にまた興味を持ち生徒会で会うといつも視線で追っている。今更、妹の情報を集める姿も不愉快だった。どうしているか聞かれても教えるつもりはない。
最上級生は引退しているから生徒会に参加しなくていいのに顔を出すマールの目当てが妹だとわかっている。妹が望まないのに近づこうとするマールの邪魔をする。マールを囲んでいる令嬢達だけだと物足りないんだろうか。妹が明らかに避けているのに。自分を囲う令嬢達で満足できずに、取り巻きにいれるなんて許せるか。婚約者だろうと取り巻きの一人に入れさせるかよ。マールを追い払い生徒会室を出る。
妹の部屋に行くと長椅子で倒れていた。机の上には水流操作の魔導具の資料が置かれている。抱き上げ保健室に連れて行くと貧血。ぐっすりと青い顔で眠る妹に魔力を送りながら、このままマールと婚姻すれば苦労して過労死する姿しか思い浮かばなかった。
なんで弄ばれて、傷つけられて尻拭いして尽くさないといけないんだろう。ビアードのためなら大丈夫と笑う妹の顔が思い浮かんで限界だった。
マールのいない場所なら妹は楽しそうに笑っている。張りつけた笑みなんて見せない。苦手な物は克服しようと努力する妹だがあれは克服しなくていい。俺達はお互いに補い合ってビアードを守っていけばいい。
「レティシア、俺が私情で動いたら怒るか?」
眠っている妹はどうしてもなら手回ししてあげますって能天気に笑うかな。
しばらくして起きた妹は能天気に笑っている。頭を撫でると気持ちよさそうに目を閉じる妹に説教する気は起きなかった。今日はいいか。次、倒れたら説教しよう。シオン嬢と取引のために血と魔力を提供してもいいが倒れる前にやめさせるように。シオン嬢よりも危険なやつを排除しよう。
***
休養日にビアード公爵邸に帰り母上に頭を下げる。本人は望まないけど、俺は認められない。どんなに優秀でもあれは無理だ。
「母上、お願いします。リオ・マールはビアードには不要です。婚約破棄の責任は全部ビアードが背負う方向で動いていただけませんか」
「頭を上げなさい。レティは?」
「両家の当主の判断に従うと。俺はあいつにだけは妹を託せません」
「認めてなかった?」
「早計でした。レティシアはビアードのためなら仮面夫婦でいいと言ってます。ただ」
「レティに汚点がつくわよ」
真剣な顔の母上に問われている理由もわかっている。
盛大な婚約披露をした後の婚約破棄は醜聞持ちになり妹の名に傷が付くだろう。醜聞よりも一生マールに振り回される妹は我慢できなかった。互いの家の事情による穏便な婚約解消なら傷は浅いが、二度と縁を結ぶつもりがないことを意味する婚約破棄を選びたかった。またマールに追いかけられ騙されて再度婚約なんて許せるか。それにバカを言うやつがいるなら俺が斬る。
必要ありませんって能天気に笑う顔が浮かんだ。
レティシア・ビアードは負けず嫌いで頑固だ。醜聞なんて笑い飛ばすだろう。それに妹の努力を知っているのは俺だけじゃない。
父上もわかってくれるだろう。父上に知らせたら斬りにいきそうだが・・。俺は斬りたい。斬ったらレティシアが文句を言いにくるよな。正当な理由なく斬るなんてビアードとして許せませんって。
「レティシアは大丈夫です。ビアード公爵令嬢は一度の婚約破棄で落ちるような存在ではありません。母上ならわかるでしょう?両殿下にも頼りにされ、家門に関係なく慕われ認められてます。婚約破棄しても縁談には困らないでしょう?マール公爵家にはしっかり恩は返しました」
負けず嫌いで頑固な妹は挫けない。転んでもすぐに起き上がり、叩かれても決して折れない。もしも挫けるなら手を引いてやる。昔、まがいものという奴らから守ってやると決めた。危なっかしい妹を守るのは俺の役目だ。
妹の部屋に置かれていた魔道具の資料を渡すと母上は静かに読んでいる。
「これの開発に血と魔力を大量に提供してます。マールのフォローにも尽力しています。レティシアが攫われた件は国に大きな利益をもたらしました。アリア様の件でも恩は売れるはずです。もしレティシアに責任を求めるなら俺が引き受けます」
「レティが望まないなら破棄するつもりだったわ。エイベルが認められない婿は迎えられない。婚約破棄してもうちは困らないもの」
母上に渡された封筒の中には婚約破棄の書類と賠償の小切手が入っていた。すでに用意してたというのは・・。
「母上、遊ばないでください」
「たまにはいいじゃない。好きにしなさい」
「ありがとうございます」
母上は苦手だ。欲しい物は手に入った。これで手が切れる。
翌日、令嬢に囲まれるマールに書類の入った封筒を渡した。
妹は誰も責めないだろう。
ビアードとして婚約破棄の意向を示した。マールからの妹への面会依頼は俺に回すようにロキとマナに頼んだ。さっさと婚約破棄されて妹が悪縁から解放されることを祈ることにした。頭を撫でると嬉しそうに笑った妹の次の婚約者がマトモなやつだといい。
苦手な蛇の処理のようにうまくならなくていい。せめて妹が自然に笑える男に任せたい。妹が会わなくてすむように生徒会に提出する書類は俺が届けるか。マールとの婚姻はどうでもいいと本気で思っている妹の世界から醜聞よりも悪いものが消えればいい。しばらくは夜会にも付いていくか。妹のエスコートに名乗り上げるのも許さない。俺達の世界から消えてくれ。
マールも休んでいたから令嬢を追いかけるなら妹との婚約破棄してからにしてほしいと願った俺は間違っていた。
マール公爵家から届いた招待状を妹は珍しく真顔で眺めている。
私的なお茶会の誘い。マールは自宅療養中と聞き現実の厳しさを知った。マールがいないおかげで妹は女遊びの尻拭いから解放されて楽しそうに過ごしていた。破棄しなくてもいいから二人で逃亡して消えて欲しかった。お人好しの妹がマールの恋人を拾うのを絶対に許すつもりはない。
「レティシア、母上に代わってもらうか?」
「大丈夫です」
「ついていこうか?」
「私はマール様の婚約者ですから断ることはできません。一人で大丈夫です」
強情な妹は無理矢理笑っている。妹の認めたくない婚約者の顔を見たら斬るかもしれない。
もしもビアード公爵令嬢として相応しくないと妹を裁くならうちにも連絡がくるだろう。
マール公爵邸から帰ってからはもともと少ない食欲がさらに落ちている。張り付けた笑みを浮かべ、ここまで弱った妹は初めてかもしれない。また殺気を向けられ、言いがかりをつけられたんだろうか。ビアード公爵令嬢として相応しくなるように頑張ると意気込んでいる妹。同じ公爵家の男は自分は相応しいと思っているんだろうか。マールよりもうちの妹のほうが認められていると思う俺は身内贔屓だろうか。
妹の傍にフィルやステラがいるから平気か。
あの二人ならうまく元気づけてくれるだろう。当分は朝以外も食事は一緒にとるか。おやつの量を増やさせるか。蜂蜜を取り寄せてマナに渡すか。どんなに食欲が落ちても蜂蜜だけは食べるだろう。
***
学園に復帰したマールは常に令嬢達に囲まれている。執心の伯爵令嬢が退学したので、次を狙う者が多い。
妹はマールを避け、会うといつも張り付けた作り笑いで向き合っている。マール公爵家で何があったかは話さない。マナが真顔で妹に命じられマールからの贈り物を燃やしているのを見たと侍従が言っていた。物を大事にする妹が処分を命じるのは初めてだ。人を嫌うことのない妹がとうとう嫌うことを覚えたんだろうか。
「ビアード、彼女を」
「あいつは多忙だ。女遊びは他をあたれ」
マールは素っ気なくなった妹にまた興味を持ち生徒会で会うといつも視線で追っている。今更、妹の情報を集める姿も不愉快だった。どうしているか聞かれても教えるつもりはない。
最上級生は引退しているから生徒会に参加しなくていいのに顔を出すマールの目当てが妹だとわかっている。妹が望まないのに近づこうとするマールの邪魔をする。マールを囲んでいる令嬢達だけだと物足りないんだろうか。妹が明らかに避けているのに。自分を囲う令嬢達で満足できずに、取り巻きにいれるなんて許せるか。婚約者だろうと取り巻きの一人に入れさせるかよ。マールを追い払い生徒会室を出る。
妹の部屋に行くと長椅子で倒れていた。机の上には水流操作の魔導具の資料が置かれている。抱き上げ保健室に連れて行くと貧血。ぐっすりと青い顔で眠る妹に魔力を送りながら、このままマールと婚姻すれば苦労して過労死する姿しか思い浮かばなかった。
なんで弄ばれて、傷つけられて尻拭いして尽くさないといけないんだろう。ビアードのためなら大丈夫と笑う妹の顔が思い浮かんで限界だった。
マールのいない場所なら妹は楽しそうに笑っている。張りつけた笑みなんて見せない。苦手な物は克服しようと努力する妹だがあれは克服しなくていい。俺達はお互いに補い合ってビアードを守っていけばいい。
「レティシア、俺が私情で動いたら怒るか?」
眠っている妹はどうしてもなら手回ししてあげますって能天気に笑うかな。
しばらくして起きた妹は能天気に笑っている。頭を撫でると気持ちよさそうに目を閉じる妹に説教する気は起きなかった。今日はいいか。次、倒れたら説教しよう。シオン嬢と取引のために血と魔力を提供してもいいが倒れる前にやめさせるように。シオン嬢よりも危険なやつを排除しよう。
***
休養日にビアード公爵邸に帰り母上に頭を下げる。本人は望まないけど、俺は認められない。どんなに優秀でもあれは無理だ。
「母上、お願いします。リオ・マールはビアードには不要です。婚約破棄の責任は全部ビアードが背負う方向で動いていただけませんか」
「頭を上げなさい。レティは?」
「両家の当主の判断に従うと。俺はあいつにだけは妹を託せません」
「認めてなかった?」
「早計でした。レティシアはビアードのためなら仮面夫婦でいいと言ってます。ただ」
「レティに汚点がつくわよ」
真剣な顔の母上に問われている理由もわかっている。
盛大な婚約披露をした後の婚約破棄は醜聞持ちになり妹の名に傷が付くだろう。醜聞よりも一生マールに振り回される妹は我慢できなかった。互いの家の事情による穏便な婚約解消なら傷は浅いが、二度と縁を結ぶつもりがないことを意味する婚約破棄を選びたかった。またマールに追いかけられ騙されて再度婚約なんて許せるか。それにバカを言うやつがいるなら俺が斬る。
必要ありませんって能天気に笑う顔が浮かんだ。
レティシア・ビアードは負けず嫌いで頑固だ。醜聞なんて笑い飛ばすだろう。それに妹の努力を知っているのは俺だけじゃない。
父上もわかってくれるだろう。父上に知らせたら斬りにいきそうだが・・。俺は斬りたい。斬ったらレティシアが文句を言いにくるよな。正当な理由なく斬るなんてビアードとして許せませんって。
「レティシアは大丈夫です。ビアード公爵令嬢は一度の婚約破棄で落ちるような存在ではありません。母上ならわかるでしょう?両殿下にも頼りにされ、家門に関係なく慕われ認められてます。婚約破棄しても縁談には困らないでしょう?マール公爵家にはしっかり恩は返しました」
負けず嫌いで頑固な妹は挫けない。転んでもすぐに起き上がり、叩かれても決して折れない。もしも挫けるなら手を引いてやる。昔、まがいものという奴らから守ってやると決めた。危なっかしい妹を守るのは俺の役目だ。
妹の部屋に置かれていた魔道具の資料を渡すと母上は静かに読んでいる。
「これの開発に血と魔力を大量に提供してます。マールのフォローにも尽力しています。レティシアが攫われた件は国に大きな利益をもたらしました。アリア様の件でも恩は売れるはずです。もしレティシアに責任を求めるなら俺が引き受けます」
「レティが望まないなら破棄するつもりだったわ。エイベルが認められない婿は迎えられない。婚約破棄してもうちは困らないもの」
母上に渡された封筒の中には婚約破棄の書類と賠償の小切手が入っていた。すでに用意してたというのは・・。
「母上、遊ばないでください」
「たまにはいいじゃない。好きにしなさい」
「ありがとうございます」
母上は苦手だ。欲しい物は手に入った。これで手が切れる。
翌日、令嬢に囲まれるマールに書類の入った封筒を渡した。
妹は誰も責めないだろう。
ビアードとして婚約破棄の意向を示した。マールからの妹への面会依頼は俺に回すようにロキとマナに頼んだ。さっさと婚約破棄されて妹が悪縁から解放されることを祈ることにした。頭を撫でると嬉しそうに笑った妹の次の婚約者がマトモなやつだといい。
苦手な蛇の処理のようにうまくならなくていい。せめて妹が自然に笑える男に任せたい。妹が会わなくてすむように生徒会に提出する書類は俺が届けるか。マールとの婚姻はどうでもいいと本気で思っている妹の世界から醜聞よりも悪いものが消えればいい。しばらくは夜会にも付いていくか。妹のエスコートに名乗り上げるのも許さない。俺達の世界から消えてくれ。
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