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第百二十九話 あるべき形
ビアード公爵夫人の出産予定日が近づきビアード公爵邸に帰っています。社交は全て私が引き受けます。先生に渡された課題とビアードの仕事を片付けながら生まれるのを心待ちにしております。生前に私が子供を産んだ時よりもお腹が大きくなるのが早く、どんどん予定日が早まりました。母子ともに健康というサラ様の見立てなので大丈夫だと信じております。もしものときのためにルーン公爵には緊急派遣のお願いをしてあります。出産は危険なことなので何が起こるかわかりません。大量の魔石や回復薬も用意しましたがいくら備えても不安は付きものですわ。生前は妊娠中は夫は物凄く過保護になりましたが今なら気持ちがわかる気がします。ビアード公爵夫人の御子の誕生をたくさんの人が心待ちにしております。
産気づいたと侍女に呼ばれて部屋に入ると産婆がすでに準備を整えてくれていました。ルーンでは医務官が出産に立ち合いますがビアードは産婆が取り上げます。私は産婆が対処できない異常が起きた時だけ対処する役です。喜ばしいことに驚くほどスムーズに出産が終わり、産婆の手には大きな声で泣く銀髪の赤子が抱かれています。私の体に宿っていた魂があるべき形として生まれたことにほっとして視界が歪んできました。
「おかえりなさい」
優しく笑うビアード公爵夫人に抱かれる赤子に涙がこぼれました。
「お母様、おめでとうございます」
「レティにそっくりね」
泣いていた赤子がビアード公爵夫人にあやされ笑うお顔に体の力が抜けました。生まれてきた命に感謝をこめて祈ります。
「おめでとうございます」
「ありがとう。レティ、お姉様になるんだから」
ずっと涙の止まらない私に優しく微笑むビアード公爵夫人。まがいものの私が受ける資格のない愛情です。私の涙は自分勝手なもの。愛情深いビアード公爵夫妻の子供なのに冷たく薄情な私はまがいもの。
「レティシアを休ませます。ビアード公爵夫人もゆっくりお休みください。ビアード公爵達には使いを出しました。必要な手配は俺がしますので」
覚えのある温もりの主に肩を抱かれました。家族の時間の邪魔をしてはいけませんわ。私は退室しましょう。昔のようにいつも連れ出してくれる腕に身を任せました。精霊の悪戯が起こったのは私が耳を塞いで目を閉じて居心地の良い温もりの持ち主に縋っていたからです。あるべき形に完璧には戻せなかった。それでも、
「これで全ては元通り。私のせいで。ずっと申しわけなくて、精霊様にお願いしたの。この体に宿るはずだった魂をもとに戻してって。この体には私の魂が定着し過ぎて、私の魂を抜いたら体が死んじゃうって。新たな体にならできるって。本来は私はルーンに生まれる運命だった。でも精霊様が」
抱き寄せられる腕に甘えて胸を借ります。どんなにいけないとわかってもこの温もりを手放すのは難しいことです。ルーンに生まれたらずっと傍にあった腕。
「魂を抜いたらシアの魂はどうなったんだ?」
「あるべき形に戻せるならいいかなって。だって私が1度目でクロード様と向き合ってたらおきなかったもの。2度目も逃げずに…」
あの子の体に私が入ったのはクロノ様の所為です。存在すべきではなかった私。そして原因は私にありました。私の間違いで誰かが犠牲になるなんて…。生まれてくるはずだった命を犠牲にして生まれたことを思うと罪悪感で心が押しつぶされそうになりますわ。
「幸せだったんだろう?シアの人生をどう生きるかはシアの自由だよ。二度目があったから気付けたんだろう?精霊の悪戯だろうと俺はシアと出会えて幸せだよ。ルーンでもビアードでもきっと好きになって捕まえてたよ。兄妹は結婚できないからマールに産まれるのはやめて欲しいけど。過去は気にせず、これからのことだけ考えればいい。殿下と結ばれたい?」
優しいリオの声に首を横に振ります。私は三度目があったから気付けたものもありました。二度目があったから知る勇気がでました。きっと昔の私なら受け入れられなかったかもしれません。クロード様に抱きしめられて感じるのは懐かしさと願い。誰よりも民に真摯で一生懸命励むクロード様が幸せになれるように。ゆっくり休めるようにと労わりたい気持ちでしたわ。
クロード様に抱える感情と温もりの持ち主に抱く感情は違います。腕の中で力を抜くことができるのは一人だけ。抱きしめられて心が温かくなる人は何度やり直してもいつの世も同じかもしれませんわ。
「私はリオといたいですわ」
「妃に選ばれたら逃げような」
優しく背中を叩き頭を撫でて、常に甘やかしてくれる存在とは違うリオの冗談に笑みがこぼれました。明るいリオといるのも愉快ですわ。
「私が選ばれることはありえませんよ。リオも同じこと言ってましたわ。ビアードから追い出されたらどうしましょう」
「マールに戻ってもいいし、国を出てもいい。いつでも嫁に迎え入れるよ。シアを外交官に欲しいってうるさい」
リオ兄様の敏腕外交官姿はきっと素敵でしたでしょう。目の前の頼りなく明るいリオと一緒でも愉快かもしれません。
「リオと二人で世界を廻る外交官も楽しそうですね。捨てられたら拾ってもらいましょう」
「その前に殿下の側近の打診があるだろうな。シアが大人気で困る」
「どんなに人気でも帰りたいのはこの腕だけです」
嬉しそうに笑う顔。この腕だけは私のものなんでしょうか。ビアードに関係ない存在。
「ビアードは?」
「もうあの子のものですから。でもあの魔力は時々分けて欲しい」
「俺の魔力だと駄目なのか?」
「リオの魔力も嫌いではありませんが、薄いですから」
「薄い?」
「魔力の好みはそれぞれですわ」
リオの魔力は薄いのであまり好みではありません。でも私のリオと比べてはいけませんわ。似ていても別人ですから。リオの腕の中にいたおかげで心も落ち着きましたわ。私はビアード公爵令嬢として動きましょうか。胸を押すと顎を押さえられ口づけをされました。甘い口づけにうっとりしそうになりますがどんどん深くなり身の危険を感じます。胸を強く押すと不満そうな目で見つめられますが、これ以上はいけません。清らかであることを求められる貴族令嬢は婚儀の前に体を重ねることは許されていません。頬に触れるだけの口づけをして赤い顔のリオの腕から抜け出します。
「ビアードは色を買いに行っても平気ですよ」
「ありえないから!!俺が抱きたいのはシアだけだ」
まぁ深く聞きませんわ。道理さえ守っていだければ構いませんので。さてビアード公爵令嬢として動きましょう。
まずは新たなビアード公爵令嬢の誕生の祝いをしましょう。酒と肉とお菓子の下賜の準備と囁かなパーティーの支度を命じます。ビアード公爵夫人は休まれているので顔を出さないと思いますが妹の誕生を心を待ちにしてくれた皆様に囁かなお礼を。
大魔導士様、クロノ様、ありがとうございます。心が軽くなりました。デレデレとしたお顔で妹を抱くビアード公爵夫人の肩を抱くビアード公爵。あるべき形に頬が緩みます。愛され望まれ生まれた子は愛情を注がれて育っていくでしょう。大きくなる時にはあの子が引き継ぐべきだったものを返しましょう。どうか健やかに成長してくださいませ。
「ディーネ、約束守ってくれましたわ」
「運が良かっただけよ。時の精霊は一番自由で、」
「ウンディーネ様が一番ですわね」
ディーネのお気に入りは水、次は地だそうです。精霊にも相性があるようです。ディーネを抱きながら木の上に登って新たな命の誕生を祝福している風景を楽しみます。
ビアード領民は明るく賑やかな方が多いですわ。雨を降らせてほしいと頼まれたので雲を呼び温かい雨を降らせました。そして雲が晴れて虹がかかり響く笑い声に耳を傾けます。
生粋のビアード公爵令嬢がどう育つのか楽しみですわ。まがいものを大事にしてくれる領民達はさらに大事にしてくれるかもしれません。エイベルに無事に生まれたと知らせましたが返事はありません。休養日に帰ってくるでしょう。学園をこれ以上サボるわけにはいきませんので明日の朝には学園に帰りましょう。一番の懸念も消えましたし心置きなく私は両殿下のために頑張りましょう。その前に、ビアード領にお礼参りの視察に行きましょう。
産気づいたと侍女に呼ばれて部屋に入ると産婆がすでに準備を整えてくれていました。ルーンでは医務官が出産に立ち合いますがビアードは産婆が取り上げます。私は産婆が対処できない異常が起きた時だけ対処する役です。喜ばしいことに驚くほどスムーズに出産が終わり、産婆の手には大きな声で泣く銀髪の赤子が抱かれています。私の体に宿っていた魂があるべき形として生まれたことにほっとして視界が歪んできました。
「おかえりなさい」
優しく笑うビアード公爵夫人に抱かれる赤子に涙がこぼれました。
「お母様、おめでとうございます」
「レティにそっくりね」
泣いていた赤子がビアード公爵夫人にあやされ笑うお顔に体の力が抜けました。生まれてきた命に感謝をこめて祈ります。
「おめでとうございます」
「ありがとう。レティ、お姉様になるんだから」
ずっと涙の止まらない私に優しく微笑むビアード公爵夫人。まがいものの私が受ける資格のない愛情です。私の涙は自分勝手なもの。愛情深いビアード公爵夫妻の子供なのに冷たく薄情な私はまがいもの。
「レティシアを休ませます。ビアード公爵夫人もゆっくりお休みください。ビアード公爵達には使いを出しました。必要な手配は俺がしますので」
覚えのある温もりの主に肩を抱かれました。家族の時間の邪魔をしてはいけませんわ。私は退室しましょう。昔のようにいつも連れ出してくれる腕に身を任せました。精霊の悪戯が起こったのは私が耳を塞いで目を閉じて居心地の良い温もりの持ち主に縋っていたからです。あるべき形に完璧には戻せなかった。それでも、
「これで全ては元通り。私のせいで。ずっと申しわけなくて、精霊様にお願いしたの。この体に宿るはずだった魂をもとに戻してって。この体には私の魂が定着し過ぎて、私の魂を抜いたら体が死んじゃうって。新たな体にならできるって。本来は私はルーンに生まれる運命だった。でも精霊様が」
抱き寄せられる腕に甘えて胸を借ります。どんなにいけないとわかってもこの温もりを手放すのは難しいことです。ルーンに生まれたらずっと傍にあった腕。
「魂を抜いたらシアの魂はどうなったんだ?」
「あるべき形に戻せるならいいかなって。だって私が1度目でクロード様と向き合ってたらおきなかったもの。2度目も逃げずに…」
あの子の体に私が入ったのはクロノ様の所為です。存在すべきではなかった私。そして原因は私にありました。私の間違いで誰かが犠牲になるなんて…。生まれてくるはずだった命を犠牲にして生まれたことを思うと罪悪感で心が押しつぶされそうになりますわ。
「幸せだったんだろう?シアの人生をどう生きるかはシアの自由だよ。二度目があったから気付けたんだろう?精霊の悪戯だろうと俺はシアと出会えて幸せだよ。ルーンでもビアードでもきっと好きになって捕まえてたよ。兄妹は結婚できないからマールに産まれるのはやめて欲しいけど。過去は気にせず、これからのことだけ考えればいい。殿下と結ばれたい?」
優しいリオの声に首を横に振ります。私は三度目があったから気付けたものもありました。二度目があったから知る勇気がでました。きっと昔の私なら受け入れられなかったかもしれません。クロード様に抱きしめられて感じるのは懐かしさと願い。誰よりも民に真摯で一生懸命励むクロード様が幸せになれるように。ゆっくり休めるようにと労わりたい気持ちでしたわ。
クロード様に抱える感情と温もりの持ち主に抱く感情は違います。腕の中で力を抜くことができるのは一人だけ。抱きしめられて心が温かくなる人は何度やり直してもいつの世も同じかもしれませんわ。
「私はリオといたいですわ」
「妃に選ばれたら逃げような」
優しく背中を叩き頭を撫でて、常に甘やかしてくれる存在とは違うリオの冗談に笑みがこぼれました。明るいリオといるのも愉快ですわ。
「私が選ばれることはありえませんよ。リオも同じこと言ってましたわ。ビアードから追い出されたらどうしましょう」
「マールに戻ってもいいし、国を出てもいい。いつでも嫁に迎え入れるよ。シアを外交官に欲しいってうるさい」
リオ兄様の敏腕外交官姿はきっと素敵でしたでしょう。目の前の頼りなく明るいリオと一緒でも愉快かもしれません。
「リオと二人で世界を廻る外交官も楽しそうですね。捨てられたら拾ってもらいましょう」
「その前に殿下の側近の打診があるだろうな。シアが大人気で困る」
「どんなに人気でも帰りたいのはこの腕だけです」
嬉しそうに笑う顔。この腕だけは私のものなんでしょうか。ビアードに関係ない存在。
「ビアードは?」
「もうあの子のものですから。でもあの魔力は時々分けて欲しい」
「俺の魔力だと駄目なのか?」
「リオの魔力も嫌いではありませんが、薄いですから」
「薄い?」
「魔力の好みはそれぞれですわ」
リオの魔力は薄いのであまり好みではありません。でも私のリオと比べてはいけませんわ。似ていても別人ですから。リオの腕の中にいたおかげで心も落ち着きましたわ。私はビアード公爵令嬢として動きましょうか。胸を押すと顎を押さえられ口づけをされました。甘い口づけにうっとりしそうになりますがどんどん深くなり身の危険を感じます。胸を強く押すと不満そうな目で見つめられますが、これ以上はいけません。清らかであることを求められる貴族令嬢は婚儀の前に体を重ねることは許されていません。頬に触れるだけの口づけをして赤い顔のリオの腕から抜け出します。
「ビアードは色を買いに行っても平気ですよ」
「ありえないから!!俺が抱きたいのはシアだけだ」
まぁ深く聞きませんわ。道理さえ守っていだければ構いませんので。さてビアード公爵令嬢として動きましょう。
まずは新たなビアード公爵令嬢の誕生の祝いをしましょう。酒と肉とお菓子の下賜の準備と囁かなパーティーの支度を命じます。ビアード公爵夫人は休まれているので顔を出さないと思いますが妹の誕生を心を待ちにしてくれた皆様に囁かなお礼を。
大魔導士様、クロノ様、ありがとうございます。心が軽くなりました。デレデレとしたお顔で妹を抱くビアード公爵夫人の肩を抱くビアード公爵。あるべき形に頬が緩みます。愛され望まれ生まれた子は愛情を注がれて育っていくでしょう。大きくなる時にはあの子が引き継ぐべきだったものを返しましょう。どうか健やかに成長してくださいませ。
「ディーネ、約束守ってくれましたわ」
「運が良かっただけよ。時の精霊は一番自由で、」
「ウンディーネ様が一番ですわね」
ディーネのお気に入りは水、次は地だそうです。精霊にも相性があるようです。ディーネを抱きながら木の上に登って新たな命の誕生を祝福している風景を楽しみます。
ビアード領民は明るく賑やかな方が多いですわ。雨を降らせてほしいと頼まれたので雲を呼び温かい雨を降らせました。そして雲が晴れて虹がかかり響く笑い声に耳を傾けます。
生粋のビアード公爵令嬢がどう育つのか楽しみですわ。まがいものを大事にしてくれる領民達はさらに大事にしてくれるかもしれません。エイベルに無事に生まれたと知らせましたが返事はありません。休養日に帰ってくるでしょう。学園をこれ以上サボるわけにはいきませんので明日の朝には学園に帰りましょう。一番の懸念も消えましたし心置きなく私は両殿下のために頑張りましょう。その前に、ビアード領にお礼参りの視察に行きましょう。
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