日常であり、日常でない。

パンチ

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今日はいつもと違う朝を過ごしてみることにした。

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今日はいつもと違う朝を過ごしてみることにした。

いつもの会社に行く時間より
少し早めに家を出る僕。
子供達に「行ってくるよ!」と声を掛け、
玄関を出て車に乗り込む。
さあ、エンジンをかけ出発だ!
家の窓越しに手を振ってくれる娘に笑顔を返しながら出発する。
道中「今日はなんかいつもと違うなー」なんて考えていた。
ちょっとだけいつもより調子が良い気がするので、いつもとちがう事をしてみようと思い、普段寄らないコンビニに立ち寄る事にした。
駐車場に着き、何を買うかを考えながらコンビニの自動ドアまで徒歩する。
やはり、どうしても安くて気軽に食べれる物が思い浮んでしまうので、
「よし!しっかり見てから購入しよう」と自分に言い聞かせる。
そして、パンが陳列された棚の前でやってきた。
1~2分ほど舐め回すようにしてパン達を眺めて、心に決めた瞬間。
今日はキミにビビっときたな。
「キミに決めた!」
ポケモンのセリフを心で呟きながら、
メロンパンを掴み取る。
「さあ、次に行こう。」
次の場所へ移動する。
次に買うものはもう決めてある。
ホットコーヒーの前に立ち止まる僕。
パンの相棒にはやはりキミだ!
いつもお世話になっている微糖コーヒー!
パンとは逆の手で掴み取り、
ようやくレジへ。
お会計を済ませた僕。
「再び会社へ向かうとしよう。」

愛車に乗り込み、シートベルトを締める。
「エンジン始動!出発!」
なんて心で叫びながら調子に乗ってみる。
車が動き出した直後、
視界の端にパンが映ると、ついつい
運転しながら食べようか考えてしまう。
どうしようかな?食べようかな?
なんて迷ってる間に会社の駐車場に到着。
「ふぅ、何とか食べずに済んだ。」
我慢できた自分に少し満足をする。

パンとコーヒーをバッグに入れ、
車を降りる。
特に何も考える事なく移動開始。
数分歩いた後いつものデスク前に到着。
いつものようにイスに座りひと息吐く。
PCを立ち上げ、
そしていよいよかと言わんばかりに
メロンパンとコーヒーを取り出す。
さあ食うぞー!と揚々と袋を開ける。
艶やかなメロンパンが飛び出してきた!
僕はこのメロンパンを見詰めながら
口元へ運ぶ

ひとかじり モグモグ
ふたかじり モグモグ

口いっぱいに幸せが広がった瞬間だ
「あぁー、美味いなぁ」と
しっかり噛み締める。

メロンパンが口内から消えそうな頃合いに、
缶コーヒーを徐ろに手に取り口元へ
「ゴクッゴクッ」
二口ほど飲む。
メロンパンとコーヒーのハーモニーが
口一杯に広がる瞬間だ!!

その後は、
メロンパンとコーヒーを交互にいただく。
この繰り返し
これは中毒になっても仕方ないだろう。
アドレナリン全開だ!

順調に食べ進め、最後のひと口に到達。
「いよいよか。」
名残惜しいがお別れの時がきた。
最後のひと口を見詰めながら口に運ぶ。
ゆっくりと頬張り
「美味かったなぁ、買って良かったなぁ」と
思いながら振り返る僕。

そしてふと、青空を見上げた時
「なるほど、いつもと違う朝を過ごしてみるのもいいもんだなー」なんて思ってみた。
今日のスタートは最高だった。
きっと良い1日になるだろう。
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