メティス・ラヴァルの冒険書

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学生編

36話 野営訓練3

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36話 野営訓練3

野営訓練二日目明け方

夜の?というか明け方四時からの警備の時間になり、寝床から起き出す。

警備にも二種類あり、
・少人数の場合は拠点に留まり辺りを警戒する方法
・大人数の場合は周辺を巡回する方法。
今回は人数は微妙な所だけど、戦闘慣れしていない人もいるので、拠点に留まる方法になった。

焚火にあたりながら、森の方を見ていると何かがこちらを見ている気がした。
ただ、どの方角から、どんな感情で、どんな存在がこちらを見ているかがわからなかった。
もしかしたら、きのせいかも知れない。

「、、、ティスちゃん。メティスちゃん。」

「ん?!あ、はい。」

「もー寝不足なの?ボーッとして。」

「いやいや、なんかちょっと森の方が気になってね。」

「森?一緒にいたけど、特に何も変わってなかったったよ。それより、そろそろ朝ご飯作り始めないと。」

「、、、そう?それなら気のせいかな?
朝ご飯はパンに昨日の肉と野菜とチーズを挟んだやつにしよ!ソースはマヨネーズか昨日の肉のタレでいいでしょ。スープはなしで、温かい飲み物でどうかな?」

「それでいいと思う。」
なんかメティスちゃんいつの間にか頼もしくなってるじゃん。ちょっと前まで私と一緒にヘラヘラしてたのに。本当この数ヶ月で差をつけられちゃった。。。頑張って追いつかないとだね。



二日目は八時頃に出発をして、昼過ぎに目的の岩石地帯に到着した。
岩石地帯は二日目の昼からと三日目の全日滞在する予定。
森と違って、水源を探すのはなかなか難しい。魔法でも出せるけど、魔力の節約するに越したことはないから、昨日の沢で各自多めに確保するように言われていた。
今回拠点にするのは、昔村として使われていた場所で、王国騎士団の巡回ルートにもなっているから、モンスターや盗賊の根城になっていたりという心配は少ない。一応井戸もあって、検査の結果飲み水としても問題なかった。

「よしっ!早速狩りにいこうかっ!」

「うん。じゃあまずは、彼らの住処に目星をつけにいこうよ。」

「でた!メティスプロのモンスター探しだね。」

「だから、プロじゃないよー。」

「あははは、ごめんごめん。で、どうやって探すの?昼間だから、巣穴に引っ込んでるじゃん?朝か夕方に動き出すんだよね?」

「そうそう。
アルマジロドラゴンは集団で隠れてて、彼らの猟場に来た動物を襲うんだって。」

「一歩間違えると、俺らが餌になるなっ!」

「そうだよ。だから、そこは避けないとだよ。」

「そんなのどうやって避けるの?隠れてたら見つけれないじゃん。」

「アルマジロドラゴンは住処でトイレをしないのよ。少し離れた所でするんだけど、その匂いが結構強烈で、それに気が付いた動物は逃げていくんだよ。」

「ん?!そうなると餌が餌場にこないじゃん。」

「て思うでしょ?それを仲間の間でトイレの場所を絶妙な位置にしかけて、地形も利用して、うまく餌場に誘導するんだって。」

「凄いねそれは。」

「じゃぁその匂いを見つけて、誘いに乗ればいいんだなっ!」

「そうだけど、餌場に行ったらやられちゃうよ。だから目星だけつけて様子を見るね。」

「わかった。」

「あと、ロックタートルについては、基本草食だから、サボテンとか草を探しておいて。」

「わかったっ!」
「わかった。」


~~~~~

岩石地帯は大小様々な岩が転がっていて、歩いている時に小さい石や凸凹が多くて、足がとられそうになる。
小高い丘がいくつもあって、平地が少ない。
丘の間の谷になっていて、少しだけ開けている場所にアルマジロドラゴンの餌場らしきポイントがあった。

「本当に言った通りに居た!やるじゃん。」

「まだこっちには気が付いてないね。見えるだけで八匹いるね。」

「よしっ!行くかっ?!」

「いや、一旦撤退しよう。普通にいけば多分負けるよ。」

「何か作戦でもあるのかっ?!」

「うーん。今の所立てれる作戦はないけど、どんな作戦が立てれるか探しにいこうって感じかな。」

「んっ?!んっ?!」

「ネアカ君、とりあえず撤退しような。話はそこからだね。」

「あ、撤退ついでに、ちょっとやる事があるから、ネアカ君ごめんけど、お願いしていい??」

「んっ?!俺に出来る事ならいいぞっ!」

「とりあえず、この谷の入り口の方に行こう。」

「わかった。」

アルマジロドラゴンに気付かれないように静かにその場を離れていき、充分離れた所で作戦会議再開
「それでメティスちゃんどんな作戦が考えつく?」

「んーファムちゃんとネアカ君は?」

「わたしなら、あいつらが餌を食べている隙に攻撃かな?奇襲かけて。」

「おーいいなっ!岩でも投げるかっ?!」

「いや、岩投げたら素材がダメになるじゃん。」

「あっ!そうかっ!でも奇襲で、一人一殺しても残り五匹いるんだぞっ!まだ隠れてるかもしれないから、厳しくないかっ?!」

「うーん。じゃぁ毒を仕込むのはどうだろ?」

「毒で仕留めた餌かっ?!餌場に投げ入れたとして、食べるのか?変と思ったり、途中で味の異変に気づかないかっ?」

「うーん。食べはすると思うんだよね。さっきの糞を見た感じ、干涸びてたじゃん。たぶん数日前にしたやつなんだ。トカゲ系は餌を食べた翌日に糞をする事が多くて、今はきっとお腹ペコペコで多少変であっても食べると思う。」

「へー流石テイマーだなっ!じゃあ毒を仕込んだ餌でいくのかっ?というか、今日餌にありつけたら、この作戦使えなくなるぞっ!」

「あーそれは今からネアカ君にやって貰う事になるんだけど、谷の入り口に餌がこないようにして欲しいんよ。」

「んっ?!ここで来たやつを倒してればいいのかっ?!」

「それはそれでいいけど、明日までは流石のネアカ君もしんどいと思うから、あそこの糞を谷の入り口にに移動させておいて欲しいな。」

「えっ!アレを持つのかっ?!」

「うん。頼りにしてるよ。」

「、、、、、」
トボトボと消えていくネアカ君。意外と素直だね。
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