メティス・ラヴァルの冒険書

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学生編

78話 アウレ連邦9

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78話 アウレ連邦9

トルベールさんの横にあった幕が降りると、そこには一枚の絵画があった。
絵には武器を持った女性が躍動的に描かれていた。
絵の女性は緑色の髪の毛に癖毛、目つきや全体のバランス的に、どことなくあの絵の女性、、、私に似てる気がするんですけど、、、
いや、絵の方が私と違って美人に描かれているんだけど、親族って言われたら納得しそうなそんか感じ、、、

「では、実際武器を間近で見てもらうより前に、若くして片手斧マァリッシュを会得した、メティス・ラヴァルさんによる演武をご覧いただきたいと思います。
では、ラヴァルさんどうぞ。」

なんか、絵と話のせいでハードルが上がっている気がする、、、といって、無理ですとは言えないしやるしか無いよね。


会場の壁の方にギルド員が寄って、円を描くように私を取り囲む。その間に気持ちを落ち着かせて集中していく。


まずは独り演武

マァリッシュを右手に持ち、半身に構え、ゆっくりと腰を落として重心を下げる。
左のジャブから始まった演武は、前蹴り、水平切り、大きく踏み込んで肘打ち、顎を狙う掌底、身を引いてからカウンター気味の突きと続いていった、、、前半は緩急をつけるのを意識して、中盤からは左右上下の動きを付け加えていった。

終盤はマルゴ商店のスタッフとの組手に入っていった。
相手は片手剣と小型の盾を装備した獅子の混血人。向こうが格上でもあったから、身体強化はなしだけど全力で挑んだよ。


、、、


蹴りや掌底を中心に始めた組手は、上下の足技を増やして攻撃範囲を広げて、それに意識を持ち出したら、それをフェイントに使い別の攻撃に移っていった。
足技フェイントからの肘打ち!そこから顎を狙った攻撃。
片手剣の攻撃を盾側に避けて、盾の影に隠れている間にマァリッシュを左手に持ち替えて、目線で次の移動方向を見るフェイントをかけて、相手がそれに反応して身体が動いたら、回転しながら切り付ける。

色々試しながら組手をしていく。

、、、

片手剣の攻撃を掻い潜って、接近しようとすると盾で弾き飛ばされ、

一旦距離が離れたのをキッカケに走り込みながら切り掛かってきた。これを左にかわしながら、手首にカウンターを入れて、武器を落とさせて、手首を捻り、地面におさえつけて、首元にマァリッシュを当てて、演武終了。




ウォーーーー!!


ハァハァハァ
疲れたー
けど、鍛冶ギルド員の皆さん盛り上がってくれてる!
成功したかな?


スッとトルベールさんが横に立って耳打ちをしてきて、言われた通りにマァリッシュを勢いよく上に突き上げた!!



ウワァァーーーーー


演武終了時より大きな歓声が鳴り響いた。


そして、いつの間にかトルベールさんの横に何本ものマァリッシュが並んでいて、それを各議会議員、そしてその場にいる有名工房長に渡していく。
残った数本を他のギルド員で見ている。

私はマァリッシュの使い方、戦闘の時の悩みやその対処法といった、マァリッシュについての質問に対応していった。
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