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学生編
98話 ボスコ砦8
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98話 ボスコ砦8
「アムル様こんにちは。」
挨拶をすると柱に似た大木の幹に顔が浮かび上がり、こちらを見つめてきた、、、
「ォオ、いつぞやの、、、確か、、、メティスだね。」
アムル様が優しい笑顔で迎えてくれた。
前回アムル様に水を与えてから十日、あの後班を再編して、討伐と調査両方を経験していた。
班はクマさん、エルフさん、ファムちゃんとその従魔、私とヴィゾーちゃんになったよ。
「あれ?アムル様、最近誰か来ました?」
「君達ガ来てからは誰もキテはないよ。」
「??そうなんですか?この前折れて落ちた枝がなくなっているので、、、森の動物かな?」
それにしては綺麗すぎるけど、、、
「アぁ、それか。それなら私の世話をしてくれてるスプライトが片付けてくれたんだよ。」
「スプライト?」
「ホラ、挨拶しにおいデ。」
アムル様がそう言うと掌に収まりそうな程の光の玉が何個も空から降りて来た。
そして私の周りをクルクルと飛び回っている。
スーッと掌を出すと、そこの上に乗るようにスプライトが一つ降りて来た。
熱をもってるという感じではないけど、暖かさが伝わってくる。そんな感覚になる不思議な光。
「わぁー凄い綺麗なんですけどー」
ファムちゃんが手を広げてバンザイをしていると、スプライトがその周りをクルクル回って、ファムちゃんが光に包まれてるみたいだったよ。
「珍しいな、、、」
最初一緒にアムル様に会ったエルフの人が私の掌の光を見ながらぼそりと呟いた。
「珍しいんですか?」
何についてかは分からないけど、聞いてみる。
「あぁ、スプライトがこんなに沢山出てくる事もだけど、掌に乗るなんて初めて見たぞ。」
「そうなんですかー。」
掌の上のスプライトをみつめながら、ちょんと触ってみる。
指が光の中に吸い込まれていく。
触った感触は何もなくて、熱さ冷たさもなかった。
掌のスプライトがフワッと跳び上がり、アムル様の元に戻っていき、しきりにアムル様の前で円を描くように動いている。
「そうカそうカ。心地よい魔力じゃったカ。」
優しい表情でスプライトに話しかけるアムル様の目尻が下がる。
「スプライトというのは精霊の総称でね、彼等は火・水・地・風・樹・雷・光・闇など自然のモノに付くんだ。自由気ままに気になったモノに寄り添いながら生きていく。たまに見かける事はあるけど、こんなに沢山出てきたり、人の手に乗るのは珍しいんだ。」
エルフの人が目の前に広がる光景に目をキラキラさせながら説明してくれた。
私の掌にスプライトが来たのが羨ましかったみたいで、さっきからずっと掌のを出してるけど、スプライトは来てくれない、、、
「ところでメティス、、、すまなイけどもう一度魔力を送って貰えないカ?」
「魔力?前と同じで水分をですか?」
「そウだね。それでいい。」
前回はこれ以上はいらないって断ってたのに、心変わりしたのかな?
けど、私ずっとここにいないよ?!いいの?!
アムル様に手を当てて地中の水分を体内に通すようにしてあげて、前回と同じぐらい与えた所で一旦止めて様子を見ると、アムル様が目を閉じながら頷いてる。
「どうでした?まだいりますか?」
「ありがとウ。もぅ大丈夫だよ。
この前も感じタが、魔力に懐かしさを感ジたんだが、近くに樹の民がいルのかな?」
「樹の民、、、母さんがドリュアスです。それですかね?」
「ドリュアスか!樹の精だネ。名はなんトいう?」
「アツシユですよ。」
「オおお!アツシユか!アツシユなのか?!」
アムル様の目が大きく開いてツルが動いている
「懐かしい、、、アツシユは元気にしていルのか?」
「あ!はい。今は王都にいますよ。
知り合いなんですか?」
「アあ、知っているとも。古くからの友人の一人ダ。メティスはアツシユの子なのカ。そうかそうか。
嬉しいナぁ。アツシユの子に会えるとハ、最後にいい思い出になったナ。」
「へぇー、母さんこの森にいたんですか?」
「あの子ハ好奇心旺盛なドリュアスでの、世界を見テ回りたいと言ってタんだ。
しかし、ドリュアスは自分の宿る樹かラ大きくは離れれンだろ?
だから、鳥や信頼できル者に頼んで、自分の種ヲ世界中に撒いて貰って、それを育テテもらったんだヨ。
その流れデこの森にもアツシユの樹があったンだヨ。
暫くこの森にイた時もあっタが、渇きの魔女ザリシュとの戦いで、その樹がなくなっテしまってナ。」
「そうなんだ、、、」
「強ク優しくて、皆を惹きつけル魅力のある子だったヨ。」
「帰ったら母さんに伝えておきますね。」
「アぁ、宜しく頼むヨ。」
アムル様と母さんの意外な接点があって、更に母さんの事を良く言ってくれてるなんて嬉しいなぁ~
っていう和やかなムードを一気に壊す嫌な音が、、、
ミチャ、、、、
ミチャ、、、、
何か弾力のあるものが引きちぎられた
心地悪い音が遠くからした、、、
森の奥から聴こえてきたその音は徐々に大きくなっていく。
みんな自然と武器を構えて警戒をする。
「アムル様こんにちは。」
挨拶をすると柱に似た大木の幹に顔が浮かび上がり、こちらを見つめてきた、、、
「ォオ、いつぞやの、、、確か、、、メティスだね。」
アムル様が優しい笑顔で迎えてくれた。
前回アムル様に水を与えてから十日、あの後班を再編して、討伐と調査両方を経験していた。
班はクマさん、エルフさん、ファムちゃんとその従魔、私とヴィゾーちゃんになったよ。
「あれ?アムル様、最近誰か来ました?」
「君達ガ来てからは誰もキテはないよ。」
「??そうなんですか?この前折れて落ちた枝がなくなっているので、、、森の動物かな?」
それにしては綺麗すぎるけど、、、
「アぁ、それか。それなら私の世話をしてくれてるスプライトが片付けてくれたんだよ。」
「スプライト?」
「ホラ、挨拶しにおいデ。」
アムル様がそう言うと掌に収まりそうな程の光の玉が何個も空から降りて来た。
そして私の周りをクルクルと飛び回っている。
スーッと掌を出すと、そこの上に乗るようにスプライトが一つ降りて来た。
熱をもってるという感じではないけど、暖かさが伝わってくる。そんな感覚になる不思議な光。
「わぁー凄い綺麗なんですけどー」
ファムちゃんが手を広げてバンザイをしていると、スプライトがその周りをクルクル回って、ファムちゃんが光に包まれてるみたいだったよ。
「珍しいな、、、」
最初一緒にアムル様に会ったエルフの人が私の掌の光を見ながらぼそりと呟いた。
「珍しいんですか?」
何についてかは分からないけど、聞いてみる。
「あぁ、スプライトがこんなに沢山出てくる事もだけど、掌に乗るなんて初めて見たぞ。」
「そうなんですかー。」
掌の上のスプライトをみつめながら、ちょんと触ってみる。
指が光の中に吸い込まれていく。
触った感触は何もなくて、熱さ冷たさもなかった。
掌のスプライトがフワッと跳び上がり、アムル様の元に戻っていき、しきりにアムル様の前で円を描くように動いている。
「そうカそうカ。心地よい魔力じゃったカ。」
優しい表情でスプライトに話しかけるアムル様の目尻が下がる。
「スプライトというのは精霊の総称でね、彼等は火・水・地・風・樹・雷・光・闇など自然のモノに付くんだ。自由気ままに気になったモノに寄り添いながら生きていく。たまに見かける事はあるけど、こんなに沢山出てきたり、人の手に乗るのは珍しいんだ。」
エルフの人が目の前に広がる光景に目をキラキラさせながら説明してくれた。
私の掌にスプライトが来たのが羨ましかったみたいで、さっきからずっと掌のを出してるけど、スプライトは来てくれない、、、
「ところでメティス、、、すまなイけどもう一度魔力を送って貰えないカ?」
「魔力?前と同じで水分をですか?」
「そウだね。それでいい。」
前回はこれ以上はいらないって断ってたのに、心変わりしたのかな?
けど、私ずっとここにいないよ?!いいの?!
アムル様に手を当てて地中の水分を体内に通すようにしてあげて、前回と同じぐらい与えた所で一旦止めて様子を見ると、アムル様が目を閉じながら頷いてる。
「どうでした?まだいりますか?」
「ありがとウ。もぅ大丈夫だよ。
この前も感じタが、魔力に懐かしさを感ジたんだが、近くに樹の民がいルのかな?」
「樹の民、、、母さんがドリュアスです。それですかね?」
「ドリュアスか!樹の精だネ。名はなんトいう?」
「アツシユですよ。」
「オおお!アツシユか!アツシユなのか?!」
アムル様の目が大きく開いてツルが動いている
「懐かしい、、、アツシユは元気にしていルのか?」
「あ!はい。今は王都にいますよ。
知り合いなんですか?」
「アあ、知っているとも。古くからの友人の一人ダ。メティスはアツシユの子なのカ。そうかそうか。
嬉しいナぁ。アツシユの子に会えるとハ、最後にいい思い出になったナ。」
「へぇー、母さんこの森にいたんですか?」
「あの子ハ好奇心旺盛なドリュアスでの、世界を見テ回りたいと言ってタんだ。
しかし、ドリュアスは自分の宿る樹かラ大きくは離れれンだろ?
だから、鳥や信頼できル者に頼んで、自分の種ヲ世界中に撒いて貰って、それを育テテもらったんだヨ。
その流れデこの森にもアツシユの樹があったンだヨ。
暫くこの森にイた時もあっタが、渇きの魔女ザリシュとの戦いで、その樹がなくなっテしまってナ。」
「そうなんだ、、、」
「強ク優しくて、皆を惹きつけル魅力のある子だったヨ。」
「帰ったら母さんに伝えておきますね。」
「アぁ、宜しく頼むヨ。」
アムル様と母さんの意外な接点があって、更に母さんの事を良く言ってくれてるなんて嬉しいなぁ~
っていう和やかなムードを一気に壊す嫌な音が、、、
ミチャ、、、、
ミチャ、、、、
何か弾力のあるものが引きちぎられた
心地悪い音が遠くからした、、、
森の奥から聴こえてきたその音は徐々に大きくなっていく。
みんな自然と武器を構えて警戒をする。
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