メティス・ラヴァルの冒険書

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冒険者編

129話 幻獣の遺跡11

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129話 幻獣の遺跡11

~手を組んだモンスター達はヒトからの侵略に対応し、ヒトを殺し追い返していった。
そうなると、ヒトも更に大きな集団でモンスターに対峙するようになり、その規模は徐々に大きくなり、やがて数十の集団戦になっていった。
その頃には食糧の為ではなく、目は怒りに満ちてお互いが憎しみ合い戦っていた。


舞台には、狼に立派な二本角を生やした幻獣様と、顔はフードを被り黒いマントを羽織った人がいた。

幻獣様「嘆かわしや、嘆かわしや。
何故言葉を操る者同士が争うのだ。
生とは安らぎ、命とは繋ぎ育む事。
なのに何故、、、」

マントの人「快はすなわち支配、楽はすなわち欲望。ヒトは快楽を求める、モンスターや動物は生命を求める。
求める優先順位が違うのですよ。」

幻獣様「そなたは、、、」
幻獣様の角が光だし、イカヅチを灯す。

マントの人「何者でもないですよ。ひとまずはマントの人とお呼び下さい。
なにせ太陽が苦手故、フードを被ったままの対応をお許し下さい。」

幻獣様「立ち去りなさい。
邪気が満ちている。そのうちそなたにも影響が出るぞ。」

マントの人「そうは言いましても、、、この状況を見て何もせずに立ち去る訳にはいきませんよ。
それに私に邪気は効きませんので。」

幻獣様「聖なる者か???
いや、太陽が苦手と言ってたな、闇の者か。
なら尚更立ち去れ、そなたに何ができる。」

マントの人「何も邪気を払けるのは聖の力だけではないですよ。例えば幻獣様の水で浄化もできますよ?」

幻獣様「!!!
この角のイカヅチを見て水というのか?」

マントの人「はい。水から雷雲を呼びイカヅチを出しているのでは?」

幻獣様「、、、そなた、何者じゃ?」

マントの人「何者でもないですよ。
ただ、この森にはシードルの実があると聞き、それを友人の為に取りに来たんです。」

幻獣様「シードルなんぞ、ここでなくても西の方にいくらでもあるじゃろ?」

マントの人「はい。そうですが、今はあまり陽に当たれない体故、長旅は難しくて。
一番近い場所がここだったもので。」

幻獣様「そうか、、、
ワシの魔法を雷ではなく水と読み解く力、そして闇の者でありながら陽を克服しつつある、、、相当な実力者と見る。
そなたなら、この状況をどう解決する?」

マントの人「そうですね。
まずは邪気を払います。
そして、それぞれの側と話し合い、求めているモノを獲得できる状況を作ります。」

幻獣様「求めるモノを得たとして、また繰り返すのではないか?」

マントの人「そうですね。
なので、邪気を払い続けれる仕組みを作りましょう。」

幻獣様「できるのか?」

マントの人「少し時間はかかりますが、大丈夫ですよ。」

幻獣様が少し空を見上げ、何かを考えている
間としては数秒あり
幻獣様「、、、詳しく聞かせてくれるか?」


~その後の流れは
幻獣様がモンスターと動物たちには邪気が溜まらないように加護を与え、穏やかな気持ちで生きていけるようにした。
マントの人がヒトの邪気を払い、農耕を教えて生活を豊かにした。同時に森の大切さと森を守る動物や生命の巡りを説いていった。
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