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最凶の婚約破棄のお言葉
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「政略結婚の意味も分からぬ俗物め」
少女が放った鋭すぎる言葉に、周囲の人間が一歩引いた。
ざわつくどころの騒ぎじゃない。
完全にひぃっといった感じになり、空気が死ぬほど緊迫感に包まれた。
言い放った少女は、舞台上に立っている婚約者の青年と、すぐ傍にいる儚い雰囲気を持つ少女を鋭い眼光で睨み付けた。
少女自身はきつめで派手な顔立ちを持っている為、周囲の人間からすれば、どこか近寄りがたい雰囲気を纏っていた。どうやら、それが婚約者の気に障ったらしい。
確かに彼の好みが傍にいる儚い系の美少女なら、自分は完全に趣味の範囲外だろう。自分の持つ雰囲気は儚いどころか、全方面にケンカを売る勢いだ。当然ながら売られたケンカはきっちり買う。なんなら言い値の倍で買おう。
婚約者だった青年が、一瞬ひるんだ。
こんな大勢の前で婚約破棄劇場をやっているのだから、せめて最後まで演じきれ!中途半端にするんじゃない!
少女は普通に婚約者だった青年を見たつもりだったが、青年の方はそうは思わなかったらしい。
「いい加減、睨み付けるのは止めろ。クローディア、お前よりも妹のシャルロットの方が、よほど政略結婚のことをわきまえている。彼女こそ俺の隣に相応しい」
青年がそう言って微笑みかけたのは、クローディアの異母妹シャルロットだった。
「クローディア、お前は姉でありながら、ずっとシャルロットに意地悪をしていただろう!」
「具体的にはどのような?」
「は?」
「ですから、具体的に私がシャルロットにどんな意地悪をしたと?」
わなわなとした青年とは逆に、クローディアの感情はものすごく冷静になっていっていた。
しばらく忘れていたが、自分は元々こういう人間だった。むかつけばむかつくほど冷静になっていく。怒りで周りが見えなくなるタイプではなく、逆に相手のことがよく見えてくるタイプだ。
「ぐ、た、例えば家では、シャルロットの部屋はないそうじゃないか!お前が同じ部屋にいさせて、小間使いにしていると聞いているぞ!それに学校でシャルロットが話しかけても、無視しているのを見た」
「それだけですか?」
「それだけでも十分だろう!こんなに可憐で愛らしい妹を、よくもいじめられたものだ!!」
それだけだとちょっと…どころかだいぶ弱くないか?もっとこう、階段から突き落とした、みたいな言葉を期待したのだが、主演(仮)が弱すぎる。
異母妹を見ると、こちらは笑っていた。それもとても満足そうに。
「お前と結婚するのかと思うと、気分が悪くなる。何にせよ、お前との婚約破棄は決定事項だ!そしてシャルロットと婚約する。公爵家は、俺とシャルロットが継いでいく!!」
妄想もいい加減にしてほしい。
クローディアは、この茶番劇を早々に終わらせることにした。
「婚約破棄の件につきましては、私もかまいませんので承知いたしました。ですが…シャル、貴女、何をしているの?」
呆れた声で言うと、異母妹がにっこりと笑った。
「あら、だってお姉様、私、何度も言いましたわよね、相応しくないって」
「言っていたけれど…だからと言ってこれはちょっと強引すぎない?」
「お姉様、安心して下さいませ。公爵家は、私がちゃんと継いでいきますわ」
「その通りだ!公爵家は、俺とシャルロットが継いでいくんだ!」
「元婚約者殿、何も知らない貴方は、少し黙っていて下さい」
元婚約者がうっとうしい。今はシャルロットと姉妹の会話の最中だ。
部外者は黙ってろ。
「私の計画が消えてしまったじゃないの」
「お姉様の計画なんて、成功するわけないじゃないですか」
端からみたら、姉が継ぐはずだった公爵家を妹が奪った、そんな構図に見えるんだろう。
「お姉様、お姉様が何の能力もない男を夫にして、主導権を握って公爵家を継ぐ私の補佐をする、なんて計画は、片っ端から潰します!!」
異母妹は、高らかに宣言した。
「シャル!私の夫は平凡以下の人間にしておかないと、いちいち公爵家のことに口出ししようとするでしょう?貴女と貴女の夫や子供たちが継いでいく公爵家に、俗物なんていれたくないのよ」
「お姉様が結婚したら、この男が公爵家に入るじゃないですか」
「能力のない入り婿なんて、どうとでも抑えつけるわよ。別に子供を持とうとかいう気もないし。何なら白い結婚で十分よ。入り婿が愛人作ってそっちに子供が出来たところで、公爵家は関係ないし」
「私が嫌です。一瞬でもお姉様の隣にこの男が並ぶなんて!それにこの男は、公爵家を自分の物にする気でいますし、婚約破棄で正解です!!」
可憐で儚い外見の美少女から、とんでもない言葉の数々が飛んで行った。
クローディアに婚約破棄を叫んだ元婚約者が、ポカンとした顔をしていた。
「シャ、シャルロット??」
「あら、まだいらっしゃいましたの?一応言っておきますが、私は貴方と婚約する気はありません。お姉様との縁も切れましたので、今後、我が公爵家には一切近づかないで下さい」
「…え…」
「二度と私たちに関わるな、と言っているのです。ああ、そうそう、私、確かに自分の部屋というものは持っておりませんが、それは私が幼い頃からお姉様と一緒じゃないと安心して眠れないからです」
「シャル、もういい年頃なんだから、せめてそれだけでも直してちょうだい」
「無理です。だってお姉様だけですもの。私を心の底から愛して守って下さるのは」
「もう!少しでもそれが直るようにと思って、学校では話さないってルールを決めたのに、貴女ってばいつも破って話しかけてくるし。公爵家だって元々、正統な血筋である貴女が継ぐのが当り前のことなのに、お馬鹿なお父様が馬鹿なことを言い出したのが悪いのよ。私は愛人の子なんだから!!」
ん????
というのが、姉妹の会話を聞かされている周囲の人間の正直な感想だった。
正統な血筋の妹をいじめる異母姉の断罪劇場の始まりかと周囲の人間がざわついている間に、話が全く違う方向へと向かっていっている。
えーっと、両想いのシスコンですか??
先ほどとは違う意味でドン引き始めた周囲を放置して、姉妹の言い合いは、どんどん激しくなっていった。
「愛人の子だろうが何だろうが、お姉様は私のたった1人のお姉様ですわ。たとえ政略結婚だろうが、お姉様を幸せに出来ない男との結婚など、絶対に阻止いたします!」
「もう、本当に仕方のない子ねぇ」
シャルロットの決意に折れたのは、クローディアの方だった。
きつめの美人の困り顔は、ギャップ萌えで可愛い。
「わかって下さいましたか??お姉様。こんな俗物、お姉様にふさわしくないんです」
姉が折れてくれたことで、妹は心底ほっとして極上の笑顔を見せた。
「シャル、その笑顔があれば、どなたでも貴女の婚約者になって下さるわよ」
「私の婚約者になる最低条件は、お姉様のことを認めて下さる方ですわ。残念ながらこの学園にはいらっしゃいませんでしたので、もう少し他で探してみますわ」
姉妹で在籍中、姉に対する態度はしっかりと見せてもらった。その上で、この学園にはいないと判断した。
少々顔色が悪くなったのは、シャルロットの婚約者の座を狙っていた者たちだった。
意地悪な姉から救い出して妹と共に公爵家を継ぐ、なんて夢を描いていたのだが、実際は妹が極度のシスコンだった。
意地悪な姉というトラップに見事ひっかかった者に用はない。
「お姉様、とりあえず家に帰りましょう?お父様を黙らせにいかないと」
「はいはい。お父様はしょせん公爵代理なんだからそこまで権力はないのに、おいたが過ぎたものね。あ、そうそう、婚約破棄、承りましたわ。俗物さん」
クローディアは、今まで見た事のない笑顔で宣言した。
その言葉を聞いて大変良い笑顔になった妹がとことこと歩いて姉に近づき、姉妹は仲良く談笑しながら帰って行った。
残されたのは、断罪劇場を強制的に見せられた観衆と、姉の元婚約者だけだった。
少女が放った鋭すぎる言葉に、周囲の人間が一歩引いた。
ざわつくどころの騒ぎじゃない。
完全にひぃっといった感じになり、空気が死ぬほど緊迫感に包まれた。
言い放った少女は、舞台上に立っている婚約者の青年と、すぐ傍にいる儚い雰囲気を持つ少女を鋭い眼光で睨み付けた。
少女自身はきつめで派手な顔立ちを持っている為、周囲の人間からすれば、どこか近寄りがたい雰囲気を纏っていた。どうやら、それが婚約者の気に障ったらしい。
確かに彼の好みが傍にいる儚い系の美少女なら、自分は完全に趣味の範囲外だろう。自分の持つ雰囲気は儚いどころか、全方面にケンカを売る勢いだ。当然ながら売られたケンカはきっちり買う。なんなら言い値の倍で買おう。
婚約者だった青年が、一瞬ひるんだ。
こんな大勢の前で婚約破棄劇場をやっているのだから、せめて最後まで演じきれ!中途半端にするんじゃない!
少女は普通に婚約者だった青年を見たつもりだったが、青年の方はそうは思わなかったらしい。
「いい加減、睨み付けるのは止めろ。クローディア、お前よりも妹のシャルロットの方が、よほど政略結婚のことをわきまえている。彼女こそ俺の隣に相応しい」
青年がそう言って微笑みかけたのは、クローディアの異母妹シャルロットだった。
「クローディア、お前は姉でありながら、ずっとシャルロットに意地悪をしていただろう!」
「具体的にはどのような?」
「は?」
「ですから、具体的に私がシャルロットにどんな意地悪をしたと?」
わなわなとした青年とは逆に、クローディアの感情はものすごく冷静になっていっていた。
しばらく忘れていたが、自分は元々こういう人間だった。むかつけばむかつくほど冷静になっていく。怒りで周りが見えなくなるタイプではなく、逆に相手のことがよく見えてくるタイプだ。
「ぐ、た、例えば家では、シャルロットの部屋はないそうじゃないか!お前が同じ部屋にいさせて、小間使いにしていると聞いているぞ!それに学校でシャルロットが話しかけても、無視しているのを見た」
「それだけですか?」
「それだけでも十分だろう!こんなに可憐で愛らしい妹を、よくもいじめられたものだ!!」
それだけだとちょっと…どころかだいぶ弱くないか?もっとこう、階段から突き落とした、みたいな言葉を期待したのだが、主演(仮)が弱すぎる。
異母妹を見ると、こちらは笑っていた。それもとても満足そうに。
「お前と結婚するのかと思うと、気分が悪くなる。何にせよ、お前との婚約破棄は決定事項だ!そしてシャルロットと婚約する。公爵家は、俺とシャルロットが継いでいく!!」
妄想もいい加減にしてほしい。
クローディアは、この茶番劇を早々に終わらせることにした。
「婚約破棄の件につきましては、私もかまいませんので承知いたしました。ですが…シャル、貴女、何をしているの?」
呆れた声で言うと、異母妹がにっこりと笑った。
「あら、だってお姉様、私、何度も言いましたわよね、相応しくないって」
「言っていたけれど…だからと言ってこれはちょっと強引すぎない?」
「お姉様、安心して下さいませ。公爵家は、私がちゃんと継いでいきますわ」
「その通りだ!公爵家は、俺とシャルロットが継いでいくんだ!」
「元婚約者殿、何も知らない貴方は、少し黙っていて下さい」
元婚約者がうっとうしい。今はシャルロットと姉妹の会話の最中だ。
部外者は黙ってろ。
「私の計画が消えてしまったじゃないの」
「お姉様の計画なんて、成功するわけないじゃないですか」
端からみたら、姉が継ぐはずだった公爵家を妹が奪った、そんな構図に見えるんだろう。
「お姉様、お姉様が何の能力もない男を夫にして、主導権を握って公爵家を継ぐ私の補佐をする、なんて計画は、片っ端から潰します!!」
異母妹は、高らかに宣言した。
「シャル!私の夫は平凡以下の人間にしておかないと、いちいち公爵家のことに口出ししようとするでしょう?貴女と貴女の夫や子供たちが継いでいく公爵家に、俗物なんていれたくないのよ」
「お姉様が結婚したら、この男が公爵家に入るじゃないですか」
「能力のない入り婿なんて、どうとでも抑えつけるわよ。別に子供を持とうとかいう気もないし。何なら白い結婚で十分よ。入り婿が愛人作ってそっちに子供が出来たところで、公爵家は関係ないし」
「私が嫌です。一瞬でもお姉様の隣にこの男が並ぶなんて!それにこの男は、公爵家を自分の物にする気でいますし、婚約破棄で正解です!!」
可憐で儚い外見の美少女から、とんでもない言葉の数々が飛んで行った。
クローディアに婚約破棄を叫んだ元婚約者が、ポカンとした顔をしていた。
「シャ、シャルロット??」
「あら、まだいらっしゃいましたの?一応言っておきますが、私は貴方と婚約する気はありません。お姉様との縁も切れましたので、今後、我が公爵家には一切近づかないで下さい」
「…え…」
「二度と私たちに関わるな、と言っているのです。ああ、そうそう、私、確かに自分の部屋というものは持っておりませんが、それは私が幼い頃からお姉様と一緒じゃないと安心して眠れないからです」
「シャル、もういい年頃なんだから、せめてそれだけでも直してちょうだい」
「無理です。だってお姉様だけですもの。私を心の底から愛して守って下さるのは」
「もう!少しでもそれが直るようにと思って、学校では話さないってルールを決めたのに、貴女ってばいつも破って話しかけてくるし。公爵家だって元々、正統な血筋である貴女が継ぐのが当り前のことなのに、お馬鹿なお父様が馬鹿なことを言い出したのが悪いのよ。私は愛人の子なんだから!!」
ん????
というのが、姉妹の会話を聞かされている周囲の人間の正直な感想だった。
正統な血筋の妹をいじめる異母姉の断罪劇場の始まりかと周囲の人間がざわついている間に、話が全く違う方向へと向かっていっている。
えーっと、両想いのシスコンですか??
先ほどとは違う意味でドン引き始めた周囲を放置して、姉妹の言い合いは、どんどん激しくなっていった。
「愛人の子だろうが何だろうが、お姉様は私のたった1人のお姉様ですわ。たとえ政略結婚だろうが、お姉様を幸せに出来ない男との結婚など、絶対に阻止いたします!」
「もう、本当に仕方のない子ねぇ」
シャルロットの決意に折れたのは、クローディアの方だった。
きつめの美人の困り顔は、ギャップ萌えで可愛い。
「わかって下さいましたか??お姉様。こんな俗物、お姉様にふさわしくないんです」
姉が折れてくれたことで、妹は心底ほっとして極上の笑顔を見せた。
「シャル、その笑顔があれば、どなたでも貴女の婚約者になって下さるわよ」
「私の婚約者になる最低条件は、お姉様のことを認めて下さる方ですわ。残念ながらこの学園にはいらっしゃいませんでしたので、もう少し他で探してみますわ」
姉妹で在籍中、姉に対する態度はしっかりと見せてもらった。その上で、この学園にはいないと判断した。
少々顔色が悪くなったのは、シャルロットの婚約者の座を狙っていた者たちだった。
意地悪な姉から救い出して妹と共に公爵家を継ぐ、なんて夢を描いていたのだが、実際は妹が極度のシスコンだった。
意地悪な姉というトラップに見事ひっかかった者に用はない。
「お姉様、とりあえず家に帰りましょう?お父様を黙らせにいかないと」
「はいはい。お父様はしょせん公爵代理なんだからそこまで権力はないのに、おいたが過ぎたものね。あ、そうそう、婚約破棄、承りましたわ。俗物さん」
クローディアは、今まで見た事のない笑顔で宣言した。
その言葉を聞いて大変良い笑顔になった妹がとことこと歩いて姉に近づき、姉妹は仲良く談笑しながら帰って行った。
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※小説家になろう にも掲載しています。
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