7 / 24
第一章・覚醒 編
第7話:英雄(ゴミ)の価値、勇者の没落(おわり)
しおりを挟む
――ギィィィィ……。
重苦しい音を立てて、ギルドの奥にある、関係者以外立入禁止の扉が開かれた。
そこから現れたのは、一人の巨漢だった。
身長は二メートルを超え、丸太のような腕には無数の古傷が刻まれている。
眼光は鋭く、まるで歴戦の猛獣のような威圧感を放つ男。
アルトリア冒険者ギルド、ギルドマスター「鉄拳のジーク」。
かつてAランク冒険者として名を馳せ、引退後もこの街の裏社会すら睨みつける、生ける伝説だ。
そのジークが、のっしのっしとカウンターに歩み寄り、俺が出した「戦斧」の前で足を止めた。
ギルド中の冒険者が、唾を飲み込む音が聞こえる。
「……おい、エララ。なんだ、この騒ぎは」
ジークの声は、低く、腹の底に響くような重低音だった。
腰を抜かしていた受付嬢のエララさんが、ガタガタと震えながら立ち上がり、敬礼する。
「ギ、ギルマス……! こ、これ……これを見てください……!」
「ん?」
ジークの視線が、カウンターを押しつぶさんばかりの、血塗れの戦斧に向けられた。
一瞬。
その鋭い眼光が、驚愕に見開かれたのを、俺は見逃さなかった。
「……『黒き暴君』……!」
「え……?」
「間違いない。Bランクダンジョン『迷いの洞窟』の主、オークジェネラルが愛用すると言われる、呪われし大戦斧だ。……俺が現役の頃、一度だけ遠目で見たことがあるが……まさか、こんな間近で拝むことになるとはな」
ジークが、信じられないといった顔で、戦斧の柄に触れようとする。
バチッ!
紫色の火花が散った。
「ぬぅっ!? ……強烈な怨念だ。並の鑑定士なら、触れただけで精神をやられるぞ」
ジークは手を引っ込め、そして、ゆっくりと視線を上げた。
その視線の先には、カウンターに肘をつき、不敵に笑う俺、エディがいる。
「……小僧。いや、『光の剣』の荷物持ちだったな。……エディ、と言ったか」
「ああ。久しぶりだな、ジークの爺さん。今はただの無職だがな」
俺が軽口を叩くと、周囲の冒険者たちが「ヒッ」と息を呑んだ。
この街で、ジークにこんな口を利ける奴はいない。
だが、今の俺には、ジークの放つ威圧感(プレッシャー)が、そよ風のようにしか感じられなかった。
あのオークジェネラルの殺気に比べれば、飼い猫のあくびみたいなもんだ。
「……いい目をするようになったな。死線を越えたか」
ジークは、ニヤリと笑った。
「で、こいつを『換金』したいだと? 本気か?」
「ああ。デカすぎて邪魔だしな。それに、俺にはもっと使い勝手のいい武器が必要だ」
「邪魔、か……。ハッ! 傑作だ! 国宝級の呪物を『邪魔』扱いとはな!」
ジークは豪快に笑うと、カウンターの中に入り、自ら鑑定用の魔導レンズを取り出した。
「いいだろう。俺が直々に鑑定してやる。……だが、覚悟しておけよ。このクラスの素材となると、ギルドの金庫が空になるかもしれんぞ?」
「望むところだ。金貨の一枚まで、きっちり払ってもらうぜ」
ジークによる鑑定が始まった。
ギルド中が、固唾を飲んで見守る。
俺の背後では、フェンが不安そうに俺の服を掴んでいるが、俺はポンポンと彼女の手を叩いて安心させた。
(……鑑定結果は、わかってる)
俺の【高速思考】と【万物拾得】は、すでにこの斧の価値を弾き出している。
ただの武器としての価値じゃない。
素材としての「黒鉄鋼」、埋め込まれた「闇の魔石」、そして何より、オークジェネラル討伐の「証明」としての価値。
「……ふむ。……むぅ……」
ジークの眉間に、深い皺が刻まれていく。
「……驚いたな。刃こぼれは激しいが、核となる魔石は無傷だ。それに、この『柄』……ただの木じゃない。千年樹の芯材を使ってやがる」
十分ほどの沈黙の後、ジークが顔を上げた。
その額には、脂汗が滲んでいる。
「……エディ。単刀直入に言うぞ」
ジークの声が、ギルドの静寂を切り裂いた。
「金貨、五百枚だ」
「「「「「ご……ごひゃくぅぅぅぅぅッ!?!?」」」」」
冒険者たちの絶叫が、ホールに響き渡った。
金貨一枚で、一般家庭の一ヶ月分の生活費になる。
五百枚と言えば、遊んで暮らしても数年は持つ大金だ。
そこらのBランククエストの報酬が、いいとこ金貨五十枚。
その十倍だ。
「……安くねえか?」
俺は、眉一つ動かさずに言った。
再び、周囲が「はあぁ!?」とどよめく。
「おいおい、欲をかくなよ小僧。これでも精一杯の……」
「『黒鉄鋼』の純度が高い。これを溶かして精製すれば、ミスリル級の武器が三本は作れる。それに、ここにある『闇の魔石』……こいつは呪われているが、王都の魔術師ギルドに持っていけば、解呪の研究素材として高値がつく。……違うか?」
俺が淡々と指摘すると、ジークの目が丸くなった。
「……お前、ただの荷物持ちじゃなかったのか? なぜ、そんな鑑定士顔負けの知識がある?」
「『ゴミ拾い』だからな。ゴミの価値を見極めるのは、商売道具だ」
俺は、ニィ、と笑った。
ハッタリじゃない。
【万物拾得】は、アイテムの「構造」や「由来」まで解析する。
俺は、この世界の誰よりも、モノの「価値」を知っているんだ。
「……ククク。参ったな」
ジークは、降参とばかりに両手を挙げた。
「わかった、負けだ。……金貨六百枚。これ以上は、本当にギルドが破産する」
「交渉成立だ。……ただし」
俺は、指を二本立てた。
「条件が二つある」
「なんだ?」
「一つ。俺と、こいつ……フェンの、ギルドカードのランクを更新してくれ。Fランクのままだと、受けられる依頼が限られる」
「……オークジェネラルを倒した実績があれば、文句を言う奴はいまい。本来なら昇格試験が必要だが……この斧が、何よりの証拠だ。特例でCランク……いや、Bランクまで上げてやる」
「話が早くて助かる。で、二つ目だ」
俺は、視線をギルド全体に……特に、俺たちを遠巻きに見ている、下卑た目つきの冒険者たちに向けた。
「今後、俺たちの邪魔をする奴がいたら……『掃除』しても、文句は言うなよ」
ギルドの空気が、凍りついた。
それは、明確な警告だった。
俺たちを「ゴミ」と呼び、舐めてかかる奴らへの、宣戦布告。
ジークは、しばらく俺の目をじっと見つめ、やがて、ニヤリと獰猛に笑った。
「……正当防衛なら、俺が揉み消してやる。……暴れるなら、派手にな」
「感謝するぜ」
こうして、俺たちは金貨六百枚という莫大な軍資金と、Bランク冒険者という「地位」を手に入れた。
エララさんから受け取った、革袋に入った金貨の重み。
これが、俺たちの、新しい人生の始まりの重さだ。
◇ ◇ ◇
ギルドを出た俺たちは、その足で武器屋に向かった。
懐には、唸るほどの金がある。
だが、俺が向かったのは、高級店が並ぶ大通りではなく、路地裏の古びた武具店「頑固親父の店」だった。
「エディさん、こっちでいいんですか? もっと綺麗な店も……」
「いや、こっちだ。綺麗な店には、『綺麗なゴミ』しか置いてねえ」
カランコロン、とドアベルが鳴る。
店内は薄暗く、油と鉄の匂いが充満していた。
店主のドワーフ、ガンテツが、カウンターの奥から不機嫌そうな顔を出す。
「……あぁ? なんだ小僧、冷やかしか? うちにはガキの小遣いで買えるオモチャはねえぞ」
「いいモンを頼むぜ、親父さん。……とびっきりの『訳あり品』をな」
俺は、店内の棚に並ぶ、埃を被った武器たちを眺めた。
普通の冒険者なら、見向きもしないような、錆びついた剣や、凹んだ鎧。
だが、俺の目には、違って見えていた。
『対象:錆びた短剣』
『解析:かつて竜殺しの英雄が使っていた短剣。表面の錆の下には、オリハルコンの刃が眠っている』
『所有権:店舗(放置)』
『対象:ひび割れた革鎧』
『解析:幻獣の革で作られた軽鎧。ひび割れに見えるのは魔力回路の溝。魔力を通すと自動修復機能が発動する』
あるわあるわ。
宝の山だ。
ガンテツの親父さんは腕はいいが、商売っ気がなくて、古い品を整理しない癖がある。
それが、俺には好都合だった。
「親父さん。この短剣と、あの革鎧。それから、フェンにはあの……店の隅にある、白いマントをくれ」
「ああん? お前、目がおかしいんじゃねえか? それは全部、売り物にならねえガラクタ……」
ガンテツが言いかけた時、俺はカウンターに、金貨の袋をドン! と置いた。
「これで足りるか?」
「……!?」
袋の口から覗く黄金の輝きに、ガンテツの目が飛び出る。
「こ、小僧……どこでこんな金を……」
「いいから、売ってくれ。あと、砥石と整備キットもな。……こいつらの『本当の姿』、俺が見せてやるよ」
俺は、購入した「ゴミ》」を、その場で整備した。
【万物拾得】で得た知識と、【器用 LV3】(これもゴブリンから拾った)を駆使する。
錆を落とし、魔力を通し、磨き上げる。
数十分後。
そこには、青白く輝くオリハルコンの短剣と、しなやかに魔力を帯びた幻獣の革鎧、そして、フェンの銀髪に映える、純白の抗魔のマントがあった。
「……嘘だろ……。俺が打った武器でもねえのに……まるで、名剣が蘇ったみたいだ……」
ガンテツが、呆然と呟く。
「エディさん……これ、わたしに? すごく、軽くて……温かいです……」
フェンが、マントを羽織って、くるりと回る。
白いマントが、彼女の狼の尻尾をふわりと隠し、まるで雪の精霊のようだ。
……うん、似合う。
「よし、装備も整った。次は宿だ。……今日は、贅沢するぞ」
「はいっ!」
◇ ◇ ◇
その夜。
俺たちは、この街で一番の高級宿「黄金の獅子亭」の、スイートルームにいた。
一泊、金貨十枚。
かつての俺なら、一生かかっても泊まれなかった場所だ。
テーブルの上には、山盛りの料理。
厚切りのドラゴンテールのステーキ、新鮮な野菜のサラダ、冷えた果実水、そして焼きたてのパン。
ダンジョンで泥水を啜っていたのが嘘のような、極上の食事だ。
「んっ……おいひぃ……!」
フェンが、リスのように頬を膨らませて、ステーキを頬張っている。
その目じりには、うっすらと涙が浮かんでいた。
「……エディさん、こんなに美味しいお肉、初めて食べました……」
「食え食え。金なら腐るほどある。……俺たちの『勝利』の祝いだ」
俺も、グラスを傾けた。
美味い。
だが、この美味さは、ただの料理の味じゃない。
「ざまぁみろ」という、最高のスパイスが効いているからだ。
(今頃、レオンたちはどうしてるかな……)
俺は、窓の外、夜の街を見下ろしながら、かつての「仲間」たちに思いを馳せた。
……いや、想像するだけで、飯が美味くなるな。
◇ ◇ ◇
一方その頃。
アルトリアの街の片隅にある、中級冒険者向けの酒場「銀のジョッキ」。
そこには、どんよりとした空気を纏った、三人の男女がいた。
勇者パーティー「光の剣」。
勇者レオン、魔術師リリア、魔術師ガイル。
かつて飛ぶ鳥を落とす勢いだった彼らのテーブルには、安酒と、手つかずの料理が並んでいた。
「……クソッ! なんでだ! なんでドロップしねえんだよ!」
勇者レオンが、バン! とテーブルを叩いた。
周囲の客がビクリとするが、レオンは構わず怒鳴り散らす。
「今日のクエストも赤字だぞ! ポーション代だけでいくらかかったと思ってる! おいガイル! お前の魔法の燃費が悪すぎるからだぞ!」
「なっ……俺のせいにするなよ! お前が罠にかかりまくるから、回復魔法と援護魔法で魔力が尽きたんだろ! そもそも、今まで罠なんて、全部『あいつ』が解除してたじゃねえか!」
「……うるさいわね。頭に響くわ」
魔術師リリアが、気だるげにワインを煽る。
「ポーションがないなら、買えばいいじゃない。ギルドに請求すれば……」
「そのギルドからの報酬が、減らされてるんだよ!」
レオンが頭を抱える。
そう。
彼らは、まだ気づいていなかった。
彼らの「華々しい戦果」が、すべてエディという「土台」の上にあったことを。
エディが、目立たないように罠を解除し、
エディが、ドロップアイテムを完璧に管理・回収し、
エディが、戦闘中のポーションの配給タイミングまで計算していたことを。
そして何より、エディの【万物拾得】(本人も無自覚だったが)が、周囲の「運」すらも微量に拾い集め、パーティーに還元していたことを。
彼らは、エディを失った瞬間から、ただの「連携の取れていない、浪費家の集団」に成り下がっていたのだ。
「……ちっ。あの『ゴミ拾い』がいなくなってから、ツキが落ちたぜ」
レオンが吐き捨てるように言った。
「どこで野垂れ死んでるか知らねえが……せいぜい、モンスターの餌にでもなって、役に立ってりゃいいんだがな」
その時。
隣のテーブルの冒険者たちの話が、レオンたちの耳に入ってきた。
「……聞いたか? 今日のギルドの騒ぎ」
「ああ! すごかったらしいな! あのジークさんが腰を抜かしたって!」
「なんでも、Bランクダンジョンの主、オークジェネラルを狩った『英雄』が現れたって話だぜ」
「へえ! どこのパーティーだ? 『銀の風』か?」
「いや、それが……聞いたことない名前だったな。確か……男と、獣人のコンビで……」
レオンの眉がピクリと動いた。
(オークジェネラルだと……? 俺たちですら、まだ手を出していないBランクのボスを……?)
嫉妬と、焦りが、レオンの胸に渦巻く。
「……おい、そいつらの名前、なんて言ってた?」
レオンは、我慢できずに隣の席に聞き耳を立てた。
「えっと……確か……『エディ』とかいう……」
「「「は?」」」
レオン、リリア、ガイル。
三人の声が、重なった。
「……おい、今……なんて言った?」
レオンが、椅子を蹴倒して立ち上がる。
隣の冒険者が、ギョッとして振り返る。
「あ? なんだよ勇者様かよ。……だから、『エディ』だよ。元・荷物持ちの……」
「……ありえねえ」
レオンの顔が、赤を通り越して、青白くなっていく。
「あいつは……俺たちが捨てた『ゴミ』だぞ!? Fランクスキルの、無能だぞ!?」
「そ、そうよ! 間違いよ! きっと同名の別人……」
セシリアも、震える声で否定しようとする。
だが、冒険者は不思議そうに首を傾げた。
「いや、本人がいたって言ってたぜ? 『光の剣』を追放されたって……。あと、すごい美人の狼族の姉ちゃんを連れてたって……」
ガタガタガタッ!
ガイルの手が震え、グラスが倒れた。
「……嘘だ……」
レオンが、うわ言のように呟く。
「あいつが……オークジェネラルを……? 俺たちよりも……先に……?」
認められない。
認めてはいけない。
そんなことが真実なら、自分たちは、「ダイヤの原石」をドブに捨てた、世界一の大馬鹿者ということになってしまう。
「……確かめるぞ」
レオンの目に、どす黒い光が宿った。
「明日、そいつを探し出す。……もし本当にエディなら……」
(俺たちのために稼いだ成果(アイテム)を、すべて吐き出させてやる)
勇者とは名ばかりの、強欲な思考。
だが、彼らはまだ知らない。
その「エディ」が、もはや彼らの知る「従順なゴミ」ではないことを。
触れれば斬れる、研ぎ澄まされた「刃」になっていることを。
◇ ◇ ◇
翌朝。
「黄金の獅子亭」の柔らかなベッドで目覚めた俺は、窓から差し込む朝日を浴びて、大きく伸びをした。
体の痛みは、もうほとんどない。
昨日の豪華な食事と、フカフカのベッド、そして何より「ストレスからの解放」が、最高の回復薬になったようだ。
「んぅ……エディさん……おはようございます……」
隣のベッド(もちろん別々だぞ!)から、フェンが眠気眼で起き上がってくる。
乱れた銀髪と、パジャマ姿の無防備な姿に、俺は一瞬ドキッとしたが、すぐに頭を振って邪念を払った。
……朝から刺激が強すぎる。
「おはよう、フェン。気分はどうだ?」
「はい! 最高です! ……なんだか、夢みたいです。こんな綺麗な部屋で、目が覚めるなんて……」
「夢じゃねえよ。これが、今の俺たちの『日常』だ」
俺たちは、新しい装備に身を包んだ。
俺は、幻獣革の軽鎧と、腰にはオリハルコンの短剣。
フェンは、修復されたタワーシールドを背負い、白銀のマントを羽織る。
鏡に映った二人は、どこからどう見ても、手練れのBランク冒険者コンビだ。
「よし、行くか。今日は、新しいクエストを受けて、実戦で装備の慣らし運転だ」
「はい! わたくし、もう誰にも負ける気がしません!」
俺たちは、自信に満ちた足取りで、宿を出た。
目指すは、再びギルド。
だが、その道中で。
運命の……いや、必然の「再会」が、待ち受けていた。
大通りの真ん中。
向こうから歩いてくる、見覚えのある……いや、見飽きた、三つの人影。
煌びやかな鎧を着込み、しかしどこか焦燥感を漂わせた、勇者パーティー「光の剣」。
レオンと俺の目が、バチッ、と合った。
「……ッ!!」
レオンが、目を見開き、足を止める。
俺も、足を止めた。
隣のフェンが、警戒して盾を構えようとするのを、俺は手で制した。
「……よう」
俺は、ニィ、と口の端を吊り上げて、挨拶した。
最高に、人を食ったような笑顔で。
「元気そうで何よりだ、勇者サマ。……随分と、顔色が悪いみたいだが?」
レオンの顔が、怒りで真っ赤に染まっていく。
さあ、始めようか。
本当の「ざまぁ」は、ここからだ。
重苦しい音を立てて、ギルドの奥にある、関係者以外立入禁止の扉が開かれた。
そこから現れたのは、一人の巨漢だった。
身長は二メートルを超え、丸太のような腕には無数の古傷が刻まれている。
眼光は鋭く、まるで歴戦の猛獣のような威圧感を放つ男。
アルトリア冒険者ギルド、ギルドマスター「鉄拳のジーク」。
かつてAランク冒険者として名を馳せ、引退後もこの街の裏社会すら睨みつける、生ける伝説だ。
そのジークが、のっしのっしとカウンターに歩み寄り、俺が出した「戦斧」の前で足を止めた。
ギルド中の冒険者が、唾を飲み込む音が聞こえる。
「……おい、エララ。なんだ、この騒ぎは」
ジークの声は、低く、腹の底に響くような重低音だった。
腰を抜かしていた受付嬢のエララさんが、ガタガタと震えながら立ち上がり、敬礼する。
「ギ、ギルマス……! こ、これ……これを見てください……!」
「ん?」
ジークの視線が、カウンターを押しつぶさんばかりの、血塗れの戦斧に向けられた。
一瞬。
その鋭い眼光が、驚愕に見開かれたのを、俺は見逃さなかった。
「……『黒き暴君』……!」
「え……?」
「間違いない。Bランクダンジョン『迷いの洞窟』の主、オークジェネラルが愛用すると言われる、呪われし大戦斧だ。……俺が現役の頃、一度だけ遠目で見たことがあるが……まさか、こんな間近で拝むことになるとはな」
ジークが、信じられないといった顔で、戦斧の柄に触れようとする。
バチッ!
紫色の火花が散った。
「ぬぅっ!? ……強烈な怨念だ。並の鑑定士なら、触れただけで精神をやられるぞ」
ジークは手を引っ込め、そして、ゆっくりと視線を上げた。
その視線の先には、カウンターに肘をつき、不敵に笑う俺、エディがいる。
「……小僧。いや、『光の剣』の荷物持ちだったな。……エディ、と言ったか」
「ああ。久しぶりだな、ジークの爺さん。今はただの無職だがな」
俺が軽口を叩くと、周囲の冒険者たちが「ヒッ」と息を呑んだ。
この街で、ジークにこんな口を利ける奴はいない。
だが、今の俺には、ジークの放つ威圧感(プレッシャー)が、そよ風のようにしか感じられなかった。
あのオークジェネラルの殺気に比べれば、飼い猫のあくびみたいなもんだ。
「……いい目をするようになったな。死線を越えたか」
ジークは、ニヤリと笑った。
「で、こいつを『換金』したいだと? 本気か?」
「ああ。デカすぎて邪魔だしな。それに、俺にはもっと使い勝手のいい武器が必要だ」
「邪魔、か……。ハッ! 傑作だ! 国宝級の呪物を『邪魔』扱いとはな!」
ジークは豪快に笑うと、カウンターの中に入り、自ら鑑定用の魔導レンズを取り出した。
「いいだろう。俺が直々に鑑定してやる。……だが、覚悟しておけよ。このクラスの素材となると、ギルドの金庫が空になるかもしれんぞ?」
「望むところだ。金貨の一枚まで、きっちり払ってもらうぜ」
ジークによる鑑定が始まった。
ギルド中が、固唾を飲んで見守る。
俺の背後では、フェンが不安そうに俺の服を掴んでいるが、俺はポンポンと彼女の手を叩いて安心させた。
(……鑑定結果は、わかってる)
俺の【高速思考】と【万物拾得】は、すでにこの斧の価値を弾き出している。
ただの武器としての価値じゃない。
素材としての「黒鉄鋼」、埋め込まれた「闇の魔石」、そして何より、オークジェネラル討伐の「証明」としての価値。
「……ふむ。……むぅ……」
ジークの眉間に、深い皺が刻まれていく。
「……驚いたな。刃こぼれは激しいが、核となる魔石は無傷だ。それに、この『柄』……ただの木じゃない。千年樹の芯材を使ってやがる」
十分ほどの沈黙の後、ジークが顔を上げた。
その額には、脂汗が滲んでいる。
「……エディ。単刀直入に言うぞ」
ジークの声が、ギルドの静寂を切り裂いた。
「金貨、五百枚だ」
「「「「「ご……ごひゃくぅぅぅぅぅッ!?!?」」」」」
冒険者たちの絶叫が、ホールに響き渡った。
金貨一枚で、一般家庭の一ヶ月分の生活費になる。
五百枚と言えば、遊んで暮らしても数年は持つ大金だ。
そこらのBランククエストの報酬が、いいとこ金貨五十枚。
その十倍だ。
「……安くねえか?」
俺は、眉一つ動かさずに言った。
再び、周囲が「はあぁ!?」とどよめく。
「おいおい、欲をかくなよ小僧。これでも精一杯の……」
「『黒鉄鋼』の純度が高い。これを溶かして精製すれば、ミスリル級の武器が三本は作れる。それに、ここにある『闇の魔石』……こいつは呪われているが、王都の魔術師ギルドに持っていけば、解呪の研究素材として高値がつく。……違うか?」
俺が淡々と指摘すると、ジークの目が丸くなった。
「……お前、ただの荷物持ちじゃなかったのか? なぜ、そんな鑑定士顔負けの知識がある?」
「『ゴミ拾い』だからな。ゴミの価値を見極めるのは、商売道具だ」
俺は、ニィ、と笑った。
ハッタリじゃない。
【万物拾得】は、アイテムの「構造」や「由来」まで解析する。
俺は、この世界の誰よりも、モノの「価値」を知っているんだ。
「……ククク。参ったな」
ジークは、降参とばかりに両手を挙げた。
「わかった、負けだ。……金貨六百枚。これ以上は、本当にギルドが破産する」
「交渉成立だ。……ただし」
俺は、指を二本立てた。
「条件が二つある」
「なんだ?」
「一つ。俺と、こいつ……フェンの、ギルドカードのランクを更新してくれ。Fランクのままだと、受けられる依頼が限られる」
「……オークジェネラルを倒した実績があれば、文句を言う奴はいまい。本来なら昇格試験が必要だが……この斧が、何よりの証拠だ。特例でCランク……いや、Bランクまで上げてやる」
「話が早くて助かる。で、二つ目だ」
俺は、視線をギルド全体に……特に、俺たちを遠巻きに見ている、下卑た目つきの冒険者たちに向けた。
「今後、俺たちの邪魔をする奴がいたら……『掃除』しても、文句は言うなよ」
ギルドの空気が、凍りついた。
それは、明確な警告だった。
俺たちを「ゴミ」と呼び、舐めてかかる奴らへの、宣戦布告。
ジークは、しばらく俺の目をじっと見つめ、やがて、ニヤリと獰猛に笑った。
「……正当防衛なら、俺が揉み消してやる。……暴れるなら、派手にな」
「感謝するぜ」
こうして、俺たちは金貨六百枚という莫大な軍資金と、Bランク冒険者という「地位」を手に入れた。
エララさんから受け取った、革袋に入った金貨の重み。
これが、俺たちの、新しい人生の始まりの重さだ。
◇ ◇ ◇
ギルドを出た俺たちは、その足で武器屋に向かった。
懐には、唸るほどの金がある。
だが、俺が向かったのは、高級店が並ぶ大通りではなく、路地裏の古びた武具店「頑固親父の店」だった。
「エディさん、こっちでいいんですか? もっと綺麗な店も……」
「いや、こっちだ。綺麗な店には、『綺麗なゴミ』しか置いてねえ」
カランコロン、とドアベルが鳴る。
店内は薄暗く、油と鉄の匂いが充満していた。
店主のドワーフ、ガンテツが、カウンターの奥から不機嫌そうな顔を出す。
「……あぁ? なんだ小僧、冷やかしか? うちにはガキの小遣いで買えるオモチャはねえぞ」
「いいモンを頼むぜ、親父さん。……とびっきりの『訳あり品』をな」
俺は、店内の棚に並ぶ、埃を被った武器たちを眺めた。
普通の冒険者なら、見向きもしないような、錆びついた剣や、凹んだ鎧。
だが、俺の目には、違って見えていた。
『対象:錆びた短剣』
『解析:かつて竜殺しの英雄が使っていた短剣。表面の錆の下には、オリハルコンの刃が眠っている』
『所有権:店舗(放置)』
『対象:ひび割れた革鎧』
『解析:幻獣の革で作られた軽鎧。ひび割れに見えるのは魔力回路の溝。魔力を通すと自動修復機能が発動する』
あるわあるわ。
宝の山だ。
ガンテツの親父さんは腕はいいが、商売っ気がなくて、古い品を整理しない癖がある。
それが、俺には好都合だった。
「親父さん。この短剣と、あの革鎧。それから、フェンにはあの……店の隅にある、白いマントをくれ」
「ああん? お前、目がおかしいんじゃねえか? それは全部、売り物にならねえガラクタ……」
ガンテツが言いかけた時、俺はカウンターに、金貨の袋をドン! と置いた。
「これで足りるか?」
「……!?」
袋の口から覗く黄金の輝きに、ガンテツの目が飛び出る。
「こ、小僧……どこでこんな金を……」
「いいから、売ってくれ。あと、砥石と整備キットもな。……こいつらの『本当の姿』、俺が見せてやるよ」
俺は、購入した「ゴミ》」を、その場で整備した。
【万物拾得】で得た知識と、【器用 LV3】(これもゴブリンから拾った)を駆使する。
錆を落とし、魔力を通し、磨き上げる。
数十分後。
そこには、青白く輝くオリハルコンの短剣と、しなやかに魔力を帯びた幻獣の革鎧、そして、フェンの銀髪に映える、純白の抗魔のマントがあった。
「……嘘だろ……。俺が打った武器でもねえのに……まるで、名剣が蘇ったみたいだ……」
ガンテツが、呆然と呟く。
「エディさん……これ、わたしに? すごく、軽くて……温かいです……」
フェンが、マントを羽織って、くるりと回る。
白いマントが、彼女の狼の尻尾をふわりと隠し、まるで雪の精霊のようだ。
……うん、似合う。
「よし、装備も整った。次は宿だ。……今日は、贅沢するぞ」
「はいっ!」
◇ ◇ ◇
その夜。
俺たちは、この街で一番の高級宿「黄金の獅子亭」の、スイートルームにいた。
一泊、金貨十枚。
かつての俺なら、一生かかっても泊まれなかった場所だ。
テーブルの上には、山盛りの料理。
厚切りのドラゴンテールのステーキ、新鮮な野菜のサラダ、冷えた果実水、そして焼きたてのパン。
ダンジョンで泥水を啜っていたのが嘘のような、極上の食事だ。
「んっ……おいひぃ……!」
フェンが、リスのように頬を膨らませて、ステーキを頬張っている。
その目じりには、うっすらと涙が浮かんでいた。
「……エディさん、こんなに美味しいお肉、初めて食べました……」
「食え食え。金なら腐るほどある。……俺たちの『勝利』の祝いだ」
俺も、グラスを傾けた。
美味い。
だが、この美味さは、ただの料理の味じゃない。
「ざまぁみろ」という、最高のスパイスが効いているからだ。
(今頃、レオンたちはどうしてるかな……)
俺は、窓の外、夜の街を見下ろしながら、かつての「仲間」たちに思いを馳せた。
……いや、想像するだけで、飯が美味くなるな。
◇ ◇ ◇
一方その頃。
アルトリアの街の片隅にある、中級冒険者向けの酒場「銀のジョッキ」。
そこには、どんよりとした空気を纏った、三人の男女がいた。
勇者パーティー「光の剣」。
勇者レオン、魔術師リリア、魔術師ガイル。
かつて飛ぶ鳥を落とす勢いだった彼らのテーブルには、安酒と、手つかずの料理が並んでいた。
「……クソッ! なんでだ! なんでドロップしねえんだよ!」
勇者レオンが、バン! とテーブルを叩いた。
周囲の客がビクリとするが、レオンは構わず怒鳴り散らす。
「今日のクエストも赤字だぞ! ポーション代だけでいくらかかったと思ってる! おいガイル! お前の魔法の燃費が悪すぎるからだぞ!」
「なっ……俺のせいにするなよ! お前が罠にかかりまくるから、回復魔法と援護魔法で魔力が尽きたんだろ! そもそも、今まで罠なんて、全部『あいつ』が解除してたじゃねえか!」
「……うるさいわね。頭に響くわ」
魔術師リリアが、気だるげにワインを煽る。
「ポーションがないなら、買えばいいじゃない。ギルドに請求すれば……」
「そのギルドからの報酬が、減らされてるんだよ!」
レオンが頭を抱える。
そう。
彼らは、まだ気づいていなかった。
彼らの「華々しい戦果」が、すべてエディという「土台」の上にあったことを。
エディが、目立たないように罠を解除し、
エディが、ドロップアイテムを完璧に管理・回収し、
エディが、戦闘中のポーションの配給タイミングまで計算していたことを。
そして何より、エディの【万物拾得】(本人も無自覚だったが)が、周囲の「運」すらも微量に拾い集め、パーティーに還元していたことを。
彼らは、エディを失った瞬間から、ただの「連携の取れていない、浪費家の集団」に成り下がっていたのだ。
「……ちっ。あの『ゴミ拾い』がいなくなってから、ツキが落ちたぜ」
レオンが吐き捨てるように言った。
「どこで野垂れ死んでるか知らねえが……せいぜい、モンスターの餌にでもなって、役に立ってりゃいいんだがな」
その時。
隣のテーブルの冒険者たちの話が、レオンたちの耳に入ってきた。
「……聞いたか? 今日のギルドの騒ぎ」
「ああ! すごかったらしいな! あのジークさんが腰を抜かしたって!」
「なんでも、Bランクダンジョンの主、オークジェネラルを狩った『英雄』が現れたって話だぜ」
「へえ! どこのパーティーだ? 『銀の風』か?」
「いや、それが……聞いたことない名前だったな。確か……男と、獣人のコンビで……」
レオンの眉がピクリと動いた。
(オークジェネラルだと……? 俺たちですら、まだ手を出していないBランクのボスを……?)
嫉妬と、焦りが、レオンの胸に渦巻く。
「……おい、そいつらの名前、なんて言ってた?」
レオンは、我慢できずに隣の席に聞き耳を立てた。
「えっと……確か……『エディ』とかいう……」
「「「は?」」」
レオン、リリア、ガイル。
三人の声が、重なった。
「……おい、今……なんて言った?」
レオンが、椅子を蹴倒して立ち上がる。
隣の冒険者が、ギョッとして振り返る。
「あ? なんだよ勇者様かよ。……だから、『エディ』だよ。元・荷物持ちの……」
「……ありえねえ」
レオンの顔が、赤を通り越して、青白くなっていく。
「あいつは……俺たちが捨てた『ゴミ』だぞ!? Fランクスキルの、無能だぞ!?」
「そ、そうよ! 間違いよ! きっと同名の別人……」
セシリアも、震える声で否定しようとする。
だが、冒険者は不思議そうに首を傾げた。
「いや、本人がいたって言ってたぜ? 『光の剣』を追放されたって……。あと、すごい美人の狼族の姉ちゃんを連れてたって……」
ガタガタガタッ!
ガイルの手が震え、グラスが倒れた。
「……嘘だ……」
レオンが、うわ言のように呟く。
「あいつが……オークジェネラルを……? 俺たちよりも……先に……?」
認められない。
認めてはいけない。
そんなことが真実なら、自分たちは、「ダイヤの原石」をドブに捨てた、世界一の大馬鹿者ということになってしまう。
「……確かめるぞ」
レオンの目に、どす黒い光が宿った。
「明日、そいつを探し出す。……もし本当にエディなら……」
(俺たちのために稼いだ成果(アイテム)を、すべて吐き出させてやる)
勇者とは名ばかりの、強欲な思考。
だが、彼らはまだ知らない。
その「エディ」が、もはや彼らの知る「従順なゴミ」ではないことを。
触れれば斬れる、研ぎ澄まされた「刃」になっていることを。
◇ ◇ ◇
翌朝。
「黄金の獅子亭」の柔らかなベッドで目覚めた俺は、窓から差し込む朝日を浴びて、大きく伸びをした。
体の痛みは、もうほとんどない。
昨日の豪華な食事と、フカフカのベッド、そして何より「ストレスからの解放」が、最高の回復薬になったようだ。
「んぅ……エディさん……おはようございます……」
隣のベッド(もちろん別々だぞ!)から、フェンが眠気眼で起き上がってくる。
乱れた銀髪と、パジャマ姿の無防備な姿に、俺は一瞬ドキッとしたが、すぐに頭を振って邪念を払った。
……朝から刺激が強すぎる。
「おはよう、フェン。気分はどうだ?」
「はい! 最高です! ……なんだか、夢みたいです。こんな綺麗な部屋で、目が覚めるなんて……」
「夢じゃねえよ。これが、今の俺たちの『日常』だ」
俺たちは、新しい装備に身を包んだ。
俺は、幻獣革の軽鎧と、腰にはオリハルコンの短剣。
フェンは、修復されたタワーシールドを背負い、白銀のマントを羽織る。
鏡に映った二人は、どこからどう見ても、手練れのBランク冒険者コンビだ。
「よし、行くか。今日は、新しいクエストを受けて、実戦で装備の慣らし運転だ」
「はい! わたくし、もう誰にも負ける気がしません!」
俺たちは、自信に満ちた足取りで、宿を出た。
目指すは、再びギルド。
だが、その道中で。
運命の……いや、必然の「再会」が、待ち受けていた。
大通りの真ん中。
向こうから歩いてくる、見覚えのある……いや、見飽きた、三つの人影。
煌びやかな鎧を着込み、しかしどこか焦燥感を漂わせた、勇者パーティー「光の剣」。
レオンと俺の目が、バチッ、と合った。
「……ッ!!」
レオンが、目を見開き、足を止める。
俺も、足を止めた。
隣のフェンが、警戒して盾を構えようとするのを、俺は手で制した。
「……よう」
俺は、ニィ、と口の端を吊り上げて、挨拶した。
最高に、人を食ったような笑顔で。
「元気そうで何よりだ、勇者サマ。……随分と、顔色が悪いみたいだが?」
レオンの顔が、怒りで真っ赤に染まっていく。
さあ、始めようか。
本当の「ざまぁ」は、ここからだ。
105
あなたにおすすめの小説
転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜
ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。
アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった
騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。
今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。
しかし、この賭けは罠であった。
アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。
賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。
アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。
小説家になろうにも投稿しています。
なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる