11 / 22
2.登校初日
11.動画鑑賞②
しおりを挟む
リンク先の動画は公式のものの様で、各試合ごとにチャプターが付いていたので、3試合目までスキップさせる。
-------
「さぁさぁ、盛り上がって来ました第7回・全国高校生ブレバトグランプリ決勝戦!
東東京代表のクラーク電子工業高等学校と、京都府代表の祇園女子高等学校の戦い、ここまでまさかまさかの祇園女子の2連勝。そこまで実力が離れているわけではないが、流れは圧倒的に祇園女子。次の個人第一試合で優勝を決めてしまうのか⁉︎」
「しかし、連敗となりましたがクラーク電子は個人戦は強いですからね。
エース対決となる3戦目・個人第一試合で祇園女子は優勝を決めたいところですね」
「そうですね!
祇園女子のエースは『雷帝』の異名をも持つ未だ公式戦無敗の女王『SaeKa』です。
私も何度か実況をさせて頂きましたが、まさに鬼神の如き強さ、負ける姿を想像できません。
対するクラーク電子、こちらは『鳳凰の騎士』の異名を持つチームキャプテンでありエースの『ディーン』。
去年こそSaeKaとの公式対戦はありませんでしたが、こちらも圧倒的な強さを誇るクラーク電子の支柱とも言える存在。
ここで雷帝を討ち流れをクラーク電子に引き寄せることができるか!?」
実況の声が響くと会場のボルテージは一気に上がる。
「さぁ、両選手がバトルフィールドに転送されます」
すると画面に2人のアバターが投影される。
一人は真紅な西洋鎧に身を包んだ騎士だ。刺突に特化した槍と、身体の上半身が隠れるほどの大型盾を装備しており、堅牢なイメージのアバターである。
縦のスリットが複数入ったフルフェイスの兜を装備しているため、その表情は窺い知れない。
そしてもう一人は、上は白に下は紺の袴姿。胴と肩に武者鎧を装備し、腰には鞘に収まった日本刀を佩いた女侍のアバターであった。
鉢金を額に光らせ、絹の様な黒髪を朱色の和縄でポニーテールに纏めた美しい少女が真っ直ぐに相手を睨みつけている。
この人、強い……
画面越しだが、一目でこの女侍の強さを感じ取れた。
師匠にも似た、ただ立っているだけで周囲の空気が浄化される様な、静謐たる強者独特のオーラを纏っていた。
「さぁ、フィールド選択は……」
実況がそう言うと、景色が切り替わった。
ゴツゴツとした岩の転がる岩石砂漠。
「おっと、これは『荒野2』のフィールドだ。
これならば二人とも属性を存分に発揮して戦えるぞ。
さぁ、間もなく試合開始だ」
実況が盛り上げる。
「SaeKa。貴女の無敗記録もここで終わりだ!」
赤い騎士が真っ直ぐ槍を前に突き出す様に構える。
対する女侍は腰を落として「キン」と鞘から鍔を数センチほど押し上げる。
Ready!
3…2…1…
Fight!!
バトルが開始される。
まず最初に動いたのは赤騎士。
開始と同時に槍が炎を纏う。
そして、その槍を3度振るうと炎を纏った緋色の衝撃波が3つ女侍を襲う。
「これはオート発動を設定していたであろうスキル【属性纏衣】と、斬撃を飛ばすスキルである【斬波衝】の混成技!」
すかさず解説の言葉が飛ぶ。
女侍は居合の構えのまま動かない。このまま斬撃が当たるのかと思われた瞬間
パリッ……
小さなスパークを残して女侍が消える。
(早い)
カメラは動きを捉えきれておらず、女侍の姿はフレームアウトしてしまった。
パリッ
再度スパークが走る。
それに合わせてカメラがそちらに向く。
(カメラ、遅い。もう侍は騎士の懐に入ってる)
ギギギィィン!!!
閃光とともに金属音が響く。
間一髪、騎士が盾で斬撃を防いだのだ。
「ぬおおっ!」
次いで騎士が盾を前に出し、相手の視覚を遮り、そこに生じた死角から上段蹴りを放つ。
女侍は腕に装備した鉄甲にて防御するがその勢いに弾き飛ばされた。
二人の間に距離が出来、再度二人が睨み合う。
「電光石火。まさに一瞬の攻防っ!
目で追うことができない程の高速な攻防があった模様。体力ゲージ的にSaeKaのゲージが減っているのでディーンの一撃が入ったということでしょうか?」
「いや、まだ『First Attack』の判定が出ていないので、削りダメージのみですね。未だクリーンヒットは出ていません」
実況と解説が言葉を交わしているうちに、戦況も動く。
「一気に決めさせてもらうぞ!
スキル【属性纏衣】、全身展開!!」
槍のみ纏っていた炎が全身に広がり、騎士の全身が紅蓮に染まる。更に纏った炎が背中から翼の様に展開される。
これはスキル【属性纏衣】のもう一つの使い方。全身に属性を纏わし付属効果を全身として効果を底上げする代わりに、徐々に体力が減少する、いわゆる『奥の手発動』だ。
「うおおおおおおおおお!!!」
地面を蹴ると炎と共に地面が爆発する。
さらに纏った炎を後方に吹き出して、まるで地面を滑るかのように加速する。
使用したスキルである【推進炎加速】が画面に表示さた。
女侍は迎え撃つ為、刀を納刀し居合の構えを取る。
が――
「喰らえ! 攻防一体の我が奥義『赫塊轟突撃』!!」
赤い騎士は盾を構えたまま、炎を纏った弾丸となって突撃する。全てのスキルを俊敏に乗せてでのシールドバッシュだ!
これにはカウンターの居合抜きを狙っていた女侍も目を見開き対応を変える。このままカウンターを仕掛けても、刀は盾に阻まれ、逆にとてつもない質量の逆カウンター攻撃を喰らうこととなるのだ。
「スキル発動【俊敏強化】!!」
女侍は切り札であるスキルスロット2つを使用すする『一部ステータスの制限解除』を行うスキルにて回避に切り替える。
パリリッ!!
間一髪、スパークを残して回避に成功する。
「ちぃっ! まだだ!!」
赤騎士は攻撃が回避されたと見るや、体を大きく回転させる。
すると推進力として使用していた炎の噴射が、まるてスプリンクラーの様に全方向に撒き散らされ、さらに突進方向と逆方向で回転を止めることにより炎を逆噴射として利用して自らの動きを止めた。
「ぐあっ!」
必死に回避してた女侍はその炎の波に飲まれダメージを受ける。
「おおっと、ここでシールドバッシュからの全方位火炎放射のコンボが炸裂。
この試合はじまって58秒で遂にFirst Attack判定。
SaeKaの体力が一気に7割にまで減少!」
「これは痛いですね。しかも、ディーンは追加で攻撃を仕掛けるみたいです」
解説が言うように、赤騎士は槍を構えて追撃を行う。
「SaeKa! お前の無敗記録はここで終わりだ! 必殺『鳳凰突嘴乱舞』!!」
炎の翼を広げ、更に炎の推進力を得て突撃して槍の刺突乱撃を放つ。
赤騎士の最大の攻撃技だろう。
火炎放射を食らって怯んでいる相手ならば、なす術なくやられてしまうだろう。
普通ならば――
だが
『勝利を確信し、最大の攻撃を放つ時が一番の隙が生まれる時だ』
なぜだか師匠の言葉が思い出された。
防戦一方だった女侍がこれを狙っていたかの様にも思う。
意識が集中し引き伸ばされた時間の中で、私は女侍が笑ったように思えた。
「盾を下ろすこの瞬間を待ってました。
私の最大の攻撃もお見せしましょう。
紫電一刀流・奥義『嵐雷暴風刃』!!!」
雷を宿した神速の刀が閃光となって走る。
それはまさに炎を纏った不死鳥が、轟音鳴り響く乱雲に飛び込むような光景だった。
全てを焼き尽くす業火と、全てを切り刻む雷光が交差する。そして、互いに背を向けた格好、武器を振り抜いた状態で静止する。
先に動いたのは女侍。
ゆっくりと抜き身の刃を鞘に戻す。
……キン!
「がはっ……!!」
女侍の鍔鳴りの音と共に、赤騎士の鎧の継ぎ目という継ぎ目に当たり判定のエフェクトが表示され、体力ゲージが一気に無くなっていく。
「な、な、な、なんといい結末ぅ!!
カウンター一閃、SaeKaカウンターにて一気に体力を持っていったぁーーー」
実況の声に歓声が湧く。
「いや、まだディーンに僅かながら体力が残っています」
解説の言葉通り、残り数ドットだが騎士に体力が残っていた。
「まだだ、まだ――」
ドシュッ!!
その騎士の顔に刀が突き刺さり、体力ゲージが0となる。
兜の覗き穴の間を縫った見事な一撃。
女侍には使用したスキルである【電磁加速投擲】の文字が踊っていた。
完全決着。
画面にWinnerの文字が踊る。
女侍は人差し指を天に掲げて、勝利のポーズを決めると、大歓声が巻き起こった。
「決まったぁぁぁっ!!!
第7回・全国高校生ブレバトグランプリ優勝は京都府代表、祇園女子高等学校!!!」
------
私は「凄い戦いだった……」と感嘆の声を漏らし、動画再生を止める。
高校生の頂点対決。
私の知っているブレバトとは全然違った。
炎と雷などの美麗なエフェクト。
ぶつかり合う武器と武器。
スキルという名の必殺技が飛び交う戦闘。
私が知っているのは、泥臭くと拳と拳で戦うゲームであった。
「師匠に認められて強くなったつもりでいたけど、なんか自信無くなってきたな……」
視界を擬似モニターに切り替え、ブレバトのアイコンを突く様にクリックする。
設定(ギャラリーモード)で自分のアバターを表示する。
私の姿を元に作ったアバターだけど、キリリと凛々しい表情のアバターだ。
「貴女は本当に強いの、かな?」
つんつんと指で突いてみると、アバターは一度正拳突きをして「押忍」と腰に拳を持っていき真っ直ぐ此方に視線を向けた。
アバターは私と違って、自信に満ち溢れている様に思えた。
「そうだよね。貴女の作り主の私が信じてあげなくちゃね」
そう独り言ちると、スキルを表示して、一覧から【超過駆動】を選択して登録する。
スキルスロットが3つ埋まるが、このスキル発動中は師匠に教えてもらった技が使えるのだ。
『どんな困難があろうと強くあれ。俺の最高の弟子「Snow」』
師匠の言葉を思い出す。
「はい。私、強くなります」
私のその言葉は力強く発せられ、部屋の天井に消えていった。
-------
「さぁさぁ、盛り上がって来ました第7回・全国高校生ブレバトグランプリ決勝戦!
東東京代表のクラーク電子工業高等学校と、京都府代表の祇園女子高等学校の戦い、ここまでまさかまさかの祇園女子の2連勝。そこまで実力が離れているわけではないが、流れは圧倒的に祇園女子。次の個人第一試合で優勝を決めてしまうのか⁉︎」
「しかし、連敗となりましたがクラーク電子は個人戦は強いですからね。
エース対決となる3戦目・個人第一試合で祇園女子は優勝を決めたいところですね」
「そうですね!
祇園女子のエースは『雷帝』の異名をも持つ未だ公式戦無敗の女王『SaeKa』です。
私も何度か実況をさせて頂きましたが、まさに鬼神の如き強さ、負ける姿を想像できません。
対するクラーク電子、こちらは『鳳凰の騎士』の異名を持つチームキャプテンでありエースの『ディーン』。
去年こそSaeKaとの公式対戦はありませんでしたが、こちらも圧倒的な強さを誇るクラーク電子の支柱とも言える存在。
ここで雷帝を討ち流れをクラーク電子に引き寄せることができるか!?」
実況の声が響くと会場のボルテージは一気に上がる。
「さぁ、両選手がバトルフィールドに転送されます」
すると画面に2人のアバターが投影される。
一人は真紅な西洋鎧に身を包んだ騎士だ。刺突に特化した槍と、身体の上半身が隠れるほどの大型盾を装備しており、堅牢なイメージのアバターである。
縦のスリットが複数入ったフルフェイスの兜を装備しているため、その表情は窺い知れない。
そしてもう一人は、上は白に下は紺の袴姿。胴と肩に武者鎧を装備し、腰には鞘に収まった日本刀を佩いた女侍のアバターであった。
鉢金を額に光らせ、絹の様な黒髪を朱色の和縄でポニーテールに纏めた美しい少女が真っ直ぐに相手を睨みつけている。
この人、強い……
画面越しだが、一目でこの女侍の強さを感じ取れた。
師匠にも似た、ただ立っているだけで周囲の空気が浄化される様な、静謐たる強者独特のオーラを纏っていた。
「さぁ、フィールド選択は……」
実況がそう言うと、景色が切り替わった。
ゴツゴツとした岩の転がる岩石砂漠。
「おっと、これは『荒野2』のフィールドだ。
これならば二人とも属性を存分に発揮して戦えるぞ。
さぁ、間もなく試合開始だ」
実況が盛り上げる。
「SaeKa。貴女の無敗記録もここで終わりだ!」
赤い騎士が真っ直ぐ槍を前に突き出す様に構える。
対する女侍は腰を落として「キン」と鞘から鍔を数センチほど押し上げる。
Ready!
3…2…1…
Fight!!
バトルが開始される。
まず最初に動いたのは赤騎士。
開始と同時に槍が炎を纏う。
そして、その槍を3度振るうと炎を纏った緋色の衝撃波が3つ女侍を襲う。
「これはオート発動を設定していたであろうスキル【属性纏衣】と、斬撃を飛ばすスキルである【斬波衝】の混成技!」
すかさず解説の言葉が飛ぶ。
女侍は居合の構えのまま動かない。このまま斬撃が当たるのかと思われた瞬間
パリッ……
小さなスパークを残して女侍が消える。
(早い)
カメラは動きを捉えきれておらず、女侍の姿はフレームアウトしてしまった。
パリッ
再度スパークが走る。
それに合わせてカメラがそちらに向く。
(カメラ、遅い。もう侍は騎士の懐に入ってる)
ギギギィィン!!!
閃光とともに金属音が響く。
間一髪、騎士が盾で斬撃を防いだのだ。
「ぬおおっ!」
次いで騎士が盾を前に出し、相手の視覚を遮り、そこに生じた死角から上段蹴りを放つ。
女侍は腕に装備した鉄甲にて防御するがその勢いに弾き飛ばされた。
二人の間に距離が出来、再度二人が睨み合う。
「電光石火。まさに一瞬の攻防っ!
目で追うことができない程の高速な攻防があった模様。体力ゲージ的にSaeKaのゲージが減っているのでディーンの一撃が入ったということでしょうか?」
「いや、まだ『First Attack』の判定が出ていないので、削りダメージのみですね。未だクリーンヒットは出ていません」
実況と解説が言葉を交わしているうちに、戦況も動く。
「一気に決めさせてもらうぞ!
スキル【属性纏衣】、全身展開!!」
槍のみ纏っていた炎が全身に広がり、騎士の全身が紅蓮に染まる。更に纏った炎が背中から翼の様に展開される。
これはスキル【属性纏衣】のもう一つの使い方。全身に属性を纏わし付属効果を全身として効果を底上げする代わりに、徐々に体力が減少する、いわゆる『奥の手発動』だ。
「うおおおおおおおおお!!!」
地面を蹴ると炎と共に地面が爆発する。
さらに纏った炎を後方に吹き出して、まるで地面を滑るかのように加速する。
使用したスキルである【推進炎加速】が画面に表示さた。
女侍は迎え撃つ為、刀を納刀し居合の構えを取る。
が――
「喰らえ! 攻防一体の我が奥義『赫塊轟突撃』!!」
赤い騎士は盾を構えたまま、炎を纏った弾丸となって突撃する。全てのスキルを俊敏に乗せてでのシールドバッシュだ!
これにはカウンターの居合抜きを狙っていた女侍も目を見開き対応を変える。このままカウンターを仕掛けても、刀は盾に阻まれ、逆にとてつもない質量の逆カウンター攻撃を喰らうこととなるのだ。
「スキル発動【俊敏強化】!!」
女侍は切り札であるスキルスロット2つを使用すする『一部ステータスの制限解除』を行うスキルにて回避に切り替える。
パリリッ!!
間一髪、スパークを残して回避に成功する。
「ちぃっ! まだだ!!」
赤騎士は攻撃が回避されたと見るや、体を大きく回転させる。
すると推進力として使用していた炎の噴射が、まるてスプリンクラーの様に全方向に撒き散らされ、さらに突進方向と逆方向で回転を止めることにより炎を逆噴射として利用して自らの動きを止めた。
「ぐあっ!」
必死に回避してた女侍はその炎の波に飲まれダメージを受ける。
「おおっと、ここでシールドバッシュからの全方位火炎放射のコンボが炸裂。
この試合はじまって58秒で遂にFirst Attack判定。
SaeKaの体力が一気に7割にまで減少!」
「これは痛いですね。しかも、ディーンは追加で攻撃を仕掛けるみたいです」
解説が言うように、赤騎士は槍を構えて追撃を行う。
「SaeKa! お前の無敗記録はここで終わりだ! 必殺『鳳凰突嘴乱舞』!!」
炎の翼を広げ、更に炎の推進力を得て突撃して槍の刺突乱撃を放つ。
赤騎士の最大の攻撃技だろう。
火炎放射を食らって怯んでいる相手ならば、なす術なくやられてしまうだろう。
普通ならば――
だが
『勝利を確信し、最大の攻撃を放つ時が一番の隙が生まれる時だ』
なぜだか師匠の言葉が思い出された。
防戦一方だった女侍がこれを狙っていたかの様にも思う。
意識が集中し引き伸ばされた時間の中で、私は女侍が笑ったように思えた。
「盾を下ろすこの瞬間を待ってました。
私の最大の攻撃もお見せしましょう。
紫電一刀流・奥義『嵐雷暴風刃』!!!」
雷を宿した神速の刀が閃光となって走る。
それはまさに炎を纏った不死鳥が、轟音鳴り響く乱雲に飛び込むような光景だった。
全てを焼き尽くす業火と、全てを切り刻む雷光が交差する。そして、互いに背を向けた格好、武器を振り抜いた状態で静止する。
先に動いたのは女侍。
ゆっくりと抜き身の刃を鞘に戻す。
……キン!
「がはっ……!!」
女侍の鍔鳴りの音と共に、赤騎士の鎧の継ぎ目という継ぎ目に当たり判定のエフェクトが表示され、体力ゲージが一気に無くなっていく。
「な、な、な、なんといい結末ぅ!!
カウンター一閃、SaeKaカウンターにて一気に体力を持っていったぁーーー」
実況の声に歓声が湧く。
「いや、まだディーンに僅かながら体力が残っています」
解説の言葉通り、残り数ドットだが騎士に体力が残っていた。
「まだだ、まだ――」
ドシュッ!!
その騎士の顔に刀が突き刺さり、体力ゲージが0となる。
兜の覗き穴の間を縫った見事な一撃。
女侍には使用したスキルである【電磁加速投擲】の文字が踊っていた。
完全決着。
画面にWinnerの文字が踊る。
女侍は人差し指を天に掲げて、勝利のポーズを決めると、大歓声が巻き起こった。
「決まったぁぁぁっ!!!
第7回・全国高校生ブレバトグランプリ優勝は京都府代表、祇園女子高等学校!!!」
------
私は「凄い戦いだった……」と感嘆の声を漏らし、動画再生を止める。
高校生の頂点対決。
私の知っているブレバトとは全然違った。
炎と雷などの美麗なエフェクト。
ぶつかり合う武器と武器。
スキルという名の必殺技が飛び交う戦闘。
私が知っているのは、泥臭くと拳と拳で戦うゲームであった。
「師匠に認められて強くなったつもりでいたけど、なんか自信無くなってきたな……」
視界を擬似モニターに切り替え、ブレバトのアイコンを突く様にクリックする。
設定(ギャラリーモード)で自分のアバターを表示する。
私の姿を元に作ったアバターだけど、キリリと凛々しい表情のアバターだ。
「貴女は本当に強いの、かな?」
つんつんと指で突いてみると、アバターは一度正拳突きをして「押忍」と腰に拳を持っていき真っ直ぐ此方に視線を向けた。
アバターは私と違って、自信に満ち溢れている様に思えた。
「そうだよね。貴女の作り主の私が信じてあげなくちゃね」
そう独り言ちると、スキルを表示して、一覧から【超過駆動】を選択して登録する。
スキルスロットが3つ埋まるが、このスキル発動中は師匠に教えてもらった技が使えるのだ。
『どんな困難があろうと強くあれ。俺の最高の弟子「Snow」』
師匠の言葉を思い出す。
「はい。私、強くなります」
私のその言葉は力強く発せられ、部屋の天井に消えていった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる