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第二の人生
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数秒か、数分か・・・・・・
時間が経過した後、目を開けることができた。
だがそこは前に暮らしていた会社や自宅のような場所でも、先程いた真っ白な何もない空間とは全く違う。
初めに目に映り込んできたのは天井から吊り下がっている高級そうなシャンデリア。
「お目覚めになられましたか」
横から女性の声が聞こえた。
顔を覗かせたのは20代後半ぐらいのメイドの格好をした女性だった。
一瞬コスプレをしているのかと思ったが、その女性は当たり前のように着ていた。
ここはどこか聞こうとすると・・・
「あぅ、あっだぁ(ここはどこですか)」
なんだこれは・・・・・・。
まともに喋ることができない。
それによくみれば手も小さいし、体を動かすこともできない。
まさか19だった俺が赤ん坊になってしまったというのか・・・・・・!
混乱していることをよそにさらに数人入ってくる。
最初にいた女性に抱き上げられ、入り口の方を向く。
女性に抱き上げられる屈辱が俺を襲う。
周りのメイド服を着た人たちの中に、一人だけ違う服を着ている人がいる。
まさに昔見たアニメで貴族が着ていた服とまでは言えないが、立派な装飾とデザインがそう思わせているような・・・・・・。
その女性は俺の方に走ってきたかと思うと抱き寄せてきた。
「キャーーっ、可愛すぎる!」
細い腕だが、女性とは思えないすごい力で抱きしめてくる。
「ロシステラ様、ヘイト様が危険な状態です」
今まさにこの女性の胸で窒息するところだった。
「だって私の息子が可愛すぎるんだもん」
「それはわかりますが・・・・・・」
ここで初めて自分の名前がヘイトだと思う。
それに先程から目の前に変な物が映り込んでいる。
そこには名前やレベル、HPなどゲームで見たことあるような文字が書かれていた。
最後に女神様が言ってたやつか?
「あぇーあぅ(ステータス)」
俺の正面にも同じものが現れた。
書かれていたのは・・・・・
ヘイト=ヴルガベット(男)
Lv 1 魔族
HP 640/640
MP 1050/1050
称号 転生者、次期魔王
簡単に言うとこんな感じだが・・・・・・
何か一つおかしなことが書かれているような気がする。
魔族って人間じゃないのか?
それに次期魔王ってまさかの悪役かよ。
「ロシステラ様、朝食の準備ができましたので、ヘイト様と共にいらしてください」
「分かったわ、行きましょうヘイト」
俺を抱き上げている人のステータスを見た。
ロシステラ=ヴルガベット(女)
Lv 670 エルフ族
HP 3870/3870
MP 8720/8720
称号 魔王の妃、ヘイトの母
この人が俺の母親か・・・・・・。
母親なのに俺と種族が違う。
エルフだからか、耳が尖っている。
色白の肌に白銀の長いストレートの髪。
エメラルドのような色の目をしている。
そしておそらく父が魔王・・・・・・だから次期魔王か。
1分ほど歩いて大きな黒色のドアの前で立ち止まった。
そのドアを開けて進んでいく。
部屋と呼んでいいのかというくらい広く、大きな部屋だ。
ここにも大きなシャンデリアがあり、俺の場違い感がとてつもなくある。
中心にある大きなテーブルには先客が一人。
ステータスには
ビスタル=ヴルガベット(男)
Lv 892 魔族
HP 18700/18700
MP 24000/24000
称号 魔王
やはり父親だ。
やや長めの黒髪に吊り目がちな黒色の目。
それと耳の上にある立派なツノ。
母親ほどではないが少し耳が尖っている。
魔王って感じがする。
「見てビスタル、私たちの子どもよ」
「小さいな」
「もちろんよ。でもそこが可愛いでしょ」
「"可愛い"ではなく"カッコいい"出ないとダメだ。お前にはいずれ俺の後を継いでもらうからな」
そうだった・・・・・・今すぐ魔王なんて放棄して普通の人間になりたい。
「鑑定士には見せたのか?」
「ええ、0歳とは思えないほど能力値が高かったわ」
そうなのか。
これはもしかすると、魔王といえど楽に暮らせるのではないか。
「きっとヘイトはあなたより強くなるわ」
「もちろんだ。この俺の息子なんだからな」
「私の息子でもあるのよ」
そんなやりとりをしながら食事をする。
俺はまだミルクなんだが・・・・・・。
こんな賑やかな食事は久しぶりだ。
入社して2年、新入社員にもかかわらず徹夜の日々。
まともに食事を取ったことなんてあまり無かった。
有名な偏差値の高い大学を卒業したのに毎日雑用を押し付けられた。
その結果が死だ。
だからこんな家族での食事は嬉しいものだなぁ。
あまりのことに涙が零れる。
「どうしたのヘイト?」
赤ちゃん言葉では話せないのでただ泣くだけだ。
数分もすれば落ち着いてくる。
そしてこの身体のせいか、泣いたことで疲れてそのまま眠ってしまった。
時間が経過した後、目を開けることができた。
だがそこは前に暮らしていた会社や自宅のような場所でも、先程いた真っ白な何もない空間とは全く違う。
初めに目に映り込んできたのは天井から吊り下がっている高級そうなシャンデリア。
「お目覚めになられましたか」
横から女性の声が聞こえた。
顔を覗かせたのは20代後半ぐらいのメイドの格好をした女性だった。
一瞬コスプレをしているのかと思ったが、その女性は当たり前のように着ていた。
ここはどこか聞こうとすると・・・
「あぅ、あっだぁ(ここはどこですか)」
なんだこれは・・・・・・。
まともに喋ることができない。
それによくみれば手も小さいし、体を動かすこともできない。
まさか19だった俺が赤ん坊になってしまったというのか・・・・・・!
混乱していることをよそにさらに数人入ってくる。
最初にいた女性に抱き上げられ、入り口の方を向く。
女性に抱き上げられる屈辱が俺を襲う。
周りのメイド服を着た人たちの中に、一人だけ違う服を着ている人がいる。
まさに昔見たアニメで貴族が着ていた服とまでは言えないが、立派な装飾とデザインがそう思わせているような・・・・・・。
その女性は俺の方に走ってきたかと思うと抱き寄せてきた。
「キャーーっ、可愛すぎる!」
細い腕だが、女性とは思えないすごい力で抱きしめてくる。
「ロシステラ様、ヘイト様が危険な状態です」
今まさにこの女性の胸で窒息するところだった。
「だって私の息子が可愛すぎるんだもん」
「それはわかりますが・・・・・・」
ここで初めて自分の名前がヘイトだと思う。
それに先程から目の前に変な物が映り込んでいる。
そこには名前やレベル、HPなどゲームで見たことあるような文字が書かれていた。
最後に女神様が言ってたやつか?
「あぇーあぅ(ステータス)」
俺の正面にも同じものが現れた。
書かれていたのは・・・・・
ヘイト=ヴルガベット(男)
Lv 1 魔族
HP 640/640
MP 1050/1050
称号 転生者、次期魔王
簡単に言うとこんな感じだが・・・・・・
何か一つおかしなことが書かれているような気がする。
魔族って人間じゃないのか?
それに次期魔王ってまさかの悪役かよ。
「ロシステラ様、朝食の準備ができましたので、ヘイト様と共にいらしてください」
「分かったわ、行きましょうヘイト」
俺を抱き上げている人のステータスを見た。
ロシステラ=ヴルガベット(女)
Lv 670 エルフ族
HP 3870/3870
MP 8720/8720
称号 魔王の妃、ヘイトの母
この人が俺の母親か・・・・・・。
母親なのに俺と種族が違う。
エルフだからか、耳が尖っている。
色白の肌に白銀の長いストレートの髪。
エメラルドのような色の目をしている。
そしておそらく父が魔王・・・・・・だから次期魔王か。
1分ほど歩いて大きな黒色のドアの前で立ち止まった。
そのドアを開けて進んでいく。
部屋と呼んでいいのかというくらい広く、大きな部屋だ。
ここにも大きなシャンデリアがあり、俺の場違い感がとてつもなくある。
中心にある大きなテーブルには先客が一人。
ステータスには
ビスタル=ヴルガベット(男)
Lv 892 魔族
HP 18700/18700
MP 24000/24000
称号 魔王
やはり父親だ。
やや長めの黒髪に吊り目がちな黒色の目。
それと耳の上にある立派なツノ。
母親ほどではないが少し耳が尖っている。
魔王って感じがする。
「見てビスタル、私たちの子どもよ」
「小さいな」
「もちろんよ。でもそこが可愛いでしょ」
「"可愛い"ではなく"カッコいい"出ないとダメだ。お前にはいずれ俺の後を継いでもらうからな」
そうだった・・・・・・今すぐ魔王なんて放棄して普通の人間になりたい。
「鑑定士には見せたのか?」
「ええ、0歳とは思えないほど能力値が高かったわ」
そうなのか。
これはもしかすると、魔王といえど楽に暮らせるのではないか。
「きっとヘイトはあなたより強くなるわ」
「もちろんだ。この俺の息子なんだからな」
「私の息子でもあるのよ」
そんなやりとりをしながら食事をする。
俺はまだミルクなんだが・・・・・・。
こんな賑やかな食事は久しぶりだ。
入社して2年、新入社員にもかかわらず徹夜の日々。
まともに食事を取ったことなんてあまり無かった。
有名な偏差値の高い大学を卒業したのに毎日雑用を押し付けられた。
その結果が死だ。
だからこんな家族での食事は嬉しいものだなぁ。
あまりのことに涙が零れる。
「どうしたのヘイト?」
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