7 / 15
パーティー
しおりを挟む「・・・・・・ん・・・・・・うっ」
ここは・・・・・・
「あっ起きた!」
少しだけ聞き覚えのある声が横から聞こえた。
確か、勇者と一緒にいた中の一人・・・・・・ということは作戦は成功か。
寝心地がいいとは言えないベッドの上にいた。
「ここがどこかわかる?・・・・・・ってわかるわけないか。初めての場所かもしれないし、何より目が見えてないん・・・・・・だよね?」
ああ、そうか。
視界制御のためにつけている布のせいで目が見えないと思っているのか。
実際には目は見えるし、布をしていても魔法道具だから見ることができる。
でもそのことは秘密にしておこう・・・・・・。
「いや、大丈夫です。気配察知は得意なので」
「どうして倒れていたのか聞いてもいい?」
「はい」
俺は偽りの設定を話した。
話終わった後、どうして俺がここにいるのか教えてくれた。
魔物の討伐依頼を受け、達成し森から帰る途中に道に傷だらけで倒れている俺を見つけて今宿泊しているこの宿まで運んだ。
そして手当てまでしてもらった・・・・・・ということだった。
大体の話が終われば、勇者である人物が他の仲間とともに戻ってきた。
「テレスタ、様子はどうだ?」
「おかえり、リアト。目を覚ましたよ」
「そうか」
テレスタと呼ばれた女性は勇者、リアトに俺と話していたこれまでの事情を話している。
「助けてくれたこと感謝する。これを礼としてもらって欲しい」
日本円で換算して10万円くらいの量の貨幣を相手の目の前に差し出す。
「礼なんていらないさ。困っていたら助けるのが当たり前だ」
「今そのお金どこから出したの?」
横で驚いたような声を出すもう一人の女性。
さらにお金を出して見せる。
「収納魔法が使えるんだ」
「すごいなーっ、仲間になってよ。そしたら重い荷物なんて運ばなくてすむよ」
「そうだなぁ、俺も賛成だが彼はどうだろうか」
願ったり叶ったりだな。
「いいんですか?」
「ああ」
「ありがとうございます」
とりあえずは順調に進んでいるが、うまく行きすぎている気がする。
それともこのパーティーはあまり考えず行動しているのか・・・・・・。
「それじゃあ自己紹介でもしようか。俺はリアト19歳。勇者になったからには魔王を絶対に倒して見せる」
リアトは藍色の髪に黄金に輝く目。
背中には父に傷を負わせたであろう、勇者しか使うことのできない大剣を身につけている。
「私はテレスタ。同じく19歳、よろしく」
テレスタは濃い緑色の目に白髪のポニーテール。
背中にはかっこよさげな槍を身につけている。
「俺はトリスト20歳。ここにいるオルガの兄だ。よろしく」
トリスとは茶色の髪に青色の目。
盾と片手剣を持っている。
それにトリストは1番歳上でしっかりしているためか、俺に疑うような目をずっと向けている。
まともなのか、それともこの中だからこそそうしなければならないのかはわからない。
まぁ要注意だな。
「私はオルガ、18歳です。よろしくお願いします」
オルガは茶色の髪に紫色の目。
弓と背中に矢を身につけている。
「俺はヘイト18歳。よろしくお願いします」
「よろしく。でも当分はヘイトは留守番だろうか」
「その傷では一緒にはまだ行けないよね」
この怪我なら全然大丈夫なくらいだな。
「それなら大丈夫です。回復」
全身にあった傷が一瞬で癒えていく。
丁寧に巻かれてあった包帯をとる。
傷は一つも残っていない。
「あんなに酷かった傷が一瞬で・・・・・・何者なんだ」
「すごいな~」
「これで動けます」
「そうだな。明日次の目的地に移動しようか」
自分で気絶してからあまり時間が経っていなかったみたいで、解散をしたのが夜だった。
何があるかわからないので、一応自分の周りだけ結界を張っておく。
明日はどのようなことが起こるのか・・・・・・楽しみだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる