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BOn voYage
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人(生命)とは、世界である。
人一人が見る世界が「その人だけの感覚」であるとすれば、その人が五感で感じるもの、知識、環境、家族や他人、趣味趣向、その他諸々が一個の世界ということである。
宇宙、銀河、惑星、それ以上の未知も含めてこの世を世界とし、地球という星の世界には国という幾つもの世界がある。
入れ子の世界だ。
蓋を開ければ、私たちは望んで一部の外界に触れることができるが、望まずとも触れてしまうことがある。もちろん気づかずに触れることも。
私たちはそれを毎日、毎月、毎年、毎時間、毎分……それこそ無限の如く繰り返し、生きている。
世界に触れながら、生きているのだ。
時間旅行〈タイムトラベル〉も同じようなものだ。
様々な世界に触れ、数多の世界を行き来する。
「言葉にしてみればそうかもしれないが、実際に体験するのはまた違う」と思うだろうが、本当にそうだろうか?
時間旅行さえも世界の一つだと考えれば、わかるのではないか? 私たちが今まで触れていなかっただけの、ただの一つの未知だと考えれば。
どれだけ時間や回数がかかろうとも、人はいずれ飽いてしまう生き物だ。
その理論で言えば、タイムトラベルもまた同じ。
人が文字を書きだし、それが本になり、それが絵になり、それが動画になったように。
若い者はわからないかもしれないが、大戦後の日本で三大家電が普及した時もそうだった。人々の多くは未知の世界に触れ、その目を輝かせた。こんなことができるのかと。こんなものは見たことがないと。少しすれば、それも当たり前になってしまった。
SNSも同じ。ゲームも同じ。ならばどんなに目新しいものでも同じであろう。
人に必要な機能ではあるが、その機能はいつも良い結果を齎すとは限らない。
忘却という機能だ。苦痛や悲哀を忘れるための機能のはずが、忘れてはならないような……忘れるべきでない喜楽までも薄れさせ灰色にしてしまう。
その新鮮さなどを忘れていくことを、慣れ・順応と言う。大雑把だが、その後が飽きだ。
ここで質問を投げかけるとすれば、こうではないか?
「君は慣れているか? 自分〈そ〉の命〈世界〉に」
自分という生命のシステムには慣れているか。
自分の人生のバターンには順応しているか。
まだ、と言うなら大いに振り回されるといい。それが人生の醍醐味らしいから。
すでに、と言う人は人生で成功し、夢や幸せを掴んでいるか、正反対にどん底に落ちているか、もしくは中途半端な位置で行ったり来たりしているか。
どの人にも言えることは、それらにも飽きは来るということと、必ずしも真理は一つではないということ、そんなことだ。
一つ例を提示しよう。
ここに、一人の男がいる。
彼は今、世界の狭間を泳いでいて、それはもうすぐ終わる。
君たちに考えてほしいのは、彼が、「飽きているか、いないか」、言い換えれば、「楽しんでいるか、いないか」、「新鮮味を感じているか、いないか」、「幸せか、否か」、それを頭の隅にでも置いて考えてほしい。
では、彼が狭間から出る前に、私は消えるとしよう。
人一人が見る世界が「その人だけの感覚」であるとすれば、その人が五感で感じるもの、知識、環境、家族や他人、趣味趣向、その他諸々が一個の世界ということである。
宇宙、銀河、惑星、それ以上の未知も含めてこの世を世界とし、地球という星の世界には国という幾つもの世界がある。
入れ子の世界だ。
蓋を開ければ、私たちは望んで一部の外界に触れることができるが、望まずとも触れてしまうことがある。もちろん気づかずに触れることも。
私たちはそれを毎日、毎月、毎年、毎時間、毎分……それこそ無限の如く繰り返し、生きている。
世界に触れながら、生きているのだ。
時間旅行〈タイムトラベル〉も同じようなものだ。
様々な世界に触れ、数多の世界を行き来する。
「言葉にしてみればそうかもしれないが、実際に体験するのはまた違う」と思うだろうが、本当にそうだろうか?
時間旅行さえも世界の一つだと考えれば、わかるのではないか? 私たちが今まで触れていなかっただけの、ただの一つの未知だと考えれば。
どれだけ時間や回数がかかろうとも、人はいずれ飽いてしまう生き物だ。
その理論で言えば、タイムトラベルもまた同じ。
人が文字を書きだし、それが本になり、それが絵になり、それが動画になったように。
若い者はわからないかもしれないが、大戦後の日本で三大家電が普及した時もそうだった。人々の多くは未知の世界に触れ、その目を輝かせた。こんなことができるのかと。こんなものは見たことがないと。少しすれば、それも当たり前になってしまった。
SNSも同じ。ゲームも同じ。ならばどんなに目新しいものでも同じであろう。
人に必要な機能ではあるが、その機能はいつも良い結果を齎すとは限らない。
忘却という機能だ。苦痛や悲哀を忘れるための機能のはずが、忘れてはならないような……忘れるべきでない喜楽までも薄れさせ灰色にしてしまう。
その新鮮さなどを忘れていくことを、慣れ・順応と言う。大雑把だが、その後が飽きだ。
ここで質問を投げかけるとすれば、こうではないか?
「君は慣れているか? 自分〈そ〉の命〈世界〉に」
自分という生命のシステムには慣れているか。
自分の人生のバターンには順応しているか。
まだ、と言うなら大いに振り回されるといい。それが人生の醍醐味らしいから。
すでに、と言う人は人生で成功し、夢や幸せを掴んでいるか、正反対にどん底に落ちているか、もしくは中途半端な位置で行ったり来たりしているか。
どの人にも言えることは、それらにも飽きは来るということと、必ずしも真理は一つではないということ、そんなことだ。
一つ例を提示しよう。
ここに、一人の男がいる。
彼は今、世界の狭間を泳いでいて、それはもうすぐ終わる。
君たちに考えてほしいのは、彼が、「飽きているか、いないか」、言い換えれば、「楽しんでいるか、いないか」、「新鮮味を感じているか、いないか」、「幸せか、否か」、それを頭の隅にでも置いて考えてほしい。
では、彼が狭間から出る前に、私は消えるとしよう。
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