神嫁 ～転生？ お断りいたします～

その三

「転生する気になりました？」

「今の会話のどこにそうなる要素が？」

「今転生すればチート能力を差し上げます。お得ですよ」

「深夜番組出れば？」

「テレビに映りません」

「あっそ」

「でも本当に転生してもらわないと困るんです。今年のノルマが……」

「神のイメージが崩れてく」

「ということでお願いします」

「断る」

「ただでさえここ百年の間死者数が少ないんです」

「いいことでしょ」

「百年で何人クビになったことか……」

「夢がない」

「なので……」

「転生はしないってば」

「いえ、結婚してください」

「……は？」

「結婚して日常生活の中で転生したいと思わせます」

「私の考えを無視するな、おい」

「頑張ります」

「なめとんのか」

「私のノルマのためです」

「神も仏もない」

「私、神です」

「夢もみれない」