天真爛漫な転生

佐伯 翠

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幼少期編

8.神に見守られし者

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『…見慣れた天井だ』

3ヶ月間同じベットの上で過ごしていたこともあり、リアンはそう思った。なんかよく寝たなぁと思いながら体の体勢を変えてみると大きな音が聞こえた。

「ガッシャーン」

音の方を見てみると、リリアーヌがカップを落としたようだった。何かあったのかと思い、身構えるとリリアーヌはカップのことなんか目にくれずリアンの元へ駆け寄った。

「リアン様っ大丈夫ですか!どこか痛いところはありませんか!すぐにカローナ様をお呼びいたしますね!」

リリアーヌは風のように部屋から消えていった。

『えっ?なにがあったの』

あとから聞いた話によると、リアンは丸3日眠っていたようだった。あまりにも目を覚まさないため、国中の敏腕な薬師を集めたようだ。全員「ただ、眠っているだけ」という結果を出したが、城中は大騒ぎで大変な心配と迷惑をかけてしまった。
特にリリアーヌは自分が目を離したときに、リアンが眠りにつき、そのまま起きないという状況になったため、強く責任を感じていたようだ。

『神様のところに居すぎたかなぁ、今度は気をつけなきゃ』




リアンの眠り王子騒動(のちに付けられた)後はなにかあってはならないと警備がより頑丈になったようだ。
しかし、どうしても警備が薄くなるときがある。リアンはそれを掻い潜り、目立たないように魔法の練習を行った。

『よし、今なら大丈夫そうだな。えっとぉルーラ様から教えてもらったやり方は、身体の中の魔力を感じてっと、それで身体中に血流みたいに魔力の流れをつくる…』

そうすると、身体中に魔力の流れを感じることができた。

『よしっここでもできたな、それで手に魔力を集めてっとぉ』

リアンはルーラに教えてもらった通りに魔力を集めて唱えた。

「あぁーぅ!(ライト!)」

そうするとリアンの手のひらに収まるぐらいの
光の球が灯った。

『やったぁ、できた!』

すると、廊下から足音が聴こえた。リアンはすぐに魔法を消して、寝たふりをした。

「ガチャ」

ドアを開けたのはリリアーヌだったようだ。

「あれ?なんか魔力が空中に漂っている気がする…ここにいるのはリアン様だけだけど、リアン様が魔法を使えるわけないし、誰か来たのかな?」

リリアーヌは魔力察知に優れているようだった。

『えっ、今ので分かるの?リリは僕の専属メイドだし、いつかばれるかも…しばらくは身体中でスムーズに魔力を動かせるように魔力操作の練習だけにしておこうかな』

リアンはそう思いながら急に来た眠気に逆らえず、また眠りについた。








そんなリアンを見ている人たちがいた。

「ほっほっほっ、さすがはわしが見込んだ子じゃ、もう簡単に魔法が使えるようになっておる」
「そりゃぁ私が教えたから。それにしても速いけどね。身体の中の魔力を感じるとか早い人で3歳なのに、リアンくんは「身体の中には魔力があって…」と説明しただけなのに、「お腹の下がポカポカしているんですけどこれですか?」とか言って、一発で見つけるなんて…おかしいにも程があるわよ。魔力を身体に巡らすことなんかもっと難しいのにコツを教えただけで拙いながらも流せていたし、それがここでなくてもできている。これだったら、リアンくんに廃れてしまった魔法を教えることができるかもしれないっ」

ルーラは自分が魔法を教えて、古代魔法を復活させることが出来ると思い少し興奮している。

「そうじゃのぉ、リアンは他とは比べ物にならないぐらいの「天才」じゃな。あの子がこれだけの力を持ってどう過ごすかこれからが楽しみじゃのぉ」
「でも、当のリアンくんはそれがどのくらいのすごいのか気づいてなさそうだし、ラノベ読んでたって言ってたのに妙なところで抜けているのよね 」
「まぁそれがあの子のいいところじゃ。これじゃったら剣の方も期待が出来るわい」
「ふふふ、そうね」

神様はリアンの成長を心待ちにしていくことになり、またこれからも驚かされることになった。

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