アクション!

松田 かおる

文字の大きさ
上 下
1 / 8

-0-

しおりを挟む
長い間続いた銃撃戦の後に、やがて静寂が訪れた。
今は遠くに霧笛の音が響いているだけだ。
男の周りには、すでに動かなくなった者達しかいなかった。
男は手に持っていたサブマシンガンを捨てて、その場を振り返ることもなく、止めてあるバイクへと向かう。
男は何事もなかったかのようにバイクにまたがって、そして走り出した。
バイクを走らせながら何かを思い出しているのか、男がふと気をゆるめた次の瞬間、突如男の目の前に一台の車が姿を現した。
それに気付いた男がバイクの進路を変えようとしたが、車の出てくるタイミングがまるで狙ったようにぴったりだったので、バイクは車を避けきる事ができず、スピードの乗ったまま車にまともに突っ込んでいく形になった。
男は車を運転している人物が、いつかどこかで見たような女性に似ていた気がする、と一瞬感じたが、それを確認する事もできないまま、男の体はバイクから放り出された。
体は激しく地面に叩きつけられ、そのまま何10メートルも転がっていき、やがてうつぶせになってその動きを止めた。
しかしうつぶせになったまま、男の体はそれから二度と動く事はなかった…
しおりを挟む

処理中です...