4 / 6
–4–
しおりを挟む
まだかなり痛む頭を抱えながらアパートに戻った大輔は、早速二日酔いと胃のクスリを飲んで、二度寝の準備をした。
さていざ布団に入ろうという時、さっきの薬局でもらった包みを開けて、大輔はもう一度考え直した。
-いくら何でも話がうますぎるよなぁ… そんなクスリが本当にあって、しかもそれがタダだなんて…-
いつもだったらもっと疑ってかかるのだが、二日酔いで頭が痛い今とあっては、そこまで深く考える事ができなかった。
-まぁ、いいや。 クスリ屋が渡してくれたんだから、毒って事はないだろう-
大輔はそう自分に言い聞かせて、パラフィン紙の中からクスリを一粒取ると、水と一緒に飲み下した。
布団に入って横になると、いろいろと下らない考えがつぎつぎに頭に浮かぶ。
-はぁ… こんな時、誰かが見舞いにでも来てくれたら最高なんだけどなぁ…-
-『大輔君、気分はどう?』 なんちゃって…-
そんな事ばかり考えているうちに、気のせいかクスリのせいか、ゆっくりと眠気が襲ってきた。
しばらくして、大輔は何度もなる玄関のチャイムに目を覚まされた。
枕元に置いてある目覚ましを見ると、さっき横になった時から30分くらい経っていた。
大輔は体を起こして、玄関の鍵を開けに行った。
二日酔いのクスリが効いてきたのか、さっきほどは頭が痛くない。
「うぁーい」と寝ぼけた声で言いながら鍵を開けてドアを開けると、そこには意外な人が立っていた。
「こんにちは…」
由香はそういうと、薬局の袋を差し出して、
「ほら、昨日あんなに飲んだでしょ? 大丈夫かなぁ、って思って、お見舞いに来たの」
「…え…あ…」
あまりに意外な来客に、大輔が言葉を詰まらせていると、
「もしかして、余計なお世話だったかしら?」
と、由香が少し申し訳なさそうな口調で言った。
大輔は両手を大きく振りながら、
「そそ、そんな事ないよ! いやあの、えっと…わざわざお見舞いに来てくれるなんて思ってもいなかったから…」
と、少ししどろもどろになりながら答えた。
その言葉を聞いて、由香は、
「そう… よかったぁ。 余計なまねして怒られるかと思っちゃった」
と、安心した口調で言って、にこっと微笑んだ。
大輔はその仕草にさらにどきどきして、
「怒るだなんてとんでもない。 さ、いつまでも立ちっぱなしなのもなんだから、中に入ってよ。 散らかってるけど」
と、普段からは考えられないほど大胆に、大輔は由香を中に招き入れようとした。
ところがまだ二日酔いが完全に治っていなかったのか、ドアに手を延ばした瞬間、くらくらっと激しいめまいに襲われた。
-まずい! 倒れる!-
大輔がそう思った瞬間、目の前にはドアが迫っていた。
思わず大輔は強く目をつぶった。
「…っ!!」
しかしいつまで経ってもドアにぶつかる気配がないので、大輔は不思議に思ってゆっくりと目を開けた。
すると目の前にあるべきはずのドアはなく、目の前、というか視線の先には、もう随分と見慣れた天井があった。
「???」
大輔は何が起こったのか解らずに、まわりをきょろきょろと見回してみた。
するとつい今までいたはずの由香の姿もなく、大輔は布団の上に横になっていた。
枕元に置いてある目覚ましを見ると、さっき横になった時から10分しか経っていなかった。
-もしかして、夢、だったのか?-
この時になってやっと、大輔は事情が飲み込めてきた。
-それにしても、夢にしては随分リアルだったなぁ-
今までこんなリアルな夢を見た事がなかった分、大輔はなおさら感心した。
それと同時に、どうしてここまでリアルな夢が見られたのかを考えてみた。
思い当たるフシは一つしかなかった。
-さっき薬局でもらったクスリだ-
半信半疑で飲んだのにこれだけの効き目。
大輔は改めてその効き目に驚いた。
「うーん、すごい効き目だ…」
思わず口に出してしまった。
-後であの薬局に行って、主人にお礼を言わなくちゃ…-
大輔はそう考えると、三度寝に入った。
さていざ布団に入ろうという時、さっきの薬局でもらった包みを開けて、大輔はもう一度考え直した。
-いくら何でも話がうますぎるよなぁ… そんなクスリが本当にあって、しかもそれがタダだなんて…-
いつもだったらもっと疑ってかかるのだが、二日酔いで頭が痛い今とあっては、そこまで深く考える事ができなかった。
-まぁ、いいや。 クスリ屋が渡してくれたんだから、毒って事はないだろう-
大輔はそう自分に言い聞かせて、パラフィン紙の中からクスリを一粒取ると、水と一緒に飲み下した。
布団に入って横になると、いろいろと下らない考えがつぎつぎに頭に浮かぶ。
-はぁ… こんな時、誰かが見舞いにでも来てくれたら最高なんだけどなぁ…-
-『大輔君、気分はどう?』 なんちゃって…-
そんな事ばかり考えているうちに、気のせいかクスリのせいか、ゆっくりと眠気が襲ってきた。
しばらくして、大輔は何度もなる玄関のチャイムに目を覚まされた。
枕元に置いてある目覚ましを見ると、さっき横になった時から30分くらい経っていた。
大輔は体を起こして、玄関の鍵を開けに行った。
二日酔いのクスリが効いてきたのか、さっきほどは頭が痛くない。
「うぁーい」と寝ぼけた声で言いながら鍵を開けてドアを開けると、そこには意外な人が立っていた。
「こんにちは…」
由香はそういうと、薬局の袋を差し出して、
「ほら、昨日あんなに飲んだでしょ? 大丈夫かなぁ、って思って、お見舞いに来たの」
「…え…あ…」
あまりに意外な来客に、大輔が言葉を詰まらせていると、
「もしかして、余計なお世話だったかしら?」
と、由香が少し申し訳なさそうな口調で言った。
大輔は両手を大きく振りながら、
「そそ、そんな事ないよ! いやあの、えっと…わざわざお見舞いに来てくれるなんて思ってもいなかったから…」
と、少ししどろもどろになりながら答えた。
その言葉を聞いて、由香は、
「そう… よかったぁ。 余計なまねして怒られるかと思っちゃった」
と、安心した口調で言って、にこっと微笑んだ。
大輔はその仕草にさらにどきどきして、
「怒るだなんてとんでもない。 さ、いつまでも立ちっぱなしなのもなんだから、中に入ってよ。 散らかってるけど」
と、普段からは考えられないほど大胆に、大輔は由香を中に招き入れようとした。
ところがまだ二日酔いが完全に治っていなかったのか、ドアに手を延ばした瞬間、くらくらっと激しいめまいに襲われた。
-まずい! 倒れる!-
大輔がそう思った瞬間、目の前にはドアが迫っていた。
思わず大輔は強く目をつぶった。
「…っ!!」
しかしいつまで経ってもドアにぶつかる気配がないので、大輔は不思議に思ってゆっくりと目を開けた。
すると目の前にあるべきはずのドアはなく、目の前、というか視線の先には、もう随分と見慣れた天井があった。
「???」
大輔は何が起こったのか解らずに、まわりをきょろきょろと見回してみた。
するとつい今までいたはずの由香の姿もなく、大輔は布団の上に横になっていた。
枕元に置いてある目覚ましを見ると、さっき横になった時から10分しか経っていなかった。
-もしかして、夢、だったのか?-
この時になってやっと、大輔は事情が飲み込めてきた。
-それにしても、夢にしては随分リアルだったなぁ-
今までこんなリアルな夢を見た事がなかった分、大輔はなおさら感心した。
それと同時に、どうしてここまでリアルな夢が見られたのかを考えてみた。
思い当たるフシは一つしかなかった。
-さっき薬局でもらったクスリだ-
半信半疑で飲んだのにこれだけの効き目。
大輔は改めてその効き目に驚いた。
「うーん、すごい効き目だ…」
思わず口に出してしまった。
-後であの薬局に行って、主人にお礼を言わなくちゃ…-
大輔はそう考えると、三度寝に入った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる