6 / 6
6話 火傷
しおりを挟む
ここが、天国か・・・・
僕は・・・・
紗枝は、どうなった・・・・・・・
気がつくと、僕は、紗枝の近くで倒れていた。
どうなっているんだ?僕は、あの男に持ち上げられて、中華鍋の油のなかに放り込まれたんじゃなかったのか??
重たい目を見開き、懸命に辺りを見た。巨大なバーナーは、あいかわらず巨大な炎を吐き出している。でも、さっきと様子が違う・・・バーナーの上にあるはずの異様に巨大な中華鍋は、そこにはなかった。床に落ちたようだった。
床に落ちた巨大な中華鍋は、その中で溶岩のように煮えたぎった油をあたり一面に撒き散らしていた。その溶岩のような油にまみれて、あの男が倒れていた。
その後の警察の調べによると、男は油での火傷の他に、額にライターの破片がめり込んでいたということだった。警察が言うには、油の中にライターが落ちて、それに引火した結果、爆発してライターの破片が男の額に突き刺さったということらしい。その拍子にバランスを失って巨大な中華鍋にぶつかって、油をこぼしてしまったということらしい。男に放り投げられた僕は、奇跡的に油をかぶることがなかった。できすぎた話のようだが、現実はこんなものなのだろう・・・
あのライターのおかげか・・・偶然、僕のポケットからライターが落ちて、油の中に落ちたのだろう。今まで、ギャンブル運がなかったのも、この日に僕の一生分の運を使うために蓄えていたんだなと勝手に解釈してみた。まぁ、いずれにしろ、もうギャンブルからは足を洗おうと思っている。
そうそう、あの状況で助かったことも嬉しかったが、もっと嬉しい報告がある。
妻が妊娠していたんだ。
あのとき、夢の中にいた妻はこう言いたかったのだろう。「おなかの子を守って」と・・・
僕は、決してあの恐ろしい事件を忘れないだろう。でも、僕にとってのいい薬だったのかもしれない。あのときは、本当に妻を守ってあげたかったから・・・。これからは、守る家族も増えるんだから、もっとがんばらなきゃな。
やわらかい風が僕のこれからの人生を後押ししてくれるようで、なんとも心地よく感じられた。
・・・・・でも、今にして思えば、それもつかの間の平和だったのかもしれない・・・・これから体験する事件にくらべれば・・・・・
僕は・・・・
紗枝は、どうなった・・・・・・・
気がつくと、僕は、紗枝の近くで倒れていた。
どうなっているんだ?僕は、あの男に持ち上げられて、中華鍋の油のなかに放り込まれたんじゃなかったのか??
重たい目を見開き、懸命に辺りを見た。巨大なバーナーは、あいかわらず巨大な炎を吐き出している。でも、さっきと様子が違う・・・バーナーの上にあるはずの異様に巨大な中華鍋は、そこにはなかった。床に落ちたようだった。
床に落ちた巨大な中華鍋は、その中で溶岩のように煮えたぎった油をあたり一面に撒き散らしていた。その溶岩のような油にまみれて、あの男が倒れていた。
その後の警察の調べによると、男は油での火傷の他に、額にライターの破片がめり込んでいたということだった。警察が言うには、油の中にライターが落ちて、それに引火した結果、爆発してライターの破片が男の額に突き刺さったということらしい。その拍子にバランスを失って巨大な中華鍋にぶつかって、油をこぼしてしまったということらしい。男に放り投げられた僕は、奇跡的に油をかぶることがなかった。できすぎた話のようだが、現実はこんなものなのだろう・・・
あのライターのおかげか・・・偶然、僕のポケットからライターが落ちて、油の中に落ちたのだろう。今まで、ギャンブル運がなかったのも、この日に僕の一生分の運を使うために蓄えていたんだなと勝手に解釈してみた。まぁ、いずれにしろ、もうギャンブルからは足を洗おうと思っている。
そうそう、あの状況で助かったことも嬉しかったが、もっと嬉しい報告がある。
妻が妊娠していたんだ。
あのとき、夢の中にいた妻はこう言いたかったのだろう。「おなかの子を守って」と・・・
僕は、決してあの恐ろしい事件を忘れないだろう。でも、僕にとってのいい薬だったのかもしれない。あのときは、本当に妻を守ってあげたかったから・・・。これからは、守る家族も増えるんだから、もっとがんばらなきゃな。
やわらかい風が僕のこれからの人生を後押ししてくれるようで、なんとも心地よく感じられた。
・・・・・でも、今にして思えば、それもつかの間の平和だったのかもしれない・・・・これから体験する事件にくらべれば・・・・・
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/12/19:『ひるさがり』の章を追加。2025/12/26の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/18:『いるみねーしょん』の章を追加。2025/12/25の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/17:『まく』の章を追加。2025/12/24の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/16:『よってくる』の章を追加。2025/12/23の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/15:『ちいさなむし』の章を追加。2025/12/22の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/14:『さむいしゃわー』の章を追加。2025/12/21の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/13:『ものおと』の章を追加。2025/12/20の朝8時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】狡い人
ジュレヌク
恋愛
双子のライラは、言う。
レイラは、狡い。
レイラの功績を盗み、賞を受賞し、母の愛も全て自分のものにしたくせに、事あるごとに、レイラを責める。
双子のライラに狡いと責められ、レイラは、黙る。
口に出して言いたいことは山ほどあるのに、おし黙る。
そこには、人それぞれの『狡さ』があった。
そんな二人の関係が、ある一つの出来事で大きく変わっていく。
恋を知り、大きく羽ばたくレイラと、地に落ちていくライラ。
2人の違いは、一体なんだったのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる