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テンドルニオン様のおもてなし※アユム視点
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ザピクロス様に電撃を食らわせて姿を現したテンドルニオン様。
クルッと飛んだかと思うと、エイシオさんの腕のなかへ。
エイシオさんも優しく抱きしめ、ザピクロス様はスリスリした。
「すみませんね……勇者」
汗だくで息切れしているエイシオさんへ優しい言葉。
俺も荷物からタオルを取り出す。
「転移者殿、私の力で勇者を癒やしてやってあげてください」
「え?」
「ピリピリ~っと、ピリピリっと、やってみてくださいな」
小さなアライグマの手のひらをヒラヒラ揺らすテンドルニオン様。
「は、はい! ピリピリ~っと!」
俺もそれを真似てやってみる。
「お、おお……筋肉が癒やされていく感覚です……ありがとうございます。テンドルニオン様」
「いいえ、本当にお二人には申し訳ない気持ちでいっぱいです」
テンドルニオン様は同じアライグマだけど、すごく可愛らしい。
女の子アライグマ! って感じだ。
毛並みもツヤツヤで手足も可愛らしい。
これが本当のアライグマ……?
俺達が見ていたアライグマって……おっさんアライグマだった……?
「さぁ転移者殿、勇者よ。少し休んでくださいませ」
テンドルニオン様がそういうと、美しい大理石のテーブルと椅子が出てきてフレッシュな果物や酒の瓶と盃まで出現した。
「ありがたい、女神様感謝いたします」
相当に喉が乾いていたんだろう、エイシオさんは素直に感謝して席に座る。
テンドルニオン様が酒を注ごうとしたので、俺は慌てて二人の盃に酒を注いだ。
ワインかな。
良い香りがする。
「ほほほ、この空間は私の力で守護されています。安心してゆっくりお休みくださいね。風呂や人間用の宿泊部屋も用意できますので……」
なんて素敵な心遣いだろう。
さすがに俺も長旅で疲れ切っていたので、優しさが心に染みる。
「大変ありがたい」
「ありがとうございます」
二人でホッとして微笑みあった。
あぁ俺も安心して席につくと、エイシオさんが酒を注いでくれた。
「転移者殿、勇者よ。テンドルニオンの神殿にようこそ。乾杯」
「素晴らしきテンドルニオンの女神よ、慈愛に感謝致します。乾杯」
エイシオさんが慣れたように盃を持ち上げる。
「す、素晴らしきテンドルニオンの女神よ、慈愛に感謝致します。乾杯」
俺も続いて、乾杯をした。
アライグマなのに、素敵女子みたいなテンドルニオン様はうふふと笑って皆で酒を飲んだ。
なんだろう、この素敵感。
エイシオさんの笑顔も、すごく幸せそうで素敵だ。
「テッテテ~~! テンドルニオン~~!! なにするんじゃああ!!」
壁の中からザピクロス様が現れたのだった。
なんだか、すっかり忘れちゃってた。
あ、テンドルニオン様とエイシオさんが二人とも目を細めて冷たい瞳になる。
「なに? あなた、まだいたの?」
「テッテンドルニオンーーーー!! そ、そんな冷たいなぁーーっ!!」
「もう別れたのよ。あなたとは」
更に冷たい声でテンドルニオン様がそう言った。
えっ……。
「えっ……」
知らなかった……みたいな……。
ザピクロス様の素で驚いた声が、神殿に響いた。
えっ……。
クルッと飛んだかと思うと、エイシオさんの腕のなかへ。
エイシオさんも優しく抱きしめ、ザピクロス様はスリスリした。
「すみませんね……勇者」
汗だくで息切れしているエイシオさんへ優しい言葉。
俺も荷物からタオルを取り出す。
「転移者殿、私の力で勇者を癒やしてやってあげてください」
「え?」
「ピリピリ~っと、ピリピリっと、やってみてくださいな」
小さなアライグマの手のひらをヒラヒラ揺らすテンドルニオン様。
「は、はい! ピリピリ~っと!」
俺もそれを真似てやってみる。
「お、おお……筋肉が癒やされていく感覚です……ありがとうございます。テンドルニオン様」
「いいえ、本当にお二人には申し訳ない気持ちでいっぱいです」
テンドルニオン様は同じアライグマだけど、すごく可愛らしい。
女の子アライグマ! って感じだ。
毛並みもツヤツヤで手足も可愛らしい。
これが本当のアライグマ……?
俺達が見ていたアライグマって……おっさんアライグマだった……?
「さぁ転移者殿、勇者よ。少し休んでくださいませ」
テンドルニオン様がそういうと、美しい大理石のテーブルと椅子が出てきてフレッシュな果物や酒の瓶と盃まで出現した。
「ありがたい、女神様感謝いたします」
相当に喉が乾いていたんだろう、エイシオさんは素直に感謝して席に座る。
テンドルニオン様が酒を注ごうとしたので、俺は慌てて二人の盃に酒を注いだ。
ワインかな。
良い香りがする。
「ほほほ、この空間は私の力で守護されています。安心してゆっくりお休みくださいね。風呂や人間用の宿泊部屋も用意できますので……」
なんて素敵な心遣いだろう。
さすがに俺も長旅で疲れ切っていたので、優しさが心に染みる。
「大変ありがたい」
「ありがとうございます」
二人でホッとして微笑みあった。
あぁ俺も安心して席につくと、エイシオさんが酒を注いでくれた。
「転移者殿、勇者よ。テンドルニオンの神殿にようこそ。乾杯」
「素晴らしきテンドルニオンの女神よ、慈愛に感謝致します。乾杯」
エイシオさんが慣れたように盃を持ち上げる。
「す、素晴らしきテンドルニオンの女神よ、慈愛に感謝致します。乾杯」
俺も続いて、乾杯をした。
アライグマなのに、素敵女子みたいなテンドルニオン様はうふふと笑って皆で酒を飲んだ。
なんだろう、この素敵感。
エイシオさんの笑顔も、すごく幸せそうで素敵だ。
「テッテテ~~! テンドルニオン~~!! なにするんじゃああ!!」
壁の中からザピクロス様が現れたのだった。
なんだか、すっかり忘れちゃってた。
あ、テンドルニオン様とエイシオさんが二人とも目を細めて冷たい瞳になる。
「なに? あなた、まだいたの?」
「テッテンドルニオンーーーー!! そ、そんな冷たいなぁーーっ!!」
「もう別れたのよ。あなたとは」
更に冷たい声でテンドルニオン様がそう言った。
えっ……。
「えっ……」
知らなかった……みたいな……。
ザピクロス様の素で驚いた声が、神殿に響いた。
えっ……。
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