カルマの法則

ロコ

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コロッセウム

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時節柄は、紀元前。
処は、アテネ。ローマ帝国の都である。
帝国ローマに、偉人あり。
近頃、街で衆目を集めている、男。その名は

ソクラテス

哲学の父である。
ある日、明け方に、街辻に佇み思索に耽っている。
アテネの、一日が、明けたその時刻。
ピタッと、身動きせずに頭はフル回転。
昼刻、カフェで飯を食べる人が、言う。

おい、又、例のオッさんが、アソコにいるぞ!
何やってんだ、あれは!
荷馬車の上げる粉塵に、塗れながら、静止したままの
ソクラテス。
其処へ、騎兵隊が誰何した。

おい、お前!
何している!
、、、、、、、
、、、、、、、
、、、、、、、

無反応のソクラテス。

おい!
騎兵隊は、声を荒げて問う。

、、、、、、、、
、、、、、、、、
開き目くらの如き。
侮辱されたと思った騎兵隊は、
剣を抜くと、ソクラテスの顔面に当てた。

貴様、死にたいか!
、、、、、、、、
、、、、
オッ、オォ、
思索から、現実に戻ると顔面の
剣を見た。
おい、騎兵隊!
此れは、何の真似だ!
何の咎だ!

ソクラテスが、一喝した。
それは、まるでライオンの吠えるが、如きの迫力であった。
騎兵隊は、おもわず腰が引けた。

衆人観衆は、この顛末を、取り巻き観ている。

うっ、うっ、
剣を、鞘に収めると、スゴスゴと、
去って行った。野次の声を、背中に浴びて騎兵隊は、
捨て台詞。
おほえていろ、爺い!
このままには、しておかないからな!
赤っ恥を掻いて騎兵隊は、消えた。

ソクラテスは、と観ると再び固まっている。

取り巻きは、話す。

然し、人間あんなに、思考が続く物ではない!
あれは、妄想癖の男だ!
奇人変人だ!
皆、奴には要注意だぞ!

アテネの街に、広場があり、ソクラテスは演説をぶっている。
週一回定時に慣例と、なっていて、これを楽しみにして来る者も多い。
ソクラテスは、一週間街辻で思い巡らせた事を、此処で吐露する。
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