禅師白隠の教え

ロコ

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坂道

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芦原家転落する、家運。
その、六代目になって状態が、顕著に出た。
規模が、著しく小振りに縮小し、それにも増して、家族中で、諍い怒号が、飛ぶ様になっていた。
冷たい家庭に、反目する奉公人達。

そんな中、七代目当主が、犯罪に及んだ。
年端も行かぬ少女に、イタズラして、番屋にしょっぴかれたのだ。13歳の少女は、懐妊した。
未成年保護法の元、七代目は、座敷牢に繋がれた。
刑獄の因縁の顕現である。
この噂は千里を走った。商家の若旦那が淫行。
街中噂になり、瓦版に、偽名で揶揄する読み本が、刷られた。
それ、と知り、商家を後にする奉公人達。
経営が、立ち行かなくなり、御店は、売りに出された。

どうしよう!
家族は、犯罪者の家人を抱えて途方に暮れる。

お前のせいで!

お前さえ、居なければ!

性犯罪者の七代目は、非難の的。
懐妊した、少女の家にありったけの財を、慰謝料に払い、芦原家は、一家離散した。
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