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男はふとめをさます、だが7秒後、意識がなくなった。また10秒後には同じ状態になる。目を覚ます旅に記憶をなくしている。この男は、そんな日常を繰り返している。
会社の役員と、幹部が男の元に訪れた。
“タイムマシンの研究と開発”
を行う会社だ。その時代はもうそんな事まで研究されていて、数分間なら、条件さえ整えば過去へタイムワープする事ができた。といっても、軍事機密、国家機密であるので、幾重にも厳重な法律がつくられ、一般人には到底クリア不可能な条件のもと、タイムマシンに乗るのだ。
男は、病院のベッドで目を覚ます。周囲には会社の幹部と役員と、奥さんがいた。皆いくらか年取ったようだ。しかし、なぜだか思い出せない。自分はなぜ、入院しているのか、皆が自分の手をとって、また自分は意識を失った。
「やっぱりだめか」
「先生は、色々な刺激を与えて試すしかないと」
「そうですか、彼は優秀な研究者でした……」
役員はじーっとめをふせていて、ふと目線を横の眠っている男にむけると、男の体から、ふと何かが抜け出ていったのを感じた。それは男の透明な姿、まさしく魂のようなものだった。
男は、そのまま病院を歩き回る。
「あの、私はどうしたのでしょう?」
「あの、ここはどこです?私の研究を」
ふと、男は頭を押さえた、そして気がついたのだ。
「そうだ、研究所に戻らなきゃ、戻って、“やり直さなきゃ”」
そうしているうちに、また男は目を覚まし、にこやかな奥さんと訪問客に視線をぶつけた。
その様子を見て、役員は首をふった。この役員は耐えきれなかった。会社の立ち上げにかかわり、順調だったのだが、あるとき“タイムマシン”にのった人々が皆一様に不具合を訴え始めた。すなわち、“幽体離脱”のような症状だ。それは極秘の秘密であったが、それがこんな結果になるとは……自業自得とはいえ。
帰り際、幹部と役員の二人はタクシーに呼ぶ間病院の外でまっていると、役員が突然こんな事をいった。
「自業自得とはいえなあ」
「え?なんです?」
「彼は、未来を失い、過去をさまよい続けている」
「一体何を?」
「まあ、君はそろそろ役員になるころだろう、くれぐれも内密に頼むよ」
「は?はあ……」
役員は、さっきの男と仲が良かったので怪訝な顔をして話をきいた。
「彼は……病気じゃないのだ」
「はあ?」
「極秘のナノマシンによって、彼の行動は制限されている、“時間に関する犯罪”の為だ、だが彼の魂は、今でも“罪をくやんで、あるいは帳消しにしようとしている”」
「いったい何の話です?幽体離脱なら、私もしっていますよ、しかし彼は“被験者”ではないのでは……」
「そうじゃないのだ、彼は禁を破ってタイムワープを実行したのだ」
「は?一体何のために……」
ふと、幹部は考え込んだ、そして、あっと声をあげた。
「そうだ、彼の同僚に天才がいるだろう、タイムマシンの“発明者”が」
幹部や親しいものに彼は話していたが、そう、嫉妬だ。嫉妬を隠そうとはしていなかった。
「そのために彼は“過去へ行き、その功績を自分のものにしようとした”」
「だから、だからって、タイムマシンの副作用を放置され、また未来の記憶まで消されるなんて!!!」
「落ち着け……」
ふと、役員は相手を落ち着かせていった。
「いっただろう?禁を破って行動に移したのだと、しかし、それはうまくいかなかった、なぜなら、今のタイムマシンの稼働時間の限界をしっているだろう、数分間だ、その後、強制的に現実に戻される、彼は何度も挑戦したが、歴史を変えるにはいたらなかった」
「……」
「君は知らないだろうが、役員はしっている、知らなくとも“勘づく”さ、役員のほとんどは、“被験者”の経験があるからね、つまり……“幽体離脱”の症状は、薬で抑制できるのだ、いや、まってくれ、ここからが肝心なんだ……その薬は、一度タイムワープをするたびに服用しなければならない、1時間以内に服用しなければ、例の副作用をとめる事ができないのだ」
幹部は、落ち込んでため息をはいていった。
「彼は、幸せな夢が見られるのでしょうか」
「さあ?目をつぶって夢を見ていても、過去へは戻れず、未来にもどっても、記憶をうしない、奥さんとまともに会話できない……代償としては、少々大きすぎるものだね」
会社の役員と、幹部が男の元に訪れた。
“タイムマシンの研究と開発”
を行う会社だ。その時代はもうそんな事まで研究されていて、数分間なら、条件さえ整えば過去へタイムワープする事ができた。といっても、軍事機密、国家機密であるので、幾重にも厳重な法律がつくられ、一般人には到底クリア不可能な条件のもと、タイムマシンに乗るのだ。
男は、病院のベッドで目を覚ます。周囲には会社の幹部と役員と、奥さんがいた。皆いくらか年取ったようだ。しかし、なぜだか思い出せない。自分はなぜ、入院しているのか、皆が自分の手をとって、また自分は意識を失った。
「やっぱりだめか」
「先生は、色々な刺激を与えて試すしかないと」
「そうですか、彼は優秀な研究者でした……」
役員はじーっとめをふせていて、ふと目線を横の眠っている男にむけると、男の体から、ふと何かが抜け出ていったのを感じた。それは男の透明な姿、まさしく魂のようなものだった。
男は、そのまま病院を歩き回る。
「あの、私はどうしたのでしょう?」
「あの、ここはどこです?私の研究を」
ふと、男は頭を押さえた、そして気がついたのだ。
「そうだ、研究所に戻らなきゃ、戻って、“やり直さなきゃ”」
そうしているうちに、また男は目を覚まし、にこやかな奥さんと訪問客に視線をぶつけた。
その様子を見て、役員は首をふった。この役員は耐えきれなかった。会社の立ち上げにかかわり、順調だったのだが、あるとき“タイムマシン”にのった人々が皆一様に不具合を訴え始めた。すなわち、“幽体離脱”のような症状だ。それは極秘の秘密であったが、それがこんな結果になるとは……自業自得とはいえ。
帰り際、幹部と役員の二人はタクシーに呼ぶ間病院の外でまっていると、役員が突然こんな事をいった。
「自業自得とはいえなあ」
「え?なんです?」
「彼は、未来を失い、過去をさまよい続けている」
「一体何を?」
「まあ、君はそろそろ役員になるころだろう、くれぐれも内密に頼むよ」
「は?はあ……」
役員は、さっきの男と仲が良かったので怪訝な顔をして話をきいた。
「彼は……病気じゃないのだ」
「はあ?」
「極秘のナノマシンによって、彼の行動は制限されている、“時間に関する犯罪”の為だ、だが彼の魂は、今でも“罪をくやんで、あるいは帳消しにしようとしている”」
「いったい何の話です?幽体離脱なら、私もしっていますよ、しかし彼は“被験者”ではないのでは……」
「そうじゃないのだ、彼は禁を破ってタイムワープを実行したのだ」
「は?一体何のために……」
ふと、幹部は考え込んだ、そして、あっと声をあげた。
「そうだ、彼の同僚に天才がいるだろう、タイムマシンの“発明者”が」
幹部や親しいものに彼は話していたが、そう、嫉妬だ。嫉妬を隠そうとはしていなかった。
「そのために彼は“過去へ行き、その功績を自分のものにしようとした”」
「だから、だからって、タイムマシンの副作用を放置され、また未来の記憶まで消されるなんて!!!」
「落ち着け……」
ふと、役員は相手を落ち着かせていった。
「いっただろう?禁を破って行動に移したのだと、しかし、それはうまくいかなかった、なぜなら、今のタイムマシンの稼働時間の限界をしっているだろう、数分間だ、その後、強制的に現実に戻される、彼は何度も挑戦したが、歴史を変えるにはいたらなかった」
「……」
「君は知らないだろうが、役員はしっている、知らなくとも“勘づく”さ、役員のほとんどは、“被験者”の経験があるからね、つまり……“幽体離脱”の症状は、薬で抑制できるのだ、いや、まってくれ、ここからが肝心なんだ……その薬は、一度タイムワープをするたびに服用しなければならない、1時間以内に服用しなければ、例の副作用をとめる事ができないのだ」
幹部は、落ち込んでため息をはいていった。
「彼は、幸せな夢が見られるのでしょうか」
「さあ?目をつぶって夢を見ていても、過去へは戻れず、未来にもどっても、記憶をうしない、奥さんとまともに会話できない……代償としては、少々大きすぎるものだね」
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