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心霊スポットに行く理由
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Aさんの友達Bさんは、心霊スポットに行きたがっている。
「アニキにあいたいんだよ」
という兄貴というのがいじめを苦にして死んだそうで、自分も少なからず関わっていたからということで、あわれにおもっていた。
しかし、妙なこともあった。Bさんはどっちかというとオラオラしているタイプで、後輩や友人に強くつっこんだり、いじったりするタイプだ。そんな人間が、死んだ兄のことをこれほど強く思っているとは。それにその性格からして、もしかしたらBさんがお兄さんのことをいじめていたのではないかという憶測まであった。
あるときAさんとBさんと、いじられ癖のあるCさんとで心霊スポットにいったことがあった。それは、廃神社で、人が取りつかれる事の多い神社で、帰りに事故にあったとか、笑い声を聞いたとかいう神社だった。しかし、Cさんの話ではうちの家系に関わる土地だから大丈夫だという。そこで祭る神も、いつもあがめているのだと。いままで心霊スポットに出かけたことはあったが、Cが怖がるので近場までいくだけで、奥まではいったのはCが自信をもって案内したそのスポットが初めてだった。
一通り散策すると、Bさんは突然たおれて、体を痙攣しはじめた。
「やめてくれ、兄貴、やめてくれ、兄貴」
始めは冗談かとおもったが、あまりに長くつづくのでAさんとCさんは相談して
、病院に電話しようとするが、Bさんは突然たちあがり、にやっとわらう。
「冗談だよ冗談」
「おい!!」
質の悪い冗談はよしてくれ、と怒るAさんとCさんを後目に、得意気なBさん。
「まあ一種の交霊術みたいなものさ」
という。
やがて、三人は散策にもあきてその心霊スポットをでてAさんの運転する車へ向かおうとした瞬間だった。
《バタン》
暗闇で、Aさんはまた誰か倒れたのを確認した。そしてさらに奇妙だったのは、倒れたかれは、傍らの一人に半身だけ起こされていたことだった。
「おい、何してる、Bふざけるなって、もうとりつかれたふりはわかったから、無理におこさなくてもいいし、C」
そういうてライトをあてると、そこには、思ってもいない光景があった。倒れていたのはCさんで、Bさんが揺り起こしたのだった。
「おい、C?お前ふざけてんのか」
そう語りかけると、Bさんがシーっと制止する。
「きたんだよ」
といって、にやっと笑う。
「うう……ごめん、ごめんよB」
突然白目をむいて、CがBに謝りだす。しかしその声色はいつものCとは違っていた。
「ごめんな、俺がわるかった、俺が悪かった、もうゆるしてくれ」
そういった瞬間だった。BさんがCさんの額を思い切りビンタしたのは。
《バチンッ》
「俺はゆるさねえ、地の底までおっていくぞ、あらゆる心霊スポットにでかけて、誰でもいいから憑依させて、罪を償わせる」
そういったかまわずビンタをあびせる。
「おい、やめろ、やめろって……」
AさんがとめようとするもBさんはすさまじい力でビンタをつづける。
「お前何が目的なんだよ!!」
そういうとBさんは振り返って涙をながしながらわらっていた。
「俺は、このクソ兄貴に人生をむちゃくちゃにされたんだ、いじめが原因で死んだといったが、兄のほうじゃねえ、俺がいじめられたんだ、このクソ兄貴に、ある時俺はそれを苦に薬をのんで自殺しようとしたが、失敗した、その遺書をよんだ兄貴が数日後に死んだ……だが俺は、兄貴の執拗ないじめがストレスで他人を信用できなくなり、絶対にいじられないように体を鍛えたんだ、俺は兄貴に、復讐と、幸せになった自分の姿を見せるのが趣味なんだよ」
そういわれてAさんの脳裏に思い浮かんだのは、確かに心霊スポットに一番いきたがっていたのはBだということ、あまりにいいやつだったので仲良くなったがBには、ある噂があった。心霊スポットにいって、彼女をボコボコに殴りつけたのだという。Aさんは、彼をたしかに影のある奴だとおもっていたが、説得しようとおもい、様々な言葉をかけた。
「お前が過去にふりまわされることはない」
「お前は幸せになれただろう?」
だがBさんは全く意に返さず、Cさんをビンタしたりなぐったりしつづけた。顔はパンパンにはれたCがようやく意識を取り戻したときには、Bはその場を立ち去ろうとした。
「おい、謝らないのか!!」
とAさんがいうと、Bはいった。
「俺は、いつも、いじめられた時のことを思い出して、兄貴を責めるような事をするんだ、そうるすと必ず、兄貴は誰かに憑依する、だがそれも一回、一回だ、だからお前らにはもう用はねえ、関係を直すつもりもねえしな」
そしてつづけた。
「俺はなあ、これをするとやっと“生きた心地”がするんだ、そして気付くんだ、自分を苦しめるより、他人を苦しめて、関係が破壊されるときの感覚、この快楽に勝るものはねえ、その時俺は、兄貴になるんだよ」
Aさんはその後、Bがそのまま行方不明となったことをしった。気のいいCとは今でも仲良くしているが、心霊スポットには近寄らない。幽霊よりも怖く、浮浪者より質の悪いものを知っているから。
「アニキにあいたいんだよ」
という兄貴というのがいじめを苦にして死んだそうで、自分も少なからず関わっていたからということで、あわれにおもっていた。
しかし、妙なこともあった。Bさんはどっちかというとオラオラしているタイプで、後輩や友人に強くつっこんだり、いじったりするタイプだ。そんな人間が、死んだ兄のことをこれほど強く思っているとは。それにその性格からして、もしかしたらBさんがお兄さんのことをいじめていたのではないかという憶測まであった。
あるときAさんとBさんと、いじられ癖のあるCさんとで心霊スポットにいったことがあった。それは、廃神社で、人が取りつかれる事の多い神社で、帰りに事故にあったとか、笑い声を聞いたとかいう神社だった。しかし、Cさんの話ではうちの家系に関わる土地だから大丈夫だという。そこで祭る神も、いつもあがめているのだと。いままで心霊スポットに出かけたことはあったが、Cが怖がるので近場までいくだけで、奥まではいったのはCが自信をもって案内したそのスポットが初めてだった。
一通り散策すると、Bさんは突然たおれて、体を痙攣しはじめた。
「やめてくれ、兄貴、やめてくれ、兄貴」
始めは冗談かとおもったが、あまりに長くつづくのでAさんとCさんは相談して
、病院に電話しようとするが、Bさんは突然たちあがり、にやっとわらう。
「冗談だよ冗談」
「おい!!」
質の悪い冗談はよしてくれ、と怒るAさんとCさんを後目に、得意気なBさん。
「まあ一種の交霊術みたいなものさ」
という。
やがて、三人は散策にもあきてその心霊スポットをでてAさんの運転する車へ向かおうとした瞬間だった。
《バタン》
暗闇で、Aさんはまた誰か倒れたのを確認した。そしてさらに奇妙だったのは、倒れたかれは、傍らの一人に半身だけ起こされていたことだった。
「おい、何してる、Bふざけるなって、もうとりつかれたふりはわかったから、無理におこさなくてもいいし、C」
そういうてライトをあてると、そこには、思ってもいない光景があった。倒れていたのはCさんで、Bさんが揺り起こしたのだった。
「おい、C?お前ふざけてんのか」
そう語りかけると、Bさんがシーっと制止する。
「きたんだよ」
といって、にやっと笑う。
「うう……ごめん、ごめんよB」
突然白目をむいて、CがBに謝りだす。しかしその声色はいつものCとは違っていた。
「ごめんな、俺がわるかった、俺が悪かった、もうゆるしてくれ」
そういった瞬間だった。BさんがCさんの額を思い切りビンタしたのは。
《バチンッ》
「俺はゆるさねえ、地の底までおっていくぞ、あらゆる心霊スポットにでかけて、誰でもいいから憑依させて、罪を償わせる」
そういったかまわずビンタをあびせる。
「おい、やめろ、やめろって……」
AさんがとめようとするもBさんはすさまじい力でビンタをつづける。
「お前何が目的なんだよ!!」
そういうとBさんは振り返って涙をながしながらわらっていた。
「俺は、このクソ兄貴に人生をむちゃくちゃにされたんだ、いじめが原因で死んだといったが、兄のほうじゃねえ、俺がいじめられたんだ、このクソ兄貴に、ある時俺はそれを苦に薬をのんで自殺しようとしたが、失敗した、その遺書をよんだ兄貴が数日後に死んだ……だが俺は、兄貴の執拗ないじめがストレスで他人を信用できなくなり、絶対にいじられないように体を鍛えたんだ、俺は兄貴に、復讐と、幸せになった自分の姿を見せるのが趣味なんだよ」
そういわれてAさんの脳裏に思い浮かんだのは、確かに心霊スポットに一番いきたがっていたのはBだということ、あまりにいいやつだったので仲良くなったがBには、ある噂があった。心霊スポットにいって、彼女をボコボコに殴りつけたのだという。Aさんは、彼をたしかに影のある奴だとおもっていたが、説得しようとおもい、様々な言葉をかけた。
「お前が過去にふりまわされることはない」
「お前は幸せになれただろう?」
だがBさんは全く意に返さず、Cさんをビンタしたりなぐったりしつづけた。顔はパンパンにはれたCがようやく意識を取り戻したときには、Bはその場を立ち去ろうとした。
「おい、謝らないのか!!」
とAさんがいうと、Bはいった。
「俺は、いつも、いじめられた時のことを思い出して、兄貴を責めるような事をするんだ、そうるすと必ず、兄貴は誰かに憑依する、だがそれも一回、一回だ、だからお前らにはもう用はねえ、関係を直すつもりもねえしな」
そしてつづけた。
「俺はなあ、これをするとやっと“生きた心地”がするんだ、そして気付くんだ、自分を苦しめるより、他人を苦しめて、関係が破壊されるときの感覚、この快楽に勝るものはねえ、その時俺は、兄貴になるんだよ」
Aさんはその後、Bがそのまま行方不明となったことをしった。気のいいCとは今でも仲良くしているが、心霊スポットには近寄らない。幽霊よりも怖く、浮浪者より質の悪いものを知っているから。
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