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恋の呪い
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Aさんの高校生時代の怖い話。
元カノが自殺した話を聞いたのが発端だった。元カノの姿をあちこちで見るようになった。駅前、行きつけのカフェ、ゲームセンター。何科のメッセージかと悩んでいたが、次第に自分へのいやがらせかと思うようになった。
だが、数週間それが続いた後、その意味を理解できるようになった。元カノと別れたのは、彼女の愛が重すぎて自分がふったからだ。結婚をしようとか、一生一緒にいようとか、他の女と関わるなとか。Aさんは軽く話を受け流していたが次第にたえられなくなっていった。自分と別れたあとに自傷行為をするようになった話も聞いた。
「まさか、俺への当てつけなのか」
たしかに新しく彼氏を作った話をきいたが、彼とはあまりうまくいってなかったという。Aさんは暫く落ち込んでいると、学校の休憩時間に友人のBがはなしかけてきた。自分によくなついて、いつも気を使ってくれるし、優しいやつだ。もともといじめられていたのを助けてやってから、よく自分を頼るようになった、いまではそこそこ頼れる優し気な顔をした、昔から気の弱く背の低い友人。
「こんな事があったんだよ」
そう話しをすると。Aさんの狼狽する様子をみてか。Bがお祓いをすすめてきた。
数日後、一人で神社にいきお祓いをすませた。だが、その数日たってからも変わらず、ほとほとあきれ果てていた時に夢をみた。
「お祓いをして、あの場所から、私を解放して」
そう彼女がいうイメージがうかんだ。それは、彼女の住んでいたアパートの記憶だ。彼女は親元を離れ一人暮らしをしていた。いまでは事故物件となっているその場所へでむき、大分迷いはしたが、例の神主さんと大家さんに事情を話して、お祓いをすることにした。
しかし奇妙な事がきになった。Bから言われた事だ。
「決して自分以外はお祓いしてはだめだ」
そんな事を相談の時にいわれていたのだ。おかしなことをいう奴だと思っていたが、今は気にしてはいられない。
許可をえて家に立ち入り、その後、お祓いをすると、ゴトゴトと、押し入れの上段で音がした。Aさんがそれを開けるとノートがはいっていた。
「なんだ、これ」
それは元彼女がつづった日記、自分への恨みや、愛がささやかれているのがつらつらと続いた。パラパラとめくる。中央当たりで空白が続き、そこからはBに対する愛や恨みが書かれていた。
「どういう事だ?あの二人がつきあっていたのか?俺は何も……」
パラパラとめくる、そして、最後のページに赤い血の痕跡をみて。やぶらないように慎重にめくった。かろうじて見える最後の文字をよむ。
「一生一緒にいるといったのに、Aがあなたを捨てたのを知ってあなたに興味がうせたといってきた、結局、Bにとっては私はAのおさがりでしかなかったのだわ」
その前のかすれた文字をよむと、こうかかれてあった。
「彼は浮気をしていた、しかもそれをわざと私にわかるようにしているといった、私の重すぎる愛情をかわすためだと、早くわかれてほしかったと」
そして、また次のページをめくる。許せない許せないと書き綴られていた。
「そうか、あいつ……こんなひどい事を……」
「うああ!」
神主が声をあげた。Aさんがノートを拾った上段に、別のものを見つけたようだった。それは、藁人形のようだった。
神主がそれを拾い上げていった。
「これは……まずい事をしたかもしれない、除霊をしたとき、幽霊からはいやなものをかんじなかった、むしろ悪い感情を封じ込めているような、でもこれは……呪いそのものだ」
Aさんはその日夢をみた。元彼女がでてきてこういったそうだ。
「ありがとう、やっと私はあなたに近づける」
その後日、AさんはBさんが自殺したことをきいた。彼女と同じ方法で。あの藁人形には首つりのロープがくくられていたという。
元カノが自殺した話を聞いたのが発端だった。元カノの姿をあちこちで見るようになった。駅前、行きつけのカフェ、ゲームセンター。何科のメッセージかと悩んでいたが、次第に自分へのいやがらせかと思うようになった。
だが、数週間それが続いた後、その意味を理解できるようになった。元カノと別れたのは、彼女の愛が重すぎて自分がふったからだ。結婚をしようとか、一生一緒にいようとか、他の女と関わるなとか。Aさんは軽く話を受け流していたが次第にたえられなくなっていった。自分と別れたあとに自傷行為をするようになった話も聞いた。
「まさか、俺への当てつけなのか」
たしかに新しく彼氏を作った話をきいたが、彼とはあまりうまくいってなかったという。Aさんは暫く落ち込んでいると、学校の休憩時間に友人のBがはなしかけてきた。自分によくなついて、いつも気を使ってくれるし、優しいやつだ。もともといじめられていたのを助けてやってから、よく自分を頼るようになった、いまではそこそこ頼れる優し気な顔をした、昔から気の弱く背の低い友人。
「こんな事があったんだよ」
そう話しをすると。Aさんの狼狽する様子をみてか。Bがお祓いをすすめてきた。
数日後、一人で神社にいきお祓いをすませた。だが、その数日たってからも変わらず、ほとほとあきれ果てていた時に夢をみた。
「お祓いをして、あの場所から、私を解放して」
そう彼女がいうイメージがうかんだ。それは、彼女の住んでいたアパートの記憶だ。彼女は親元を離れ一人暮らしをしていた。いまでは事故物件となっているその場所へでむき、大分迷いはしたが、例の神主さんと大家さんに事情を話して、お祓いをすることにした。
しかし奇妙な事がきになった。Bから言われた事だ。
「決して自分以外はお祓いしてはだめだ」
そんな事を相談の時にいわれていたのだ。おかしなことをいう奴だと思っていたが、今は気にしてはいられない。
許可をえて家に立ち入り、その後、お祓いをすると、ゴトゴトと、押し入れの上段で音がした。Aさんがそれを開けるとノートがはいっていた。
「なんだ、これ」
それは元彼女がつづった日記、自分への恨みや、愛がささやかれているのがつらつらと続いた。パラパラとめくる。中央当たりで空白が続き、そこからはBに対する愛や恨みが書かれていた。
「どういう事だ?あの二人がつきあっていたのか?俺は何も……」
パラパラとめくる、そして、最後のページに赤い血の痕跡をみて。やぶらないように慎重にめくった。かろうじて見える最後の文字をよむ。
「一生一緒にいるといったのに、Aがあなたを捨てたのを知ってあなたに興味がうせたといってきた、結局、Bにとっては私はAのおさがりでしかなかったのだわ」
その前のかすれた文字をよむと、こうかかれてあった。
「彼は浮気をしていた、しかもそれをわざと私にわかるようにしているといった、私の重すぎる愛情をかわすためだと、早くわかれてほしかったと」
そして、また次のページをめくる。許せない許せないと書き綴られていた。
「そうか、あいつ……こんなひどい事を……」
「うああ!」
神主が声をあげた。Aさんがノートを拾った上段に、別のものを見つけたようだった。それは、藁人形のようだった。
神主がそれを拾い上げていった。
「これは……まずい事をしたかもしれない、除霊をしたとき、幽霊からはいやなものをかんじなかった、むしろ悪い感情を封じ込めているような、でもこれは……呪いそのものだ」
Aさんはその日夢をみた。元彼女がでてきてこういったそうだ。
「ありがとう、やっと私はあなたに近づける」
その後日、AさんはBさんが自殺したことをきいた。彼女と同じ方法で。あの藁人形には首つりのロープがくくられていたという。
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