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心霊スポットの冒険
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ある心霊スポットを訪ねる男女4人。男2人に女2人、A子はC子親友の女の子、とB男はカップル、D男はただの付き添いらしい。といってもC子は、ここにくるまでこんな大人数で行くとは聞いていなかった。そもそも少し不良気質のA子に誘われて無理やり連れてこられたのだ。
A子はいい子で、彼氏の男も金髪ではあるが、気を使える人だった。A子とC子は別々の高校だったが、幼馴染で仲が良く、気の使い方が特殊だが悪い子ではない。A子が去年母親を亡くしてからというもの余計に暗くなっていくA子の事を心配して、よく遊びにつれてきてくれたのだ。
電車をのりついで、心霊スポットへ、夜に差し掛かった頃の事だった。C子は、A子とB男の付き添いのような形で、もともと口数も少ないしおとなしい子なので、静かにこの心霊スポット探訪が終わることをねがっていた。
D男は、物静かな感じで、眼鏡こそしていないが、キリリと整った顔立ちをしている黒髪の好青年で、道中は遅れるC子を心配しながら、後ろを振り向きながら目配せをしてくれていて、優しい人だなと思った。
心霊スポットにつくと、その印象はがらりとかわった。突然、わっとおどかしたり、突然肩にてをかけてうしろでにやにやしていたりした。
(二人の知り合いだから、やっぱりおちゃらけたところがあるんだな)
と思った。
心霊スポットは廃旅館で、よくある落書きや野生動物の鳴き声らしきものが聞こえて驚いたりはしたが、特段何もなく、A子が帰ろうといいかけた。すると、B男がいった。
「じゃじゃーん、俺、カメラもってきました」
と、リュックから取り出す。
「うげ!」
A子はそれでも引き下がらず。
「もういいから、それは今度使おう」
「いいじゃーん、俺、幽霊みたいもの、そうだよなC子ちゃんも、ずっとみたいっていってたじゃん」
そういいながら、彼はいい場所をみつけてカメラを設置した。C子は黙り込んでしまった。C子は確かに幽霊が見たかった。しかしそれは、母親の幽霊だ。C子と同じく少し暗めでおっとりとした性格の母とC子はとても仲が良かった。母はよく幽霊をみた。本当かどうかわからなかったが、そんな事はどうでもよかった。母が病気でなくなってから、毎日いのったのだ。
“お母さん、どんな形でもいいから、お母さんがいまでも元気でいるところをみせて”
二人が言い合いになっていて、A子が折れそうになっているとき、そのタイミングで勇気をだして、目を伏せていたC子が顔をあげていった。
「私は……今日は帰りたいです……ここは、よくない感じがする」
B男「は?」
A子「……」
B男「ちょっとちょっとC子ちゃん、それはさめるじゃん、ここにきたのだってA子が君のためをおもって……」
A子「ちょ、やめてよ」
二人が言い合いをしていると、D男もわけいってきた。そして彼はいった。
「ここはよくない気がする、それは確かだ、ここで昔、ある事件が起きたんだ……ここをこっそり息抜きや勉強につかっていた地元の高校生が殺された、それから、ここは心霊スポットとして噂されるようになった……死にたくなければ……」
《ドタン!!!》
そのとき、廃旅館のぼろぼろの扉が閉じる音がした。
「今の何!?」
A子とC子は音におびえてそれどころじゃなかったが……みるとB男とD男はとっくみあいをしていた。
B男「話せ!!!何だ!!これ!!」
D男「もう、やめろ、早く、帰るんだよ!!」
C子は、恐ろしくなって叫んだ。
「やめて!!二人とも喧嘩をしないで」
となりでA子が、口に手を当てておびえている。
「A子?」
「どうして……」
「??」
「どうして、B男は、何もないのに、とっくみあいをしているの、相手は何?姿はみえないけれど、B男はたしかに、何かともみあってる!!」
「!!」
その時、C子は気づいた。そういえば、A子とB男は、この人と一切話をしていなかったことを、C子自体が無口だから、勝手に仲間の友達だと思って気にしていなかったが、初めから彼は……。
「ククククク」
不敵に笑うD男、その直後、B男はふきとばされて、壁に直撃し、気を失った。そのD男が後ろをふりむくと……そこにはD男とそっくり、というより瓜二つの男がたっていた。
「お前が……B男を!」
B男は、後ろからあらわれた瓜二つの存在につかみかかっていった。ころがるふたり、そして、なぐりあい、立ち位置がコロコロかわる。
C子は、隣をみる、とA子が気を失っている、まずは彼女を抱えて……廃墟の外に……。警察に電話をかけた。そして屋内に戻る。
みると二人のD男は向かい合って身動きがとれないようだった。使えるものはないか、とかってに倒れているB男に近づきバックを漁る、と、どうやらお札らしきものをみつけた。
二人のD男は、こちらを見てそれに気づいた。
右のD男「それを、こいつにぶつけてくれないか」
左のD男「いい子だから、俺にはやめてくれよ……冗談じゃない」
C子は、逡巡した。こういうとき、何を頼ればいいだろう。親友は意識をうしなっているし、その彼氏もそこにねているし、どうしようもない。考えろ、考えろ、そこで、彼女はある問を二人にぶつけた。
「あなたたちは、幽霊なの?」
すると、左のD男は即答した。
「そうだ」
右のD男はまよって
「それは……」
即座に、C子は左のD男にお札をぶつけた。
「幽霊は、自分から幽霊だってなのったりしない、お母さんがいってたわ」
次の瞬間、左のD男は形がくずれ、みるとぼろぼろに焼け焦げたような人の形になっていた。
やがて、パトカーの音が鳴り響くころ、いままでの疲れがたまって、C子も気を失った。目が覚めると警察署で最初におきたA子とB男が事情をきかれていた。やがて自分も病院に運ばれて異常がなかったためいったんここへ引き取られたのだときかされた。そして、取り調べをうけた。その人は60代くらいのおじさん警官だった。C子はこれまであったことを話した。B男が所持していたカメラをみたが、そこにはやはりD男の姿はうつっていなかった。
すべてを聞きおわると、その警官はある話を聞かせてくれた。
「君のおじさん、若いころなくなっているでしょう、そして君の母親はこの街(隣町、廃旅館のある街)出身だね」
「どうしてそれを?」
「ちょっと調べてみたんだ、僕はここでの勤務が長くてね、高校生がなくなった事件はよく覚えているんだ、なにせ、彼からはよく通報があったから、それでちょっと思い出しがてらしらべてみたんだ、ホラ」
警官は新聞の切り抜きをみせてくれた。そこには、彼女の叔父の名前があった。そしてその顔写真はあのときみたD男そっくりの姿だった。
「まあ、偶然だろうが、もしかしたら君がみたという青年は、君の叔父だったかもしれないねえ、彼は変わった子で、今の君たちみたいに心霊スポットに出かけては、うちに通報してきたりしたもんだ、実際、事件現場を目撃して警察に貢献したこともあったが、まあ、表ざたにはされてはないよ……でも、今度からはそういう場所にうかつに近づいてはいけないよ」
と念をおされたのだった。
暫くすると困り顔で父親がかけつけて、家に帰ることになった。父親は、車内でこんな話をしてくれた。
「お母さんは、おじさんの事をヒーローのようにおもっていた、お母さんより霊感がつよくて、その力を人の役にたてたいとおもっていて実際何度か役にたったことがある、けれどそれを“幽霊”のために役に立てたいといいだしてから、おかしくなったようだ、心霊スポットに通い詰めては、幽霊と対話する方法をさがしていた、だがあの廃旅館で死ぬのが発見される直前、こんな事をいっていたようだ、“本当にいいひとや悪い人がいるように、幽霊にもそういうものがいるようだ”」
C子は思い出していた。あのときD男を模したあの幽霊は、そもそもD男が殺され事件になる前からいたんだ。心霊がいるから、事件がおこったのだと。
それからC子は父親に、家にかえってもつよくだきしめられ、危ない事をするなと泣きつかれたので、それ以来そうした場所には近づかなくなったという。
A子はいい子で、彼氏の男も金髪ではあるが、気を使える人だった。A子とC子は別々の高校だったが、幼馴染で仲が良く、気の使い方が特殊だが悪い子ではない。A子が去年母親を亡くしてからというもの余計に暗くなっていくA子の事を心配して、よく遊びにつれてきてくれたのだ。
電車をのりついで、心霊スポットへ、夜に差し掛かった頃の事だった。C子は、A子とB男の付き添いのような形で、もともと口数も少ないしおとなしい子なので、静かにこの心霊スポット探訪が終わることをねがっていた。
D男は、物静かな感じで、眼鏡こそしていないが、キリリと整った顔立ちをしている黒髪の好青年で、道中は遅れるC子を心配しながら、後ろを振り向きながら目配せをしてくれていて、優しい人だなと思った。
心霊スポットにつくと、その印象はがらりとかわった。突然、わっとおどかしたり、突然肩にてをかけてうしろでにやにやしていたりした。
(二人の知り合いだから、やっぱりおちゃらけたところがあるんだな)
と思った。
心霊スポットは廃旅館で、よくある落書きや野生動物の鳴き声らしきものが聞こえて驚いたりはしたが、特段何もなく、A子が帰ろうといいかけた。すると、B男がいった。
「じゃじゃーん、俺、カメラもってきました」
と、リュックから取り出す。
「うげ!」
A子はそれでも引き下がらず。
「もういいから、それは今度使おう」
「いいじゃーん、俺、幽霊みたいもの、そうだよなC子ちゃんも、ずっとみたいっていってたじゃん」
そういいながら、彼はいい場所をみつけてカメラを設置した。C子は黙り込んでしまった。C子は確かに幽霊が見たかった。しかしそれは、母親の幽霊だ。C子と同じく少し暗めでおっとりとした性格の母とC子はとても仲が良かった。母はよく幽霊をみた。本当かどうかわからなかったが、そんな事はどうでもよかった。母が病気でなくなってから、毎日いのったのだ。
“お母さん、どんな形でもいいから、お母さんがいまでも元気でいるところをみせて”
二人が言い合いになっていて、A子が折れそうになっているとき、そのタイミングで勇気をだして、目を伏せていたC子が顔をあげていった。
「私は……今日は帰りたいです……ここは、よくない感じがする」
B男「は?」
A子「……」
B男「ちょっとちょっとC子ちゃん、それはさめるじゃん、ここにきたのだってA子が君のためをおもって……」
A子「ちょ、やめてよ」
二人が言い合いをしていると、D男もわけいってきた。そして彼はいった。
「ここはよくない気がする、それは確かだ、ここで昔、ある事件が起きたんだ……ここをこっそり息抜きや勉強につかっていた地元の高校生が殺された、それから、ここは心霊スポットとして噂されるようになった……死にたくなければ……」
《ドタン!!!》
そのとき、廃旅館のぼろぼろの扉が閉じる音がした。
「今の何!?」
A子とC子は音におびえてそれどころじゃなかったが……みるとB男とD男はとっくみあいをしていた。
B男「話せ!!!何だ!!これ!!」
D男「もう、やめろ、早く、帰るんだよ!!」
C子は、恐ろしくなって叫んだ。
「やめて!!二人とも喧嘩をしないで」
となりでA子が、口に手を当てておびえている。
「A子?」
「どうして……」
「??」
「どうして、B男は、何もないのに、とっくみあいをしているの、相手は何?姿はみえないけれど、B男はたしかに、何かともみあってる!!」
「!!」
その時、C子は気づいた。そういえば、A子とB男は、この人と一切話をしていなかったことを、C子自体が無口だから、勝手に仲間の友達だと思って気にしていなかったが、初めから彼は……。
「ククククク」
不敵に笑うD男、その直後、B男はふきとばされて、壁に直撃し、気を失った。そのD男が後ろをふりむくと……そこにはD男とそっくり、というより瓜二つの男がたっていた。
「お前が……B男を!」
B男は、後ろからあらわれた瓜二つの存在につかみかかっていった。ころがるふたり、そして、なぐりあい、立ち位置がコロコロかわる。
C子は、隣をみる、とA子が気を失っている、まずは彼女を抱えて……廃墟の外に……。警察に電話をかけた。そして屋内に戻る。
みると二人のD男は向かい合って身動きがとれないようだった。使えるものはないか、とかってに倒れているB男に近づきバックを漁る、と、どうやらお札らしきものをみつけた。
二人のD男は、こちらを見てそれに気づいた。
右のD男「それを、こいつにぶつけてくれないか」
左のD男「いい子だから、俺にはやめてくれよ……冗談じゃない」
C子は、逡巡した。こういうとき、何を頼ればいいだろう。親友は意識をうしなっているし、その彼氏もそこにねているし、どうしようもない。考えろ、考えろ、そこで、彼女はある問を二人にぶつけた。
「あなたたちは、幽霊なの?」
すると、左のD男は即答した。
「そうだ」
右のD男はまよって
「それは……」
即座に、C子は左のD男にお札をぶつけた。
「幽霊は、自分から幽霊だってなのったりしない、お母さんがいってたわ」
次の瞬間、左のD男は形がくずれ、みるとぼろぼろに焼け焦げたような人の形になっていた。
やがて、パトカーの音が鳴り響くころ、いままでの疲れがたまって、C子も気を失った。目が覚めると警察署で最初におきたA子とB男が事情をきかれていた。やがて自分も病院に運ばれて異常がなかったためいったんここへ引き取られたのだときかされた。そして、取り調べをうけた。その人は60代くらいのおじさん警官だった。C子はこれまであったことを話した。B男が所持していたカメラをみたが、そこにはやはりD男の姿はうつっていなかった。
すべてを聞きおわると、その警官はある話を聞かせてくれた。
「君のおじさん、若いころなくなっているでしょう、そして君の母親はこの街(隣町、廃旅館のある街)出身だね」
「どうしてそれを?」
「ちょっと調べてみたんだ、僕はここでの勤務が長くてね、高校生がなくなった事件はよく覚えているんだ、なにせ、彼からはよく通報があったから、それでちょっと思い出しがてらしらべてみたんだ、ホラ」
警官は新聞の切り抜きをみせてくれた。そこには、彼女の叔父の名前があった。そしてその顔写真はあのときみたD男そっくりの姿だった。
「まあ、偶然だろうが、もしかしたら君がみたという青年は、君の叔父だったかもしれないねえ、彼は変わった子で、今の君たちみたいに心霊スポットに出かけては、うちに通報してきたりしたもんだ、実際、事件現場を目撃して警察に貢献したこともあったが、まあ、表ざたにはされてはないよ……でも、今度からはそういう場所にうかつに近づいてはいけないよ」
と念をおされたのだった。
暫くすると困り顔で父親がかけつけて、家に帰ることになった。父親は、車内でこんな話をしてくれた。
「お母さんは、おじさんの事をヒーローのようにおもっていた、お母さんより霊感がつよくて、その力を人の役にたてたいとおもっていて実際何度か役にたったことがある、けれどそれを“幽霊”のために役に立てたいといいだしてから、おかしくなったようだ、心霊スポットに通い詰めては、幽霊と対話する方法をさがしていた、だがあの廃旅館で死ぬのが発見される直前、こんな事をいっていたようだ、“本当にいいひとや悪い人がいるように、幽霊にもそういうものがいるようだ”」
C子は思い出していた。あのときD男を模したあの幽霊は、そもそもD男が殺され事件になる前からいたんだ。心霊がいるから、事件がおこったのだと。
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