能力譲渡

ショー・ケン

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能力譲渡

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 近未来、才能を譲渡できるシステムが開発される。だれもが後頭部に脳機能を拡張させる外部コンピューターをもち、それによって融通が利くのだった。

 ある貧乏な青年がなんとかお金をためて、裏ルートでその“能力”をてにいれた。青年は近頃流行の絵画の能力を手に入れた。青年の絵はすごく売れたし、人気はウナギ上りだった。青年は自分の先見の明を誇りにおもった、いわく
「AI技術によってこうした能力の価値がなくなるとおもって多くの人々が安売りしたりすると思ったのだ、そこを買い付けた俺の能力がすぐれていた」
 だがしばらくして彼が買い取ったその能力の個体番号がかつて犯罪によって殺された芸術家から奪われたものだと判明し、彼は炎上、なくなく仕事を別のものに変え、能力を手放した。

 その裏側で犯罪者や富裕層はほくそえんでいた。トレンドを読んでこそ“投資”だとかたる。ただ、彼の能力は“ロンダリング”に利用されたにすぎないのだった。あるいは“インサイダー取引”に。青年の思惑とは違い、人の才能は、まるで株や貨幣のように扱われているのにすぎないのだった。

 彼の捨てた能力は、しばらくして箔がつくのだ。
“かつての事件を知らずに才能をかいとり、哀れにも人々に責められた若者芸術家の才能” 
 人々はそれを安く買い取った人間が、どんな人間かも知らず、その才能の価値を称えるのだった。
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