愛ある殺し屋

ショー・ケン

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愛ある殺し屋

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 ある少女。表面上は静かな高校生だったが、裏では殺し屋をやっていた。それも闇社会の人間ばかりを殺す。そして彼女の最後の目的は、両親を殺した犯人を捕まえ、殺すこと。

 だが、その時ギリギリまできて、その犯人が一組の夫婦とわかり、戦い、おいつめ、その殺し屋―夫妻―をしばりつけ、弱らせ、スラムの廃墟にはこび、そこで銃殺しようとした瞬間、夫妻はいった。
「君はこれからどうやって生きていくつもりだ?」
「私たちは、あなたに必要なものはなんでもあげられる」
「ふっ」
 ありきたりなセリフだと、少女は笑う。こんなしょうもない人間に良心は殺されたのか。と。
 すると旦那の方が笑い始めた。
「君は、狂気を捨てて生きていけるのかい?復讐の意味を失ってこれからどうやって生きていけるのか、なにより、君の生きる糧は“僕ら”が授けた、僕らの物を継承したのだ」
 ついに自分たちの危機に気がふれたかとおもった、たしかに、彼らはこれまでのどのターゲットより強かったが、所詮いまは完全に縛られ敗北を期している。あとは時間の問題だ。だが、気がかわったのは、彼女と夫妻の間に、自分によくにた、少し年上の人間が現れたからだ。
「やめて、お願い、あなたは、あなたの両親は本当の親じゃないわ、訳を話すから」
 そうして語られたのは、少女が知らない世界の事だった。

 やがて、少女は、世界の真相、それを聞くと銃を下ろした。旦那が、そして妻が次々に話した。
「やはり、君は復讐なしには生きられない」
「凶器の世界へようこそ、私たちと同じ世界に」

 そして少女は、その夫婦のいうように“すべて”を欲した。生活費用、そして彼らと“養子縁組”の契約をすること。少女は、そのことを信頼できる親友に話している。親友もいい意味でくるった人物だ、それを理解しながら、彼らの親子関係をみとめている。
「あんたさあ、本当に両親に愛されているの?」
「愛の証明、あるよ、両親が自分の両親を殺した意味を教えてくれないことかな」
「それのどこが」
「私は知っているの、政府は違法なクローン実験を行っているわ、そこで、それに反対する勢力との激しい紛争が続いていた、今の両親はそれに巻き込まれただけ、その後の真相、彼らが私に話していないことは、始めの犠牲者が、スラムでそだった今の両親であり、かつ、彼らをさらったのが、私が最初に育てられていた両親だったのよ、あの時彼らが私に話したこと、それは私が彼らのクローンであるという事よ」
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