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心霊ハンターとヴァンパイア

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 ある心霊ハンターがヴァンパイアがよく出没するというある場所に向かった。誰もが怖れる夜にそこへ向かう。荒らされ放題の古城。普通の人間には見えないだろうが塔の天辺にその姿を発見し、彼は気軽にそれに話かけた。
「やあ」
 窓辺に佇むヴァンパイア、のっそりと振り返る。貫禄がすごいひげと、鋭い目つき。
「なぜここへきたあ」
「お前が悪さをするからだ」
「悪さ?食欲も我慢し、ありとあらゆる欲を我慢し、自給自足のために必死で働いているのに畑は荒らされ夜には心霊スポットとして大勢の人間が不法侵入する」
「化け物に法も何もあるか、お前が最も恐れられている理由をお前はしっているだろう?」
 首をひねるヴァンパイア。心霊ハンターがいう。
「自殺を繰り返しているからだろう?」
「それは……」
 ヴァンパイアは思い出す。そして語りだしたのだ。
「これは仕方がないことなのだ、私の仲間は私を”ヴァンパイアキング”として唯一の生き残りにした、なぜなら、君たちの歴史にはないだろうが、ある時期に教会にも、狼男にも敵にまわされ、双方が私たちだけを狙って、一族は耐えかねたのだ、なぜなら、我々は”人間の血”を飲まなければ生きながらえることができず、最も証拠が残るのがそれだったからだ、そして一族はある方法を考案した、多くの人間と血液を儀式に使い、自分たちのうち一人を選び、彼に自分たちの寿命の全てを渡すという悪魔の儀式だ、そうして私がうまれた、強力なヴァンパイア、強く、死なない、しかし、私が死ぬ事は許されないのだ……」
 心霊ハンターは少しかわいそうにおもった。
「別に死を繰り返す事はないじゃないか」
「私はもうすべてに絶望しているのだ、ほっておいてくれ」
「相談にのってやろうか?」
「いや……これは罰なのだ」

 その日は心霊ハンターの彼はさったが。"ヴァンパイアキング"彼が話していない事があった。彼が頭首だったころ、彼は怠け者で、気弱で臆病者だった。人間の血すら自分から吸う事はできなかった。故に一族は弱体化した。その時の一族が、彼に呪いをかけたのだ。
"1に子孫を作るまで、2に心からの懺悔、それまで死ぬこと許さない、生き残り苦しみ続けろ"
 そうして彼は、生き残って苦しみつづけている。これほど臆病で自虐的な自分を好きになるものが現れるまで、そのものを自分が好きになるまで。

 そう話しながら、ヴァンパイアの体は震えていた。狼男の子孫が直ぐ傍にいるとしっていた。それこそがこの"心霊ハンター"彼は毎日たずねてきたが、その彼がきていない時に、恐ろしくて自殺をするふりを繰り返していたのだった。それだけではない。これまでくるハンターはなにがしかの協力な怪物の子孫だったので、彼は恐ろしくてしたがないのだ。霊力が強い人間はなにがしか強い一族の子孫。そして怖いのだ"彼らの中の魔物"が顔を出すのが。
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