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占い結果
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優秀な占い師のもとを訪れた二人。
レズカップルだった。
運命なんてないわ、あなたに重い執着もしていないそう語るA
きっと私たちは運命の人よ、一生一緒にいられるか、占ってもらいましょうというB
そして、二人は占いの館に入る。この館は二人の住む米国で最も人気で有名だった。百発百中というほどに信頼されていた。そして出てきたとき、Bは顔面蒼白だった。厳かな様子の占い師にBは言われたのだ。
「二人の前世は親子であり、Bが親、Aは娘で、何度となくBは娘に殺されたのだと」
「こんなの信じるべきじゃないわ」
とBにAは語る、だがBの落ち込みようをみて、ニヤリ、と笑う。実は以前Aはこの館にすでに一人できていたのだ、占いの結果を知っていた。
それだけではない、数日前、すでにこの館を訪れていたAは、Bにわいろを贈っていた。そして今度のウソをつくように頼んでいたのだ。そう、今度の占い結果はインチキだったのだ。
その後二人は占いの結果を信じて、やがてAは取りつかれたようにBを責めるようになった、お母さんと口にしたり、今度はどうやって殺すつもりとヒステリックにしてみたり、そももそも占い師の館にいく前日に、ある湖を訪れていたが、その場所でAはBに殺されたこともあると、占い師に言わせたりした、Bは深く落ち込み信じ込んでいた。すべては“計画”の一部。
数か月後。白い部屋。
「それで、無理心中といって自分だけ毒性のない薬をのんで、彼女を殺したと、しかし、それで君に何の得がある?保険金をかけたわけでもなかったろう、一体君はどうして彼女をそんなに憎んだんだい」
と取調室で刑事がAに質問する。
「そうねえ……愛かしら、彼女は、時折私以外の運命の人、それも男に目移りしているときがあったから」
「それだけの事で殺したのか!」
刑事がバン!!と机をたたいた。
「それだけ?一大事でしょ、運命とか前世とかどうでもよかったのよ、彼女があそこに行きたいというまでは……私は私を選びつづけてほしかった、そのためにすべて準備をしてきた、それなのに彼女は……あの占い師だって、わいろを受け取らないといったから、脅したの、ハッタリだけどあなたの家族を狙うってね」
「占い師は何といったのだ?その……占いというものは」
一呼吸おいて、彼女はいった。
「あなたたちは何度人生を繰り返しても、初めに付き合うほど仲良くなるが、けれど必ず結ばれず別れ、縁が遠くなっていく」
「……そんなものを信じて」
刑事は頭を抱えた。
「それですべてを思い出したのよ、彼女の運命の人は私じゃない、私はリンネを繰り返すたびに、彼女と出会い仲良くなったけれど、完全に結ばれる事はなかった、恋なかになれなかったり、迫害されたり、そういう事もあった、占い師の言葉は完全じゃない、肌感覚で思い出したのよ、そして何より彼女が、どの前世でも、私をおいて本当に好きな人を、運命の人を見つけて……そのたび私は苦しんで、苦しみぬいて、この世に絶望して自殺をしたって事をね、それで話をでっち上げた、もちろん復讐心からではないわ……愛していて、その愛が届かないと知ったからよ、だから今世では、自分の思い通りにならないなら死んじゃえと思ったんだ、だから話を創作したの、いまならまだ“運命の人”に会っていない彼女は
レズカップルだった。
運命なんてないわ、あなたに重い執着もしていないそう語るA
きっと私たちは運命の人よ、一生一緒にいられるか、占ってもらいましょうというB
そして、二人は占いの館に入る。この館は二人の住む米国で最も人気で有名だった。百発百中というほどに信頼されていた。そして出てきたとき、Bは顔面蒼白だった。厳かな様子の占い師にBは言われたのだ。
「二人の前世は親子であり、Bが親、Aは娘で、何度となくBは娘に殺されたのだと」
「こんなの信じるべきじゃないわ」
とBにAは語る、だがBの落ち込みようをみて、ニヤリ、と笑う。実は以前Aはこの館にすでに一人できていたのだ、占いの結果を知っていた。
それだけではない、数日前、すでにこの館を訪れていたAは、Bにわいろを贈っていた。そして今度のウソをつくように頼んでいたのだ。そう、今度の占い結果はインチキだったのだ。
その後二人は占いの結果を信じて、やがてAは取りつかれたようにBを責めるようになった、お母さんと口にしたり、今度はどうやって殺すつもりとヒステリックにしてみたり、そももそも占い師の館にいく前日に、ある湖を訪れていたが、その場所でAはBに殺されたこともあると、占い師に言わせたりした、Bは深く落ち込み信じ込んでいた。すべては“計画”の一部。
数か月後。白い部屋。
「それで、無理心中といって自分だけ毒性のない薬をのんで、彼女を殺したと、しかし、それで君に何の得がある?保険金をかけたわけでもなかったろう、一体君はどうして彼女をそんなに憎んだんだい」
と取調室で刑事がAに質問する。
「そうねえ……愛かしら、彼女は、時折私以外の運命の人、それも男に目移りしているときがあったから」
「それだけの事で殺したのか!」
刑事がバン!!と机をたたいた。
「それだけ?一大事でしょ、運命とか前世とかどうでもよかったのよ、彼女があそこに行きたいというまでは……私は私を選びつづけてほしかった、そのためにすべて準備をしてきた、それなのに彼女は……あの占い師だって、わいろを受け取らないといったから、脅したの、ハッタリだけどあなたの家族を狙うってね」
「占い師は何といったのだ?その……占いというものは」
一呼吸おいて、彼女はいった。
「あなたたちは何度人生を繰り返しても、初めに付き合うほど仲良くなるが、けれど必ず結ばれず別れ、縁が遠くなっていく」
「……そんなものを信じて」
刑事は頭を抱えた。
「それですべてを思い出したのよ、彼女の運命の人は私じゃない、私はリンネを繰り返すたびに、彼女と出会い仲良くなったけれど、完全に結ばれる事はなかった、恋なかになれなかったり、迫害されたり、そういう事もあった、占い師の言葉は完全じゃない、肌感覚で思い出したのよ、そして何より彼女が、どの前世でも、私をおいて本当に好きな人を、運命の人を見つけて……そのたび私は苦しんで、苦しみぬいて、この世に絶望して自殺をしたって事をね、それで話をでっち上げた、もちろん復讐心からではないわ……愛していて、その愛が届かないと知ったからよ、だから今世では、自分の思い通りにならないなら死んじゃえと思ったんだ、だから話を創作したの、いまならまだ“運命の人”に会っていない彼女は
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